7-139

373 名前:1/2 投稿日:2006/07/26(水) 16:56:01
夕闇が迫り始めた扶風郡の林で、董卓は汗をかいていた。
肥満によるものではなく、戦闘を控えた充実感のある汗を。


数時間前。戦の気配を感じて北に向かった董卓は、血肉まみれの戦場跡にたどり着いた。
顔ぶれを見るに、先程戦った一味のようだ。
「……足りんな」
バラバラの死体ばかりだったが、計算すると二人ほど足りない。
放置されていた、李儒を粉砕した槌を拾う。重いが、騎兵戦以外ならジャベリンよりもこちらの方が使いやすそうだ。
さすがに荷物が重くなってきたが、涼州随一とされた豪力を誇る董卓にはまだ余裕があった。
死体の側にある倒木に腰掛け、感覚を鋭くする。言わば野性に返るのだ。数分間集中する。
この先にはもう誰もいない。少し東南に下った所に……一人、いや二人か? 戦って負けて逃げたのか?
血塗れのミョルニルを拭くと、董卓は堂々と街道の真ん中を歩んでいった。



気配と血の跡を辿ると、あっけなくその主の下へたどり着いた。
「縮小されているが……ここは冀城か。ふんっ!」
四方の城門は閉じられていたが、ミョルニルで強引にぶち破る。轟音を纏った紫電が奔り、城門はあっさりと破られた。
「楊秋か……っ!?」
この槌のせいで勘違いしたのだろう、男が一人出てきた。無防備にも丸腰の姿だ。士気が下がっているのだろうがそれでは生き残れまい。
「莫迦者めが!!」
ミョルニルを投擲する。寸分違わず頭部を貫き、血漿が吹き出た。
その音を聞いて遅い足取りでもう一人が出てくる。
「ばっ、馬玩!」




374 名前:2/2 投稿日:2006/07/26(水) 16:57:37
「おい、そこのお前」
相手はナイフを数本持っているのだが、気にする風でもなく董卓は訊いた。
「な、なんだ!」
「わしの名を言ってみろ。貴様ら軍閥が知らんはずもない」
ガタガタ震える相手を前に、董卓は残忍な笑みを浮かべる。
「と、董卓仲穎……ぐあっ!」
P-90が火を噴き、梁興も倒れた。
「様をつけんか、様を」
董卓はそう吐き捨てた。

二つの死体から道具や食料を漁り、また城内を探索して食料を手に入れると、彼は城壁に向かう。
「……まだ誰か近くに居おるな。しかも五月蠅い」
忠実な部下には報じ、敵や邪魔者は残らず略奪し、陵辱し、そして殲滅する。それが乱世の覇王董卓仲穎の主義だ。ならばどうするかは決まっている。
「行くか。阿呆共を殺しに」
入念に武器のチェックを済ませると、董卓は城の外に出て、扶風の地に向かった。
随分と武器を装備したが、動きに支障はない。
かつて猛牛を一捻りで絞め殺し、蛮族に畏敬の目で見られた董卓にとって、この戦いはまだ準備運動が終わった程度だった。




【馬玩 梁興 死亡確認】


@董卓【P-90(弾倉あと5)、RPG-7(あと5発)、ジャベリン、ミョルニル、投げナイフ20本】

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最終更新:2007年11月17日 21:26
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