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14話 ゆけむりのおとしもの
エリアA-5、健康センターの大浴場。
ずぶぬれになった一人の少女が、デイパックを引き摺りながら、
脱衣所の方へと歩く。
「何で…私のスタート地点がお風呂の中なのよぉ……」
少女――見月そはらは、下着まで完全に濡れた重い身体を、
必死に脱衣所まで運び、長椅子に同じように濡れたデイパックを置く。
たまらず、濡れた制服と下着を脱ぎ捨てた。
中学生とは思えない、豊満な裸体が露わになる。
取り敢えずロッカーの中に入っていたバスタオルを身体に巻き、
濡れた衣服を備え付けと思われる乾燥機の中に放り込み、スイッチを入れた。
ようやく一息付いたそはらは椅子に座り、状況を整理する。
「何でこんな事に…殺し合いって……」
ただの中学生でしか無いはずの自分がなぜ殺し合いをしなければならないのだろう。
首に爆弾付きの首輪がはめられ、50人以上もの人間や、明らかに人間ではない人と、
殺し合わなければいけないなど。
知り合いは幼馴染の桜井智樹の命を狙いに来たという、
イカロスやニンフと同じくエンジェロイドのアストレアのみ。
しかし、果たしてこの殺し合いで彼女はどう動くのか分からない。
正直、そはらにとって安心出来る知り合いでは無かった。
「智ちゃんがいないのは喜ぶべきなのか分からないけど……。
あ、そうだ、支給品……濡れてるけど大丈夫かな」
濡れたデイパックを開け、中身を調べるそはら。
驚いた事に中身は全く濡れている様子は無かった。防水加工は完璧のようだ。
「地図に、名簿に、筆記用具に…これは……!」
基本支給品の他に出て来た物は、大型のリボルバー拳銃、
コルト アナコンダと、予備弾である.44マグナム弾18発だった。
持ってみると、ずっしりと金属の重みが手から伝わってくる。
以前、祭りでひょんな事から実銃を撃った時の感覚と良く似ていた。
言うまでも無く、この銃も本物だ。これで殺し合いをしろと主催者は言うのだろう。
アナコンダを椅子の上に置き、考え込むそはら。
自分はまだ死にたくは無い、だが殺し合いをする勇気も無い。
殺人を犯すという人としての一線を超える勇気は彼女には無かった。
だが――。
「……服、早く乾かないかな」
ゴトゴトと音を立て稼働する乾燥機を遠目に見詰めながら、そはらが呟いた。
◆
同健康センター二階のホールにある館内地図の前で、
着崩したスーツ姿の虎獣人の男が地図を見ていた。
「随分広いなぁ…一階に大浴場があるのか、成程」
虎獣人の男――高村紀嗣はおおよその健康センターの構造を把握した。
「それにしても殺し合いか…参ったな、明日朝早いのに……。
これはもう遅刻確定か…部長にどやされそうだ」
自分の命よりも、仕事の事を心配する紀嗣。
殺し合いという状況を余り理解出来ていないのか天然なのか、
どちらにせよ彼にとってこの殺し合いからの脱出は急務であった。
「支給品…アイスクリスタルだったか?
まるでRPGにでも出てきそうな道具だが……」
紀嗣はズボンのポケットに入れてある、水色のひんやりと冷たい水晶玉を一つ取り出し、
まじまじと見詰める。説明書には相手を凍らせる事が出来るといった事が書かれていたが、
日頃ビルやパソコン、地下鉄が周囲にある紀嗣には信じられる内容では無い。
試しに適当なベンチに向けて水晶玉を一つ投げ付けてみた。
ガキィィン!!
「うおおおお!?」
水晶玉が砕けた瞬間、一瞬にして砕けた部分から半径2メートル以内が氷漬けになった。
そして、氷結したベンチは音を立てて崩れ去ってしまった。
「……こいつぁ面白い」
率直な感想を述べる紀嗣。その表情は半ば呆然としていたが。
「だけどちょっと使い所がアレかな…まあこいつもあるから大丈夫か」
そう言うと、紀嗣はズボンのベルトに差し込んであるサバイバルナイフに触れる。
どちらかと言えばこちらの方が彼にとって頼れそうな武器ではあった。
「まあいいや。とにかく一階に行ってみよう」
辺りを警戒しつつ、虎獣人の男は健康センター一階へと向かい始めた。
【一日目/深夜/A-5健康センター】
【見月そはら@そらのおとしもの】
[状態]健康、全身濡れている、全裸の上にバスタオルを巻いている
[装備]コルト アナコンダ(6/6)
[所持品]基本支給品一式、.44マグナム弾(18)
[思考・行動]
基本:殺し合いには……。
1:早く服が乾いて欲しい。
[備考]
※原作でアストレアが登場した後からの参戦です。
※一階大浴場女湯の脱衣所に居ます。衣服は脱衣所内の乾燥機で乾燥中です。
【高村紀嗣@オリキャラ】
[状態]健康
[装備]サバイバルナイフ
[所持品]基本支給品一式、アイスクリスタル(2)
[思考・行動]
基本:殺し合いをする気は無い。何とかして早く帰りたい。
1:健康センターい一階の探索。
[備考]
※健康センターのおおよその構造を把握しました。
※二階にいます。一階へ向かっています。
≪支給品紹介≫
【コルト アナコンダ】
1990年に発売されたコルト社製.44マグナムリボルバー。
同社の有名な.357マグナムリボルバー・コルト パイソンに酷似した外見。
【サバイバルナイフ】
軍事行動中に遭難などで他装備を失った場合に、
それのみで生存を計る目的で設計された大型のシース(鞘付き)ナイフ。
刃の背に金属を切断する鋸刃が設けられている。
武器としての威力と堅牢性は高い。
【アイスクリスタル】
氷の魔法を封じ込めた水晶で、水色をしておりひんやりと冷たい。
投擲すると冷凍弾の如く広範囲を凍結させる。
≪オリキャラ紹介≫
【名前】高村紀嗣(たかむら・のりつぐ)
【年齢】28
【性別】男
【職業】サラリーマン
【性格】真面目
【身体的特徴】筋肉質な虎の獣人。緑色の瞳
【服装】着崩した灰色のスーツ
【趣味】インターネット
【特技】それなりに力が強い
【経歴】両親と弟のいる普通の家庭で育つ
【備考】これと言って無し
|[[Dark field]]|時系列順|[[兎と侍の合わせ技]]|
|[[Dark field]]|投下順|[[兎と侍の合わせ技]]|
|&color(aqua){ゲーム開始}|見月そはら|[[]]|
|&color(aqua){ゲーム開始}|高村紀嗣|[[]]|
14話 ゆけむりのおとしもの
エリアA-5、健康センターの大浴場。
ずぶぬれになった一人の少女が、デイパックを引き摺りながら、
脱衣所の方へと歩く。
「何で…私のスタート地点がお風呂の中なのよぉ……」
少女――見月そはらは、下着まで完全に濡れた重い身体を、
必死に脱衣所まで運び、長椅子に同じように濡れたデイパックを置く。
たまらず、濡れた制服と下着を脱ぎ捨てた。
中学生とは思えない、豊満な裸体が露わになる。
取り敢えずロッカーの中に入っていたバスタオルを身体に巻き、
濡れた衣服を備え付けと思われる乾燥機の中に放り込み、スイッチを入れた。
ようやく一息付いたそはらは椅子に座り、状況を整理する。
「何でこんな事に…殺し合いって……」
ただの中学生でしか無いはずの自分がなぜ殺し合いをしなければならないのだろう。
首に爆弾付きの首輪がはめられ、50人以上もの人間や、明らかに人間ではない人と、
殺し合わなければいけないなど。
知り合いは幼馴染の桜井智樹の命を狙いに来たという、
イカロスやニンフと同じくエンジェロイドのアストレアのみ。
しかし、果たしてこの殺し合いで彼女はどう動くのか分からない。
正直、そはらにとって安心出来る知り合いでは無かった。
「智ちゃんがいないのは喜ぶべきなのか分からないけど……。
あ、そうだ、支給品……濡れてるけど大丈夫かな」
濡れたデイパックを開け、中身を調べるそはら。
驚いた事に中身は全く濡れている様子は無かった。防水加工は完璧のようだ。
「地図に、名簿に、筆記用具に…これは……!」
基本支給品の他に出て来た物は、大型のリボルバー拳銃、
コルト アナコンダと、予備弾である.44マグナム弾18発だった。
持ってみると、ずっしりと金属の重みが手から伝わってくる。
以前、祭りでひょんな事から実銃を撃った時の感覚と良く似ていた。
言うまでも無く、この銃も本物だ。これで殺し合いをしろと主催者は言うのだろう。
アナコンダを椅子の上に置き、考え込むそはら。
自分はまだ死にたくは無い、だが殺し合いをする勇気も無い。
殺人を犯すという人としての一線を超える勇気は彼女には無かった。
だが――。
「……服、早く乾かないかな」
ゴトゴトと音を立て稼働する乾燥機を遠目に見詰めながら、そはらが呟いた。
◆
同健康センター二階のホールにある館内地図の前で、
着崩したスーツ姿の虎獣人の男が地図を見ていた。
「随分広いなぁ…一階に大浴場があるのか、成程」
虎獣人の男――高村紀嗣はおおよその健康センターの構造を把握した。
「それにしても殺し合いか…参ったな、明日朝早いのに……。
これはもう遅刻確定か…部長にどやされそうだ」
自分の命よりも、仕事の事を心配する紀嗣。
殺し合いという状況を余り理解出来ていないのか天然なのか、
どちらにせよ彼にとってこの殺し合いからの脱出は急務であった。
「支給品…アイスクリスタルだったか?
まるでRPGにでも出てきそうな道具だが……」
紀嗣はズボンのポケットに入れてある、水色のひんやりと冷たい水晶玉を一つ取り出し、
まじまじと見詰める。説明書には相手を凍らせる事が出来るといった事が書かれていたが、
日頃ビルやパソコン、地下鉄が周囲にある紀嗣には信じられる内容では無い。
試しに適当なベンチに向けて水晶玉を一つ投げ付けてみた。
ガキィィン!!
「うおおおお!?」
水晶玉が砕けた瞬間、一瞬にして砕けた部分から半径2メートル以内が氷漬けになった。
そして、氷結したベンチは音を立てて崩れ去ってしまった。
「……こいつぁ面白い」
率直な感想を述べる紀嗣。その表情は半ば呆然としていたが。
「だけどちょっと使い所がアレかな…まあこいつもあるから大丈夫か」
そう言うと、紀嗣はズボンのベルトに差し込んであるサバイバルナイフに触れる。
どちらかと言えばこちらの方が彼にとって頼れそうな武器ではあった。
「まあいいや。とにかく一階に行ってみよう」
辺りを警戒しつつ、虎獣人の男は健康センター一階へと向かい始めた。
【一日目/深夜/A-5健康センター】
【見月そはら@そらのおとしもの】
[状態]健康、全身濡れている、全裸の上にバスタオルを巻いている
[装備]コルト アナコンダ(6/6)
[所持品]基本支給品一式、.44マグナム弾(18)
[思考・行動]
基本:殺し合いには……。
1:早く服が乾いて欲しい。
[備考]
※原作でアストレアが登場した後からの参戦です。
※一階大浴場女湯の脱衣所に居ます。衣服は脱衣所内の乾燥機で乾燥中です。
【高村紀嗣@オリキャラ】
[状態]健康
[装備]サバイバルナイフ
[所持品]基本支給品一式、アイスクリスタル(2)
[思考・行動]
基本:殺し合いをする気は無い。何とかして早く帰りたい。
1:健康センターい一階の探索。
[備考]
※健康センターのおおよその構造を把握しました。
※二階にいます。一階へ向かっています。
≪支給品紹介≫
【コルト アナコンダ】
1990年に発売されたコルト社製.44マグナムリボルバー。
同社の有名な.357マグナムリボルバー・コルト パイソンに酷似した外見。
【サバイバルナイフ】
軍事行動中に遭難などで他装備を失った場合に、
それのみで生存を計る目的で設計された大型のシース(鞘付き)ナイフ。
刃の背に金属を切断する鋸刃が設けられている。
武器としての威力と堅牢性は高い。
【アイスクリスタル】
氷の魔法を封じ込めた水晶で、水色をしておりひんやりと冷たい。
投擲すると冷凍弾の如く広範囲を凍結させる。
≪オリキャラ紹介≫
【名前】高村紀嗣(たかむら・のりつぐ)
【年齢】28
【性別】男
【職業】サラリーマン
【性格】真面目
【身体的特徴】筋肉質な虎の獣人。緑色の瞳
【服装】着崩した灰色のスーツ
【趣味】インターネット
【特技】それなりに力が強い
【経歴】両親と弟のいる普通の家庭で育つ
【備考】これと言って無し
|[[Dark field]]|時系列順|[[兎と侍の合わせ技]]|
|[[Dark field]]|投下順|[[兎と侍の合わせ技]]|
|&color(aqua){ゲーム開始}|見月そはら|[[少女の結論、虎との出会い]]|
|&color(aqua){ゲーム開始}|高村紀嗣|[[少女の結論、虎との出会い]]|