家族を愛する父親の最悪の愚行

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7話 家族を愛する父親の最悪の愚行 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……!」 眼鏡を掛けた着物姿の少年、志村新八は至る所に車が停められた、 オフィス街の道路をひたすら走り続けていた。 左腕の上腕を右手で押さえている。その部分は赤く染まり、 彼が走り過ぎた後には血痕が続いていた。 新八を追う一人の影。右手に刀身の波打った長剣、フランベルジェを持った、 水色の髪に竜の翼、尻尾、そして高い露出の格好の美少女。 殺し合いが始まって間もなく、新八少年はいきなり翼と尻尾を持った少女に襲われ、 左上腕を斬り付けられた。支給品など確認する間も無く、新八は逃避行を余儀無くされた。 (に、逃げなきゃ! あの女の人、間違い無く、僕を殺そうとしている! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ!) 新八少年はとにかく必死で走り続けた。 息が切れ、心臓が破裂しそうになりながらも。 立ち止まれば、待っているのは間違い無く、死。 「うあっ!」 だが、運命の悪戯か、新八は思い切り転倒してしまった。 回転しながら、数メートル前進した後、動きが止まる。 「ぐ……うう」 身体中に走る痛みに顔を歪める新八。眼鏡もフレームが破損し、レンズが割れ使い物にならない。 「……っ!」 それでも、今まで自分が走ってきた道の方を振り向いた。 そして、ぼんやりとだが、目の前に自分に傷を負わせ、追ってきた少女が 立っているのが見えた。 「すまないが……死んでくれ」 「う、うわあぁぁああ!!」 冷然なる死刑宣告に、少年は絶望し、立ち上がって逃げようとした。 だが、その背中に、フランベルジェの刃が無慈悲に突き刺される。 「うご……ぉ」 口から血を吐き、呻き声を上げる新八。 痛い、と言うより、身体が熱い。灼熱のように熱かった。 少女がフランベルジェを少年の身体から引き抜くとそのまま少年はうつ伏せに倒れ、 アスファルトの上に血溜まりを作る――だが、まだ息はあった。 「し……死にたく…な……い……」 地面を這いずり、尚も逃れようとするが、視界は霞み、身体中から 力がどんどん抜けていくのをはっきりと彼は感じていた。 目から溢れ、頬を伝う雫。 「銀…さん……神楽……ちゃん……姉………上――――」 ドスッ。 フランベルジェの刃が、新八の背骨と心臓を刺し貫き、抉った。 その瞬間、志村新八の命は、消えた。 「やっちまった…」 竜人の少女――の姿をした雄のワイバーン、ドラゴナスは小さく溜息をつきながら言った。 本当ならば、こんな事はしたく無かった。見ず知らずの人間の少年を手に掛けるなど。 だが――この殺し合いでは、生きて帰れるのはたった一人。 首には爆弾が内蔵された死の首輪がはめられ、無理に外そうとしたりすれば、 アンデッドナイ軍のディオナのような運命を辿る事になる。 自分には家族がいる。妻、娘、息子、一応、義理の妹も数に入れておくが。 こんな所で、死ぬ訳にはいかない。まだ死にたくは無い。家族のためにも。 そのために、この殺し合いに優勝する。 アレックス達も、四天王の仲間も、他の参加者達も、全員殺すと、ドラゴナスは決心したのだった。 盲目的な家族愛から来る狂気とも言うべき決心を。 ドラゴナスは新八の持っていたデイパックを手に取り中身を調べる。 自分の支給品はフランベルジェのみ。これだけでは心許無いため、もっと武器は欲しかった。 「これは……?」 基本支給品の他に出て来た物は、赤色の変わった紋章が描かれた小さな水晶玉3個だった。 説明書によればこれは「ファイアクリスタル」という物で、 投げ付けると火焔瓶のような効果があるらしい。 「ふぅん…そうか…持っていこう」 武器として使えそうな物ではあるため、ドラゴナスはそのファイアクリスタル3個を 自分のデイパックに移し替えた。 そしてドラゴナスは立ち上がり、遠方に視線を移す。 前方に微かに見える、かなり巨大な建造物。どうやらショッピングモールのようだ。 地図に載っていたものと同一であろう。 「あそこに行くか……」 飛んで行こうとも考えたが、高く飛び過ぎると首輪が作動する、といった事を、 開催式の時に主催者である香取亮太が言っていた事を思い出し断念した。 また、地上からの狙撃にあう可能性もある。 ドラゴナスはショッピングモールに向けて歩き出した。 「にしても…何で俺は女体化してるんだろう。 元の姿には戻れないっぽいし……まあいいか」 &color(red){【志村新八@銀魂  死亡】} &color(red){【残り48人】} 【一日目/深夜/B-4市街地】 【ドラゴナス@VIPRPGシリーズ】 [状態]健康、狂気、B-3ショッピングモールへ移動中 [装備]フランベルジェ [所持品]基本支給品一式、ファイアクリスタル(3) [思考・行動]  基本:家族の元へ帰るために優勝する。そのために参加者を皆殺しにする。  1:ショッピングモールへ向かう。 [備考]  ※特殊能力は一切使えません。また、女体化しています(元の姿には戻れません)。 ※B-4市街地の路上に志村新八の死体、志村新八のデイパック(基本支給品一式入り)、 志村新八の眼鏡(破損しており使用不可)が放置されています。 ≪支給品紹介≫ 【フランベルジェ】 刀身が炎のように波打っている長剣で、斬り付けると抉り取るように肉片を飛び散らせ、 傷が癒えにくいため高い殺傷力を持つ。 【ファイアクリスタル】 炎の魔法を封じ込めた水晶で、赤い色をしておりほんのり温かい。 投擲すると火焔瓶のように炎を広範囲に巻き起こす。 |[[夜の病院は怖い]]|時系列順|[[HAKAISHA]]| |[[夜の病院は怖い]]|投下順|[[HAKAISHA]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|&color(red){志村新八}|&color(red){死亡}| |&color(aqua){ゲーム開始}|ドラゴナス|[[]]|
7話 家族を愛する父親の最悪の愚行 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……!」 眼鏡を掛けた着物姿の少年、志村新八は至る所に車が停められた、 オフィス街の道路をひたすら走り続けていた。 左腕の上腕を右手で押さえている。その部分は赤く染まり、 彼が走り過ぎた後には血痕が続いていた。 新八を追う一人の影。右手に刀身の波打った長剣、フランベルジェを持った、 水色の髪に竜の翼、尻尾、そして高い露出の格好の美少女。 殺し合いが始まって間もなく、新八少年はいきなり翼と尻尾を持った少女に襲われ、 左上腕を斬り付けられた。支給品など確認する間も無く、新八は逃避行を余儀無くされた。 (に、逃げなきゃ! あの女の人、間違い無く、僕を殺そうとしている! 逃げろ! 逃げろ! 逃げろ!) 新八少年はとにかく必死で走り続けた。 息が切れ、心臓が破裂しそうになりながらも。 立ち止まれば、待っているのは間違い無く、死。 「うあっ!」 だが、運命の悪戯か、新八は思い切り転倒してしまった。 回転しながら、数メートル前進した後、動きが止まる。 「ぐ……うう」 身体中に走る痛みに顔を歪める新八。眼鏡もフレームが破損し、レンズが割れ使い物にならない。 「……っ!」 それでも、今まで自分が走ってきた道の方を振り向いた。 そして、ぼんやりとだが、目の前に自分に傷を負わせ、追ってきた少女が 立っているのが見えた。 「すまないが……死んでくれ」 「う、うわあぁぁああ!!」 冷然なる死刑宣告に、少年は絶望し、立ち上がって逃げようとした。 だが、その背中に、フランベルジェの刃が無慈悲に突き刺される。 「うご……ぉ」 口から血を吐き、呻き声を上げる新八。 痛い、と言うより、身体が熱い。灼熱のように熱かった。 少女がフランベルジェを少年の身体から引き抜くとそのまま少年はうつ伏せに倒れ、 アスファルトの上に血溜まりを作る――だが、まだ息はあった。 「し……死にたく…な……い……」 地面を這いずり、尚も逃れようとするが、視界は霞み、身体中から 力がどんどん抜けていくのをはっきりと彼は感じていた。 目から溢れ、頬を伝う雫。 「銀…さん……神楽……ちゃん……姉………上――――」 ドスッ。 フランベルジェの刃が、新八の背骨と心臓を刺し貫き、抉った。 その瞬間、志村新八の命は、消えた。 「やっちまった…」 竜人の少女――の姿をした雄のワイバーン、ドラゴナスは小さく溜息をつきながら言った。 本当ならば、こんな事はしたく無かった。見ず知らずの人間の少年を手に掛けるなど。 だが――この殺し合いでは、生きて帰れるのはたった一人。 首には爆弾が内蔵された死の首輪がはめられ、無理に外そうとしたりすれば、 アンデッドナイ軍のディオナのような運命を辿る事になる。 自分には家族がいる。妻、娘、息子、一応、義理の妹も数に入れておくが。 こんな所で、死ぬ訳にはいかない。まだ死にたくは無い。家族のためにも。 そのために、この殺し合いに優勝する。 アレックス達も、四天王の仲間も、他の参加者達も、全員殺すと、ドラゴナスは決心したのだった。 盲目的な家族愛から来る狂気とも言うべき決心を。 ドラゴナスは新八の持っていたデイパックを手に取り中身を調べる。 自分の支給品はフランベルジェのみ。これだけでは心許無いため、もっと武器は欲しかった。 「これは……?」 基本支給品の他に出て来た物は、赤色の変わった紋章が描かれた小さな水晶玉3個だった。 説明書によればこれは「ファイアクリスタル」という物で、 投げ付けると火焔瓶のような効果があるらしい。 「ふぅん…そうか…持っていこう」 武器として使えそうな物ではあるため、ドラゴナスはそのファイアクリスタル3個を 自分のデイパックに移し替えた。 そしてドラゴナスは立ち上がり、遠方に視線を移す。 前方に微かに見える、かなり巨大な建造物。どうやらショッピングモールのようだ。 地図に載っていたものと同一であろう。 「あそこに行くか……」 飛んで行こうとも考えたが、高く飛び過ぎると首輪が作動する、といった事を、 開催式の時に主催者である香取亮太が言っていた事を思い出し断念した。 また、地上からの狙撃にあう可能性もある。 ドラゴナスはショッピングモールに向けて歩き出した。 「にしても…何で俺は女体化してるんだろう。 元の姿には戻れないっぽいし……まあいいか」 &color(red){【志村新八@銀魂  死亡】} &color(red){【残り48人】} 【一日目/深夜/B-4市街地】 【ドラゴナス@VIPRPGシリーズ】 [状態]健康、狂気、B-3ショッピングモールへ移動中 [装備]フランベルジェ [所持品]基本支給品一式、ファイアクリスタル(3) [思考・行動]  基本:家族の元へ帰るために優勝する。そのために参加者を皆殺しにする。  1:ショッピングモールへ向かう。 [備考]  ※特殊能力は一切使えません。また、女体化しています(元の姿には戻れません)。 ※B-4市街地の路上に志村新八の死体、志村新八のデイパック(基本支給品一式入り)、 志村新八の眼鏡(破損しており使用不可)が放置されています。 ≪支給品紹介≫ 【フランベルジェ】 刀身が炎のように波打っている長剣で、斬り付けると抉り取るように肉片を飛び散らせ、 傷が癒えにくいため高い殺傷力を持つ。 【ファイアクリスタル】 炎の魔法を封じ込めた水晶で、赤い色をしておりほんのり温かい。 投擲すると火焔瓶のように炎を広範囲に巻き起こす。 |[[夜の病院は怖い]]|時系列順|[[HAKAISHA]]| |[[夜の病院は怖い]]|投下順|[[HAKAISHA]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|&color(red){志村新八}|&color(red){死亡}| |&color(aqua){ゲーム開始}|ドラゴナス|[[じっくりコトコト煮込んだ脳汁]]|

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