福嶋 康太(兵庫・報徳学園)投手 176/64 右/右


神宮大会決勝で、打ち込まれた岡田の後を受け、辛抱強い投球を見せたサイドスロー投手。



(印象)


この投手を初めて見たときは、記憶違いかもしれませんが、まだ上手投げで投げていたと記憶しています。そのときは特徴も今ひとつ無い投手だったのですが、神宮大会で見た彼の姿は良い意味で意外な一面を見せてくれました。
打撃面では、神宮大会決勝で少し片鱗を見せましたが、俊足でしかもシュアなバッティングをしており、控え投手としておいておくのは少々もったいないセンスを感じます。選抜1回戦でレフトの守備に入ったように、地肩の強さや守備のセンスもあるので、多く試合に出ていれば、攻守走三拍子そろった野手になれる可能性もあるかと思います。



フォーム)


ぎこちなさは残るものの、サイド転向からまだ3ヶ月も経過していないというのに、キレの良いボール(最速135km)を投げるなど、個人的にサイドハンド投手として不可欠な要素であると考える「非常に柔らかく強いリスト」の持ち主であると見受けられる点が有る。この点から、将来的に見て、最近では珍しくなった。ボールの切れを生かしたサイドハンド投手でありながら、高め速球で打者を抑えられる投手になり得る素材ではないかと思える。
現在の球種はスライダーらしき横の変化と、ナチュラルなのか解らないがインサイドへ食い込んでくるシュートの様なボールを両サイドに散らしてくる。カーブもあるようで、目先を変える見せ球として使っているようだが精度が甘い上、殆んどフォームから見極められており、組み立ての上ではあまり意味をなしていないように見える。
カーブと書いていた変化の鋭いけ変化球だが、YouTubeの動画から見ると、シンカーらしき抜く球である可能性もある。
もしシンカーであれば、腕をしっかり振れて抜けたときの落差は相当あると感じる。
ただ上記のようにフォームから変化球であることを見破られるなど、課題は多い。


(課題)


観た時点でも、まだサイドへフォーム転換後間がないと言うこともあり、下半身の使い方にムラがあり、スタミナも不十分。ボールのキレやコントロールにもばらつきが見られました。また変化球もまだまだ抜き球(カーブ?シンカー?)の精度が甘いためか、ストライクゾーンを大きく使う余裕がまだ無い。
現状ではプロはおろか、高校生相手でも打順一回りまでを抑えるのがやっとではないかと思える。
まずはきっちりとしたフォームがためによる腕の振りの安定感を作ることが必要。しっかりとした下半身が出来、ゆったりとした身体の回転が出来るようになれば、かなり大化けしてくる可能性はある。何よりサイドスロー投手ながら140km台の速球を投げられる土台は十分にある。


(最後に)


プロを考えるとなると現状相当厳しいレベルでしかありませんが、サイドへのフォーム改造からの期間の短さと、その身体適性を考えると、大学か社会人など次のステップでもの凄く大きく化ける可能性がある投手です。ただ、そこまで飛躍できる機会を与えられるかは、この1年で近田、岡田、石田と言った実績のある投手にどこまで食い下がれるかにかかっているかと思います。何より、今年の報徳は左の本格派である近田と石田が主力投手であるので、コントロールをある程度今より上積みできれば十分に登板機会が与えられそうな投手となりえるでしょう。
また好打者で俊足であるという点もあり、野手としても専念すれば結構な選手に化ける可能性もあるかもしれないと密かな期待を感じます。


動画:http://youtube.com/watch?v=nYsq1pDUpDM

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最終更新:2007年03月30日 22:56