冷静な狐×馬鹿な天使

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19話 冷静な狐×馬鹿な天使 女子生徒用学生服姿の狐の獣人の少女、フラウは自分が置かれている状況を整理していた。 そもそも、自分は別の殺し合いで死んだはずだった。 だが今こうして生きており、今度は香取亮太と名乗る謎の男が催す殺し合いに身を置いている。 首には相も変わらず爆弾内蔵の首輪もはめられている。 状況は好転しているとは言えない、良くなった点は身体の傷は全て癒え、 体力も万全になりベストコンディションだと言う事ぐらいだろうか。 デイパックの中に入っていた散弾銃・レミントンM870を手に、 夜の住宅街を歩くフラウ。 「英人に由佳ちゃん、ケトルはいないみたいだけど…」 三人の親しい人物はこの殺し合いにはいない。 だとすればまだあの、自分が死ぬ前にいた殺し合いの中にいるのだろうか。 代わりに同じく殺し合いをさせられていたクラスメイト数人の名前があった。 やや気になるのはあの教室にいなかった三人の内の一人、猫族の少女テト。 彼女もまたこの殺し合いに呼ばれている。 もし会う事があれば詳しく事情を聞きたいと、フラウは考える。 「私は…」 この殺し合いにおいて、自分はどう行動するべきか。 正直な所、英人や由佳などがいないのであれば、この殺し合いを 躊躇する理由が見当たらない。 名簿にあるクラスメイトはいずれも、特に親しい訳では無い者ばかりだ。 それに、元の殺し合いにいるはずの英人達の事も気になる。 それならば。 「そこのあなた」 「!」 不意に女性の声が聞こえフラウが足を止めた。 考え事に夢中で気付かなかった、前方に背中から白い翼が生えた、 やたら露出の高い格好の金髪の女性が立っていた。 金髪の女性――アストレアは前方数メートル先の狐の顔をした少女に狙いを定める。 マスターの命により桜井智樹と言う地蟲(ダウナー)を排除しに地上へ下りたはいいが、 自身の生来の頭の弱さからことごとく失敗し、更に智樹が自分が尊敬し、 シナプス最強のエンジェロイドであるイカロスのマスターであるため、 任務遂行が困難になりその上処分を恐れ帰還も出来なくなり河原で困窮生活を送っていた。 そんな時に、この殺し合いにいきなり巻き込まれた。 首にはめられている首輪はマスターのそれでは無くなり、 マスターとの交信も不可能、更に力もかなり弱くなっていた。 (何でこんな酷い目に…! 殺し合い…? 良いわ、やってやるわよ) 不遇と言えば不遇の自分の境遇に苛立ち、アストレアは殺し合いに乗る事を決めた。 そして最初の獲物として選んだのが狐獣人の少女――フラウだった。 「何…?」 フラウが怪訝な表情で言う。 「悪いけど…死んで貰うわ」 「!!」 アストレアは自分の支給品であるビームサーベルを構え、 一気にフラウに突進した。 彼女は近接戦闘に特化したエンジェロイドであった。それ故、 力がかなり抑えられているとは言え、明らかに一般人と思しき狐の少女ならば、 小細工無しで正面から行っても十分勝てると思っていた。 だが悲しいかな、アストレアはフラウが手にしていた散弾銃について良く知らなかった。 「ごめんなさい」 フラウは冷静にM870を構え、引き金を引いた。 ドンッ!! 至近距離で鉛の散弾を受ければ、いかに普通の人間より頑丈なエンジェロイドと言えど、 致命傷は免れない。 「ぐ、あ……!」 衝撃で軽く後ろに吹き飛んだアストレアは腹部や胸元が真っ赤に染まっていた。 口からどす黒く見える血液が溢れ出る。 仰向けに倒れた状態から起き上がろうとするが、もう身体の自由が利かなかった。 (そんな、ここまでなの…? こんなに、あっさり……) 意識が遠のき、アストレアは間もなく自分の機能が停止する、 即ち死ぬ事を悟った。 (申し訳ありません……マスター…………) 最期の瞬間に、彼女は自分のマスターに対し謝罪の言葉を心の中で述べた。 もっとも、彼女のマスターが彼女の事をそこまで思っているかどうかは不明だが。 完全に動かなくなったアストレアの傍に落ちていたビームサーベルを拾い、 電源を切って刃を収め、自分のデイパックの中に入れるフラウ。 アストレアの持っていたデイパックを漁るが入っていたのは基本支給品だけだった。 「…ごめんなさい。私も、ここで死ぬ訳にはいかないのよ」 フラウは英人達の元へ帰還するためにこの殺し合いに乗り、優勝する事を決めた。 そのためにクラスメイトも、見ず知らずの人々も全員手に掛けると、 パートナーとその彼女のためなら喜んで手を血に染めると。 その覚悟は前の殺し合いの時に、既にしていたが。 「英人、由佳ちゃん……」 二人の名前を呟きながら、フラウは夜の住宅街を歩き始めた。 &color(red){【アストレア@そらのおとしもの  死亡】} &color(red){【残り44人】} 【一日目/深夜/D-5住宅街】 【フラウ@自作キャラでバトルロワイアル】 [状態]健康 [装備]レミントンM870(3/4) [所持品]基本支給品一式、12ゲージショットシェル(12)、ビームサーベル [思考・行動]  基本:英人達の元へ帰還するために、優勝する。  1:参加者は発見次第始末していきたい。 [備考]  ※本編死亡後からの参戦です。 ※D-5一帯と周辺に銃声が響きました。 ※D-5住宅街路上にアストレアの死体、アストレアのデイパック(基本支給品一式入り)が 放置されています。 ≪支給品紹介≫ 【レミントンM870】 レミントン社の代表的なポンプアクション式散弾銃。 操作性の高さ、頑丈さが評価され、狩猟はもとより警察機構の制式散弾銃として よく使用されている。 【ビームサーベル】 謎の高度な技術で作られた光の剣。 柄の部分のスイッチを押す事で光の刀身の出し入れが可能。 切れ味は抜群。 |[[女は狼より強し]]|時系列順|[[爆乳猫少女はNEETと出会う]]| |[[女は狼より強し]]|投下順|[[爆乳猫少女はNEETと出会う]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|フラウ|[[]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|&color(red){アストレア}|&color(red){死亡}|
19話 冷静な狐×馬鹿な天使 女子生徒用学生服姿の狐の獣人の少女、フラウは自分が置かれている状況を整理していた。 そもそも、自分は別の殺し合いで死んだはずだった。 だが今こうして生きており、今度は香取亮太と名乗る謎の男が催す殺し合いに身を置いている。 首には相も変わらず爆弾内蔵の首輪もはめられている。 状況は好転しているとは言えない、良くなった点は身体の傷は全て癒え、 体力も万全になりベストコンディションだと言う事ぐらいだろうか。 デイパックの中に入っていた散弾銃・レミントンM870を手に、 夜の住宅街を歩くフラウ。 「英人に由佳ちゃん、ケトルはいないみたいだけど…」 三人の親しい人物はこの殺し合いにはいない。 だとすればまだあの、自分が死ぬ前にいた殺し合いの中にいるのだろうか。 代わりに同じく殺し合いをさせられていたクラスメイト数人の名前があった。 やや気になるのはあの教室にいなかった三人の内の一人、猫族の少女テト。 彼女もまたこの殺し合いに呼ばれている。 もし会う事があれば詳しく事情を聞きたいと、フラウは考える。 「私は…」 この殺し合いにおいて、自分はどう行動するべきか。 正直な所、英人や由佳などがいないのであれば、この殺し合いを 躊躇する理由が見当たらない。 名簿にあるクラスメイトはいずれも、特に親しい訳では無い者ばかりだ。 それに、元の殺し合いにいるはずの英人達の事も気になる。 それならば。 「そこのあなた」 「!」 不意に女性の声が聞こえフラウが足を止めた。 考え事に夢中で気付かなかった、前方に背中から白い翼が生えた、 やたら露出の高い格好の金髪の女性が立っていた。 金髪の女性――アストレアは前方数メートル先の狐の顔をした少女に狙いを定める。 マスターの命により桜井智樹と言う地蟲(ダウナー)を排除しに地上へ下りたはいいが、 自身の生来の頭の弱さからことごとく失敗し、更に智樹が自分が尊敬し、 シナプス最強のエンジェロイドであるイカロスのマスターであるため、 任務遂行が困難になりその上処分を恐れ帰還も出来なくなり河原で困窮生活を送っていた。 そんな時に、この殺し合いにいきなり巻き込まれた。 首にはめられている首輪はマスターのそれでは無くなり、 マスターとの交信も不可能、更に力もかなり弱くなっていた。 (何でこんな酷い目に…! 殺し合い…? 良いわ、やってやるわよ) 不遇と言えば不遇の自分の境遇に苛立ち、アストレアは殺し合いに乗る事を決めた。 そして最初の獲物として選んだのが狐獣人の少女――フラウだった。 「何…?」 フラウが怪訝な表情で言う。 「悪いけど…死んで貰うわ」 「!!」 アストレアは自分の支給品であるビームサーベルを構え、 一気にフラウに突進した。 彼女は近接戦闘に特化したエンジェロイドであった。それ故、 力がかなり抑えられているとは言え、明らかに一般人と思しき狐の少女ならば、 小細工無しで正面から行っても十分勝てると思っていた。 だが悲しいかな、アストレアはフラウが手にしていた散弾銃について良く知らなかった。 「ごめんなさい」 フラウは冷静にM870を構え、引き金を引いた。 ドンッ!! 至近距離で鉛の散弾を受ければ、いかに普通の人間より頑丈なエンジェロイドと言えど、 致命傷は免れない。 「ぐ、あ……!」 衝撃で軽く後ろに吹き飛んだアストレアは腹部や胸元が真っ赤に染まっていた。 口からどす黒く見える血液が溢れ出る。 仰向けに倒れた状態から起き上がろうとするが、もう身体の自由が利かなかった。 (そんな、ここまでなの…? こんなに、あっさり……) 意識が遠のき、アストレアは間もなく自分の機能が停止する、 即ち死ぬ事を悟った。 (申し訳ありません……マスター…………) 最期の瞬間に、彼女は自分のマスターに対し謝罪の言葉を心の中で述べた。 もっとも、彼女のマスターが彼女の事をそこまで思っているかどうかは不明だが。 完全に動かなくなったアストレアの傍に落ちていたビームサーベルを拾い、 電源を切って刃を収め、自分のデイパックの中に入れるフラウ。 アストレアの持っていたデイパックを漁るが入っていたのは基本支給品だけだった。 「…ごめんなさい。私も、ここで死ぬ訳にはいかないのよ」 フラウは英人達の元へ帰還するためにこの殺し合いに乗り、優勝する事を決めた。 そのためにクラスメイトも、見ず知らずの人々も全員手に掛けると、 パートナーとその彼女のためなら喜んで手を血に染めると。 その覚悟は前の殺し合いの時に、既にしていたが。 「英人、由佳ちゃん……」 二人の名前を呟きながら、フラウは夜の住宅街を歩き始めた。 &color(red){【アストレア@そらのおとしもの  死亡】} &color(red){【残り44人】} 【一日目/深夜/D-5住宅街】 【フラウ@自作キャラでバトルロワイアル】 [状態]健康 [装備]レミントンM870(3/4) [所持品]基本支給品一式、12ゲージショットシェル(12)、ビームサーベル [思考・行動]  基本:英人達の元へ帰還するために、優勝する。  1:参加者は発見次第始末していきたい。 [備考]  ※本編死亡後からの参戦です。 ※D-5一帯と周辺に銃声が響きました。 ※D-5住宅街路上にアストレアの死体、アストレアのデイパック(基本支給品一式入り)が 放置されています。 ≪支給品紹介≫ 【レミントンM870】 レミントン社の代表的なポンプアクション式散弾銃。 操作性の高さ、頑丈さが評価され、狩猟はもとより警察機構の制式散弾銃として よく使用されている。 【ビームサーベル】 謎の高度な技術で作られた光の剣。 柄の部分のスイッチを押す事で光の刀身の出し入れが可能。 切れ味は抜群。 |[[女は狼より強し]]|時系列順|[[爆乳猫少女はNEETと出会う]]| |[[女は狼より強し]]|投下順|[[爆乳猫少女はNEETと出会う]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|フラウ|[[血に塗れた優しい彼女]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|&color(red){アストレア}|&color(red){死亡}|

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