時を待つ、白む空

「時を待つ、白む空」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

時を待つ、白む空」(2010/10/05 (火) 23:29:44) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

41話 時を待つ、白む空 リリアが森屋英太の支給品である拡声器を見て思い付いた事は至極簡単だった。 要するに、市役所にあるテラス――なぜ公の施設にこのようなものがあるのかは 不明だが――から、仲間を集う放送を流そうと考えたのである。 無論、アレックス達に向けてのメッセージも兼ねていた。 (でも、自分で提案しておいて何だけど、これは上等な手段とは言えないのよね) この行動は、殺し合いに乗っている者達に大っぴらに自分の居場所を教えてしまう というリスクが伴う。自分はここにいます、殺しに来て下さいと言っているようなものだ。 だが、この殺し合いの中で危険を冒さずに脱出手段が探せるはずも無い。 (もし、やばそうな人が来たら……戦うか、逃げるか) リリアは方頭大刀と呼ばれる刀、同行者の森屋英太少年は斧を装備している。 どちらも近接武器で、銃を持った相手に襲われれば危険だった。 更にリリアはある程度戦いの心得はあったが英太は丸っきりただの高校生。 戦力は殆ど期待出来ないと言っても良い。 そして時刻は、第一回目の定時放送まで残り僅かとなっている。 決行はこの放送の後にする事にしていた。 情報は必要だったし、他の参加者もしっかり聞いておきたいだろう。 (アレックス達、無事かしら…) 殺し合いに呼ばれた仲間達や、魔王軍四天王の三人の事を心配しながら、 リリアは英太と共に放送の時間を待つ。 一方の森屋英太は食糧のパンをかじりながら、 待合室のソファーに座ってリリアと同じように放送を待っていた。 (もう放送か…そう言えば四時間おきだったっけ…。 前の時は確か六時間おきだったな……) 以前の殺し合い――リリアには話していない――の時の事を回想する。 思えば色々な事があった。 「遥……死ねばお前の所に行けるって、ちょっとは思ったんだけど」 まさかまた、地獄の殺し合いに参加させられるなど、誰が思うだろう。 今度死ねば自分は、今度こそあの世に行けるのだろうか。 ――遥に会えるのか? 「いやいや、やめとこう」 まるで今から自殺するような物の考え方だと英太は自嘲する。 折角、普通なら有り得ない完全なる死からの復活を果たしたのだ。 これもきっと何かの縁だ、もしかしたら既に死んだクラスメイト――この 殺し合いの参加者の一人、ノーチラスもその一人のはずだが――の分まで、 生きろという、神様からの贈り物なのかもしれない。 などとロマンチックな事を考えたが、冷静に考えるならば、 主催者の香取亮太が何かをしたと考えるのが妥当だろう。 「……」 英太はオフィスを物色している白い鉢巻を巻いた青い髪の、 美女に相当する女性、リリアに目を向ける。 先刻、自分の支給品の一つである拡声器を見た彼女は、 この市役所から放送で呼び掛けを行おうと英太に提案した。 同時にその行動の危険性についても説明していたが。 正直な所英太はその行為に乗り気では無かったが、 拒否してリリアとの同行を解消されるのを恐れ同意してしまった。 呼び掛けで信頼出来る参加者が集まれば良いが、そうとは限らない。 殺し合いに乗っている参加者も近くにいるはず、それらが呼び寄せられたら。 (…俺、自信があるぞ。緊急時に自分一人だけ逃げ出す自信が) 明らかに間違った方向の自信を抱く英太であった。 市役所近くのカフェに、桃色の髪を持った、際どい衣装の美少女――の 姿をした、サキュバス、リュティはいた。 先刻、一人の男を殺してから、適当に街中を歩いて回り、 現在の市役所近くまで来ていたが、放送も近付いているために、 一度休息を取る事にした。 「市役所…絶対、一人ぐらいはいそう」 どういう訳かテラスの設置された、中々に目立つ建物の市役所が、 カフェの窓からでも十分拝める。 直感ではあるが、間違い無く参加者はいるはず。リュティはそう考えていた。 「…何人、死んでるのかな」 知り合いこそいないが現在何人生き残っているのかは気になる所だった。 【一日目/黎明/D-4市役所】 【リリア@VIPRPGシリーズ】 [状態]健康 [装備]方頭大刀 [所持品]基本支給品一式、拡声器 [思考・行動]  基本:殺し合いからの脱出。アレックス達と合流したい。  1:森屋英太と行動。放送後に、拡声器に寄る呼び掛けを行う。  2:襲われたら、正当防衛の範囲内で対処する。 [備考]  ※魔法は一切使えなくなっています。  ※森屋英太のクラスメイト(銀鏖院水晶、エルフィ、テト、ノーチラス、フラウ)  についての情報を得ました。 【森屋英太@自作キャラでバトルロワイアル】 [状態]健康 [装備]斧 [所持品]基本支給品一式 [思考・行動]  基本:殺し合いには乗らない。生き残りたい。  1:リリアと行動。拡声器による呼び掛けには余り乗り気では無い。  2:クラスメイトについては保留。但し銀鏖院水晶については…? [備考]  ※本編死亡後からの参戦です。  ※リリアの仲間及び知人(アレックス、ブライアン、ゴメス、ドラゴナス、ダーエロ、  ムシャ、クレアス、エロリア)についての情報を得ました。 【一日目/黎明/D-4市役所周辺のカフェ】 【リュティ@オリキャラ】 [状態]健康 [装備]グロック19(15/15) [所持品]基本支給品一式、グロック19マガジン(15×3)、ハンティングナイフ [思考・行動]  基本:殺し合いに乗る。優勝を目指す。  1:放送を待つ。その後市役所へ。  2:獲物を捜す。 [備考]  ※特に無し。 |[[ひゅるりひゅるり]]|時系列順|[[第一回放送(俺得ロワ3rd)]]| |[[ひゅるりひゅるり]]|投下順|[[第一回放送(俺得ロワ3rd)]]| |[[死亡フラグに気をつけろ]]|リリア|[[]]| |[[死亡フラグに気をつけろ]]|森屋英太|[[]]| |[[サキュバスと「マダオ」]]|リュティ|[[]]|
41話 時を待つ、白む空 リリアが森屋英太の支給品である拡声器を見て思い付いた事は至極簡単だった。 要するに、市役所にあるテラス――なぜ公の施設にこのようなものがあるのかは 不明だが――から、仲間を集う放送を流そうと考えたのである。 無論、アレックス達に向けてのメッセージも兼ねていた。 (でも、自分で提案しておいて何だけど、これは上等な手段とは言えないのよね) この行動は、殺し合いに乗っている者達に大っぴらに自分の居場所を教えてしまう というリスクが伴う。自分はここにいます、殺しに来て下さいと言っているようなものだ。 だが、この殺し合いの中で危険を冒さずに脱出手段が探せるはずも無い。 (もし、やばそうな人が来たら……戦うか、逃げるか) リリアは方頭大刀と呼ばれる刀、同行者の森屋英太少年は斧を装備している。 どちらも近接武器で、銃を持った相手に襲われれば危険だった。 更にリリアはある程度戦いの心得はあったが英太は丸っきりただの高校生。 戦力は殆ど期待出来ないと言っても良い。 そして時刻は、第一回目の定時放送まで残り僅かとなっている。 決行はこの放送の後にする事にしていた。 情報は必要だったし、他の参加者もしっかり聞いておきたいだろう。 (アレックス達、無事かしら…) 殺し合いに呼ばれた仲間達や、魔王軍四天王の三人の事を心配しながら、 リリアは英太と共に放送の時間を待つ。 一方の森屋英太は食糧のパンをかじりながら、 待合室のソファーに座ってリリアと同じように放送を待っていた。 (もう放送か…そう言えば四時間おきだったっけ…。 前の時は確か六時間おきだったな……) 以前の殺し合い――リリアには話していない――の時の事を回想する。 思えば色々な事があった。 「遥……死ねばお前の所に行けるって、ちょっとは思ったんだけど」 まさかまた、地獄の殺し合いに参加させられるなど、誰が思うだろう。 今度死ねば自分は、今度こそあの世に行けるのだろうか。 ――遥に会えるのか? 「いやいや、やめとこう」 まるで今から自殺するような物の考え方だと英太は自嘲する。 折角、普通なら有り得ない完全なる死からの復活を果たしたのだ。 これもきっと何かの縁だ、もしかしたら既に死んだクラスメイト――この 殺し合いの参加者の一人、ノーチラスもその一人のはずだが――の分まで、 生きろという、神様からの贈り物なのかもしれない。 などとロマンチックな事を考えたが、冷静に考えるならば、 主催者の香取亮太が何かをしたと考えるのが妥当だろう。 「……」 英太はオフィスを物色している白い鉢巻を巻いた青い髪の、 美女に相当する女性、リリアに目を向ける。 先刻、自分の支給品の一つである拡声器を見た彼女は、 この市役所から放送で呼び掛けを行おうと英太に提案した。 同時にその行動の危険性についても説明していたが。 正直な所英太はその行為に乗り気では無かったが、 拒否してリリアとの同行を解消されるのを恐れ同意してしまった。 呼び掛けで信頼出来る参加者が集まれば良いが、そうとは限らない。 殺し合いに乗っている参加者も近くにいるはず、それらが呼び寄せられたら。 (…俺、自信があるぞ。緊急時に自分一人だけ逃げ出す自信が) 明らかに間違った方向の自信を抱く英太であった。 市役所近くのカフェに、桃色の髪を持った、際どい衣装の美少女――の 姿をした、サキュバス、リュティはいた。 先刻、一人の男を殺してから、適当に街中を歩いて回り、 現在の市役所近くまで来ていたが、放送も近付いているために、 一度休息を取る事にした。 「市役所…絶対、一人ぐらいはいそう」 どういう訳かテラスの設置された、中々に目立つ建物の市役所が、 カフェの窓からでも十分拝める。 直感ではあるが、間違い無く参加者はいるはず。リュティはそう考えていた。 「…何人、死んでるのかな」 知り合いこそいないが現在何人生き残っているのかは気になる所だった。 【一日目/黎明/D-4市役所】 【リリア@VIPRPGシリーズ】 [状態]健康 [装備]方頭大刀 [所持品]基本支給品一式、拡声器 [思考・行動]  基本:殺し合いからの脱出。アレックス達と合流したい。  1:森屋英太と行動。放送後に、拡声器に寄る呼び掛けを行う。  2:襲われたら、正当防衛の範囲内で対処する。 [備考]  ※魔法は一切使えなくなっています。  ※森屋英太のクラスメイト(銀鏖院水晶、エルフィ、テト、ノーチラス、フラウ)  についての情報を得ました。 【森屋英太@自作キャラでバトルロワイアル】 [状態]健康 [装備]斧 [所持品]基本支給品一式 [思考・行動]  基本:殺し合いには乗らない。生き残りたい。  1:リリアと行動。拡声器による呼び掛けには余り乗り気では無い。  2:クラスメイトについては保留。但し銀鏖院水晶については…? [備考]  ※本編死亡後からの参戦です。  ※リリアの仲間及び知人(アレックス、ブライアン、ゴメス、ドラゴナス、ダーエロ、  ムシャ、クレアス、エロリア)についての情報を得ました。 【一日目/黎明/D-4市役所周辺のカフェ】 【リュティ@オリキャラ】 [状態]健康 [装備]グロック19(15/15) [所持品]基本支給品一式、グロック19マガジン(15×3)、ハンティングナイフ [思考・行動]  基本:殺し合いに乗る。優勝を目指す。  1:放送を待つ。その後市役所へ。  2:獲物を捜す。 [備考]  ※特に無し。 |[[ひゅるりひゅるり]]|時系列順|[[第一回放送(俺得ロワ3rd)]]| |[[ひゅるりひゅるり]]|投下順|[[第一回放送(俺得ロワ3rd)]]| |[[死亡フラグに気をつけろ]]|リリア|[[もしもフラグを踏んだら]]| |[[死亡フラグに気をつけろ]]|森屋英太|[[もしもフラグを踏んだら]]| |[[サキュバスと「マダオ」]]|リュティ|[[もしもフラグを踏んだら]]|

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。