少女の結論、虎との出会い

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36話 少女の結論、虎との出会い 見月そはらは考えていた。この殺し合いに乗るかどうか。 既にゲーム開始から数時間経過している。この段階で未だに 乗るか乗らないか決めかねているのは恐らく自分だけだろう。 服が乾くまでの時間、思考の大半をそれに費やしていた。 そして出した結論は。 「…私は殺し合いには乗っていません」 「そうか、良かった…俺もだ」 健康センター一階飲食コーナーの畳上にて、そはらはつい先程遭遇した、 大柄な虎獣人のスーツ姿の男と会話をしていた。 結局、そはらは殺し合いに乗らない事にした。 やはり、自分が生きて帰るために他人を殺すなど出来なかった。 そんな事をして帰ったとしても自分のスケベだが優しい幼馴染は喜ばないだろうと。 「俺は高村紀嗣。君は?」 「見月そはらです」 「そうか……そはらちゃんで良いかな」 「あ、はい」 虎獣人――高村紀嗣と話しながら、そはらは紀嗣の虎の顔や、 毛皮の生えた手、縞模様のある黄色い尻尾などを見回した。 (本物…だよね? 着ぐるみでも何でも無いよね…?) そはらが生きる世界では、紀嗣のような、いわゆる「獣人」という存在は 架空の上でのものでしか無い。だが、今こうして現実に、その獣人と会話している。 最初見た時は流石に驚いたが、外見を除けば至って普通の男性である。 虎の牙の生えた口から人間の言葉、しかも日本語が出てくるのは、 やや違和感を感じた。 「ん? どうしたの?」 「あ、いや、何でも無いです」 「?」 一方の紀嗣の世界は人間や獣人は愚か、喋る動物や魔獣、霊や神までもが 存在するカオスな様相を呈しているためそはらの抱く疑問には気付かない。 そはらを自分と同じ世界の人間だと思っているのも一因である。 もっとも今の状況下ではそのような事は大して問題にならないのだが。 「そはらちゃん、何を支給された? 俺はナイフと、これ…だ」 「何ですか、それ…綺麗」 「アイスクリスタル、と説明書に書いてあった。投げると、当たった場所から 結構広い範囲で凍らせる事が出来るみたいだ。さっき二階でやったら凄かった」 「本当ですか」 「本当だとも。そうだな、試しにあそこのテーブルの辺りに」 紀嗣はアイスクリスタルを持ち、遠くにあったテーブルに向け投げ付けた。 ガキィィン!! 「きゃあっ!?」 そして、クリスタルが砕け散った場所から広範囲に氷漬けとなった。 それを見て驚き声を上げるそはら。 「凄いですね…」 「だが使い所がな…ってやばい、もう一個しか無い。 元々三個で、上で一個、今一個使っちゃったから」 「あらら…」 「…まあ、何とかなるか。そはらちゃんは?」 「私は…これです」 そう言ってそはらは自分の支給品であるリボルバー拳銃、 コルトアナコンダを紀嗣に見せた。 「銃か…良いね」 「これ…高村さんが持ってくれませんか? 多分私じゃ使いこなせないと思うし…」 「良いのかい? …じゃあ、ナイフと交換しようか」 そはらと紀嗣は互いの武装を交換した。 サバイバルナイフがそはらに、アナコンダが紀嗣の手に渡る。 「そはらちゃんはこの殺し合いに知り合いは? 俺は誰もいないけど」 「知り合いと言いますか、知っている人は一人だけいるんですけど、 余り親しくは無いと言いますか…」 「ふぅん…」 何か訳有りのようだったが、特に高村は追求する事はしなかった。 「……これからどうしましょう、高村さん」 「そうだな…放送の時間も近いし、しばらくここにいよう。 下手に出歩くと、返って危ないだろうから」 「…そう、ですね」 紀嗣は放送時間が迫っている事もあり、しばらくは健康センター内に 身を潜める事を提案し、そはらもそれを受け入れた。 【一日目/黎明/A-5健康センター一階飲食コーナー】 【見月そはら@そらのおとしもの】 [状態]健康 [装備]サバイバルナイフ [所持品]基本支給品一式 [思考・行動]  基本:殺し合いには乗らない。何とかして帰りたい。  1:高村紀嗣と行動。しばらく健康センターに留まる。 [備考]  ※原作でアストレアが登場した後からの参戦です。 【高村紀嗣@オリキャラ】 [状態]健康 [装備]コルト アナコンダ(6/6) [所持品]基本支給品一式、.44マグナム弾(18)、アイスクリスタル(2) [思考・行動]  基本:殺し合いをする気は無い。何とかして早く帰りたい。  1:見月そはらと行動。しばらく健康センターに留まる。 [備考]  ※健康センターのおおよその構造を把握しました。 |[[復讐の女神]]|時系列順|[[どこにも無いでしょう、あなたの素晴らしさ]]| |[[復讐の女神]]|投下順|[[どこにも無いでしょう、あなたの素晴らしさ]]| |[[ゆけむりのおとしもの]]|見月そはら|[[]]| |[[ゆけむりのおとしもの]]|高村紀嗣|[[]]|
36話 少女の結論、虎との出会い 見月そはらは考えていた。この殺し合いに乗るかどうか。 既にゲーム開始から数時間経過している。この段階で未だに 乗るか乗らないか決めかねているのは恐らく自分だけだろう。 服が乾くまでの時間、思考の大半をそれに費やしていた。 そして出した結論は。 「…私は殺し合いには乗っていません」 「そうか、良かった…俺もだ」 健康センター一階飲食コーナーの畳上にて、そはらはつい先程遭遇した、 大柄な虎獣人のスーツ姿の男と会話をしていた。 結局、そはらは殺し合いに乗らない事にした。 やはり、自分が生きて帰るために他人を殺すなど出来なかった。 そんな事をして帰ったとしても自分のスケベだが優しい幼馴染は喜ばないだろうと。 「俺は高村紀嗣。君は?」 「見月そはらです」 「そうか……そはらちゃんで良いかな」 「あ、はい」 虎獣人――高村紀嗣と話しながら、そはらは紀嗣の虎の顔や、 毛皮の生えた手、縞模様のある黄色い尻尾などを見回した。 (本物…だよね? 着ぐるみでも何でも無いよね…?) そはらが生きる世界では、紀嗣のような、いわゆる「獣人」という存在は 架空の上でのものでしか無い。だが、今こうして現実に、その獣人と会話している。 最初見た時は流石に驚いたが、外見を除けば至って普通の男性である。 虎の牙の生えた口から人間の言葉、しかも日本語が出てくるのは、 やや違和感を感じた。 「ん? どうしたの?」 「あ、いや、何でも無いです」 「?」 一方の紀嗣の世界は人間や獣人は愚か、喋る動物や魔獣、霊や神までもが 存在するカオスな様相を呈しているためそはらの抱く疑問には気付かない。 そはらを自分と同じ世界の人間だと思っているのも一因である。 もっとも今の状況下ではそのような事は大して問題にならないのだが。 「そはらちゃん、何を支給された? 俺はナイフと、これ…だ」 「何ですか、それ…綺麗」 「アイスクリスタル、と説明書に書いてあった。投げると、当たった場所から 結構広い範囲で凍らせる事が出来るみたいだ。さっき二階でやったら凄かった」 「本当ですか」 「本当だとも。そうだな、試しにあそこのテーブルの辺りに」 紀嗣はアイスクリスタルを持ち、遠くにあったテーブルに向け投げ付けた。 ガキィィン!! 「きゃあっ!?」 そして、クリスタルが砕け散った場所から広範囲に氷漬けとなった。 それを見て驚き声を上げるそはら。 「凄いですね…」 「だが使い所がな…ってやばい、もう一個しか無い。 元々三個で、上で一個、今一個使っちゃったから」 「あらら…」 「…まあ、何とかなるか。そはらちゃんは?」 「私は…これです」 そう言ってそはらは自分の支給品であるリボルバー拳銃、 コルトアナコンダを紀嗣に見せた。 「銃か…良いね」 「これ…高村さんが持ってくれませんか? 多分私じゃ使いこなせないと思うし…」 「良いのかい? …じゃあ、ナイフと交換しようか」 そはらと紀嗣は互いの武装を交換した。 サバイバルナイフがそはらに、アナコンダが紀嗣の手に渡る。 「そはらちゃんはこの殺し合いに知り合いは? 俺は誰もいないけど」 「知り合いと言いますか、知っている人は一人だけいるんですけど、 余り親しくは無いと言いますか…」 「ふぅん…」 何か訳有りのようだったが、特に高村は追求する事はしなかった。 「……これからどうしましょう、高村さん」 「そうだな…放送の時間も近いし、しばらくここにいよう。 下手に出歩くと、返って危ないだろうから」 「…そう、ですね」 紀嗣は放送時間が迫っている事もあり、しばらくは健康センター内に 身を潜める事を提案し、そはらもそれを受け入れた。 【一日目/黎明/A-5健康センター一階飲食コーナー】 【見月そはら@そらのおとしもの】 [状態]健康 [装備]サバイバルナイフ [所持品]基本支給品一式 [思考・行動]  基本:殺し合いには乗らない。何とかして帰りたい。  1:高村紀嗣と行動。しばらく健康センターに留まる。 [備考]  ※原作でアストレアが登場した後からの参戦です。 【高村紀嗣@オリキャラ】 [状態]健康 [装備]コルト アナコンダ(6/6) [所持品]基本支給品一式、.44マグナム弾(18)、アイスクリスタル(2) [思考・行動]  基本:殺し合いをする気は無い。何とかして早く帰りたい。  1:見月そはらと行動。しばらく健康センターに留まる。 [備考]  ※健康センターのおおよその構造を把握しました。 |[[復讐の女神]]|時系列順|[[どこにも無いでしょう、あなたの素晴らしさ]]| |[[復讐の女神]]|投下順|[[どこにも無いでしょう、あなたの素晴らしさ]]| |[[ゆけむりのおとしもの]]|見月そはら|[[父よあなたは]]| |[[ゆけむりのおとしもの]]|高村紀嗣|[[父よあなたは]]|

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