嗤う狼魔――最初の生贄

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16話 嗤う狼魔――最初の生贄 とある民家の屋根の上に、蝙蝠のような翼を持った、青と白の毛皮の人狼がいた。 彼は単なる人狼では無い。人狼と悪魔の性質を併せ持った種族、 「ウルフデビル」という存在の一人である。 ウルフデビル――マティアスは、夜空に輝く満月を見上げていた。 「綺麗だな…こんなに綺麗な満月を見ると、興奮しちゃうよ」 遠吠えでも上げたい所だったが、やめた。 今は殺し合いという状況。下手に危険を呼ぶ行動は避けるべきである。 「殺し合いか…面白そうではあるな……首に首輪をはめられた事は気に入らないけど。 折角だし………楽しもうかね」 くつくつと笑いながら、傍に置いてあるデイパックを漁る。 開催式の場に知り合いはいないようだったので名簿は後で良いだろう。 基本支給品の他にマティアスが見付けた物は。 「銃か……」 自動拳銃ベレッタM92FSと、その予備のマガジン3個。 これがマティアスの支給品のようだった。 「能力とか使えないみたいだから、これは助かるなぁ」 嬉しそうにそう言うと、マティアスは説明書に書いてあった通りに ベレッタM92FSのセーフティを外しいつでも撃てる状態にした。 「ん……」 ふと、道路を見下ろしたマティアスは何かを発見した。 どうやら人間の少女のようだった。怯えながら歩いているように見える。 こちらには気付いていないようだ。 「……」 マティアスはベレッタM92FSの銃口を少女に向けた。 ◆ 源静香は支給品の一つであるドスを携えながら、 心許ない明かりを灯す街灯のある住宅街の道路を歩いていた。 「のび太さん達、どこにいるのかしら……」 今の彼女にとって急務なのは、同じく殺し合いに呼ばれている、 野比のび太、剛田武、骨川スネ夫の三人の友達との合流である。 それ以外には何も無い。まずは三人を探す事が彼女の行動指針であった。 殺し合い――その現実は平和な日常を過ごしていた静香にとって、 胸が張り裂けそうな程受け入れ難いものである。 首には冷たい、黒い金属製の首輪がはめられ、一歩間違えれば爆発し、死ぬ。 泣き叫びたかった。泣いて助けを乞いたかった。 だが、そんな事をしても、来るのは助けどころか殺し合いをする気になっている者達であろう。 故に、怖くても進むしか無かった。 「みんな、どこ…」 ダァン! 突然、一発の銃声が響いた。 それと同時に、静香は右足に衝撃と、激痛を感じた。 「う、ああああああぁああ!?」 今まで感じたどの痛みとも違う苦痛に静香はたまらずドスを落とし、 地面に倒れ右足を押さえ苦しみ出した。 生温い液体が手と足に塗れているのを感じる。 直視しなくとも分かる、これは、血だ。撃たれたのだ。 ぶわっ、と、静香は風を感じた。 見れば、背中に翼の生えた、狼男らしい怪物が道路の上に下り立つのが見えた。 その容貌に静香は戦慄するが、狼男の右手に銃らしき物が見え、更に表情が凍り付く。 「当たったみたいだね…」 「う、ううう…嫌、た、助けて……!」 何とか逃げようとする静香だったが右足の激痛がそれを阻んだ。 「痛い? 大丈夫、すぐに楽にしてあげるよ」 狼男――マティアスはベレッタM92FSの銃口を、道路に血の跡を作りながら、 必死で這いずって逃げようとする静香の背中に向け、引き金を引いた。 ダァン! 「ぅ゛あっ」 ダァン! 「ぎっ」 ダァン! ダァン! ダァン! 五発の9ミリパラベラム弾を背中に撃ち込まれた静香の口から、 どす黒い血液が溢れ出る。 死にたくない。こんな所で死にたくない。 静香の心を死への恐怖が支配する。 だが、死は彼女を容赦無く包み込んだ。 視界が霞み、身体中の感覚が消え、意識が遠退いて行く。 「あ――ぁぁぁああぁあ―――ああああぁぁぁあああぁあああ」 大粒の涙を流しながら口から出たそれは、もう言葉とは呼べなかった。 ダァン! 後頭部を思い切り殴打されたような衝撃が、源静香が人生で最後に感じた知覚だった。 ◆ 背中に銃弾を五発も撃ち込まれ、更に後頭部を撃たれ脳漿を撒き散らし、 無惨な最期を遂げた少女の死体から血塗れのデイパックを剥ぎ取り、 マティアスは中身を調べる。 「お」 そして、3個の手榴弾を発見する。 少女がこれを使わなくて幸いだったと言えよう。 マティアスは手榴弾とドスを自分のデイパックに押し込んだ。 「幸先良いね。この調子で行けると良いんだけど」 手に掛けた少女にはもう興味が失せたのだろうか、一瞥もせず、 マティアスは次なる獲物を捜し始めた。 &color(red){【源静香@ドラえもん  死亡】} &color(red){【残り45人】} 【一日目/深夜/G-3住宅街】 【マティアス@オリキャラ】 [状態]健康 [装備]ベレッタM92FS(8/15) [所持品]基本支給品一式、ベレッタM92FSマガジン(15×3)、手榴弾(3)、ドス [思考・行動]  基本:殺し合いを楽しむ。  1:次の獲物を捜す。 [備考]  ※本来は魔法が使えますが制限により使え無くなっています。 ※G-3一帯と周辺に銃声が響きました。 ※G-3住宅街路上に源静香の死体、 源静香のデイパック(基本支給品一式入り)が放置されています。 ≪支給品紹介≫ 【ベレッタM92FS】 イタリアのベレッタ社により1975年に開発された自動拳銃。 装弾数が15発と豊富で操作性も高く、上部が大きく切り欠かれたスライドにより 排莢不良も起こりにくい上軽量で発射時の反動も比較的少ない。 現在、世界で最も信頼性が高く、知名度が高い拳銃として知られている。 本ロワに登場するM92FSはスライド脱落事故防止のために耐久性向上がなされた改良版。 撃鉄部分が大きく露出しているのが特徴。 【ドス】 小型の刀。短刀。鞘と柄は木製。 【手榴弾】 投擲して使う小型爆弾。安全ピンを抜き投擲し爆破させる。 ≪オリキャラ紹介≫ 【名前】マティアス 【年齢】17 【性別】男 【職業】とある塔在住のウルフデビル(エンカウントモンスター) 【性格】温厚だが、残虐 【身体的特徴】青と白の毛皮の人狼に蝙蝠のような翼を付けた外見、赤い瞳、  実年齢と対比して大人びている(20代後半のような感じ) 【服装】全裸(服を着る習慣が無い) 【趣味】人体破壊、人間への拷問、強姦 【特技】翼を使っての飛翔、攻撃魔法や状態異常魔法を使える 【経歴】詳細不明 【備考】ウルフデビル種の中でもかなりの美形なので、  雌のウルフデビルから人気があり、交尾を申し込まれる事もしばしば。  但し本人は余り恋愛沙汰には興味が無い(交尾は受け入れる)。 |[[兎と侍の合わせ技]]|時系列順|[[宿禰千恵の憂鬱]]| |[[兎と侍の合わせ技]]|投下順|[[宿禰千恵の憂鬱]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|マティアス|[[]]| |[[試合開始~オープニング~]]|&color(red){源静香}|&color(red){死亡}|
16話 嗤う狼魔――最初の生贄 とある民家の屋根の上に、蝙蝠のような翼を持った、青と白の毛皮の人狼がいた。 彼は単なる人狼では無い。人狼と悪魔の性質を併せ持った種族、 「ウルフデビル」という存在の一人である。 ウルフデビル――マティアスは、夜空に輝く満月を見上げていた。 「綺麗だな…こんなに綺麗な満月を見ると、興奮しちゃうよ」 遠吠えでも上げたい所だったが、やめた。 今は殺し合いという状況。下手に危険を呼ぶ行動は避けるべきである。 「殺し合いか…面白そうではあるな……首に首輪をはめられた事は気に入らないけど。 折角だし………楽しもうかね」 くつくつと笑いながら、傍に置いてあるデイパックを漁る。 開催式の場に知り合いはいないようだったので名簿は後で良いだろう。 基本支給品の他にマティアスが見付けた物は。 「銃か……」 自動拳銃ベレッタM92FSと、その予備のマガジン3個。 これがマティアスの支給品のようだった。 「能力とか使えないみたいだから、これは助かるなぁ」 嬉しそうにそう言うと、マティアスは説明書に書いてあった通りに ベレッタM92FSのセーフティを外しいつでも撃てる状態にした。 「ん……」 ふと、道路を見下ろしたマティアスは何かを発見した。 どうやら人間の少女のようだった。怯えながら歩いているように見える。 こちらには気付いていないようだ。 「……」 マティアスはベレッタM92FSの銃口を少女に向けた。 ◆ 源静香は支給品の一つであるドスを携えながら、 心許ない明かりを灯す街灯のある住宅街の道路を歩いていた。 「のび太さん達、どこにいるのかしら……」 今の彼女にとって急務なのは、同じく殺し合いに呼ばれている、 野比のび太、剛田武、骨川スネ夫の三人の友達との合流である。 それ以外には何も無い。まずは三人を探す事が彼女の行動指針であった。 殺し合い――その現実は平和な日常を過ごしていた静香にとって、 胸が張り裂けそうな程受け入れ難いものである。 首には冷たい、黒い金属製の首輪がはめられ、一歩間違えれば爆発し、死ぬ。 泣き叫びたかった。泣いて助けを乞いたかった。 だが、そんな事をしても、来るのは助けどころか殺し合いをする気になっている者達であろう。 故に、怖くても進むしか無かった。 「みんな、どこ…」 ダァン! 突然、一発の銃声が響いた。 それと同時に、静香は右足に衝撃と、激痛を感じた。 「う、ああああああぁああ!?」 今まで感じたどの痛みとも違う苦痛に静香はたまらずドスを落とし、 地面に倒れ右足を押さえ苦しみ出した。 生温い液体が手と足に塗れているのを感じる。 直視しなくとも分かる、これは、血だ。撃たれたのだ。 ぶわっ、と、静香は風を感じた。 見れば、背中に翼の生えた、狼男らしい怪物が道路の上に下り立つのが見えた。 その容貌に静香は戦慄するが、狼男の右手に銃らしき物が見え、更に表情が凍り付く。 「当たったみたいだね…」 「う、ううう…嫌、た、助けて……!」 何とか逃げようとする静香だったが右足の激痛がそれを阻んだ。 「痛い? 大丈夫、すぐに楽にしてあげるよ」 狼男――マティアスはベレッタM92FSの銃口を、道路に血の跡を作りながら、 必死で這いずって逃げようとする静香の背中に向け、引き金を引いた。 ダァン! 「ぅ゛あっ」 ダァン! 「ぎっ」 ダァン! ダァン! ダァン! 五発の9ミリパラベラム弾を背中に撃ち込まれた静香の口から、 どす黒い血液が溢れ出る。 死にたくない。こんな所で死にたくない。 静香の心を死への恐怖が支配する。 だが、死は彼女を容赦無く包み込んだ。 視界が霞み、身体中の感覚が消え、意識が遠退いて行く。 「あ――ぁぁぁああぁあ―――ああああぁぁぁあああぁあああ」 大粒の涙を流しながら口から出たそれは、もう言葉とは呼べなかった。 ダァン! 後頭部を思い切り殴打されたような衝撃が、源静香が人生で最後に感じた知覚だった。 ◆ 背中に銃弾を五発も撃ち込まれ、更に後頭部を撃たれ脳漿を撒き散らし、 無惨な最期を遂げた少女の死体から血塗れのデイパックを剥ぎ取り、 マティアスは中身を調べる。 「お」 そして、3個の手榴弾を発見する。 少女がこれを使わなくて幸いだったと言えよう。 マティアスは手榴弾とドスを自分のデイパックに押し込んだ。 「幸先良いね。この調子で行けると良いんだけど」 手に掛けた少女にはもう興味が失せたのだろうか、一瞥もせず、 マティアスは次なる獲物を捜し始めた。 &color(red){【源静香@ドラえもん  死亡】} &color(red){【残り45人】} 【一日目/深夜/G-3住宅街】 【マティアス@オリキャラ】 [状態]健康 [装備]ベレッタM92FS(8/15) [所持品]基本支給品一式、ベレッタM92FSマガジン(15×3)、手榴弾(3)、ドス [思考・行動]  基本:殺し合いを楽しむ。  1:次の獲物を捜す。 [備考]  ※本来は魔法が使えますが制限により使え無くなっています。 ※G-3一帯と周辺に銃声が響きました。 ※G-3住宅街路上に源静香の死体、 源静香のデイパック(基本支給品一式入り)が放置されています。 ≪支給品紹介≫ 【ベレッタM92FS】 イタリアのベレッタ社により1975年に開発された自動拳銃。 装弾数が15発と豊富で操作性も高く、上部が大きく切り欠かれたスライドにより 排莢不良も起こりにくい上軽量で発射時の反動も比較的少ない。 現在、世界で最も信頼性が高く、知名度が高い拳銃として知られている。 本ロワに登場するM92FSはスライド脱落事故防止のために耐久性向上がなされた改良版。 撃鉄部分が大きく露出しているのが特徴。 【ドス】 小型の刀。短刀。鞘と柄は木製。 【手榴弾】 投擲して使う小型爆弾。安全ピンを抜き投擲し爆破させる。 ≪オリキャラ紹介≫ 【名前】マティアス 【年齢】17 【性別】男 【職業】とある塔在住のウルフデビル(エンカウントモンスター) 【性格】温厚だが、残虐 【身体的特徴】青と白の毛皮の人狼に蝙蝠のような翼を付けた外見、赤い瞳、  実年齢と対比して大人びている(20代後半のような感じ) 【服装】全裸(服を着る習慣が無い) 【趣味】人体破壊、人間への拷問、強姦 【特技】翼を使っての飛翔、攻撃魔法や状態異常魔法を使える 【経歴】詳細不明 【備考】ウルフデビル種の中でもかなりの美形なので、  雌のウルフデビルから人気があり、交尾を申し込まれる事もしばしば。  但し本人は余り恋愛沙汰には興味が無い(交尾は受け入れる)。 |[[兎と侍の合わせ技]]|時系列順|[[宿禰千恵の憂鬱]]| |[[兎と侍の合わせ技]]|投下順|[[宿禰千恵の憂鬱]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|マティアス|[[ひゅるりひゅるり]]| |[[試合開始~オープニング~]]|&color(red){源静香}|&color(red){死亡}|

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