あの日貴方を塗り替えた幻

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あの日貴方を塗り替えた幻」(2011/01/23 (日) 12:06:19) の最新版変更点

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024話:あの日貴方を塗り替えた幻 「……」 クロスボウを装備しながら、倉沢ほのかは薄暗い塔の上を目指す。 予想が正しければ少なくとも人が一人いるはずである。 しかし、物陰から急に出てくるかもしれず、ほのかは警戒しながら進む事を強いられた。 ジャリ……。 「!!」 そして、明らかに人工的な物音がほのかの耳に入る。 「誰かいるんですか?」 「……」 ほのかの呼び掛けに、無言のままその相手は物影から姿を現した。 右手にナイフらしき物を持った、自分とは違う学校に通っているらしい背の高い青年だった。 ブレザーを肩から引っ掛け、白いシャツを肌蹴させている。 「…君もこの殺し合いに巻き込まれたのか」 「ええ…」 「そうか…僕は刻命裕也」 「! ……私は倉沢ほのか」 相手が自分の思い人と下の名前が同じだった事に少し驚きつつ、 ほのかも同じように自己紹介をする。 すぐにでも殺す事は出来るがこちらは飛び道具、相手は見る限り近接武器のナイフしか持っていない。 焦る必要は無いとほのかは考えた。 この時刻命が右手のナイフの持ち方を変えていたのだがほのかはそれには気付かなかった。 「全く、大変な事になったね。殺し合いなんて…」 「……刻命さん」 「ん? 何だい」 「実はさっき…下で」 「ああ――――『上から人が落ちてきた』んだろ」 カチッ。 刻命がナイフの柄の部分に付いていたスイッチを押した。 次の瞬間、ナイフ――スペツナズナイフの刀身が凄まじい勢いで飛び出した。 ドスッ。 「……!?」 ほのかは腹部に衝撃を感じた。そして、間も無く衝撃は熱へと変わり、激痛になる。 ナイフの刀身が深々とほのかの腹に刺さっていた。 「あ、ああぁ、きゃあああぁぁあ!!」 クロスボウを床に落とし、ドクドクと熱い液体が滲み出る腹を押さえ苦しむほのか。 刺さった刀身を抜こうとするが、抜けない。 「クククク、お前、俺を殺すつもりだったんだろ?」 先程までの穏やかな雰囲気は消え失せ、邪悪な笑みを浮かべながら、 刻命は悶えるほのかに近付く。 「うぐ、ぎゃああ、あ゛っ、ごほっ、う゛、な、ん、で」 「さあな? 何となくそう言う気がしたんだ」 「はあ、はあ、ああ、痛い、痛い、痛い……!」 「安心しろ、すぐに楽にしてやるよ…丁度こいつも試したい所だったしな」 「……!」 刻命は自分のデイパックから、銀色に光る大型回転式拳銃S&WM629クラシックを取り出した。 先程のスペツナズナイフと共に、先刻殺害したほのかのクラスメイトから奪った支給品である。 「初めてだぜ、銃なんて触るのは」 「う、ああ、嫌、嫌あああ」 死の恐怖に怯え、ほのかは這い蹲りながら逃げようとする。 前回の殺し合いの時、彼女は死の恐怖を感じる前に一瞬で死亡した。 そのため、明確に自分に死が迫っている事には耐性など全く無い。 「顔はやめてやるよ。綺麗だしな……それじゃあな」 「やめて! やだ! やだあ!! あああああああああああああああ!!!!」 ダァン!! ダァン!! 二発の銃声が響いた。 それ以降、ほのかの声は聞こえなくなった。 「やっぱり結構反動あるんだな……フクククッ、まあいい」 発射の反動で軽く痺れが残っている右手を二、三回握り締め、 刻命はほのかの持っていたクロスボウと、デイパックの中の矢を回収する。 「? 何だこの紙……一応持っていくか」 そして、謎の数字の羅列が書かれた紙も同様に持っていく事にした。 ◆◆◆ 刻命がいなくなりどれくらい経っただろうか。 倉沢ほのかはふと目を覚ました。 「あれ…私、死んだはずじゃ……」 自分がどうなったのか、周囲を見て確かめる。 そしてすぐに分かった。 「……!」 腹にナイフの刀身が刺さり、胸を撃たれて死んだ自分がいた。 改めて自分自身の身体を見ると、床に転がる自分と同じように血塗れで、 腹に刺し傷があり、胸に二個の穴が空いている。 いや、気付けば自分は、呼吸をしていない。しなくても平気なのだ。 「…ああ、どうやら」 どうやら、自分は「幽霊」になってしまったらしい。 ほのかはそう感じた。 「うっ…痛い」 傷口がズキズキと痛む。幽霊となっても痛みは感じるのか。 ともあれ、もうこれで優勝を狙う事は出来ない。 愛しい人を生き返らせると言う彼女の望みは潰えた事になる。 「……それなら、せめて……北沢樹里、あいつを……殺しに行こう」 もう一つの願望を叶える事にした幽霊のほのかは、自分から愛しい人を奪った、 最も憎悪すべき対象を抹殺しに行く事にした。 &color(red){【倉沢ほのか@自作キャラでバトルロワイアル  死亡】} &color(red){【残り29人】} 【一日目/朝方/E-1塔周辺?】 【刻命裕也@コープスパーティーBCRF】 [状態]良好 [装備]S&WM629クラシック(4/6) [道具]基本支給品一式、.44マグナム弾(18)、クロスボウ(1/1)、クロスボウの矢(15)、 サバイバルナイフ、スペツナズナイフ(2)、数字の羅列が書かれた紙 [思考] 1:殺し合いを楽しむ。 [備考] ※Cp3にて持田由香と遭遇する前からの参戦です。 【一日目/朝方/E-1塔】 【倉沢ほのか@自作キャラでバトルロワイアル】 [状態]幽霊化、永遠に続く苦しみ [装備]無し [道具]無し [思考] 1:北沢樹里を殺す。 [備考] ※幽霊になりました。空中浮遊、壁抜け、金縛りにさせる、瞬間移動(短距離)などが行えます。 ※一応実体を持ち視認も出来ますが普通の方法では殺せません。 ※E-1塔三階に倉沢ほのかの死体とデイパック(基本支給品一式入り)が放置されています。 |[[頭が四つもあれば発想も……。]]|時系列順|[[]]| |[[頭が四つもあれば発想も……。]]|投下順|[[]]| |[[吉凶どちらに転ぶかはまさに神のみぞ知る]]|倉沢ほのか|&color(red){死亡}(幽霊化)[[分子記号片割れのよう]]| |[[吉凶どちらに転ぶかはまさに神のみぞ知る]]|刻命裕也|[[]]|
024話:あの日貴方を塗り替えた幻 「……」 クロスボウを装備しながら、倉沢ほのかは薄暗い塔の上を目指す。 予想が正しければ少なくとも人が一人いるはずである。 しかし、物陰から急に出てくるかもしれず、ほのかは警戒しながら進む事を強いられた。 ジャリ……。 「!!」 そして、明らかに人工的な物音がほのかの耳に入る。 「誰かいるんですか?」 「……」 ほのかの呼び掛けに、無言のままその相手は物影から姿を現した。 右手にナイフらしき物を持った、自分とは違う学校に通っているらしい背の高い青年だった。 ブレザーを肩から引っ掛け、白いシャツを肌蹴させている。 「…君もこの殺し合いに巻き込まれたのか」 「ええ…」 「そうか…僕は刻命裕也」 「! ……私は倉沢ほのか」 相手が自分の思い人と下の名前が同じだった事に少し驚きつつ、 ほのかも同じように自己紹介をする。 すぐにでも殺す事は出来るがこちらは飛び道具、相手は見る限り近接武器のナイフしか持っていない。 焦る必要は無いとほのかは考えた。 この時刻命が右手のナイフの持ち方を変えていたのだがほのかはそれには気付かなかった。 「全く、大変な事になったね。殺し合いなんて…」 「……刻命さん」 「ん? 何だい」 「実はさっき…下で」 「ああ――――『上から人が落ちてきた』んだろ」 カチッ。 刻命がナイフの柄の部分に付いていたスイッチを押した。 次の瞬間、ナイフ――スペツナズナイフの刀身が凄まじい勢いで飛び出した。 ドスッ。 「……!?」 ほのかは腹部に衝撃を感じた。そして、間も無く衝撃は熱へと変わり、激痛になる。 ナイフの刀身が深々とほのかの腹に刺さっていた。 「あ、ああぁ、きゃあああぁぁあ!!」 クロスボウを床に落とし、ドクドクと熱い液体が滲み出る腹を押さえ苦しむほのか。 刺さった刀身を抜こうとするが、抜けない。 「クククク、お前、俺を殺すつもりだったんだろ?」 先程までの穏やかな雰囲気は消え失せ、邪悪な笑みを浮かべながら、 刻命は悶えるほのかに近付く。 「うぐ、ぎゃああ、あ゛っ、ごほっ、う゛、な、ん、で」 「さあな? 何となくそう言う気がしたんだ」 「はあ、はあ、ああ、痛い、痛い、痛い……!」 「安心しろ、すぐに楽にしてやるよ…丁度こいつも試したい所だったしな」 「……!」 刻命は自分のデイパックから、銀色に光る大型回転式拳銃S&WM629クラシックを取り出した。 先程のスペツナズナイフと共に、先刻殺害したほのかのクラスメイトから奪った支給品である。 「初めてだぜ、銃なんて触るのは」 「う、ああ、嫌、嫌あああ」 死の恐怖に怯え、ほのかは這い蹲りながら逃げようとする。 前回の殺し合いの時、彼女は死の恐怖を感じる前に一瞬で死亡した。 そのため、明確に自分に死が迫っている事には耐性など全く無い。 「顔はやめてやるよ。綺麗だしな……それじゃあな」 「やめて! やだ! やだあ!! あああああああああああああああ!!!!」 ダァン!! ダァン!! 二発の銃声が響いた。 それ以降、ほのかの声は聞こえなくなった。 「やっぱり結構反動あるんだな……フクククッ、まあいい」 発射の反動で軽く痺れが残っている右手を二、三回握り締め、 刻命はほのかの持っていたクロスボウと、デイパックの中の矢を回収する。 「? 何だこの紙……一応持っていくか」 そして、謎の数字の羅列が書かれた紙も同様に持っていく事にした。 ◆◆◆ 刻命がいなくなりどれくらい経っただろうか。 倉沢ほのかはふと目を覚ました。 「あれ…私、死んだはずじゃ……」 自分がどうなったのか、周囲を見て確かめる。 そしてすぐに分かった。 「……!」 腹にナイフの刀身が刺さり、胸を撃たれて死んだ自分がいた。 改めて自分自身の身体を見ると、床に転がる自分と同じように血塗れで、 腹に刺し傷があり、胸に二個の穴が空いている。 いや、気付けば自分は、呼吸をしていない。しなくても平気なのだ。 「…ああ、どうやら」 どうやら、自分は「幽霊」になってしまったらしい。 ほのかはそう感じた。 「うっ…痛い」 傷口がズキズキと痛む。幽霊となっても痛みは感じるのか。 ともあれ、もうこれで優勝を狙う事は出来ない。 愛しい人を生き返らせると言う彼女の望みは潰えた事になる。 「……それなら、せめて……北沢樹里、あいつを……殺しに行こう」 もう一つの願望を叶える事にした幽霊のほのかは、自分から愛しい人を奪った、 最も憎悪すべき対象を抹殺しに行く事にした。 &color(red){【倉沢ほのか@自作キャラでバトルロワイアル  死亡】} &color(red){【残り29人】} 【一日目/朝方/E-1塔周辺?】 【刻命裕也@コープスパーティーBCRF】 [状態]良好 [装備]S&WM629クラシック(4/6) [道具]基本支給品一式、.44マグナム弾(18)、クロスボウ(1/1)、クロスボウの矢(15)、 サバイバルナイフ、スペツナズナイフ(2)、数字の羅列が書かれた紙 [思考] 1:殺し合いを楽しむ。 [備考] ※Cp3にて持田由香と遭遇する前からの参戦です。 【一日目/朝方/E-1塔】 【倉沢ほのか@自作キャラでバトルロワイアル】 [状態]幽霊化、永遠に続く苦しみ [装備]無し [道具]無し [思考] 1:北沢樹里を殺す。 [備考] ※幽霊になりました。空中浮遊、壁抜け、金縛りにさせる、瞬間移動(短距離)などが行えます。 ※一応実体を持ち視認も出来ますが普通の方法では殺せません。 ※E-1塔三階に倉沢ほのかの死体とデイパック(基本支給品一式入り)が放置されています。 |[[頭が四つもあれば発想も……。]]|時系列順|[[The great friend of mine is where.]]| |[[頭が四つもあれば発想も……。]]|投下順|[[The great friend of mine is where.]]| |[[吉凶どちらに転ぶかはまさに神のみぞ知る]]|倉沢ほのか|&color(red){死亡}(幽霊化)[[分子記号片割れのよう]]| |[[吉凶どちらに転ぶかはまさに神のみぞ知る]]|刻命裕也|[[不実な夢に溺れた僕は]]|

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