終列車

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40:終列車 公民館裏口の扉を開け、兎の少女は公民館の中へ足を踏み入れた。 手には回転式拳銃コルトパイソン.357マグナムが握られている。 (何だかんだ言って…結構長い事生き残れてるよね、私…) 裏口からしばらく通路を進むと、T字路に差し掛かった。 (…? 何この臭い…) 少女、月宮奈緒子は公民館に似つかわしく無い強烈な刺激臭を嗅ぎ付ける。 以前、理科の授業で何かの薬品を使った時に嗅いだ臭いにそれは似ていた。 そして通路を左に曲がった時、その臭いの発生源が見えた。 「うっ…!?」 虎獣人の少女の死体が通路に横たわっていた。 銃で撃ち殺されたようだが、衣服や顔が焼け爛れている。火によるものでは無さそうだ。 と言うのも周りの床も部分的に爛れており、また、薬品の瓶らしき物の破片が散らばっている。 臭いを我慢しながら薬品の瓶の破片の一部、ラベルが残っている部分を良く見ると、微かに「硫酸」の文字が読み取れた。 「硫酸…えげつない」 硫酸で皮膚を溶かされるのは勘弁だと思いつつ、死体を跨ぎ通路の奥へ進む奈緒子。 様々な部屋があるが、扉に施錠されてて入れなかったり、開きっ放しになっていたりしている。 人の姿は今の所見えない。 (血の臭い…) 入口ホールらしき場所に近付くと今度は濃密な血の臭いが漂ってきた。 ホール内に入ると、三人分の死体が転がっていた。 銀髪の黒い服を着た青年、黒髪の青年、シェパード種犬獣人の少女。何れも血塗れで無惨な姿だ。 今まで二人の参加者を手に掛けた奈緒子も流石に気分が悪くなる。 死体から目を背けつつ、正面入口の方に見える図書室への扉に向かおうとした時。 背後から殺気を感じた。 奈緒子は後ろを振り向いた。 「……」 誰もいない。奈緒子はホッとした。 「ちょっと、気張り過ぎかn」 ダダダダダダダダダダダダダッ!! 頭上から鉄の雨が注ぐなど、奈緒子は思いも寄らなかっただろう。 自分に何が起きたのか分からないまま月宮奈緒子は逝った。 ホールの数メートル上の壁にある出っ張りの部分に、IMIマイクロウージーを構えた小神さくらが立っていた。 数メートル下の床に苦も無く着地すると、止めに残った弾を倒れた奈緒子に向け掃射し、マイクロウージーのマガジンを交換した。 「……」 そして奈緒子の持っていたコルトパイソンを拾い上げようとした時だった。 ガチャ 正面玄関の扉が開き、五人の参加者が現れる。 額賀甲子太郎、浅井きらら、浅井政喜、比良坂守治、安田愛。この殺し合いにおける生存者がここに集結した形となった。 「! …これは……」 甲子太郎が眉を潜める。他の四人も同様の反応だ。 ホール内に四人分の死体、漂う血の臭い、そこに一人血塗れの少女が立っているのだから。 少女、さくらは無言で現れた五人にマイクロウージーを向け、引き金を引く。 ダダダダダダダダダダダダダッ!! 甲子太郎は素早く右に逃げた。政喜はきららの首根っこを加え左に逃げた。 だが、守治と愛は逃げ遅れ、銃弾の雨に晒された。 「ア……」 愛は身体中が熱くなったと思ったが、直後に意識が消えた。 「ゲフッ…こ、のおおおおおおお!!!」 血を吐き出しながら、守治は最期の力を振り絞って持っていたAK-47をさくらに向けて発射する。 7.62㎜×39弾がさくらの身体を引き裂いた。 「……!」 胴体と左腕に掃射が命中し、さくらの血と肉片が飛び散った。 左腕はもはや上腕部から皮一枚で繋がっているような状態でもう使えない。 更に、今まで銃弾を食らい続けてきた肉体はそろそろ限界を迎えようとしていた。 「ガハッ…ちく、しょ、う……」 守治はその場に崩れ落ち、息絶えた。 「守治君…」 「きらら、ここにいて」 「! 政喜…」 政喜と甲子太郎は二人でさくらに襲い掛かった。 さくらは吐血しながら、マイクロウージーの銃口を向けようとするが、身体が言う事を聞かない。 そして、まず、政喜が口に咥えた剣鉈による斬撃がさくらの銃を持った右手を斬り飛ばした。 次に、刀を構えた甲子太郎が、さくら目掛けて一気に刀を振り下ろした。 ザシュッ!!! 鮮血が飛び散った。 「…………」 今まで何人もの参加者を屠った少女も、遂に最期の時を迎える事となった。 「はぁ…はぁ…はぁ……」 「ゼェ……ゼェ……ゼェ」 「……っ……!」 生き残った三人の、息遣いだけがホールの中に響いていた。 &color(red){【月宮奈緒子  死亡】} &color(red){【安田愛  死亡】} &color(red){【比良坂守治  死亡】} &color(red){【小神さくら  死亡】} &color(red){【残り3人】} 【昼/D-4公民館】 【額賀甲子太郎】 [状態]左頬に傷、悲しみ [服装]着物 [装備]直刀 [持物]基本支給品一式、仕込杖 [思考] 1:殺し合いを止める。首輪をどうにかしたい。襲われたら戦うが出来るだけ殺したくは無い。 2:……。 [備考] ※紫前武尊を知っています。 【浅井きらら】 [状態]良好、悲しみ [服装]一応私服 [装備]Cz75(15/15) [持物]基本支給品一式、Cz75予備マガジン(15×3) [思考] 1:殺し合いはしない。生き残りたい。政喜から離れない。 2:……。 [備考] ※特に無し。 【浅井政喜】 [状態]良好、悲しみ [服装]無し [装備]剣鉈 [持物]基本支給品一式 [思考] 1:殺し合いはしない。生き残りたい。きららから離れない。 2:……。 [備考] ※特に無し。 |[[一番楽な方法]]|時系列順|[[第二回放送(俺オリロワ2nd)]]| |[[一番楽な方法]]|投下順|[[第二回放送(俺オリロワ2nd)]]| |[[BRIGHTEST DARKNESS]]|&color(red){月宮奈緒子}|&color(red){死亡}| |[[冷血なりせば]]|&color(red){小神さくら}|&color(red){死亡}| |[[一番楽な方法]]|額賀甲子太郎|[[]]| |[[一番楽な方法]]|浅井きらら|[[]]| |[[一番楽な方法]]|浅井政喜|[[]]| |[[一番楽な方法]]|&color(red){比良坂守治}|&color(red){死亡}| |[[一番楽な方法]]|&color(red){安田愛}|&color(red){死亡}|
40:終列車 公民館裏口の扉を開け、兎の少女は公民館の中へ足を踏み入れた。 手には回転式拳銃コルトパイソン.357マグナムが握られている。 (何だかんだ言って…結構長い事生き残れてるよね、私…) 裏口からしばらく通路を進むと、T字路に差し掛かった。 (…? 何この臭い…) 少女、月宮奈緒子は公民館に似つかわしく無い強烈な刺激臭を嗅ぎ付ける。 以前、理科の授業で何かの薬品を使った時に嗅いだ臭いにそれは似ていた。 そして通路を左に曲がった時、その臭いの発生源が見えた。 「うっ…!?」 虎獣人の少女の死体が通路に横たわっていた。 銃で撃ち殺されたようだが、衣服や顔が焼け爛れている。火によるものでは無さそうだ。 と言うのも周りの床も部分的に爛れており、また、薬品の瓶らしき物の破片が散らばっている。 臭いを我慢しながら薬品の瓶の破片の一部、ラベルが残っている部分を良く見ると、微かに「硫酸」の文字が読み取れた。 「硫酸…えげつない」 硫酸で皮膚を溶かされるのは勘弁だと思いつつ、死体を跨ぎ通路の奥へ進む奈緒子。 様々な部屋があるが、扉に施錠されてて入れなかったり、開きっ放しになっていたりしている。 人の姿は今の所見えない。 (血の臭い…) 入口ホールらしき場所に近付くと今度は濃密な血の臭いが漂ってきた。 ホール内に入ると、三人分の死体が転がっていた。 銀髪の黒い服を着た青年、黒髪の青年、シェパード種犬獣人の少女。何れも血塗れで無惨な姿だ。 今まで二人の参加者を手に掛けた奈緒子も流石に気分が悪くなる。 死体から目を背けつつ、正面入口の方に見える図書室への扉に向かおうとした時。 背後から殺気を感じた。 奈緒子は後ろを振り向いた。 「……」 誰もいない。奈緒子はホッとした。 「ちょっと、気張り過ぎかn」 ダダダダダダダダダダダダダッ!! 頭上から鉄の雨が注ぐなど、奈緒子は思いも寄らなかっただろう。 自分に何が起きたのか分からないまま月宮奈緒子は逝った。 ホールの数メートル上の壁にある出っ張りの部分に、IMIマイクロウージーを構えた小神さくらが立っていた。 数メートル下の床に苦も無く着地すると、止めに残った弾を倒れた奈緒子に向け掃射し、マイクロウージーのマガジンを交換した。 「……」 そして奈緒子の持っていたコルトパイソンを拾い上げようとした時だった。 ガチャ 正面玄関の扉が開き、五人の参加者が現れる。 額賀甲子太郎、浅井きらら、浅井政喜、比良坂守治、安田愛。この殺し合いにおける生存者がここに集結した形となった。 「! …これは……」 甲子太郎が眉を潜める。他の四人も同様の反応だ。 ホール内に四人分の死体、漂う血の臭い、そこに一人血塗れの少女が立っているのだから。 少女、さくらは無言で現れた五人にマイクロウージーを向け、引き金を引く。 ダダダダダダダダダダダダダッ!! 甲子太郎は素早く右に逃げた。政喜はきららの首根っこを加え左に逃げた。 だが、守治と愛は逃げ遅れ、銃弾の雨に晒された。 「ア……」 愛は身体中が熱くなったと思ったが、直後に意識が消えた。 「ゲフッ…こ、のおおおおおおお!!!」 血を吐き出しながら、守治は最期の力を振り絞って持っていたAK-47をさくらに向けて発射する。 7.62㎜×39弾がさくらの身体を引き裂いた。 「……!」 胴体と左腕に掃射が命中し、さくらの血と肉片が飛び散った。 左腕はもはや上腕部から皮一枚で繋がっているような状態でもう使えない。 更に、今まで銃弾を食らい続けてきた肉体はそろそろ限界を迎えようとしていた。 「ガハッ…ちく、しょ、う……」 守治はその場に崩れ落ち、息絶えた。 「守治君…」 「きらら、ここにいて」 「! 政喜…」 政喜と甲子太郎は二人でさくらに襲い掛かった。 さくらは吐血しながら、マイクロウージーの銃口を向けようとするが、身体が言う事を聞かない。 そして、まず、政喜が口に咥えた剣鉈による斬撃がさくらの銃を持った右手を斬り飛ばした。 次に、刀を構えた甲子太郎が、さくら目掛けて一気に刀を振り下ろした。 ザシュッ!!! 鮮血が飛び散った。 「…………」 今まで何人もの参加者を屠った少女も、遂に最期の時を迎える事となった。 「はぁ…はぁ…はぁ……」 「ゼェ……ゼェ……ゼェ」 「……っ……!」 生き残った三人の、息遣いだけがホールの中に響いていた。 &color(red){【月宮奈緒子  死亡】} &color(red){【安田愛  死亡】} &color(red){【比良坂守治  死亡】} &color(red){【小神さくら  死亡】} &color(red){【残り3人】} 【昼/D-4公民館】 【額賀甲子太郎】 [状態]左頬に傷、悲しみ [服装]着物 [装備]直刀 [持物]基本支給品一式、仕込杖 [思考] 1:殺し合いを止める。首輪をどうにかしたい。襲われたら戦うが出来るだけ殺したくは無い。 2:……。 [備考] ※紫前武尊を知っています。 【浅井きらら】 [状態]良好、悲しみ [服装]一応私服 [装備]Cz75(15/15) [持物]基本支給品一式、Cz75予備マガジン(15×3) [思考] 1:殺し合いはしない。生き残りたい。政喜から離れない。 2:……。 [備考] ※特に無し。 【浅井政喜】 [状態]良好、悲しみ [服装]無し [装備]剣鉈 [持物]基本支給品一式 [思考] 1:殺し合いはしない。生き残りたい。きららから離れない。 2:……。 [備考] ※特に無し。 |[[一番楽な方法]]|時系列順|[[第二回放送(俺オリロワ2nd)]]| |[[一番楽な方法]]|投下順|[[第二回放送(俺オリロワ2nd)]]| |[[BRIGHTEST DARKNESS]]|&color(red){月宮奈緒子}|&color(red){死亡}| |[[冷血なりせば]]|&color(red){小神さくら}|&color(red){死亡}| |[[一番楽な方法]]|額賀甲子太郎|[[残-ZAN-]]| |[[一番楽な方法]]|浅井きらら|[[残-ZAN-]]| |[[一番楽な方法]]|浅井政喜|[[残-ZAN-]]| |[[一番楽な方法]]|&color(red){比良坂守治}|&color(red){死亡}| |[[一番楽な方法]]|&color(red){安田愛}|&color(red){死亡}|

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