人間なめんな!

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16話:人間なめんな! 唐突だが、四宮勝憲(しのみや・かつのり)は窮地に立たされていた。 ゲーム開始して程無く、森の中で殺し合いに乗っている参加者に襲撃され、 追い回され、現在中々に流れが速い川を背にして追い詰められている。 「最悪だ、最悪だぁぁ! 何でだぁぁ!」 「ククク、もう終わりか人間」 余裕の笑みを浮かべ青年、勝憲に立ちはだかるのは、 銀色の毛皮を持った、かなり大柄の狼。 身体中に鎖のような物を巻き付けている、明らかに普通の狼では無い。 「何か反撃でもしたらどうだ? 逃げる兎を追うばかりもつまらん」 「反撃出来るもんならしてるっつーの!」 勝憲が攻撃出来ないのは、支給品が余りに粗末過ぎたためであった。 シャボン玉セットと賞味期限が五年も前のカップラーメン5個。 ほとんどゴミである。これでどうしろと言うのか。 (主催の野郎ォォ! もっとマシなもんよこせよ! 外れにも程あんだろが!) 心の中で主催者に悪態をつく勝憲。 「安心しろ…無駄に動かなければ一瞬で楽になれるぞ」 「……ッ」 狼――ロディオンは突進するべく身構えた。 (まずい…こうなったらもうヤケだ、一か八か…) 勝憲はむざむざ殺されてたまるかと、賭けに出る事にした。 そして、ロディオンがついに駆け出す。狙うは前方の青年の喉笛。 「ガアアッ!」 雄叫びを上げ、ロディオンが勝憲に飛び掛かる。 だが、勝憲は即座に、ジャンプしたロディオンの下を前転するように潜り抜けた。 (ほぅ、やるな) 人間ながら大した運動能力だと、ロディオンは笑みを浮かべながら感心する。 だが、彼が地面に着地したその時。 「取ったああああ!!」 背後から青年の叫び声が響き、そして――。 「うぎっ!?」 ロディオンが情けない悲鳴を上げた。口をパクパクさせ、 先程とは打って変わってブルブルと震え何かに耐え出した。 「おうおう、狼さんよ、名前は何だよ」 「ろ、ロディオン、だが」 「ロディオンねぇ。俺は四宮勝憲だ覚えておけ。ロディオンさんよ、 随分立派なキンタマ持ってるじゃねーか」 「あっ、がっ、あ」 ロディオンの、雄の象徴の根元にある黒い玉を、勝憲の右手が鷲掴みにしていた。 いかに屈強な獣と言えど、ここばかりは鍛えようも無く、握られる苦しみは耐え難い。 「……なぁ、知ってるかロディオンさん。サカりの付いた雄の獣はな……」 勝憲の、ロディオンの玉を握る手の力が強くなる。 「や、やめ」 「去勢すると大人しくなるんだぜ!!」 ぷちっ。 「ギャアアアァァァァアアアアアアアアアァァアアァアァアアアアアァアアアァアアア!!!!!」 森に、狼の絶叫が木霊した。 ◆ 「あ……あぅ…うっ、あ」 大事な子種の貯蓄袋に壊滅的なダメージを受けた妖狼・ロディオンは、 泡を吹きながら、股間を押さえ、涙を流し悶えていた。 もはや、先程までの威勢も威厳も、綺麗に消し飛んでしまっている。 そんな彼を無視し、玉を潰した張本人である青年、四宮勝憲は、 ロディオンの持っていたデイパックの中身を漁る。 「おっ……」 そして、中からリボルバー拳銃、コルトM1917とフルムーンクリップにまとめられた状態の、 自動拳銃用.45ACP弾18発が出てくる。 「これでまともに戦えそうだ」 「ぎぃ、い、き、貴様ぁぁ…許さん、許さんぞ……よくも、よくもぉ」 「うるせぇなぁ。自業自得だろうが」 勝憲はM1917を携えロディオンの元に近寄り、銃口を向ける。 「ぁ…あ、に、人間のぉ、ぶ、分際でぇ…!」 「人間なめんなよ…じゃあなクソ犬!」 ロディオンの胸に六発の銃弾が撃ち込まれ、睾丸を潰された哀れな雄の狼は息絶えた。 予備の弾をM1917に装填し、一息付く勝憲。 「たく…殺し合いなんざ…面倒な事になった……さっさと麗雅と美琴を見付けねぇと。 取り敢えずこの川を下流に下って…ああ、西の方だな…川を西に下って行けば良いか。 街に出られるだろ」 幼馴染と近所に住む狐獣人の女子高生の少女を捜すため、勝憲は川を伝い街を目指す。 彼は知る由も無い。その幼馴染が彼ともう一人、狐獣人の少女を生かすために、 この馬鹿げた殺し合いに乗ってしまった事を。 &color(red){【ロディオン    死亡】} &color(red){[残り44人]} 【一日目/早朝/D-8森北部川沿い】 【四宮勝憲】 [状態]肉体疲労(中) [装備]コルトM1917(6/6) [持物]基本支給品一式、.45ACP弾6発入りフルムーンクリップ(2) [思考・行動]  基本:殺し合う気は無いが襲い掛かる者には容赦しない。朱雀麗雅と葛葉美琴の捜索。  1:街に出たい。 [備考]  ※特に無し。 ※D-8森北部周辺に銃声及びロディオンの悲鳴が響きました。 ※D-8森北部川沿いにロディオンの死体、ロディオンのデイパック(基本支給品一式入り)、 シャボン玉セット、賞味期限切れのカップラーメン(5)が放置されています。 ---- ≪支給品紹介≫ 【シャボン玉セット】 四宮勝憲に支給。 読んで字の如くシャボン玉を作って遊ぶ玩具。 【賞味期限切れのカップラーメン】 四宮勝憲に支給。 5年以上前に賞味期限が切れたカップラーメン。 食べるのなら食中毒を覚悟しなければならない。 【コルトM1917】 ロディオンに.45ACP弾6発入りフルムーンクリップ3個とセットで支給。 第一次大戦中に米軍で.45ACP弾を使用するコルトガバメント自動拳銃の 生産供給が追い付かなくなったため同じ弾薬を使用するリボルバーをと言う、 軍からの要望により誕生した.45ACP弾使用のリボルバー拳銃。 S&WM1917という開発元の異なる同コンセプトの銃も存在する。 ≪キャラ紹介≫ 【名前】四宮勝憲(しのみや・かつのり) 【性別】男 【年齢】26 【職業】雑貨店経営 【身体的特徴】中肉中背、黒髪、細い目、黒いTシャツにジーンズ、スニーカー姿 【性格】粗野で冷酷、だが友人は大切にする 【趣味】ドライブ、射撃場通い、ゲーム 【特技】銃の扱いに慣れている 【経歴】高校二年の頃、空手の全国大会で準優勝を取った事がある 【好きなもの・こと】ジャガイモ 【苦手なもの・こと】モツ 【特殊技能の有無】空手、柔道の有段者。民間人にしては射撃技能が高め 【備考】曾祖父の代から続く雑貨店を経営しているが、営業中にカウンターで煙草を吸う、  万引き犯を血祭りに上げるなど接客態度が極めて悪く客の評判は芳しく無い。  ただ品揃えや商品の鮮度は上々のため客足は多いらしい。  幼馴染の剣道道場主である朱雀麗雅と子分的存在となっている狐獣人の高校一年生、  葛葉美琴と仲が良い。 【名前】ロディオン 【性別】雄 【年齢】27(妖狼は人間と年の取り方が同じ) 【職業】野生の妖狼 【身体的特徴】銀色の美しい毛皮、タテガミ。筋肉質な巨躯の狼 【性格】尊大 【趣味】狩猟 【特技】爪牙を使った格闘術、素早い動きでの翻弄 【経歴】不明 【好きなもの・こと】人間の女(食糧的な意味で) 【苦手なもの・こと】銃 【特殊技能の有無】体力が高い 【備考】生粋の妖狼だが、生命力はなぜか普通の狼並 ---- |[[とあるガンナーの少女]]|時系列順|[[]]| |[[とあるガンナーの少女]]|投下順|[[]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|四宮勝憲|[[]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|&color(red){ロディオン}|&color(red){死亡}|
16話:人間なめんな! 唐突だが、四宮勝憲(しのみや・かつのり)は窮地に立たされていた。 ゲーム開始して程無く、森の中で殺し合いに乗っている参加者に襲撃され、 追い回され、現在中々に流れが速い川を背にして追い詰められている。 「最悪だ、最悪だぁぁ! 何でだぁぁ!」 「ククク、もう終わりか人間」 余裕の笑みを浮かべ青年、勝憲に立ちはだかるのは、 銀色の毛皮を持った、かなり大柄の狼。 身体中に鎖のような物を巻き付けている、明らかに普通の狼では無い。 「何か反撃でもしたらどうだ? 逃げる兎を追うばかりもつまらん」 「反撃出来るもんならしてるっつーの!」 勝憲が攻撃出来ないのは、支給品が余りに粗末過ぎたためであった。 シャボン玉セットと賞味期限が五年も前のカップラーメン5個。 ほとんどゴミである。これでどうしろと言うのか。 (主催の野郎ォォ! もっとマシなもんよこせよ! 外れにも程あんだろが!) 心の中で主催者に悪態をつく勝憲。 「安心しろ…無駄に動かなければ一瞬で楽になれるぞ」 「……ッ」 狼――ロディオンは突進するべく身構えた。 (まずい…こうなったらもうヤケだ、一か八か…) 勝憲はむざむざ殺されてたまるかと、賭けに出る事にした。 そして、ロディオンがついに駆け出す。狙うは前方の青年の喉笛。 「ガアアッ!」 雄叫びを上げ、ロディオンが勝憲に飛び掛かる。 だが、勝憲は即座に、ジャンプしたロディオンの下を前転するように潜り抜けた。 (ほぅ、やるな) 人間ながら大した運動能力だと、ロディオンは笑みを浮かべながら感心する。 だが、彼が地面に着地したその時。 「取ったああああ!!」 背後から青年の叫び声が響き、そして――。 「うぎっ!?」 ロディオンが情けない悲鳴を上げた。口をパクパクさせ、 先程とは打って変わってブルブルと震え何かに耐え出した。 「おうおう、狼さんよ、名前は何だよ」 「ろ、ロディオン、だが」 「ロディオンねぇ。俺は四宮勝憲だ覚えておけ。ロディオンさんよ、 随分立派なキンタマ持ってるじゃねーか」 「あっ、がっ、あ」 ロディオンの、雄の象徴の根元にある黒い玉を、勝憲の右手が鷲掴みにしていた。 いかに屈強な獣と言えど、ここばかりは鍛えようも無く、握られる苦しみは耐え難い。 「……なぁ、知ってるかロディオンさん。サカりの付いた雄の獣はな……」 勝憲の、ロディオンの玉を握る手の力が強くなる。 「や、やめ」 「去勢すると大人しくなるんだぜ!!」 ぷちっ。 「ギャアアアァァァァアアアアアアアアアァァアアァアァアアアアアァアアアァアアア!!!!!」 森に、狼の絶叫が木霊した。 ◆ 「あ……あぅ…うっ、あ」 大事な子種の貯蓄袋に壊滅的なダメージを受けた妖狼・ロディオンは、 泡を吹きながら、股間を押さえ、涙を流し悶えていた。 もはや、先程までの威勢も威厳も、綺麗に消し飛んでしまっている。 そんな彼を無視し、玉を潰した張本人である青年、四宮勝憲は、 ロディオンの持っていたデイパックの中身を漁る。 「おっ……」 そして、中からリボルバー拳銃、コルトM1917とフルムーンクリップにまとめられた状態の、 自動拳銃用.45ACP弾18発が出てくる。 「これでまともに戦えそうだ」 「ぎぃ、い、き、貴様ぁぁ…許さん、許さんぞ……よくも、よくもぉ」 「うるせぇなぁ。自業自得だろうが」 勝憲はM1917を携えロディオンの元に近寄り、銃口を向ける。 「ぁ…あ、に、人間のぉ、ぶ、分際でぇ…!」 「人間なめんなよ…じゃあなクソ犬!」 ロディオンの胸に六発の銃弾が撃ち込まれ、睾丸を潰された哀れな雄の狼は息絶えた。 予備の弾をM1917に装填し、一息付く勝憲。 「たく…殺し合いなんざ…面倒な事になった……さっさと麗雅と美琴を見付けねぇと。 取り敢えずこの川を下流に下って…ああ、西の方だな…川を西に下って行けば良いか。 街に出られるだろ」 幼馴染と近所に住む狐獣人の女子高生の少女を捜すため、勝憲は川を伝い街を目指す。 彼は知る由も無い。その幼馴染が彼ともう一人、狐獣人の少女を生かすために、 この馬鹿げた殺し合いに乗ってしまった事を。 &color(red){【ロディオン    死亡】} &color(red){[残り44人]} 【一日目/早朝/D-8森北部川沿い】 【四宮勝憲】 [状態]肉体疲労(中) [装備]コルトM1917(6/6) [持物]基本支給品一式、.45ACP弾6発入りフルムーンクリップ(2) [思考・行動]  基本:殺し合う気は無いが襲い掛かる者には容赦しない。朱雀麗雅と葛葉美琴の捜索。  1:街に出たい。 [備考]  ※特に無し。 ※D-8森北部周辺に銃声及びロディオンの悲鳴が響きました。 ※D-8森北部川沿いにロディオンの死体、ロディオンのデイパック(基本支給品一式入り)、 シャボン玉セット、賞味期限切れのカップラーメン(5)が放置されています。 ---- ≪支給品紹介≫ 【シャボン玉セット】 四宮勝憲に支給。 読んで字の如くシャボン玉を作って遊ぶ玩具。 【賞味期限切れのカップラーメン】 四宮勝憲に支給。 5年以上前に賞味期限が切れたカップラーメン。 食べるのなら食中毒を覚悟しなければならない。 【コルトM1917】 ロディオンに.45ACP弾6発入りフルムーンクリップ3個とセットで支給。 第一次大戦中に米軍で.45ACP弾を使用するコルトガバメント自動拳銃の 生産供給が追い付かなくなったため同じ弾薬を使用するリボルバーをと言う、 軍からの要望により誕生した.45ACP弾使用のリボルバー拳銃。 S&WM1917という開発元の異なる同コンセプトの銃も存在する。 ≪キャラ紹介≫ 【名前】四宮勝憲(しのみや・かつのり) 【性別】男 【年齢】26 【職業】雑貨店経営 【身体的特徴】中肉中背、黒髪、細い目、黒いTシャツにジーンズ、スニーカー姿 【性格】粗野で冷酷、だが友人は大切にする 【趣味】ドライブ、射撃場通い、ゲーム 【特技】銃の扱いに慣れている 【経歴】高校二年の頃、空手の全国大会で準優勝を取った事がある 【好きなもの・こと】ジャガイモ 【苦手なもの・こと】モツ 【特殊技能の有無】空手、柔道の有段者。民間人にしては射撃技能が高め 【備考】曾祖父の代から続く雑貨店を経営しているが、営業中にカウンターで煙草を吸う、  万引き犯を血祭りに上げるなど接客態度が極めて悪く客の評判は芳しく無い。  ただ品揃えや商品の鮮度は上々のため客足は多いらしい。  幼馴染の剣道道場主である朱雀麗雅と子分的存在となっている狐獣人の高校一年生、  葛葉美琴と仲が良い。 【名前】ロディオン 【性別】雄 【年齢】27(妖狼は人間と年の取り方が同じ) 【職業】野生の妖狼 【身体的特徴】銀色の美しい毛皮、タテガミ。筋肉質な巨躯の狼 【性格】尊大 【趣味】狩猟 【特技】爪牙を使った格闘術、素早い動きでの翻弄 【経歴】不明 【好きなもの・こと】人間の女(食糧的な意味で) 【苦手なもの・こと】銃 【特殊技能の有無】体力が高い 【備考】生粋の妖狼だが、生命力はなぜか普通の狼並 ---- |[[とあるガンナーの少女]]|時系列順|[[DRUNKENNESS DRAGONESS]]| |[[とあるガンナーの少女]]|投下順|[[DRUNKENNESS DRAGONESS]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|四宮勝憲|[[EVE~逃亡劇~]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|&color(red){ロディオン}|&color(red){死亡}|

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