隠れていれば安全……とは限らない

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隠れていれば安全……とは限らない」(2010/12/05 (日) 19:51:58) の最新版変更点

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22話:隠れていれば安全……とは限らない 廃村の、とある廃家の土壁に真っ赤な液体が大量に付着した。 くすんだ白色だった壁が赤く染め上げられる。 壁のすぐ下の地面には、胴体と首が泣き別れになった少女の死体が転がっていた。 胴体から少し離れた所に転がる頭部が浮かべる表情は恐怖そのもの。 「……」 青い髪に赤い鉢巻を巻いた青年――勤武尚晶(きんぶ・なおあき)は、 血の付いた刀身を少女の衣服で拭き取る。 大勢の人間や獣人、獣を最後の一人が決まるまで殺し合わせるこの狂気のゲーム・バトルロワイアル。 だが彼にとって、人を殺す事など日常茶飯事であった。 闇に紛れての辻斬り、政治家や犯罪組織の用心棒、傭兵紛いの仕事。 今まで尚晶が斬り捨ててきた人間は、恐らく百を超える。 そんな彼がこの殺し合いを享受するのは、ある意味で当然の流れだった。 故に廃村で発見した青髪の少女を殺害した。 ――嫌だ! 死にたくない! お願いです、何でもしますから、命だけは―― 少女の最期の言葉である。 命乞いをされても、尚晶にはそれを受け入れる選択肢など持っていない。 「……」 少女のデイパックを漁る。 中からは基本支給品一式と催涙スプレーが出てきた。 尚晶は軽く溜息をつく――決して残念がった訳では無く興味のある物が無かったため――と、 立ち上がり、廃村内の探索に乗り出した。 すぐ近くの、倉庫と思しき小屋。 その中で、青髪の青年による凶行の一部始終を、小さな穴から目撃した 黒いブレザーを着た少女、平池千穂(ひらいけ・ちほ)は震えながら息を潜めていた。 (冗談でしょ…!? あんな危険な人が…いるなんて!) 何の躊躇も無く、命乞いをする少女の首を刎ねた青い髪に赤い鉢巻を巻いた 若い人間の男。どうやら運良く自分には気付かなかったようだが、 まだ近くをウロついていると思うと千穂は恐怖した。 見付かったら確実に、殺される。 (お、落ち着いて、落ち着くのよ私。あの男は私には気付いてない。 だから、じっとここであの男が遠くに行くのを待つのよ) 千穂は自分の心を必死に落ち着かせ、自分なりに最善の策を考える。 下手に動くとあの男に発見される危険性が高い。 今はこの倉庫の中でじっと息を潜めるべきだと千穂は判断した。 それは男が自分に気付いていないと千穂が思っていたためである。 (そう言えば、伊賀さんに中村さん、大丈夫かな…早く会いたい) 殺し合いに呼ばれている二人のクラスメイトの事を考える。 ドスッ だが、その思考は中断された。そして、そのまま二度と再会される事は無かった。 千穂の額から、刀の刀身が生えていた。 ◆ 「……」 倉庫の引き戸越しに、試しに刀を刺した所、どうやら読みは当たっていたようだ、と、 尚晶は倉庫の引き戸を開け、外に向かって倒れた黒いブレザーを着た少女の死体を 見下ろしながら思う。 この倉庫からは何となく人の気配はしていたが一度は素通りしようとした。 だが気になったため、引き返し、そして現状に至る。 先程の青髪少女の時と同じく少女のデイパックを漁る。 中には自動拳銃スタームルガーP85と予備のマガジンが入っていた。 銃は得意では無かったが、持っていれば何かしらの役には立つと、 尚晶はP85とマガジン3個を自分のデイパックに押し込んだ。 「……」 そして改めて廃村内の探索に向かった。 &color(red){【フォナ・アンシュッツ    死亡】} &color(red){【平池千穂    死亡】} &color(red){[残り37人]} 【一日目/早朝/G-7廃村】 【勤武尚晶】 [状態]良好 [装備]九五式軍刀 [持物]基本支給品一式、スタームルガーP85(15/15)、スタームルガーP85マガジン(3) [思考・行動]  基本:殺し合いを楽しむ。  1:廃村内の探索。 [備考]  ※特に無し。 ※G-7廃村にフォナ・アンシュッツの死体(首切断)、フォナ・アンシュッツのデイパック (基本支給品一式、催涙スプレー入り)、平池千穂の死体、平池千穂のデイパック (基本支給品一式入り)が放置されています。 ---- ≪支給品紹介≫ 【九五式軍刀】 勤武尚晶に支給。 昭和10年(皇紀2595年)に下士官兵用の三十二年式軍刀の後継として開発された軍刀。 実戦に耐えうるよう頑丈に設計されている。 本ロワに登場するのは柄や鞘が金属製の初期型。 【催涙スプレー】 フォナ・アンシュッツに支給。 相手の視力を数分間奪う事の出来るガスを発射するスプレー。 護身用具として広く普及している。 【スタームルガーP85】 平池千穂にマガジン3個とセットで支給。 スタームルガー社が1987年に発売した自動拳銃。 価格が安いにも関わらず頑丈で、安全面でも必要十分な機能を備えている。 ≪キャラ紹介≫ 【名前】勤武尚晶(きんぶ・なおあき) 【性別】男 【年齢】20代後半? 【職業】人斬り 【身体的特徴】青い髪に赤い瞳、身長は178㎝と高め、整った顔立ち。  頭に赤い鉢巻、白い半袖のカッターシャツに濃い灰色のズボン、革靴 【性格】冷静、無口 【趣味】不明 【特技】剣術(超一流) 【経歴】赤子の時に孤児院の前に捨てられていたのを保護される。  12歳の時にその孤児院から突如失踪し、現在に至る。  実は人間の売春婦と野良の妖狼との間に生まれたハーフで、純粋な人間では無い。  青い髪と人間の身体は母親、赤い瞳は父親である妖狼譲り。  人間と妖狼の間に子供が出来るのは極めて稀なケースでもある 【好きなもの・こと】不明 【苦手なもの・こと】不明 【特殊技能の有無】常人を遥かに上回る運動能力 【備考】別名「人斬り勤武」。多くの辻斬りを働き、またその剣の腕から武装組織、  犯罪組織、政府高官等から傭兵或いは用心棒として雇われる事も多い。  人斬りになった原因については謎が多い。  名前の「勤武尚晶」は、苗字が彼を保護した孤児院職員の一人から、  名が孤児院職員一同で考えて付けられた。  なお、剣術一辺倒では無く、場合によっては銃も使う(腕は良くない) 【名前】フォナ・アンシュッツ 【性別】女 【年齢】16 【職業】魔法使い、薬師 【身体的特徴】青い艶やかな長髪、童顔だが身体は魅力的。  白い丈の短いローブに革製のニーソ状の履物、編上靴 【性格】ドジっ娘(笑) 【趣味】薬の調合 【特技】薬品の調合により治療薬、毒薬、爆薬などが作成可能 【経歴】12歳の時に薬師だった両親を戦災で亡くし、以来一人で主に薬師として生計を立ててきた。  しかしやはりそれだけでは生活は苦しいようで、魔法能力を利用して傭兵紛いの事もやったり、  身体を売った事も一度や二度ではない(避妊用の魔法を掛けて凌いでいたらしい) 【好きなもの・こと】目玉焼き 【苦手なもの・こと】身体を売る相手の男が明らかに嫌な奴だった場合 【特殊技能の有無】炎系、氷系、雷系の攻撃魔法、及び低級ではあるが回復魔法を行使、  だが本ロワでは封印されている 【備考】レイ・ブランチャード、エルザ・ウェイバー、エイミス・フロリッヒャーは  同じ冒険者ギルドの知人 【名前】平池千穂(ひらいけ・ちほ) 【性別】男 【年齢】18 【職業】高校生、バスケ部所属 【身体的特徴】黒髪ストレートヘアの美少女、身体付きは普通。  学校の制服である赤ネクタイ付きの黒っぽいブレザーとスカートに白い靴下着用 【性格】明るい 【趣味】小説執筆(主に恋愛系) 【特技】ジャンプ力がある 【経歴】至って平穏に育った 【好きなもの・こと】アイスクリーム 【苦手なもの・こと】夜の道 【特殊技能の有無】一般人 【備考】伊賀榛名、中村アヤはクラスメイト ---- |[[「友」]]|時系列順|[[立沢義の憂鬱]]| |[[「友」]]|投下順|[[立沢義の憂鬱]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|勤武尚晶|[[]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|&color(red){フォナ・アンシュッツ}|&color(red){死亡}| |&color(aqua){ゲーム開始}|&color(red){平池千穂}|&color(red){死亡}|
22話:隠れていれば安全……とは限らない 廃村の、とある廃家の土壁に真っ赤な液体が大量に付着した。 くすんだ白色だった壁が赤く染め上げられる。 壁のすぐ下の地面には、胴体と首が泣き別れになった少女の死体が転がっていた。 胴体から少し離れた所に転がる頭部が浮かべる表情は恐怖そのもの。 「……」 青い髪に赤い鉢巻を巻いた青年――勤武尚晶(きんぶ・なおあき)は、 血の付いた刀身を少女の衣服で拭き取る。 大勢の人間や獣人、獣を最後の一人が決まるまで殺し合わせるこの狂気のゲーム・バトルロワイアル。 だが彼にとって、人を殺す事など日常茶飯事であった。 闇に紛れての辻斬り、政治家や犯罪組織の用心棒、傭兵紛いの仕事。 今まで尚晶が斬り捨ててきた人間は、恐らく百を超える。 そんな彼がこの殺し合いを享受するのは、ある意味で当然の流れだった。 故に廃村で発見した青髪の少女を殺害した。 ――嫌だ! 死にたくない! お願いです、何でもしますから、命だけは―― 少女の最期の言葉である。 命乞いをされても、尚晶にはそれを受け入れる選択肢など持っていない。 「……」 少女のデイパックを漁る。 中からは基本支給品一式と催涙スプレーが出てきた。 尚晶は軽く溜息をつく――決して残念がった訳では無く興味のある物が無かったため――と、 立ち上がり、廃村内の探索に乗り出した。 すぐ近くの、倉庫と思しき小屋。 その中で、青髪の青年による凶行の一部始終を、小さな穴から目撃した 黒いブレザーを着た少女、平池千穂(ひらいけ・ちほ)は震えながら息を潜めていた。 (冗談でしょ…!? あんな危険な人が…いるなんて!) 何の躊躇も無く、命乞いをする少女の首を刎ねた青い髪に赤い鉢巻を巻いた 若い人間の男。どうやら運良く自分には気付かなかったようだが、 まだ近くをウロついていると思うと千穂は恐怖した。 見付かったら確実に、殺される。 (お、落ち着いて、落ち着くのよ私。あの男は私には気付いてない。 だから、じっとここであの男が遠くに行くのを待つのよ) 千穂は自分の心を必死に落ち着かせ、自分なりに最善の策を考える。 下手に動くとあの男に発見される危険性が高い。 今はこの倉庫の中でじっと息を潜めるべきだと千穂は判断した。 それは男が自分に気付いていないと千穂が思っていたためである。 (そう言えば、伊賀さんに中村さん、大丈夫かな…早く会いたい) 殺し合いに呼ばれている二人のクラスメイトの事を考える。 ドスッ だが、その思考は中断された。そして、そのまま二度と再会される事は無かった。 千穂の額から、刀の刀身が生えていた。 ◆ 「……」 倉庫の引き戸越しに、試しに刀を刺した所、どうやら読みは当たっていたようだ、と、 尚晶は倉庫の引き戸を開け、外に向かって倒れた黒いブレザーを着た少女の死体を 見下ろしながら思う。 この倉庫からは何となく人の気配はしていたが一度は素通りしようとした。 だが気になったため、引き返し、そして現状に至る。 先程の青髪少女の時と同じく少女のデイパックを漁る。 中には自動拳銃スタームルガーP85と予備のマガジンが入っていた。 銃は得意では無かったが、持っていれば何かしらの役には立つと、 尚晶はP85とマガジン3個を自分のデイパックに押し込んだ。 「……」 そして改めて廃村内の探索に向かった。 &color(red){【フォナ・アンシュッツ    死亡】} &color(red){【平池千穂    死亡】} &color(red){[残り37人]} 【一日目/早朝/G-7廃村】 【勤武尚晶】 [状態]良好 [装備]九五式軍刀 [持物]基本支給品一式、スタームルガーP85(15/15)、スタームルガーP85マガジン(3) [思考・行動]  基本:殺し合いを楽しむ。  1:廃村内の探索。 [備考]  ※特に無し。 ※G-7廃村にフォナ・アンシュッツの死体(首切断)、フォナ・アンシュッツのデイパック (基本支給品一式、催涙スプレー入り)、平池千穂の死体、平池千穂のデイパック (基本支給品一式入り)が放置されています。 ---- ≪支給品紹介≫ 【九五式軍刀】 勤武尚晶に支給。 昭和10年(皇紀2595年)に下士官兵用の三十二年式軍刀の後継として開発された軍刀。 実戦に耐えうるよう頑丈に設計されている。 本ロワに登場するのは柄や鞘が金属製の初期型。 【催涙スプレー】 フォナ・アンシュッツに支給。 相手の視力を数分間奪う事の出来るガスを発射するスプレー。 護身用具として広く普及している。 【スタームルガーP85】 平池千穂にマガジン3個とセットで支給。 スタームルガー社が1987年に発売した自動拳銃。 価格が安いにも関わらず頑丈で、安全面でも必要十分な機能を備えている。 ≪キャラ紹介≫ 【名前】勤武尚晶(きんぶ・なおあき) 【性別】男 【年齢】20代後半? 【職業】人斬り 【身体的特徴】青い髪に赤い瞳、身長は178㎝と高め、整った顔立ち。  頭に赤い鉢巻、白い半袖のカッターシャツに濃い灰色のズボン、革靴 【性格】冷静、無口 【趣味】不明 【特技】剣術(超一流) 【経歴】赤子の時に孤児院の前に捨てられていたのを保護される。  12歳の時にその孤児院から突如失踪し、現在に至る。  実は人間の売春婦と野良の妖狼との間に生まれたハーフで、純粋な人間では無い。  青い髪と人間の身体は母親、赤い瞳は父親である妖狼譲り。  人間と妖狼の間に子供が出来るのは極めて稀なケースでもある 【好きなもの・こと】不明 【苦手なもの・こと】不明 【特殊技能の有無】常人を遥かに上回る運動能力 【備考】別名「人斬り勤武」。多くの辻斬りを働き、またその剣の腕から武装組織、  犯罪組織、政府高官等から傭兵或いは用心棒として雇われる事も多い。  人斬りになった原因については謎が多い。  名前の「勤武尚晶」は、苗字が彼を保護した孤児院職員の一人から、  名が孤児院職員一同で考えて付けられた。  なお、剣術一辺倒では無く、場合によっては銃も使う(腕は良くない) 【名前】フォナ・アンシュッツ 【性別】女 【年齢】16 【職業】魔法使い、薬師 【身体的特徴】青い艶やかな長髪、童顔だが身体は魅力的。  白い丈の短いローブに革製のニーソ状の履物、編上靴 【性格】ドジっ娘(笑) 【趣味】薬の調合 【特技】薬品の調合により治療薬、毒薬、爆薬などが作成可能 【経歴】12歳の時に薬師だった両親を戦災で亡くし、以来一人で主に薬師として生計を立ててきた。  しかしやはりそれだけでは生活は苦しいようで、魔法能力を利用して傭兵紛いの事もやったり、  身体を売った事も一度や二度ではない(避妊用の魔法を掛けて凌いでいたらしい) 【好きなもの・こと】目玉焼き 【苦手なもの・こと】身体を売る相手の男が明らかに嫌な奴だった場合 【特殊技能の有無】炎系、氷系、雷系の攻撃魔法、及び低級ではあるが回復魔法を行使、  だが本ロワでは封印されている 【備考】レイ・ブランチャード、エルザ・ウェイバー、エイミス・フロリッヒャーは  同じ冒険者ギルドの知人 【名前】平池千穂(ひらいけ・ちほ) 【性別】男 【年齢】18 【職業】高校生、バスケ部所属 【身体的特徴】黒髪ストレートヘアの美少女、身体付きは普通。  学校の制服である赤ネクタイ付きの黒っぽいブレザーとスカートに白い靴下着用 【性格】明るい 【趣味】小説執筆(主に恋愛系) 【特技】ジャンプ力がある 【経歴】至って平穏に育った 【好きなもの・こと】アイスクリーム 【苦手なもの・こと】夜の道 【特殊技能の有無】一般人 【備考】伊賀榛名、中村アヤはクラスメイト ---- |[[「友」]]|時系列順|[[立沢義の憂鬱]]| |[[「友」]]|投下順|[[立沢義の憂鬱]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|勤武尚晶|[[こんな村おこしは嫌だ]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|&color(red){フォナ・アンシュッツ}|&color(red){死亡}| |&color(aqua){ゲーム開始}|&color(red){平池千穂}|&color(red){死亡}|

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