痛覚残留

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b-3廃村の診療所にて、蝶ヶ崎蛾ヶ丸は眉を潜めていた。“過負荷”の人間である蝶ヶ崎が動揺したのは、同胞江迎怒江の死体を見たからであった。死体は胸を刺されていて、即死と思われた。近くには眼鏡の少年の死体も転がっていたが、プラスの人間には興味がなかった。 時を同じくして、相川歩とリルルは診療所にやってきた。しかしただよう死臭から、殺人があったとは理解していた。 まさかそこに居るのが、彼の同居人を殺害した張本人だとは微塵も知らずに。 「うっ…。ひでえな…間に合わなかったか!?」 「………あなたが殺したの?」 「いいえ、私はこの方々には手を出していませんよ。まあ、小さなアホ毛の少女なら、丁重に殺害させていただきましたけど」 蝶ヶ崎の言葉に歩は心当たりがあった。自分の周りの非日常。同居人の魔装少女ハルナのことが。 歩は堅く拳を握りしめ、蝶ヶ崎に問いかける。 「……へえ。お前、それってこの子じゃないよな?」 「ええその方ですよぅ。あなたの名前を言ってましたが、私の過負荷で潰しておきましたが?」 歩はいきなり地面を蹴る。ゾンビの力を使った急加速。拳は前に。蝶ヶ崎に向かった。 「死ね」 蝶ヶ崎は“不慮の事故”を使って歩の力を移動させる。750%の一撃を移された診療所は崩壊する。 蝶ヶ崎はチェーンソーで反撃するが、歩の拳はそれを砕いてしまう。 万事休す。蝶ヶ崎は柄にもなく追いつめられるが、長期戦は必至だ。 「まったくうるさいなあ。…プラスみたいだね?蛾ヶ丸ちゃん、助けてあげるよ」 最悪の救世主、球磨川禊が、そこにいた。 |[[すれ違いの切なさ]]|投下順|[[忘却録音/矛盾螺旋]]| |[[すれ違いの切なさ]]|時系列順|[[忘却録音/矛盾螺旋]]| |[[ 壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム) ]]|リルル|[[忘却録音/矛盾螺旋]]| |[[結局世の中不慮の事故]]|蝶ヶ崎蛾ヶ丸|[[忘却録音/矛盾螺旋]]| |[[ 壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム) ]]|相川歩|[[忘却録音/矛盾螺旋]]| |[[少年は世界に一人きり。だから少年は神様だ。]]|球磨川禊|[[忘却録音/矛盾螺旋]]|

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