耳障りな誘惑、花椿の香り

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61話 耳障りな誘惑、花椿の香り 「はぁ…はぁ…目が霞むっ……! くそっ……」 ギンギライガーの出血はもはや命の危機に瀕するレベルに達していた。 視界は霞み、足の感覚も段々と薄れつつある。 だが当の本人がその事に気付く由は無い、仮に気付いたとしても彼は認め無いであろう。 ドサ。 「うあ……」 そして、エリアD-6の住宅街の路上で、彼は遂に倒れてしまった。 「……倒れちまった……起き上がらねぇと……」 前足と後足に力を入れて立ち上がろうとするが。 ドサ。 「………え?」 立ち上がれなかった。前足にも後足にももう力が入らなくなったのである。 そして意識が徐々に遠退くのをギンギライガーは感じた。 「……嘘だろ……まさか…俺……死ぬの…か……? ……嫌だ……死にたく…ない………!」 何度も、何度も起き上がろうとするが、徒労に終わる。 そうこうしている間にも、頭の中はぼうっとし、眠気が襲ってくる。 ギンギライガーの身体は出血多量により生命活動を維持出来なくなっていた。 これから自分は死ぬという現実を認められず、ギンギライガーは涙を浮かべた。 「何でだ……! 俺は…ライガーを…倒したんだ……! これから……これからなのに……! こんな所で…終わるなんて………っ! あ、ああ、あ………!」 ズルズルと、地べたを這いずり、尚もギンギライガーは先へ進もうとした。 しかしそれもやがて終わる。 「死にたくない………死に……たく…ない…………死………たく………………」 そして、最後の息をふぅっと吐き、ギンギライガーの意識は途絶え、 その姿は光と共に木の根のような物に覆われた円盤石へと変化した。 「何かしらこれ」 数十分後、ギンギライガー最期の地を、突撃銃AKS-74を携えた、 銀髪の少女銀鏖院水晶が訪れる。 そこで彼女が見付けたものは夥しい血の跡と、誰の物か分からないデイパック、 そして木の根のような物に覆われた謎の円盤状の石と首輪だった。 「…まあいいか…」 特に気にする事も無いと判断した水晶は落ちていたデイパックに近付く。 「ねぇ、あなた」 「!」 水晶に声を掛ける者が現れた。 身構える水晶の視線の先には、背中に翼を持った、桃色の髪の、 白いビキニのような服を着た美少女――リュティが立っていた。 「何? あなた…」 「…率直に訊くけど…あなた、殺し合いに乗ってるわね」 「!?」 「…雰囲気で分かるよ。何となく」 「…そう言うあなたはどうなの」 「……乗ってる。もう四人殺したわ」 「そう…私は三人、よ」 水晶はAKS-74の銃口をリュティに向ける。 「待って…ちょっと話があるんだけど、良い?」 「話…?」 リュティの言葉に水晶は首を傾げる。 自分と相手は今初めて会ったばかりだが、話とは何か。 「この殺し合い、多分、もう生き残りはだいぶ少なくなってきてると思うの。 殺し合いに抵抗する人達は、大抵徒党を組んでいる……でも、 私達のように殺し合いに乗っている人って、例外もいるかもしれないけど、 単独で行動している事が多いでしょ?」 「……つまり、何? 手を組まないかって事?」 「! …良く分かったわね」 水晶がリュティの考えに気付けたのは、数刻前、全く同じような提案を、 図書館で出会った別の女性からされたためである。 だが、その時は水晶はその提案を蹴った。理由はその提案者の女性が、 余り使えそうになかったからだったが、今回は。 「…あなた名前は?」 「私はリュティよ…あなたは…」 「銀鏖院水晶…武器は持っているの?」 「ええ。銃が三丁と刀一本、後ナイフだけど」 「……」 水晶は自分のデイパックを開け、持っている武器をリュティに見せた。 「随分一杯あるわね…」 「正直こんなにあっても持て余すだけだから、どれか好きなの貰っていいわよ」 「…それは、手を組んでくれるって意味で良いのかしら」 「……」 こくりと水晶が頷く。リュティは満足気な笑みを浮かべ、 水晶の持つ武器の中から、M4A1カービンと予備マガジン、コルトガバメントと 予備マガジンを入手した。 「……分かっているとは思うけど、私達以外の全員が死ぬまでだからね。 その後は……敵同士よ」 「分かってる……だからそれまで宜しくね、水晶さん」 「……こちらこそ。リュティ」 銀髪の少女と桃髪のサキュバスは、生き残りが自分達二人になるまでは共闘する事にした。 &color(red){【ギンギライガー@モンスターファーム~円盤石の秘密~  死亡】} &color(red){【残り13人】} 【一日目/朝方/D-6住宅街】 【銀鏖院水晶@自作キャラでバトルロワイアル】 [状態]健康 [装備]AKS-74(30/30) [所持品]基本支給品一式、AKS-74マガジン(30×3)、  S&W M27(6/6)、.357マグナム弾(18)、アーミーナイフ、中華包丁、ノートパソコン、  ギンギライガーのデイパック [思考・行動]  基本:殺し合いに乗る。優勝を目指す。  1:リュティとしばらく協力。残り生存者が自分とリュティのみになったら、リュティを殺す。 [備考]  ※本編死亡後からの参戦です。  ※超能力は封印され、使えなくなっています。  ※ライガー(名前は知らない)の容姿を記憶しました。 【リュティ@オリキャラ】 [状態]健康 [装備] M4A1カービン(12/30) [所持品]基本支給品一式、グロック19(7/15)、グロック19マガジン(15×3)、  コルト ガバメント(7/7)、コルト ガバメントマガジン(7×3)、M4マガジン(30×5)、  南部十四年式拳銃(0/8)、南部十四年式拳銃マガジン(8×2)、H&K MARK23(10/10)、  ハンティングナイフ、方頭大刀 [思考・行動]  基本:殺し合いに乗る。優勝を目指す。  1:銀鏖院水晶としばらく協力。残り生存者が自分と水晶のみになったら、水晶を殺す。  2:獲物を捜す。 [備考]  ※アレックスとブライアンの名前を記憶しました。 ※D-6市街地路上に円盤石の状態になったギンギライガーの死体と首輪が 放置されています。 |[[まもりきれぬもの]]|時系列順|[[LONG ROAD]]| |[[まもりきれぬもの]]|投下順|[[LONG ROAD]]| |[[「兄を超えられる弟はいない」]]|&color(red){ギンギライガー}|&color(red){死亡}| |[[復讐と服従、読みはちょっと似てる]]|銀鏖院水晶|[[]]| |[[フラグを踏んだらサヨウナラ]]|リュティ|[[]]|
61話 耳障りな誘惑、花椿の香り 「はぁ…はぁ…目が霞むっ……! くそっ……」 ギンギライガーの出血はもはや命の危機に瀕するレベルに達していた。 視界は霞み、足の感覚も段々と薄れつつある。 だが当の本人がその事に気付く由は無い、仮に気付いたとしても彼は認め無いであろう。 ドサ。 「うあ……」 そして、エリアD-6の住宅街の路上で、彼は遂に倒れてしまった。 「……倒れちまった……起き上がらねぇと……」 前足と後足に力を入れて立ち上がろうとするが。 ドサ。 「………え?」 立ち上がれなかった。前足にも後足にももう力が入らなくなったのである。 そして意識が徐々に遠退くのをギンギライガーは感じた。 「……嘘だろ……まさか…俺……死ぬの…か……? ……嫌だ……死にたく…ない………!」 何度も、何度も起き上がろうとするが、徒労に終わる。 そうこうしている間にも、頭の中はぼうっとし、眠気が襲ってくる。 ギンギライガーの身体は出血多量により生命活動を維持出来なくなっていた。 これから自分は死ぬという現実を認められず、ギンギライガーは涙を浮かべた。 「何でだ……! 俺は…ライガーを…倒したんだ……! これから……これからなのに……! こんな所で…終わるなんて………っ! あ、ああ、あ………!」 ズルズルと、地べたを這いずり、尚もギンギライガーは先へ進もうとした。 しかしそれもやがて終わる。 「死にたくない………死に……たく…ない…………死………たく………………」 そして、最後の息をふぅっと吐き、ギンギライガーの意識は途絶え、 その姿は光と共に木の根のような物に覆われた円盤石へと変化した。 「何かしらこれ」 数十分後、ギンギライガー最期の地を、突撃銃AKS-74を携えた、 銀髪の少女銀鏖院水晶が訪れる。 そこで彼女が見付けたものは夥しい血の跡と、誰の物か分からないデイパック、 そして木の根のような物に覆われた謎の円盤状の石と首輪だった。 「…まあいいか…」 特に気にする事も無いと判断した水晶は落ちていたデイパックに近付く。 「ねぇ、あなた」 「!」 水晶に声を掛ける者が現れた。 身構える水晶の視線の先には、背中に翼を持った、桃色の髪の、 白いビキニのような服を着た美少女――リュティが立っていた。 「何? あなた…」 「…率直に訊くけど…あなた、殺し合いに乗ってるわね」 「!?」 「…雰囲気で分かるよ。何となく」 「…そう言うあなたはどうなの」 「……乗ってる。もう四人殺したわ」 「そう…私は三人、よ」 水晶はAKS-74の銃口をリュティに向ける。 「待って…ちょっと話があるんだけど、良い?」 「話…?」 リュティの言葉に水晶は首を傾げる。 自分と相手は今初めて会ったばかりだが、話とは何か。 「この殺し合い、多分、もう生き残りはだいぶ少なくなってきてると思うの。 殺し合いに抵抗する人達は、大抵徒党を組んでいる……でも、 私達のように殺し合いに乗っている人って、例外もいるかもしれないけど、 単独で行動している事が多いでしょ?」 「……つまり、何? 手を組まないかって事?」 「! …良く分かったわね」 水晶がリュティの考えに気付けたのは、数刻前、全く同じような提案を、 図書館で出会った別の女性からされたためである。 だが、その時は水晶はその提案を蹴った。理由はその提案者の女性が、 余り使えそうになかったからだったが、今回は。 「…あなた名前は?」 「私はリュティよ…あなたは…」 「銀鏖院水晶…武器は持っているの?」 「ええ。銃が三丁と刀一本、後ナイフだけど」 「……」 水晶は自分のデイパックを開け、持っている武器をリュティに見せた。 「随分一杯あるわね…」 「正直こんなにあっても持て余すだけだから、どれか好きなの貰っていいわよ」 「…それは、手を組んでくれるって意味で良いのかしら」 「……」 こくりと水晶が頷く。リュティは満足気な笑みを浮かべ、 水晶の持つ武器の中から、M4A1カービンと予備マガジン、コルトガバメントと 予備マガジンを入手した。 「……分かっているとは思うけど、私達以外の全員が死ぬまでだからね。 その後は……敵同士よ」 「分かってる……だからそれまで宜しくね、水晶さん」 「……こちらこそ。リュティ」 銀髪の少女と桃髪のサキュバスは、生き残りが自分達二人になるまでは共闘する事にした。 &color(red){【ギンギライガー@モンスターファーム~円盤石の秘密~  死亡】} &color(red){【残り13人】} 【一日目/朝方/D-6住宅街】 【銀鏖院水晶@自作キャラでバトルロワイアル】 [状態]健康 [装備]AKS-74(30/30) [所持品]基本支給品一式、AKS-74マガジン(30×3)、  S&W M27(6/6)、.357マグナム弾(18)、アーミーナイフ、中華包丁、ノートパソコン、  ギンギライガーのデイパック [思考・行動]  基本:殺し合いに乗る。優勝を目指す。  1:リュティとしばらく協力。残り生存者が自分とリュティのみになったら、リュティを殺す。 [備考]  ※本編死亡後からの参戦です。  ※超能力は封印され、使えなくなっています。  ※ライガー(名前は知らない)の容姿を記憶しました。 【リュティ@オリキャラ】 [状態]健康 [装備] M4A1カービン(12/30) [所持品]基本支給品一式、グロック19(7/15)、グロック19マガジン(15×3)、  コルト ガバメント(7/7)、コルト ガバメントマガジン(7×3)、M4マガジン(30×5)、  南部十四年式拳銃(0/8)、南部十四年式拳銃マガジン(8×2)、H&K MARK23(10/10)、  ハンティングナイフ、方頭大刀 [思考・行動]  基本:殺し合いに乗る。優勝を目指す。  1:銀鏖院水晶としばらく協力。残り生存者が自分と水晶のみになったら、水晶を殺す。  2:獲物を捜す。 [備考]  ※アレックスとブライアンの名前を記憶しました。 ※D-6市街地路上に円盤石の状態になったギンギライガーの死体と首輪が 放置されています。 |[[まもりきれぬもの]]|時系列順|[[LONG ROAD]]| |[[まもりきれぬもの]]|投下順|[[LONG ROAD]]| |[[「兄を超えられる弟はいない」]]|&color(red){ギンギライガー}|&color(red){死亡}| |[[復讐と服従、読みはちょっと似てる]]|銀鏖院水晶|[[ココヨリトワニ]]| |[[フラグを踏んだらサヨウナラ]]|リュティ|[[ココヨリトワニ]]|

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