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66 名前:1/3 投稿日:2006/07/10(月) 00:01:56
「皆さんで殺し合いをしてもらいます」
あの言葉を聴いてから何時間が経っただろうか…。山々の間に太陽が沈もうとしている
「殺し合い、か…」
言って自分の口が自然と笑みを作っているのを感じた。
せっかく人がよこした援軍を、余計な事をするな。と、断った挙句、自業自得で死に、俺を蜀から追い出す原因を作った関羽。
あのままじゃどちらも殺されるからと脱走に誘ったが断り、挙句、俺を罵り蜀に残り、敬愛する義父殿に処刑された馬鹿な劉封。
蜀に戻るのを妨害し、俺の命運を絶ってくれた忌々しい司馬懿。
こいつらを俺の手で殺せるのかと思うと、ぞくぞくしてくる。
無論こいつらだけ殺して終わりじゃあない。俺はむざむざこんな所で死ぬ気は無い。
「最後まで残るのはこの孟達子慶だ」
そう言って俺は声を出さずに笑っていた。この戦い。俺は勝てる自身がある。
俺は傍らのスナイパーライフルを見やる。どうやらこれは超遠距離から相手を殺せる優れものらしい。
「これさえあれば関羽だろうが呂布だろうが恐れるに足りん」
と、そんな時、二つの人影が目に入った。
「あれは…」
その姿を確認した俺は歓喜に打ち震え。そして確信した。俺は幸運の星の元にいる事に。
「まさか、こんなに早く会えるとはな…劉封!」
益州で張っていれば関羽か劉封の奴はやってくるとふんでたが、こうも読みが当たるとは。
もう一人は女のようだ。遠目からだが中々の美人に見える。
「少しは愉しみも必要か」
劉封の馬鹿を撃ち殺し、あの女が逃げないように足を撃ち、慰み物にしてやろう。飽きるか、ここから動く時にでも殺せばいい。
「殺しの標的に、慰み物。つくづく俺はついている」
俺はこみ上げてくる笑いをこらえながら、スナイパーライフルを構えた。照準は劉封の脳天。自然と口角が釣りあがる。
「じゃあな劉封、あの世で精々悔しがれ」
そう言って引き金に指をかけた


67 名前:2/4一段落増えます 投稿日:2006/07/10(月) 00:05:47
「何やら物騒な事をしているようだな」
「!」
その一言に俺は全動作を停止した。声が聞こえたのは俺のすぐ後ろだ。
殺られる。頭の中は一瞬でその一言に埋め尽くされ俺は前方へ飛び退りながら反転し銃を構えた。
「そう、構える事もないだろう?武官の貴殿が文官の私の何を恐れる?」
よれよれの服に身を包み、ぼさぼさの髪と無精髭の小汚い顔をした男がへらへらと笑っている。
「……龐統」
「どうやら貴殿は乗った人間のようだな」
微笑を崩さずにいる目の前の男に俺はただならない物を感じた。
「貴様、何時からここにいた?」
「さて、何時ごろだったか?」
顎をさすりながらとぼけるこの男を注意深く観察するが、どこにも武器は見あたらない。
が、よく見るとこの男は手袋をつけている。
「その手袋が貴様の支給品か?」
「ええまぁ」
あまりにも潔い答えに俺は拍子抜けすると共にこんな奴が後ろに回っただけでわずかなりとも恐怖を感じたことに怒りがこみ上げてきた。
「どうやら、お前のは外れの様だな」
「何、使ってみなければわからんよ」
相変わらずの笑みを浮かべた減らず口に俺は奥歯を噛締めた。
間違いない、こいつは俺を馬鹿にしている。俺を馬鹿にする奴は許してはならない。劉封の馬鹿よりこいつを始末せねばならない。
「減らず口を叩くな龐統。貴様にはこの銃が見えぬのか?勝敗は明らかだろう」
銃口が自分を向いているにもかかわらず目の前の男は、少しも臆した様子はない。そして片腕をだらんと下げてこう言った
「それはやってみなければわからんよ」
その一言だけで充分だった。俺は憤怒の形相で引き金に指をかけた。銃声が響き、俺の眼前には血まみれの無様な死に様を晒すあの男が転がる…はずだった。


68 名前:3/4 投稿日:2006/07/10(月) 00:06:58
俺が引き金に指をかける瞬間、奴はだらんと下げた片腕を上へと振り上げた。その瞬間、右腕の感覚が瞬時にして消えた。
「へ?」
俺はその時自分でもわからない程、間抜けな顔をしていただろう。右腕は途中から無くなっていた。遅れて激痛が襲ってくる。
「な…お前、何を…?」
「だから言ったであろう?やってみなければわからないと」
自然と俺は今さっき振り上げられた龐統の腕を見た。よく見ると指の先から何か線のような物が見えている。
「ワイヤーギミックとやらが付いているようでな。ふむ、説明書通り腕ぐらいならば両断できるようだ」
そう言って自分の武器の説明をした龐統がこちらを見た。やばい、やばいやばいやばいやばいやばい。俺の頭が危険信号を送っている。
「さて、私はゲームにのったつもりは無いが、かと言って乗った人間を生かしておく気もない」
殺される。改めて俺はそれを実感した。
逃げなければ。どこへ?奴が来ない所、遠くへ。武器は?持たなければ殺される。奴の手の動きと共に、風きり音が聞こえる。殺される。だがさっきの様などこかが無くなったような感覚はない。外した。助かった。武器は回収できた。あとはこのままどこか遠くへ。
でなければ俺は殺される。
殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される殺される。だから、だから遠くへ…



69 名前:4/4 投稿日:2006/07/10(月) 00:08:04
孟達を逃がしてしまった。やはり慣れない物をすぐに使うべきではなかったか。
「運が悪ければ私が地に伏していたかもしれぬな」
自分の運の良さに感謝しなければな、いや、それよりこれからどうするかだ。そう言えば劉封殿が来ているようだな。
「ふむ、味方は多いに越した事は無いか」
気づけば日が暮れてしまっている。この近くで野営をしているかもしれない。
「ならばこの辺り一帯を探してみるか」
ふと、空を見上げると満月がかかっていた。この月明かりの中、開けた場所にいるのは考えがたいな。
「しかし、いい月夜だ」

@孟達[右腕切断、精神錯乱状態]【スナイパーライフル】
※益州から北へ、とにかく龐統と遭遇したくないので益州の外へ

@龐統【ワイヤーギミック搭載手袋】
※とりあえず劉封達を探す。殺し合いには乗っていない

≪親子の面影/2名≫
劉封【李典棍】&蔡文姫【ボウガン・矢×20】
※無事益州に入りました。成都を目指します
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最終更新:2007年11月18日 10:43
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