涙を拭いて

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59話 涙を拭いて 廃村の一角に、盛り上がった土の山が二つ。 その上には近くの廃家の瓦礫から調達した木材で作った十字架が立てられている。 「……」 水色と白の毛皮を持つ雌の人狼の少女リーヴァイは自分で作った兄の墓の前で、 目を閉じ祈りを捧げる。泣き疲れたせいか顔には疲労の色が出ていた。 その隣でダークエルフの男ダーエロもまた祈りを捧げた。 「…うん、良いよ。ありがとうダーエロ、手伝ってくれて」 「いや、良いさ……大丈夫かリーヴァイ」 「……もう大丈夫。かなり、落ち着いた、から」 兄の死後、しばらくはリーヴァイは精神的に酷くショックを受け、 会話もままならず立ち上がる事すら難しい状態だった。 今は本人も言う通りだいぶ回復したようだがやはり兄の事を引き摺っているようだ。 「…行こう。ダーエロ…」 それでもリーヴァイは悲しみから立ち直ろうと努力する。 兄の後を追おうとも考えたが、そんな事をすればあの世で兄に叱られると思った。 兄が一番喜ぶのは――自分がこの殺し合いから生きて脱出する事のはずだ。 そのために、悲しみに呑まれる訳にはいかない。 「…ああ」 ダーエロもまた、リーヴァイの心中を察した。 妹を庇って凶弾に斃れた勇敢な人狼に報いるためにも、この殺し合いから脱出する。 リーヴァイの兄を殺した張本人の首を切り落とし首輪のサンプルを入手する事にも成功した。 どこか比較的安全な場所で首輪を解析出来れば、首にはめられた首輪を外し、 脱出への糸口が掴めるかもしれない。 アレックス達勇者勢や、ドラゴナス、ムシャの二人はまだ生きているだろうか。 彼らと合流出来れば非常に頼りになるのだが――――。 廃村を北に進むと、均された工事現場のような場所に出た。 恐らくここにも廃家があったのだろうが取り壊され、整地されてしまっている。 ブルドーザーや軽トラックなどが放置されているが、まだ使えるようだ。 ダーエロは軽トラックに近付くと運転席のドアの取っ手に手を掛けた。 ガチャ。 「お…開いてるな」 ドアはロックされておらず、中を調べてみるとキーが挿し込まれたままになっている。 試しにキーを回すと、エンジンが起動し発進可能になった。 「この軽トラック、使えるぜ。これで森を抜けて市街地に行こう」 「ダーエロ運転出来るの?」 「任せておけ」 ダーエロが運転席、リーヴァイが助手席に乗り込む。 「でも…どこに行く?」 「そうだな…街の中央にある市役所に行ってみよう」 「分かった」 地図によれば会場中央、街の中央部には市役所、公民館、学校がある。 公民館や学校も気にはなったが、ダーエロとリーヴァイは敢えて市役所に向かう事にした。 ダーエロがサイドブレーキを解除し、ハンドルを握ってアクセルを踏み込むと、 軽トラックはゆっくりと動き出した。 ――お兄ちゃん、私、絶対この殺し合いから生きて脱出するから。 だから、見守っててね。 心の中で、リーヴァイは脱出への決意を新たにする。 【一日目/朝方/G-6廃村北部】 【ダーエロ@VIPRPGシリーズ】 [状態]健康、軽トラック運転中、D-4市役所へ向かっている [装備]一〇〇式機関短銃(30/30)、 [所持品]基本支給品一式、一〇〇式機関短銃マガジン(30×5)、クレアスの首輪、  ショートソード、農作業用鎌、除草剤 [思考・行動]  基本:殺し合いからの脱出。首輪の解除方法を探す。  1:リーヴァイと行動。市役所に向かう。  2:ドラゴナス、ムシャと合流したい。 [備考]  ※魔法は一切使えなくなっています。 【リーヴァイ@オリキャラ】 [状態]精神的疲労(中)、頭部に軽い打撲、D-4市役所へ向かっている [装備]ベレッタM93R(20/20) [所持品]基本支給品一式、ベレッタM93Rマガジン(20×3)、ニューナンブM60(5/5)、  .38SP弾(10)、文化包丁、ポータブルMDプレーヤー(MD挿入済) [思考・行動]  基本:殺し合いからの脱出。  1:ダーエロと行動。市役所に向かう。 [備考]  ※ダーエロの運転する軽トラック助手席に乗り込んでいます。 ※ヴォルフとクレアスの死体はG-6廃村に埋葬されました。 また二人のデイパック(両方とも基本支給品入り)は同エリア内に放棄されています。 |[[愚者の舞]]|時系列順|[[まもりきれぬもの]]| |[[愚者の舞]]|投下順|[[まもりきれぬもの]]| |[[Great elder brother]]|ダーエロ|[[]]| |[[Great elder brother]]|ヴォルフ|[[]]|
59話 涙を拭いて 廃村の一角に、盛り上がった土の山が二つ。 その上には近くの廃家の瓦礫から調達した木材で作った十字架が立てられている。 「……」 水色と白の毛皮を持つ雌の人狼の少女リーヴァイは自分で作った兄の墓の前で、 目を閉じ祈りを捧げる。泣き疲れたせいか顔には疲労の色が出ていた。 その隣でダークエルフの男ダーエロもまた祈りを捧げた。 「…うん、良いよ。ありがとうダーエロ、手伝ってくれて」 「いや、良いさ……大丈夫かリーヴァイ」 「……もう大丈夫。かなり、落ち着いた、から」 兄の死後、しばらくはリーヴァイは精神的に酷くショックを受け、 会話もままならず立ち上がる事すら難しい状態だった。 今は本人も言う通りだいぶ回復したようだがやはり兄の事を引き摺っているようだ。 「…行こう。ダーエロ…」 それでもリーヴァイは悲しみから立ち直ろうと努力する。 兄の後を追おうとも考えたが、そんな事をすればあの世で兄に叱られると思った。 兄が一番喜ぶのは――自分がこの殺し合いから生きて脱出する事のはずだ。 そのために、悲しみに呑まれる訳にはいかない。 「…ああ」 ダーエロもまた、リーヴァイの心中を察した。 妹を庇って凶弾に斃れた勇敢な人狼に報いるためにも、この殺し合いから脱出する。 リーヴァイの兄を殺した張本人の首を切り落とし首輪のサンプルを入手する事にも成功した。 どこか比較的安全な場所で首輪を解析出来れば、首にはめられた首輪を外し、 脱出への糸口が掴めるかもしれない。 アレックス達勇者勢や、ドラゴナス、ムシャの二人はまだ生きているだろうか。 彼らと合流出来れば非常に頼りになるのだが――――。 廃村を北に進むと、均された工事現場のような場所に出た。 恐らくここにも廃家があったのだろうが取り壊され、整地されてしまっている。 ブルドーザーや軽トラックなどが放置されているが、まだ使えるようだ。 ダーエロは軽トラックに近付くと運転席のドアの取っ手に手を掛けた。 ガチャ。 「お…開いてるな」 ドアはロックされておらず、中を調べてみるとキーが挿し込まれたままになっている。 試しにキーを回すと、エンジンが起動し発進可能になった。 「この軽トラック、使えるぜ。これで森を抜けて市街地に行こう」 「ダーエロ運転出来るの?」 「任せておけ」 ダーエロが運転席、リーヴァイが助手席に乗り込む。 「でも…どこに行く?」 「そうだな…街の中央にある市役所に行ってみよう」 「分かった」 地図によれば会場中央、街の中央部には市役所、公民館、学校がある。 公民館や学校も気にはなったが、ダーエロとリーヴァイは敢えて市役所に向かう事にした。 ダーエロがサイドブレーキを解除し、ハンドルを握ってアクセルを踏み込むと、 軽トラックはゆっくりと動き出した。 ――お兄ちゃん、私、絶対この殺し合いから生きて脱出するから。 だから、見守っててね。 心の中で、リーヴァイは脱出への決意を新たにする。 【一日目/朝方/G-6廃村北部】 【ダーエロ@VIPRPGシリーズ】 [状態]健康、軽トラック運転中、D-4市役所へ向かっている [装備]一〇〇式機関短銃(30/30)、 [所持品]基本支給品一式、一〇〇式機関短銃マガジン(30×5)、クレアスの首輪、  ショートソード、農作業用鎌、除草剤 [思考・行動]  基本:殺し合いからの脱出。首輪の解除方法を探す。  1:リーヴァイと行動。市役所に向かう。  2:ドラゴナス、ムシャと合流したい。 [備考]  ※魔法は一切使えなくなっています。 【リーヴァイ@オリキャラ】 [状態]精神的疲労(中)、頭部に軽い打撲、D-4市役所へ向かっている [装備]ベレッタM93R(20/20) [所持品]基本支給品一式、ベレッタM93Rマガジン(20×3)、ニューナンブM60(5/5)、  .38SP弾(10)、文化包丁、ポータブルMDプレーヤー(MD挿入済) [思考・行動]  基本:殺し合いからの脱出。  1:ダーエロと行動。市役所に向かう。 [備考]  ※ダーエロの運転する軽トラック助手席に乗り込んでいます。 ※ヴォルフとクレアスの死体はG-6廃村に埋葬されました。 また二人のデイパック(両方とも基本支給品入り)は同エリア内に放棄されています。 |[[愚者の舞]]|時系列順|[[まもりきれぬもの]]| |[[愚者の舞]]|投下順|[[まもりきれぬもの]]| |[[Great elder brother]]|ダーエロ|[[LONG ROAD]]| |[[Great elder brother]]|ヴォルフ|[[LONG ROAD]]|

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