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0話:OP(新訳俺オリロワ)
ある小学校の、ある教室に、首に黒い金属製の首輪をはめた、50人の人々が集められていた。
種族も年齢も様々だが、ほとんどの者は同じように困惑の表情を浮かべていた。
静かに事態を静観している者も数人いたが。
ここにいる全員は、何の前触れも無く突然、日常からこの見知らぬ教室へ連れて来られたのだ。
いつ、どうやって連れて来られたのか全員、その記憶は全く無い。
だが、今考えるべき事はそれでは無いだろう。何にせよ、今自分達は、
謎の首輪をはめられ、覚えの無い教室にいる。
教室には前方に大きなモニターが設置され、窓や扉は固く施錠されビクともしない。
窓から見える風景に見覚えのある者は誰一人としていない。
突然、モニターに映像が映し出される。
画面に現れたのは黒いボサボサの髪の、スーツ姿の若い男と、
黒白の毛皮を持った狼のような頭部を持つ、竜人体型の獣竜の女性。
「この映像を見ている皆さん、初めまして。
俺は柴田行隆(しばた・ゆきたか)と申します」
「私はセイファートでーす。宜しくね」
「皆さんに本日集まって頂いたのは、とあるゲームをして頂く為です」
柴田行隆と名乗ったモニターの向こうの男はしばらく間を置いてから、
「ゲーム」の内容を語った。
「皆さんにして頂くゲームは、バトルロワイアル……殺し合いです。
これから皆さんに、ちょっと殺し合いをして頂きます。最後の一人になるまでです。
反則は有りません」
人々がざわめき立つ。最早話についていけない。
いきなり連れて来られいきなり殺し合えと言われれば無理も無い反応である。
何かの冗談か? タチの悪いテレビ局のドッキリ企画か何かか?
そう考える者も何人かいたが、深刻そうな表情でモニターを見詰める者も多かった。
「皆さんの首に、首輪がはめられていますね?
それは、ゲームをスムーズかつ確実に行うための物です。
くれぐれも無理矢理外そうとしたりしないで下さい――――爆発しますよ」
首輪に触れていた何人かが手を離した。
「その爆発と言うものがどの程度の威力かと言うのをお見せします」
香取がそう言った直後、画面が切り替わり洋服店によく置かれているようなマネキンが映し出された。
首には人々と同じ黒い首輪がはめられている。
「良いですか、よく見ていて下さい」
香取の声がした直後、マネキンの首輪からピーという電子音が鳴り、
ボンッ、と爆発音が響き、首輪の丁度喉元に当たる部分が炸裂した。
その光景を見た人々は戦慄する。
首輪が爆発したマネキンの喉元には大きな穴が空いた。
あれが生きている人間や獣だとしたら、待っているのは間違い無く、死。
画面が再び切り替わり、笑みを浮かべた柴田とセイファートの顔が映し出される。
「お分かり頂けたでしょうか……」
理解したく無くとも、理解せざるを得まい。
下手な事をすれば首にはめられた首輪は爆発する。
ここはおとなしくモニターの向こうの二人の言う事に耳を傾けた方が良さそうだ。
人々のほとんどはそう判断した。
「ではルール説明に移りましょう……セイファートさん、お願いします」
「はいはーい。それじゃあルールを説明しまーす。
先程も言った通り、皆さんで最後の一人になるまで殺し合って貰います。
最後まで生き残った一人が優勝となり、帰る事が出来ます。
参加者の間のやり取りに反則はありません。ゲーム会場の施設の利用も自由です。
首輪に関してもう少し詳しく……。
首輪は無理に外そうとしたり、禁止エリアに進入したり、
ゲーム進行に大幅な支障を来すような行動を取った場合、爆発します。
ゲーム開始の際、支給品の入ったデイパックを渡します。
デイパックは特別製でして、死体を含む参加者、明らかに規格外の物以外は、
何でも入れる事が出来、重量も変わりません。
最初から入っている物はゲーム会場の地図、参加者名簿といった、
基本支給品一式と、武器等のランダム支給品が1~2個です。
実際どういった者が入っているかはゲームが始まったら自分で確認して下さいね。
ランダム支給品は役に立つ物ばかりとは限りません。これはハンデを少なくするためです。
一応会場にも色々な物が落ちていると思いますので、
もし武器が貧弱だったならば、すみませんが自弁して下さい。
0:00、4:00、8:00、12:00、16:00、20:00の四時間おきに、定時放送を流します。
内容はその時刻までの新たな死亡者と、禁止エリアの発表です。
禁止エリアはその名の通り、入ると首輪が作動するエリアです。
放送から一時間後に指定のエリアが禁止エリアになります。
また、地図の外や上空100メートル以上も禁止エリア扱いです。
侵入すると同じく首輪が作動します。
あ、皆さんが今いる学校はこのゲームが始まった直後に禁止エリアになるので、
気を付けて下さいね。
24時間新たな死者が出なかった場合、その時点での生存者全員の首輪を爆破します。
つまり優勝者無し、ゲームオーバーです。 また、参加者が全員死亡しても同様です。
あ、あと、特殊能力とか魔法が使える人は大幅に制限がありますから注意して下さい。
以上でーす」
知り合いがいる者もいない者も、周囲の人々と顔を見合わせる。
これから自分はこれらの人々と、知り合いと、殺し合いをしなければならないのか。
一体なぜ、何のために。なぜ殺し合いをしなければいけないのか。
モニターの向こうの二人にその理由を是非問いたい。
だが、それは叶わない。
「それでは、バトルロワイアルを開始します……皆さん、ご健闘をお祈りします」
柴田が言い終わるのとほぼ同時に、人々は強烈な眠気に襲われた。
勘の良い者は、それが催眠ガスだと分かったが、分かってもどうしようも無かった。
次々と床に伏し、眠りに就く人々。
そして、全員が深い眠りに落ちた。
「いやあ、セイファートさんのお陰で今回の俺の任務上手く行きそうだよ」
「いえいえ。私も暇してた所だからねぇ。面白そうだし」
「二人でこのバトルロワイアル盛り上げて行きまっしょい」
「そうだねぇ。うふふ」
&color(red){【ゲーム開始】}
&color(red){[残り50人]}
|&color(aqua){ゲーム開始}|時系列順|[[森の中の黒い狼]]|
|&color(aqua){ゲーム開始}|投下順|[[森の中の黒い狼]]|
|&color(aqua){ゲーム開始}|柴田行隆|[[第一回放送(新訳俺オリロワ)]]|
|&color(aqua){ゲーム開始}|セイファート|[[]]|
0話:OP(新訳俺オリロワ)
ある小学校の、ある教室に、首に黒い金属製の首輪をはめた、50人の人々が集められていた。
種族も年齢も様々だが、ほとんどの者は同じように困惑の表情を浮かべていた。
静かに事態を静観している者も数人いたが。
ここにいる全員は、何の前触れも無く突然、日常からこの見知らぬ教室へ連れて来られたのだ。
いつ、どうやって連れて来られたのか全員、その記憶は全く無い。
だが、今考えるべき事はそれでは無いだろう。何にせよ、今自分達は、
謎の首輪をはめられ、覚えの無い教室にいる。
教室には前方に大きなモニターが設置され、窓や扉は固く施錠されビクともしない。
窓から見える風景に見覚えのある者は誰一人としていない。
突然、モニターに映像が映し出される。
画面に現れたのは黒いボサボサの髪の、スーツ姿の若い男と、
黒白の毛皮を持った狼のような頭部を持つ、竜人体型の獣竜の女性。
「この映像を見ている皆さん、初めまして。
俺は柴田行隆(しばた・ゆきたか)と申します」
「私はセイファートでーす。宜しくね」
「皆さんに本日集まって頂いたのは、とあるゲームをして頂く為です」
柴田行隆と名乗ったモニターの向こうの男はしばらく間を置いてから、
「ゲーム」の内容を語った。
「皆さんにして頂くゲームは、バトルロワイアル……殺し合いです。
これから皆さんに、ちょっと殺し合いをして頂きます。最後の一人になるまでです。
反則は有りません」
人々がざわめき立つ。最早話についていけない。
いきなり連れて来られいきなり殺し合えと言われれば無理も無い反応である。
何かの冗談か? タチの悪いテレビ局のドッキリ企画か何かか?
そう考える者も何人かいたが、深刻そうな表情でモニターを見詰める者も多かった。
「皆さんの首に、首輪がはめられていますね?
それは、ゲームをスムーズかつ確実に行うための物です。
くれぐれも無理矢理外そうとしたりしないで下さい――――爆発しますよ」
首輪に触れていた何人かが手を離した。
「その爆発と言うものがどの程度の威力かと言うのをお見せします」
香取がそう言った直後、画面が切り替わり洋服店によく置かれているようなマネキンが映し出された。
首には人々と同じ黒い首輪がはめられている。
「良いですか、よく見ていて下さい」
香取の声がした直後、マネキンの首輪からピーという電子音が鳴り、
ボンッ、と爆発音が響き、首輪の丁度喉元に当たる部分が炸裂した。
その光景を見た人々は戦慄する。
首輪が爆発したマネキンの喉元には大きな穴が空いた。
あれが生きている人間や獣だとしたら、待っているのは間違い無く、死。
画面が再び切り替わり、笑みを浮かべた柴田とセイファートの顔が映し出される。
「お分かり頂けたでしょうか……」
理解したく無くとも、理解せざるを得まい。
下手な事をすれば首にはめられた首輪は爆発する。
ここはおとなしくモニターの向こうの二人の言う事に耳を傾けた方が良さそうだ。
人々のほとんどはそう判断した。
「ではルール説明に移りましょう……セイファートさん、お願いします」
「はいはーい。それじゃあルールを説明しまーす。
先程も言った通り、皆さんで最後の一人になるまで殺し合って貰います。
最後まで生き残った一人が優勝となり、帰る事が出来ます。
参加者の間のやり取りに反則はありません。ゲーム会場の施設の利用も自由です。
首輪に関してもう少し詳しく……。
首輪は無理に外そうとしたり、禁止エリアに進入したり、
ゲーム進行に大幅な支障を来すような行動を取った場合、爆発します。
ゲーム開始の際、支給品の入ったデイパックを渡します。
デイパックは特別製でして、死体を含む参加者、明らかに規格外の物以外は、
何でも入れる事が出来、重量も変わりません。
最初から入っている物はゲーム会場の地図、参加者名簿といった、
基本支給品一式と、武器等のランダム支給品が1~2個です。
実際どういった者が入っているかはゲームが始まったら自分で確認して下さいね。
ランダム支給品は役に立つ物ばかりとは限りません。これはハンデを少なくするためです。
一応会場にも色々な物が落ちていると思いますので、
もし武器が貧弱だったならば、すみませんが自弁して下さい。
0:00、4:00、8:00、12:00、16:00、20:00の四時間おきに、定時放送を流します。
内容はその時刻までの新たな死亡者と、禁止エリアの発表です。
禁止エリアはその名の通り、入ると首輪が作動するエリアです。
放送から一時間後に指定のエリアが禁止エリアになります。
また、地図の外や上空100メートル以上も禁止エリア扱いです。
侵入すると同じく首輪が作動します。
あ、皆さんが今いる学校はこのゲームが始まった直後に禁止エリアになるので、
気を付けて下さいね。
24時間新たな死者が出なかった場合、その時点での生存者全員の首輪を爆破します。
つまり優勝者無し、ゲームオーバーです。 また、参加者が全員死亡しても同様です。
あ、あと、特殊能力とか魔法が使える人は大幅に制限がありますから注意して下さい。
以上でーす」
知り合いがいる者もいない者も、周囲の人々と顔を見合わせる。
これから自分はこれらの人々と、知り合いと、殺し合いをしなければならないのか。
一体なぜ、何のために。なぜ殺し合いをしなければいけないのか。
モニターの向こうの二人にその理由を是非問いたい。
だが、それは叶わない。
「それでは、バトルロワイアルを開始します……皆さん、ご健闘をお祈りします」
柴田が言い終わるのとほぼ同時に、人々は強烈な眠気に襲われた。
勘の良い者は、それが催眠ガスだと分かったが、分かってもどうしようも無かった。
次々と床に伏し、眠りに就く人々。
そして、全員が深い眠りに落ちた。
「いやあ、セイファートさんのお陰で今回の俺の任務上手く行きそうだよ」
「いえいえ。私も暇してた所だからねぇ。面白そうだし」
「二人でこのバトルロワイアル盛り上げて行きまっしょい」
「そうだねぇ。うふふ」
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