7-248 氷の微笑と復讐姫


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137 名前:氷の微笑と復讐姫1/4 投稿日:2006/11/11(土) 00:43:50
荀イクが臥竜岡に着いた時、そこはもぬけの殻だった。
「部屋の様子から、外へ出てからそこまで時間は経ってはいないようですね。」
少し前まで使われていたと思われる浴室、そして調理場にあった、水の張られた食器。
この二つの事から、諸葛亮と思われる人物が臥竜岡から出て、それほど時間が経っていない事は明白だった。
だが、ここで一つの問題が生じた。
「諸葛亮だけだと思っていましたが…」
水の張られた食器は四人分あった。
「ふむ、これは少々厄介かもしれませんね」
四人以上で徒党を組んでいる。それは高確率でこの殺し合いには乗ってはいないという事である。
「私一人では荷が重いかもしれませんね」
4人の中に武官が混じっている可能性があり、さらにその一団にはあの諸葛孔明が混じっている。ここまで何人もの参加者を殺してきた荀イクといえどこれはさすがに分が悪い。
「誰か、使えそうな駒でもいればいいのですが」
この殺し合いに乗る可能性があり、かつ武勇に優れた者。荀イクは何人かそのような駒を作り上げた。だが参加者に比べて駒は圧倒的に数が少ない。
「できればもう2,3人欲しい所ではありますがね」
そのような事を呟きながら荀イクは臥竜岡を後にした。



138 名前:氷の微笑と復讐姫2/4 投稿日:2006/11/11(土) 00:44:27
曹操を探す、諸葛亮を探す、駒を探す、目的も定まらず歩くこと数十分。空も白み始めた頃、荀イクはそれに出会った。
目の前に広がる光景。蛆の沸いた死体と下半身を露出したま動かない死体、そして横たわり、眠っている女性。
(…これは、あの女性がやったのでしょうか)
容姿から察するに南蛮の人間なのだろうか、「ん」と艶のある声を出しながらその女性は、目を覚ました。
「おはようございます」
柔和な笑みを浮かべ、荀イクはその女性、祝融に呼びかけた。
「!!」
その声に祝融は警戒の色を顕にし、首だけを動かし声のした方を見た。
「漢、人…!」
祝融がよろよろと立ち上がる。まだ完全に毒は消えておらず、まだ体をうまく動かせない。
「大丈夫ですか?」
「うる、さい…!漢人、は、殺す…!」
その眼差し、その言葉から、身を焦がす程の憎悪を荀イクは感じとった。
(これはいい駒になるかもしれませんね)
荀イクは心の中で微笑を浮かべた。
「その言動から察するに漢人に並々ならぬ憎悪を抱いているようですね」
そう言いながら荀イクはトカレフの銃口を彼女へと向けた。
「できれば訳だけでも話して頂きたいのですが」
「だれが、漢人なん、かに…!」
敵意を隠さずに祝融が言い放つ。
「察するにそこの死体が関係しているようですが」
「!!」
荀イクが孟獲の死体へと目を向けると、祝融は動揺した。
「(やはり、蛮族は単純ですね)…仇討ち、の類ですか?」
「…だったら、どうした」
銃を向けられているにも関わらず、祝融は気丈に言い放つ。
「そうですね、貴方の協力でもしましょうか」
「は?」
予想外の返事に祝融の思考は一瞬固まった。



139 名前:氷の微笑と復讐姫3/4 投稿日:2006/11/11(土) 00:45:10
「見たところ貴方には武器はない。私の持っている武器でよろしければ、一、二個差し上げます。それで貴方の仇を討ちに行けばいい」
「どうして、そんな…」
「真似をするのか…、ですか?」
穏やかな、どこか薄ら寒い笑みを浮かべ、荀イクは続ける。
「私はただ仲間を殺した人間に報復をしようとしている貴方に個人的に協力を申し上げたいだけです。まぁ、そちらにも協力していただきたい事はありますが」
「交換条件、ってことかい?」
祝融のたどたどしかった口調が無くなっていく。段々と正常な体へと戻っていっているようだ。
数分の沈黙。それを破ったのは祝融の方だった。
「…わかった」
「それは何よりです」
浮かべた笑みを崩さぬまま、荀イクは安堵の溜息をついた。
「で、その交換条件っていうのは何なんだい?」
「簡単な事です。もし貴方が曹操と言う人間にあったら殺して欲しいだけです」
「曹操、か。そいつを殺せばいいんだね?」
「ええ、できれば私がこの手で殺して差し上げたいのですが、まぁやむをえません」
先ほどから浮かべている笑顔を変えぬまま喋る荀イクに、祝融の背中を冷たい物が走る。この男には逆らってはいけない。祝融の本能がそう告げた。
「じゃあ、武器をよこしてもらおうか」
「はい、ではこの二つを」
そう言うと荀イクは自分が手に持っていたトカレフ、そしてしまって刺身包丁を祝融へ差し出した。



140 名前:氷の微笑と復讐姫4/4 投稿日:2006/11/11(土) 00:46:01
「確かに受け取ったよ」
「では、貴方の仇討ちが成功することを心から祈っていますよ」
結局、終始浮かべた笑みを絶やさずに、荀イクは去っていった。
「そうそう、行くならば益州方面をおすすめします。楊州は禁止エリアになるそうですから。貴方の仇もそちらへ行ったかもしれませんよ?」
「あんたはどうするんだい?」
祝融の問いに荀イクは立ち止まって、少し考える。
「そうですね、揚州よりの地域は厄介な人と出くわしそうですから、このまま北上して司隷にでも向かいましょうか。それではご武運を」
会釈をした後、荀イクは森の奥へと消えていった。
「…得体のしれない奴だねまったく」
一息ついた後、祝融は愛する夫の墓を作った。
「悪いね、あんた。本当なら故郷に埋めてやりたかったけど」
悲しげな顔をして孟獲の墓前に花を添える。
「待ってなあんた、必ず、必ず仇は討ってやるからね」
目に復讐の炎を燃やし、炎の女神はその場を後にした。

@祝融
【偽造トカレフ、刺身包丁】
※現在、荊州南部、荀イクの言葉に従い益州へと向かいます
※漢人の男は全て殺す気のようです。馬謖、曹操優先

@荀イク[洗脳されている?、額に切り傷]【ガリルAR(ワイヤーカッターと栓抜きつきのアサルトライフル)、防弾チョッキ、日本刀、空き箱】
※現在、荊州南部、司隷へ向け北上
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