岡田 大祐(兵庫・報徳学園)投手 180/75 右/右

 

近田の陰に隠れがちだが、その潜在能力の高さをこの秋になって見せつけはじめた近田と同級生の速球派右腕。

 

(印象)

 

はっきり言って、まだまだ野手投げに近い下半身を上手く使えない投球フォームで、まだ球速ほどの威圧感に欠ける投手ですが、近田とは全く逆の投手と言っていい、もの凄く未完成ながら素質を感じさせる投手です。 まだ使えるボールは直球だけと言っていいほどながら、結果を残しているところも上手く近田の負担を解消できる存在(6年前の選抜制覇のチームにエースの大谷に対する尾崎がいたような)となれる可能性は十分に秘めている投手となりえる素材かと思われます。

フォーム)

 

地肩の強さにまだ頼った上半身しか使えていないフォームで、踏み出し足の着地の粘りも足りず重心がしっかり落ちないため、キレのある変化球を投げられる下地がまだできていないフォームだが、速球の球速に関しては、近田に勝るとも劣らないものを持っている。ただ、前述の通り下半身がまだ粘れない野手投げに近い投げ方故、ボールも高めに集まりがちになるところがあり、そこを痛打されるシーンが多い。
ただ指にかかったときの速球が低めに決まると高校生レベルではなかなか打てない角度のあるボールが来る。
球種はストレート、カーブ、スライダーと思われるが、鋭い変化球を投げるにはまだ下地が不十分なフォームであるのにもかかわらずカーブは大きくタテにドロンと曲がり、打者の目先を変えるには非常に有効な球種となっている。もう少し下半身が出来てくれば腕の振りなどで見極められることもなくなる上、変化の精度も上がるのではないかと考える。逆にスライダーはまだ球速が不十分で小さなカーブという感じにしか見えない。

 

(課題)

 

課題だらけなので、どれをどうするとは言えないが、何より身体全体がまだ近田と比較しても華奢な面が強く、基礎体力作りが最優先課題かと思えます。
特徴のある大きなカーブがあるので、下半身がしっかりと出来て重心が下がってくれば145kmを超す速球は投げられる可能性を秘めている上、特徴のあるカーブがあるので、スライダーではなくカットボール的な小さな横に曲がる速い球か鋭く落ちる球をマスターすれば、阪神の福原に似た最近のスライダー全盛の中においては非常に珍しい緩急をうまく使えるタイプの投手になれる可能性はある。

 

(最後に)

 

素材的には非常に魅力のある投手です。
ですが、まだその素質だけで投げている投手としか言い様がないレベルと考えていいと思います。
ただ、腰高な野手投げに近いフォームながら、比較的リリースを粘れる良い腕の振りをしているほか、現時点の下地の悪さからは考えられないほど速球にメリハリがつけられる良いカーブを投げられるなど、そのセンスのよさは同学年の近田以上かもしれません。
現時点では即プロ入りはまず難しい素材かと思います。投手転向が確か高校に入ってからだったかと思われるのに、目をひくほどの存在になりつつある点を考えると、その吸収力の高さでこの1年どこまで力を伸ばせるか?さらに刺激となる近田が好影響を及ぼせば大きく化ける可能性は秘めていると思えます。個人的には進学か社会人へ進んで体を作れば現ロッテの清水やオリックスの光原のような存在へと変貌するかもしれない期待を持たせる投手です。

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最終更新:2008年03月16日 15:38