HAKAISHA

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8話 HAKAISHA 普段、ガキ大将として尊大に振舞っている彼だが、 流石にこの状況には気が滅入っていた。 首に爆弾付きの首輪をはめられ最後の一人になるまで殺し合いをさせられる、 日本のような法治国家では到底有り得ない狂気のゲーム。 それは小学校高学年の彼――ジャイアンこと剛田武にも分かる。 「何だこれ…有刺鉄線?」 森の中で、ジャイアンは歩いていた獣道を塞いでいる有刺鉄線のバリケードに遭遇した。 よく見ると、どうやら道だけでは無く、何かをぐるりと囲むように有刺鉄線は張り巡らされているらしかった。 しかし、隙間があったので、試しにそこから有刺鉄線の向こうへと出てみる。 すると。 ピーーーー。 『警告。会場の外です。直ちに引き返して下さい。 引き返さない場合、30秒後に首輪を爆破します』 「うおおおっ!? やべぇ!」 首輪から警告音と無機質な女性の声でアナウンスが流れ、 ジャイアンは焦ってすぐに有刺鉄線の中へと戻った。 『会場への復帰を確認。カウントをリセットします』 再び無機質な女の声でアナウンスが流れた後、警告音が止んだ。 ともかく命の危機は去った事を知りジャイアンは安堵する。 「会場の外…って言ってたよな…? って事はこの有刺鉄線は、 会場と外の境界線って事か」 地図の橋にはこの有刺鉄線のように、何らかの目印が置かれているのだろう。 だが、わざわざ通り抜けられるぐらいの隙間を作ってあるなど、 主催者の悪意も感じられるが。 「引き返すか……」 やむを得ず、ジャイアンは元来た道を引き返し始めた。 懐中電灯で前方を照らしながらジャイアンは道を進む。 彼の右手には支給品である小型リボルバー拳銃ニューナンブM60が握られている。 ズボンのポケットには予備弾が押し込められていた。 日本の警察も使用する小型の拳銃のため、説明書を読めばジャイアンでも十分に扱えた。 これで人を撃つ機会が来ない事をジャイアンは祈っていたが、 そうも言っていられないだろう。 彼自身は殺し合いに乗る気は無いが、名簿には自分や友達を合わせ、 51人もの参加者の名前が書かれていた。これだけの人数ならば、一人や二人、 殺し合いに乗る者が出るのが必定と言うものだろう。 そういった者に襲われた時、自己防衛する事は必要だ。殺されては意味は無い。 「のび太、静香ちゃん、スネ夫、みんな無事でいてくれよ…」 三人の友達の安否を気遣いながら、ジャイアンはほとんど手入れされていない 獣道を道なりに進んで行く。 ◆ ジャイアンが進む道の先にある、廃屋となった木造家屋が点在する廃村。 その廃屋の一つの中で、黒い髪に黒い衣服、赤みがかった瞳に赤い鉢巻という出で立ちの 青年、クレアスは、傷んだ畳の上に寝そべりながら夜空に浮かぶ満月を眺めていた。 「殺し合いか……面白そうではあるな」 開催式で彼は同僚であるダークエルフの少女を首輪を爆破され殺害された。 だが、彼は大して悲しんでいない。 それどころか今となってはほとんど気にしていなかった。 「アレックスや、魔王軍の四天王の連中もいるみたいだな。 それとエロリアも…あいつはまあ、そう簡単にくたばらんだろうが」 ふと起き上がり、自分のデイパックを漁り、 地図や懐中電灯、コンパスなどを掻き分けランダム支給品を探す。 すると出てきた物は、一般的な文化包丁と、少し古めのポータブルMDプレーヤーだった。 MDプレーヤーにはヘッドホンが付属しており、既に何らかのMDが入っている。 試しにヘッドホンを耳に装着し、電源を入れて音楽を聞いてみる。 『……鉛の空、重く垂れ込み、真白に澱んだ……』 『……焼け付く想いは憂い募らせる……』 『……罪と言う名の、追憶の罰……』 『……今吹き荒れる、嵐の中そう抱き合って……』 『……昔々男ありけり、降り注ぐ試練の雨嵐……』 「成程ね」 それなりにいい歌が入っているようなので暇な時にでも聞こうと、 クレアスはポータブルMDプレーヤーをデイパックの中に戻した。 「にしても武器が包丁だけってのは……もっと良い武器を探さねえと」 クレアスは文化包丁の刀身を眺めながら言った。 【一日目/深夜/H-7森】 【剛田武@ドラえもん】 [状態]健康、G-7廃村方面へ移動中 [装備]ニューナンブM60(5/5) [所持品]基本支給品一式、.38SP弾(15) [思考・行動]  基本:殺し合いはしない。のび太達を捜す。  1:襲われたら……。 [備考]  ※特に無し。 【一日目/深夜/G-7廃村・瀬川家】 【クレアス@VIPRPGシリーズ】 [状態]健康 [装備]文化包丁 [所持品]基本支給品、ポータブルMDプレーヤー(MD挿入済) [思考・行動]  基本:殺し合いに乗る。  1:もっと強力な武器が欲しい。 [備考]  ※魔法は一切使えなくなっています。 ≪支給品紹介≫ 【ニューナンブM60】 日本警察の拳銃として余りに有名な小型リボルバー拳銃。 【文化包丁】 三徳包丁、万能包丁とも言われる最も一般的な包丁。 肉、魚、野菜など幅広い材料に対して様々な切り方ができるので使いやすい。 【ポータブルMDプレーヤー】 携帯音楽プレーヤーのMDモデル。携帯して音楽が聞ける音響機器。 既に幾つかの曲が入れられたMDが入っており、ヘッドホンも付いている。 |[[家族を愛する父親の最悪の愚行]]|時系列順|[[狐はエロいというイメージ]]| |[[家族を愛する父親の最悪の愚行]]|投下順|[[狐はエロいというイメージ]]| |[[試合開始~オープニング~]]|剛田武|[[]]| |[[試合開始~オープニング~]]|クレアス|[[]]|
8話 HAKAISHA 普段、ガキ大将として尊大に振舞っている彼だが、 流石にこの状況には気が滅入っていた。 首に爆弾付きの首輪をはめられ最後の一人になるまで殺し合いをさせられる、 日本のような法治国家では到底有り得ない狂気のゲーム。 それは小学校高学年の彼――ジャイアンこと剛田武にも分かる。 「何だこれ…有刺鉄線?」 森の中で、ジャイアンは歩いていた獣道を塞いでいる有刺鉄線のバリケードに遭遇した。 よく見ると、どうやら道だけでは無く、何かをぐるりと囲むように有刺鉄線は張り巡らされているらしかった。 しかし、隙間があったので、試しにそこから有刺鉄線の向こうへと出てみる。 すると。 ピーーーー。 『警告。会場の外です。直ちに引き返して下さい。 引き返さない場合、30秒後に首輪を爆破します』 「うおおおっ!? やべぇ!」 首輪から警告音と無機質な女性の声でアナウンスが流れ、 ジャイアンは焦ってすぐに有刺鉄線の中へと戻った。 『会場への復帰を確認。カウントをリセットします』 再び無機質な女の声でアナウンスが流れた後、警告音が止んだ。 ともかく命の危機は去った事を知りジャイアンは安堵する。 「会場の外…って言ってたよな…? って事はこの有刺鉄線は、 会場と外の境界線って事か」 地図の橋にはこの有刺鉄線のように、何らかの目印が置かれているのだろう。 だが、わざわざ通り抜けられるぐらいの隙間を作ってあるなど、 主催者の悪意も感じられるが。 「引き返すか……」 やむを得ず、ジャイアンは元来た道を引き返し始めた。 懐中電灯で前方を照らしながらジャイアンは道を進む。 彼の右手には支給品である小型リボルバー拳銃ニューナンブM60が握られている。 ズボンのポケットには予備弾が押し込められていた。 日本の警察も使用する小型の拳銃のため、説明書を読めばジャイアンでも十分に扱えた。 これで人を撃つ機会が来ない事をジャイアンは祈っていたが、 そうも言っていられないだろう。 彼自身は殺し合いに乗る気は無いが、名簿には自分や友達を合わせ、 51人もの参加者の名前が書かれていた。これだけの人数ならば、一人や二人、 殺し合いに乗る者が出るのが必定と言うものだろう。 そういった者に襲われた時、自己防衛する事は必要だ。殺されては意味は無い。 「のび太、静香ちゃん、スネ夫、みんな無事でいてくれよ…」 三人の友達の安否を気遣いながら、ジャイアンはほとんど手入れされていない 獣道を道なりに進んで行く。 ◆ ジャイアンが進む道の先にある、廃屋となった木造家屋が点在する廃村。 その廃屋の一つの中で、黒い髪に黒い衣服、赤みがかった瞳に赤い鉢巻という出で立ちの 青年、クレアスは、傷んだ畳の上に寝そべりながら夜空に浮かぶ満月を眺めていた。 「殺し合いか……面白そうではあるな」 開催式で彼は同僚であるダークエルフの少女を首輪を爆破され殺害された。 だが、彼は大して悲しんでいない。 それどころか今となってはほとんど気にしていなかった。 「アレックスや、魔王軍の四天王の連中もいるみたいだな。 それとエロリアも…あいつはまあ、そう簡単にくたばらんだろうが」 ふと起き上がり、自分のデイパックを漁り、 地図や懐中電灯、コンパスなどを掻き分けランダム支給品を探す。 すると出てきた物は、一般的な文化包丁と、少し古めのポータブルMDプレーヤーだった。 MDプレーヤーにはヘッドホンが付属しており、既に何らかのMDが入っている。 試しにヘッドホンを耳に装着し、電源を入れて音楽を聞いてみる。 『……鉛の空、重く垂れ込み、真白に澱んだ……』 『……焼け付く想いは憂い募らせる……』 『……罪と言う名の、追憶の罰……』 『……今吹き荒れる、嵐の中そう抱き合って……』 『……昔々男ありけり、降り注ぐ試練の雨嵐……』 「成程ね」 それなりにいい歌が入っているようなので暇な時にでも聞こうと、 クレアスはポータブルMDプレーヤーをデイパックの中に戻した。 「にしても武器が包丁だけってのは……もっと良い武器を探さねえと」 クレアスは文化包丁の刀身を眺めながら言った。 【一日目/深夜/H-7森】 【剛田武@ドラえもん】 [状態]健康、G-7廃村方面へ移動中 [装備]ニューナンブM60(5/5) [所持品]基本支給品一式、.38SP弾(15) [思考・行動]  基本:殺し合いはしない。のび太達を捜す。  1:襲われたら……。 [備考]  ※特に無し。 【一日目/深夜/G-7廃村・瀬川家】 【クレアス@VIPRPGシリーズ】 [状態]健康 [装備]文化包丁 [所持品]基本支給品、ポータブルMDプレーヤー(MD挿入済) [思考・行動]  基本:殺し合いに乗る。  1:もっと強力な武器が欲しい。 [備考]  ※魔法は一切使えなくなっています。 ≪支給品紹介≫ 【ニューナンブM60】 日本警察の拳銃として余りに有名な小型リボルバー拳銃。 【文化包丁】 三徳包丁、万能包丁とも言われる最も一般的な包丁。 肉、魚、野菜など幅広い材料に対して様々な切り方ができるので使いやすい。 【ポータブルMDプレーヤー】 携帯音楽プレーヤーのMDモデル。携帯して音楽が聞ける音響機器。 既に幾つかの曲が入れられたMDが入っており、ヘッドホンも付いている。 |[[家族を愛する父親の最悪の愚行]]|時系列順|[[狐はエロいというイメージ]]| |[[家族を愛する父親の最悪の愚行]]|投下順|[[狐はエロいというイメージ]]| |[[試合開始~オープニング~]]|剛田武|[[もう聞く事叶わぬ彼の歌声]]| |[[試合開始~オープニング~]]|クレアス|[[もう聞く事叶わぬ彼の歌声]]|

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