私の殲滅華

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20話:私の殲滅華 恐怖心を抑えながら、バニーガールの女性、伊藤文子は、 支給品の大型自動拳銃を装備し警戒しつつ無人の住宅街を進む。 時折聞こえる、銃声と思しき音が、確実に殺し合いは進んでいる事を示していた。 先刻殺され掛けた、赤髪の女剣士のように殺し合いに乗っている者は多数いるのだろう。 「…忠朝君…アキナ……二人共無事なら良いんだけど…」 知り合いの竜人の少年と後輩の無事を祈りつつ、文子はある曲がり角を曲がる。 「……あ?」 そこで、歩道の上に倒れている、見慣れた灰色の竜人の少年を発見した。 だが、着ている赤いブレザーの色では無い、赤い色で染まっていた。 そして、仰向けになったまま、動く様子が無い。 「う、嘘…? 忠朝君!」 少年の名前を呼びながら、文子は駆け寄った。 だが――身体を揺さぶって生死を確認するまでも無い。 大きな血溜まりの中で、竜人の少年はまるで眠っているかのように、息絶えていた。 「そ、そんな……」 ガクリと膝を突き、拳銃を落とし、絶望感と深い悲しみに打ちひしがれる文子。 「忠朝君…どうして、どうしてこんな……こんなのって無いよ…あんまりだよ……」 ポロポロと、文子の頬を伝い涙がアスファルトの上に落ちる。 「……これは?」 忠朝の死体の傍に、メモ帳とペンが落ちていた。 恐らく忠朝の物であろう、文子はメモ帳を取って、開いた。 そこには震え、薄れ行く意識の中で書いたのだろうか、形が著しく崩れてはいたが、 確かに彼の字で書かれていた――――本庄忠朝の遺書が。 『凄く、寒い。手が ふるえて、 うまく字が書けない。 撃たれたおなかが■ごくいたい。血がとまらない。 口の中が、鉄■さびのあじ がして、 気持ち悪い。 こんな所で死にたくない、まだ  死にたくないよ もっと生きたい も■と まだやりたい事、た■■ん ある のに 伊藤さん、ぼくはもう だめです  せめていとうさんだけ でもいきのこって下さい いたい ■■■■■という つばさのはえた人■の男に撃たれた お腹が凄く  いたい   さむい ねむい いやだ しにた■■い あいたい おとうさん ■■ちゃん いとうさん もういち■あいたい ひとりでしぬのは   こわい  しにたく ない こわいよ こわ  い』 余りに字が崩れていたり血で汚れていたりして読めない部分もあったが、 どうやら忠朝は誰かに撃たれて、その出血が元で死亡したようだった。 その犯人の名前も書かれていたようだが、判読不能になっていた。 「…あ…う…ああ…」 再び、文子の目から涙が溢れる。 見知らぬ土地で、恐怖と悲しみ、絶望の中死んでいく少年の心情がメモ帳には書かれていた。 「…忠朝君…ごめんね…間に合わなかった…ごめんね…」 文子は物言わぬ屍と化した少年に謝り続けた。 そして、彼女は気付かなかった。 すぐ背後に立つ、青いベストを着た女子高生の少女の存在に。 少女は文子が落とした拳銃を拾い上げ、その銃口を文子の後頭部に向けた。 その時点でも、文子は気付かなかった。 ダァン! 銃声と同時に、文子の意識は途絶えた。 ◆ 皐月眞矢(こうづき・まや)は、たった今射殺したバニーガールの持っていた銃、 その銃の予備のマガジン、更に、竜人の少年の死体の持っていたリボルバー拳銃と、 予備の弾薬を手に入れた。 元々自分に支給されていた物が、何の縁か自分のコスプレ衣装の一つのナース服だった 事を考えると、一気に武装は良くなった。 バニーガールの銃を奪おうとこっそりと後をつけていたが、こうも簡単に奪えるとは思っていなかった。 「武器の確保は終わった…これで戦える」 眞矢は竜人の少年の拳銃を腰に差し、バニーガールの持っていた拳銃を装備し、 その場を後にした。 「リフィーもいるけど…私は自分の命の方が大切なのよ…ごめんね」 &color(red){【伊藤文子    死亡】} &color(red){【本庄忠朝    死亡】} &color(red){[残り40人]} 【一日目/早朝/D-5住宅街】 【皐月眞矢】 [状態]良好 [装備]レイ・ブランチャードの拳銃(10/14) [持物]基本支給品一式、レイ・ブランチャードの拳銃マガジン(3)  コルトパイソン(1/6)、.357マグナム弾(18)、皐月眞矢のナース服 [思考・行動]  0:殺し合いに乗る。優勝を目指す。  1:友人(藤堂リフィア)には出来れば会いたくない。 [備考]  ※特に無し。 ※D-5一帯に銃声が響きました。 ※D-5住宅街路上に本庄忠朝と伊藤文子の死体、二人のデイパック(どちらも 基本支給品一式入り)が放置されています。 ---- ≪支給品紹介≫ 【皐月眞矢のナース服】 皐月眞矢に支給。 ちょっと透けてるエロいコスプレ用ナース服。 裸の上に身に着けているため眞矢の匂いが良く染み付いている。 ≪キャラ紹介≫ 【名前】皐月眞矢(こうづき・まや) 【性別】女 【年齢】18 【職業】高校生、ピザ屋でバイト 【身体的特徴】黒髪ポニーテール。中々スタイルが良い。  学校の制服である青いベストにスカート着用 【性格】間延びしている 【趣味】コスプレ、古書店漁り 【特技】中学まで剣道をかじっており、それなりに剣術が出来る 【経歴】両親と祖父母、姉、妹のいる家庭で育つ 【好きなもの・こと】コスプレ 【苦手なもの・こと】跳び箱 【特殊技能の有無】一般人 【備考】藤堂リフィアはクラスメイトであり友人 ---- |[[お客様三名ご案内]]|時系列順|[[]]| |[[お客様三名ご案内]]|投下順|[[]]| |[[奈落に咲いてしまった紅い華]]|&color(red){伊藤文子}|&color(red){死亡}| |[[消えゆく命の灯]]|&color(red){本庄忠朝}|&color(red){死亡}| |&color(aqua){ゲーム開始}|皐月眞矢|[[]]|
20話:私の殲滅華 恐怖心を抑えながら、バニーガールの女性、伊藤文子は、 支給品の大型自動拳銃を装備し警戒しつつ無人の住宅街を進む。 時折聞こえる、銃声と思しき音が、確実に殺し合いは進んでいる事を示していた。 先刻殺され掛けた、赤髪の女剣士のように殺し合いに乗っている者は多数いるのだろう。 「…忠朝君…アキナ……二人共無事なら良いんだけど…」 知り合いの竜人の少年と後輩の無事を祈りつつ、文子はある曲がり角を曲がる。 「……あ?」 そこで、歩道の上に倒れている、見慣れた灰色の竜人の少年を発見した。 だが、着ている赤いブレザーの色では無い、赤い色で染まっていた。 そして、仰向けになったまま、動く様子が無い。 「う、嘘…? 忠朝君!」 少年の名前を呼びながら、文子は駆け寄った。 だが――身体を揺さぶって生死を確認するまでも無い。 大きな血溜まりの中で、竜人の少年はまるで眠っているかのように、息絶えていた。 「そ、そんな……」 ガクリと膝を突き、拳銃を落とし、絶望感と深い悲しみに打ちひしがれる文子。 「忠朝君…どうして、どうしてこんな……こんなのって無いよ…あんまりだよ……」 ポロポロと、文子の頬を伝い涙がアスファルトの上に落ちる。 「……これは?」 忠朝の死体の傍に、メモ帳とペンが落ちていた。 恐らく忠朝の物であろう、文子はメモ帳を取って、開いた。 そこには震え、薄れ行く意識の中で書いたのだろうか、形が著しく崩れてはいたが、 確かに彼の字で書かれていた――――本庄忠朝の遺書が。 『凄く、寒い。手が ふるえて、 うまく字が書けない。 撃たれたおなかが■ごくいたい。血がとまらない。 口の中が、鉄■さびのあじ がして、 気持ち悪い。 こんな所で死にたくない、まだ  死にたくないよ もっと生きたい も■と まだやりたい事、た■■ん ある のに 伊藤さん、ぼくはもう だめです  せめていとうさんだけ でもいきのこって下さい いたい ■■■■■という つばさのはえた人■の男に撃たれた お腹が凄く  いたい   さむい ねむい いやだ しにた■■い あいたい おとうさん ■■ちゃん いとうさん もういち■あいたい ひとりでしぬのは   こわい  しにたく ない こわいよ こわ  い』 余りに字が崩れていたり血で汚れていたりして読めない部分もあったが、 どうやら忠朝は誰かに撃たれて、その出血が元で死亡したようだった。 その犯人の名前も書かれていたようだが、判読不能になっていた。 「…あ…う…ああ…」 再び、文子の目から涙が溢れる。 見知らぬ土地で、恐怖と悲しみ、絶望の中死んでいく少年の心情がメモ帳には書かれていた。 「…忠朝君…ごめんね…間に合わなかった…ごめんね…」 文子は物言わぬ屍と化した少年に謝り続けた。 そして、彼女は気付かなかった。 すぐ背後に立つ、青いベストを着た女子高生の少女の存在に。 少女は文子が落とした拳銃を拾い上げ、その銃口を文子の後頭部に向けた。 その時点でも、文子は気付かなかった。 ダァン! 銃声と同時に、文子の意識は途絶えた。 ◆ 皐月眞矢(こうづき・まや)は、たった今射殺したバニーガールの持っていた銃、 その銃の予備のマガジン、更に、竜人の少年の死体の持っていたリボルバー拳銃と、 予備の弾薬を手に入れた。 元々自分に支給されていた物が、何の縁か自分のコスプレ衣装の一つのナース服だった 事を考えると、一気に武装は良くなった。 バニーガールの銃を奪おうとこっそりと後をつけていたが、こうも簡単に奪えるとは思っていなかった。 「武器の確保は終わった…これで戦える」 眞矢は竜人の少年の拳銃を腰に差し、バニーガールの持っていた拳銃を装備し、 その場を後にした。 「リフィーもいるけど…私は自分の命の方が大切なのよ…ごめんね」 &color(red){【伊藤文子    死亡】} &color(red){【本庄忠朝    死亡】} &color(red){[残り40人]} 【一日目/早朝/D-5住宅街】 【皐月眞矢】 [状態]良好 [装備]レイ・ブランチャードの拳銃(10/14) [持物]基本支給品一式、レイ・ブランチャードの拳銃マガジン(3)  コルトパイソン(1/6)、.357マグナム弾(18)、皐月眞矢のナース服 [思考・行動]  0:殺し合いに乗る。優勝を目指す。  1:友人(藤堂リフィア)には出来れば会いたくない。 [備考]  ※特に無し。 ※D-5一帯に銃声が響きました。 ※D-5住宅街路上に本庄忠朝と伊藤文子の死体、二人のデイパック(どちらも 基本支給品一式入り)が放置されています。 ---- ≪支給品紹介≫ 【皐月眞矢のナース服】 皐月眞矢に支給。 ちょっと透けてるエロいコスプレ用ナース服。 裸の上に身に着けているため眞矢の匂いが良く染み付いている。 ≪キャラ紹介≫ 【名前】皐月眞矢(こうづき・まや) 【性別】女 【年齢】18 【職業】高校生、ピザ屋でバイト 【身体的特徴】黒髪ポニーテール。中々スタイルが良い。  学校の制服である青いベストにスカート着用 【性格】間延びしている 【趣味】コスプレ、古書店漁り 【特技】中学まで剣道をかじっており、それなりに剣術が出来る 【経歴】両親と祖父母、姉、妹のいる家庭で育つ 【好きなもの・こと】コスプレ 【苦手なもの・こと】跳び箱 【特殊技能の有無】一般人 【備考】藤堂リフィアはクラスメイトであり友人 ---- |[[お客様三名ご案内]]|時系列順|[[「友」]]| |[[お客様三名ご案内]]|投下順|[[「友」]]| |[[奈落に咲いてしまった紅い華]]|&color(red){伊藤文子}|&color(red){死亡}| |[[消えゆく命の灯]]|&color(red){本庄忠朝}|&color(red){死亡}| |&color(aqua){ゲーム開始}|皐月眞矢|[[]]|

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