斬殺許可証

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14話 斬殺許可証 エリアE-1、海沿いに建てられた塔。 元々は軍事要塞として建造されたが、今や放棄され数十年の月日が流れ、 潮風の影響も有り朽ち果てている。 塔の中から、銃声が何度も響いてくる。 茶色い毛皮を持った狼獣人の青年、ノーチラスは、 息を切らしながらボロボロの木製机の影に隠れていた。 身体の至る所に切り傷が見受けられ、痛々しい。 「畜生、やべぇぞこりゃ……」 殺し合いが始まった後、クラスメイトを捜すためスタート地点の塔を探索し始めた ノーチラスだったが、塔がスタート地点だった参加者は彼だけでは無かった。 その参加者はノーチラスが話し掛けるな否や、持っていた日本刀で襲い掛かってきた。 しかも、ただ振り回すのでは無く、目に捉えるのが困難な程素早く、 鋭い斬撃。刀の扱いに慣れている、いや、もしかすると剣豪と呼んだ方が良いかもしれない。 ノーチラスも身を守るために、自分の支給品の短機関銃、 ゲウィン ブッシュマスターをその参加者に向け発砲した。 だが、当たらなかった。ノーチラス自身が銃に不慣れだったせいもあるだろうが、 それ以前の問題があった。 「だあああああっ!」 ノーチラスが机の陰から身を乗り出し、前方十数メートル先の相手に向け、 ブッシュマスターの引き金を引く。 ダダダダダダ、と連射音を響かせながら、無数の5.56ミリNATOライフル弾が、 目標に向かって音速の速さで飛んでいく。 だが、そいつ――青い髪に赤い鉢巻、血のように赤い瞳、白い半袖のカッターシャツに、 濃い灰色のズボン、革靴という容姿の青年は、持っていた刀を構え、 次の瞬間、自分に当たると思われた全ての弾丸を、刀で打ち落としていた。 「じょ、冗談だろ!? バケモンかあいつ……!?」 何度見ても信じられない。銃の弾丸を刀で弾き返すなど、 漫画やゲームの世界での話だと思っていたのに。 明らかに人間離れした青年の動きに、ノーチラスは愕然とする。 青年――勤武尚晶は、元の世界、元の国家で、 「人斬り勤武」の異名を持つ、辻斬りの常習犯、そして、凄腕の剣士だった。 その剣の腕は、突撃銃で武装した特務警察隊30人を、 一瞬で全員斬り伏せ血の海に沈める程である。 その銃をも物ともしない剣の腕を見込まれ、多くの犯罪組織や、 果ては政治家、大富豪などの用心棒として雇われる事が多かった。 勤武尚晶はこの殺し合いをあっさり受け入れた。彼にとって殺しはもはや、 日常動作の一つと化していた。腕に何十人もの命を奪ってきた彼にとって、 今更47人の命を奪う事に抵抗など無い。 支給品は日本刀――備前長船兼光と、S&W M36と言う小型回転式拳銃と予備弾。 尚晶は銃より扱い慣れている刀を選んだ。 「……鬼ごっこは得意じゃないんだ。そろそろやめにしないか」 感情のほとんど籠らない声で尚晶はノーチラスに言う。 抜き身の備前長船兼光を携えながら、ゆっくり距離を詰める。 「く、来るな! それ以上近付くと――」 ノーチラスがブッシュマスターを構え威嚇しようとした、直後。 「……え!?」 ブッシュマスターの銃身部分が綺麗に切断され、固い床の上にぽろりと落ちた。 尚晶が凄まじい速さで繰り出した斬撃によるものだった。 呆気に取られるノーチラスだったが、尚晶の声で我に返った。 「さよならだ」 もっとも我に返った時、振り下ろされた刃はノーチラスの胴体を深く袈裟斬りにしていたのだが。 「が……あ……!!」 大量の鮮血が床に飛び散り、口から吐血しながら狼の青年はガクリと膝をついた。 意識が遠退いていく。身体中の力が抜け、感覚が無くなっていくのをはっきりと感じた。 自分は死ぬ。嫌でもそう分かった。 「みん……な……」 この殺し合いに呼ばれているはずのクラスメイト達の事を思いながら、 ノーチラスはうつ伏せに床に倒れていった。 ノーチラスの衣服で刀身に付着した血糊を拭き取ると、尚晶は腰に差した鞘に刀を戻し、 ノーチラスのデイパックを漁り始めた。 基本支給品の他、入っていた物はノーチラスが使っていた銃のマガジンと、 太刀型の軍刀――九八式軍刀が入っていた。 銃の方はつい今しがた自分が刀で銃身を切断してしまったため使えない。 尚晶は九八式軍刀を抜き取り、デイパックの中に押し込んだ。 ふと、窓から外の様子を眺めてみる。 海沿いに通る道路が見下ろせた。 「ん……あいつら、この塔に向かってるか?」 塔を目指して歩いてくると思われる二人組を発見する。 「……待ち伏せるか」 尚晶は二人組を待ち伏せ襲撃するため、塔一階の正面入口へ向かった。 &color(red){【ノーチラス@自作キャラでバトルロワイアル  死亡】} &color(red){【残り  40人】} 【一日目/朝方/E-1塔五階】 【勤武尚晶@オリキャラ・新規組】 [状態]健康、返り血(少) [装備]備前長船兼光 [所持品]基本支給品一式、九八式軍刀、S&W M36(5/5)、38sp弾(15) [思考・行動]  基本:殺し合いを楽しむ。  1:塔に向かってくる二人を待ち伏せし殺す。 [備考]  ※特に無し。 ※E-1塔内から僅かに銃声が漏れたようです。 ※E-1塔五階フロアにノーチラスの死体とデイパック(基本支給品一式、 ゲウィン ブッシュマスター予備マガジン(20×5)入り)、 ゲウィン ブッシュマスター(銃身が切断され使用不可、残弾5/20)が放置されています。 ≪支給品紹介≫ 【ゲウィン ブッシュマスター】 5.56ミリNATOライフル弾を使用するブルパップ式の短機関銃。 1960年代中期にパイロット用の強力な自衛火器として開発されたが、 当時の水準では短機関銃としては威力過剰だった事や品質も決して良くなかった 事から広く受け入れられず、生産中止となった。 【九八式軍刀】 正式名称は「昭和十三年制式刀」。1938年(昭和13年、皇紀2598年)に 制定された旧日本軍の軍刀。 【備前長船兼光】 鎌倉末期から室町時代の人、備前長船兼光(びぜんおさふねかねみつ)の作品である刀。 刀と言えば備前刀、備前刀と言えば長船という言葉もあように 備前の国(現在の岡山県)には多くの優秀な刀工がいたようで、 今日、現存する日本刀は、備前刀が一番多い。 【S&W M36】 1950年にS&W社が高い携行性を目的に開発した小型回転式拳銃。 通常の6連装から1発減らして5連装にすることでポケットに収まるほど小型になり、 非番時の警官などに護身用として愛用された。 ≪オリキャラ紹介≫ 【名前】勤武尚晶(きんぶ・なおあき) 【年齢】28 【性別】男 【職業】人斬り 【性格】冷静、残忍 【身体的特徴】青い髪に赤い瞳、縦に細い瞳孔、身長は178㎝と高め、整った顔立ち 【服装】頭に赤い鉢巻、白い半袖のカッターシャツに濃い灰色のズボン、革靴 【趣味】読書、人斬り 【特技】剣術、動体視力、体力、身体能力どれを取っても常人離れしている 【経歴】赤子の時に孤児院の前に捨てられていたのを保護される。     12歳の時にその孤児院から突如失踪し、現在に至る。     実は人間の売春婦と野良の妖狼との間に生まれたハーフで、純粋な人間では無い。     青い髪と人間の身体は母親、赤い瞳は父親である妖狼譲り。     人間と妖狼の間に子供が出来るのは極めて稀なケースでもある 【備考】別名「人斬り勤武」。多くの辻斬りを働き、またその剣の腕から武装組織、     犯罪組織、政府高官等から傭兵或いは用心棒として雇われる事も多い。     人斬りになった原因については謎が多い。     名前の「勤武尚晶」は、苗字が彼を保護した孤児院職員の一人から、     名が孤児院職員一同で考えて付けられた。     なお、剣術一辺倒では無く、場合によっては銃も使う(腕は良くない) |[[堕ちる雷光王]]|時系列順|[[狂宴開幕~アタラシイサンゲキ~]]| |[[堕ちる雷光王]]|投下順|[[狂宴開幕~アタラシイサンゲキ~]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|&color(red){ノーチラス}|&color(red){死亡}| |&color(aqua){ゲーム開始}|勤武尚晶|[[]]|
14話 斬殺許可証 エリアE-1、海沿いに建てられた塔。 元々は軍事要塞として建造されたが、今や放棄され数十年の月日が流れ、 潮風の影響も有り朽ち果てている。 塔の中から、銃声が何度も響いてくる。 茶色い毛皮を持った狼獣人の青年、ノーチラスは、 息を切らしながらボロボロの木製机の影に隠れていた。 身体の至る所に切り傷が見受けられ、痛々しい。 「畜生、やべぇぞこりゃ……」 殺し合いが始まった後、クラスメイトを捜すためスタート地点の塔を探索し始めた ノーチラスだったが、塔がスタート地点だった参加者は彼だけでは無かった。 その参加者はノーチラスが話し掛けるな否や、持っていた日本刀で襲い掛かってきた。 しかも、ただ振り回すのでは無く、目に捉えるのが困難な程素早く、 鋭い斬撃。刀の扱いに慣れている、いや、もしかすると剣豪と呼んだ方が良いかもしれない。 ノーチラスも身を守るために、自分の支給品の短機関銃、 ゲウィン ブッシュマスターをその参加者に向け発砲した。 だが、当たらなかった。ノーチラス自身が銃に不慣れだったせいもあるだろうが、 それ以前の問題があった。 「だあああああっ!」 ノーチラスが机の陰から身を乗り出し、前方十数メートル先の相手に向け、 ブッシュマスターの引き金を引く。 ダダダダダダ、と連射音を響かせながら、無数の5.56ミリNATOライフル弾が、 目標に向かって音速の速さで飛んでいく。 だが、そいつ――青い髪に赤い鉢巻、血のように赤い瞳、白い半袖のカッターシャツに、 濃い灰色のズボン、革靴という容姿の青年は、持っていた刀を構え、 次の瞬間、自分に当たると思われた全ての弾丸を、刀で打ち落としていた。 「じょ、冗談だろ!? バケモンかあいつ……!?」 何度見ても信じられない。銃の弾丸を刀で弾き返すなど、 漫画やゲームの世界での話だと思っていたのに。 明らかに人間離れした青年の動きに、ノーチラスは愕然とする。 青年――勤武尚晶は、元の世界、元の国家で、 「人斬り勤武」の異名を持つ、辻斬りの常習犯、そして、凄腕の剣士だった。 その剣の腕は、突撃銃で武装した特務警察隊30人を、 一瞬で全員斬り伏せ血の海に沈める程である。 その銃をも物ともしない剣の腕を見込まれ、多くの犯罪組織や、 果ては政治家、大富豪などの用心棒として雇われる事が多かった。 勤武尚晶はこの殺し合いをあっさり受け入れた。彼にとって殺しはもはや、 日常動作の一つと化していた。腕に何十人もの命を奪ってきた彼にとって、 今更47人の命を奪う事に抵抗など無い。 支給品は日本刀――備前長船兼光と、S&W M36と言う小型回転式拳銃と予備弾。 尚晶は銃より扱い慣れている刀を選んだ。 「……鬼ごっこは得意じゃないんだ。そろそろやめにしないか」 感情のほとんど籠らない声で尚晶はノーチラスに言う。 抜き身の備前長船兼光を携えながら、ゆっくり距離を詰める。 「く、来るな! それ以上近付くと――」 ノーチラスがブッシュマスターを構え威嚇しようとした、直後。 「……え!?」 ブッシュマスターの銃身部分が綺麗に切断され、固い床の上にぽろりと落ちた。 尚晶が凄まじい速さで繰り出した斬撃によるものだった。 呆気に取られるノーチラスだったが、尚晶の声で我に返った。 「さよならだ」 もっとも我に返った時、振り下ろされた刃はノーチラスの胴体を深く袈裟斬りにしていたのだが。 「が……あ……!!」 大量の鮮血が床に飛び散り、口から吐血しながら狼の青年はガクリと膝をついた。 意識が遠退いていく。身体中の力が抜け、感覚が無くなっていくのをはっきりと感じた。 自分は死ぬ。嫌でもそう分かった。 「みん……な……」 この殺し合いに呼ばれているはずのクラスメイト達の事を思いながら、 ノーチラスはうつ伏せに床に倒れていった。 ノーチラスの衣服で刀身に付着した血糊を拭き取ると、尚晶は腰に差した鞘に刀を戻し、 ノーチラスのデイパックを漁り始めた。 基本支給品の他、入っていた物はノーチラスが使っていた銃のマガジンと、 太刀型の軍刀――九八式軍刀が入っていた。 銃の方はつい今しがた自分が刀で銃身を切断してしまったため使えない。 尚晶は九八式軍刀を抜き取り、デイパックの中に押し込んだ。 ふと、窓から外の様子を眺めてみる。 海沿いに通る道路が見下ろせた。 「ん……あいつら、この塔に向かってるか?」 塔を目指して歩いてくると思われる二人組を発見する。 「……待ち伏せるか」 尚晶は二人組を待ち伏せ襲撃するため、塔一階の正面入口へ向かった。 &color(red){【ノーチラス@自作キャラでバトルロワイアル  死亡】} &color(red){【残り  40人】} 【一日目/朝方/E-1塔五階】 【勤武尚晶@オリキャラ・新規組】 [状態]健康、返り血(少) [装備]備前長船兼光 [所持品]基本支給品一式、九八式軍刀、S&W M36(5/5)、38sp弾(15) [思考・行動]  基本:殺し合いを楽しむ。  1:塔に向かってくる二人を待ち伏せし殺す。 [備考]  ※特に無し。 ※E-1塔内から僅かに銃声が漏れたようです。 ※E-1塔五階フロアにノーチラスの死体とデイパック(基本支給品一式、 ゲウィン ブッシュマスター予備マガジン(20×5)入り)、 ゲウィン ブッシュマスター(銃身が切断され使用不可、残弾5/20)が放置されています。 ≪支給品紹介≫ 【ゲウィン ブッシュマスター】 5.56ミリNATOライフル弾を使用するブルパップ式の短機関銃。 1960年代中期にパイロット用の強力な自衛火器として開発されたが、 当時の水準では短機関銃としては威力過剰だった事や品質も決して良くなかった 事から広く受け入れられず、生産中止となった。 【九八式軍刀】 正式名称は「昭和十三年制式刀」。1938年(昭和13年、皇紀2598年)に 制定された旧日本軍の軍刀。 【備前長船兼光】 鎌倉末期から室町時代の人、備前長船兼光(びぜんおさふねかねみつ)の作品である刀。 刀と言えば備前刀、備前刀と言えば長船という言葉もあように 備前の国(現在の岡山県)には多くの優秀な刀工がいたようで、 今日、現存する日本刀は、備前刀が一番多い。 【S&W M36】 1950年にS&W社が高い携行性を目的に開発した小型回転式拳銃。 通常の6連装から1発減らして5連装にすることでポケットに収まるほど小型になり、 非番時の警官などに護身用として愛用された。 ≪オリキャラ紹介≫ 【名前】勤武尚晶(きんぶ・なおあき) 【年齢】28 【性別】男 【職業】人斬り 【性格】冷静、残忍 【身体的特徴】青い髪に赤い瞳、縦に細い瞳孔、身長は178㎝と高め、整った顔立ち 【服装】頭に赤い鉢巻、白い半袖のカッターシャツに濃い灰色のズボン、革靴 【趣味】読書、人斬り 【特技】剣術、動体視力、体力、身体能力どれを取っても常人離れしている 【経歴】赤子の時に孤児院の前に捨てられていたのを保護される。     12歳の時にその孤児院から突如失踪し、現在に至る。     実は人間の売春婦と野良の妖狼との間に生まれたハーフで、純粋な人間では無い。     青い髪と人間の身体は母親、赤い瞳は父親である妖狼譲り。     人間と妖狼の間に子供が出来るのは極めて稀なケースでもある 【備考】別名「人斬り勤武」。多くの辻斬りを働き、またその剣の腕から武装組織、     犯罪組織、政府高官等から傭兵或いは用心棒として雇われる事も多い。     人斬りになった原因については謎が多い。     名前の「勤武尚晶」は、苗字が彼を保護した孤児院職員の一人から、     名が孤児院職員一同で考えて付けられた。     なお、剣術一辺倒では無く、場合によっては銃も使う(腕は良くない) |[[堕ちる雷光王]]|時系列順|[[狂宴開幕~アタラシイサンゲキ~]]| |[[堕ちる雷光王]]|投下順|[[狂宴開幕~アタラシイサンゲキ~]]| |&color(aqua){ゲーム開始}|&color(red){ノーチラス}|&color(red){死亡}| |&color(aqua){ゲーム開始}|勤武尚晶|[[リアル鬼ごっこ]]|

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