7-223 三者三様

340 名前:三者三様1/6 修正3 投稿日:2006/09/19(火) 00:19:23
ま、参加者二人と危険人物が死に、かつ生還できたんだ。それにまだこいつがある」
そう言って、魏延は傍らのハルバードを持ち上げた。
「銃の一つくらい安いもんかな?」
誰かに語りかけるように呟きながら、魏延は一つの茂みを見やった。
「そこにいるのはわかってるぞ?もっとも、馬鹿みたいに殺気を出してるんだ。奇襲する気は無いんだろう?それとも唯の馬鹿か?」
その言葉を合図に、茂みから、狼牙棒を持った男、高順が現れた。
「ふむ、逃げずに、そちらから来てくれるとは。どうやら俺の見込みどおりのようだな」
高順の顔に満足げな笑みが浮かぶ。
「前者みたいだな。その言い分、その顔から察するに、乗ったはいいが、今まで相手に恵まれなかったのか?」
「そういうわけじゃぁないが、闘いたい相手がいてな。その方と会う前に肩ならしをしておきたいのさ」
そう言いながら高順は狼牙棍を構える。
「同盟。とかは考えないか?」
目の前の男と本気で対峙すれば無事では済まない事を魏延の本能が訴える。
「何、永久的な同盟じゃない。俺はどうしても殺したい奴が5人いる。その内、特に殺したい奴が3人。最低でもその3人を殺すまで付き添ってくれればその後は全力で相手をしてやる。もしかしたら俺をよりも強い相手が見つかるかもしれん。どうだ?悪い話じゃないと思うぞ?」



341 名前:三者三様2/6 修正1 投稿日:2006/09/19(火) 00:20:33
諸葛亮・楊儀・姜維・馬岱・馬なんとかは殺す。それが魏延にとっての最終、そして最優先目標なのである。その為にも、こんなところで怪我を負うリスクは防がねばならない。それが、目の男と対峙した時に導き出された魏延の考えである。
「ふむ、つまりその二人を殺せばどうなってもいいという事か」
「そういう事だ。無論、俺が殺せず、放送で呼ばれた場合もその約束は有効だ」
「ふむ、悪い話ではないな…だが」
そういうと高順の殺気のこもった眼差しが、鋭く魏延を射抜く。
「残念だが呑めんな」
「チッ、そいつは残念だよ」
高順の眼差しに臆することなく、魏延は舌打ちをしながらハルバードを構えた。
「私が知っている猛者も既に亡くなっている者が何人もいる。そんな状況で、獲物をむざむざ見逃せる人間では無いのでな」
「ったく、これだから戦闘狂は…」
会話をしながらも、一歩、また一歩と二人は間合いを縮めていく。
「まあ、運が無かったと…諦めろ!」
その声と共に高順が飛び出し狼牙棍を振り下ろす。魏延はそれをハルバードの腹で受け止める。ギャリ、と耳障りな金属音が鳴る。
「まったくだ、ついてねぇよ!」
狼牙棍を払い、ハルバードの先端で突くものの、高順はそれを難なく躱す。
「ふん、破壊力が高かろうと、そのような大斧、当たらなければどうという事は無いぞ!」
反撃の隙を見せぬよう高順は狼牙棍で連撃を仕掛ける。対する魏延のハルバードは、その威力と多彩な攻撃方法を誇る反面、その重量から来る攻撃時の隙の大きさ故、おいそれと攻撃できず防戦に回っていた。
「どうした?防戦一方じゃないか」
「そう思うなら、少しは攻撃の手を緩めたらどうだ!」
「笑止!戦いにおいて俺が手を抜くはずがあるまい!」
「ああそうかよ!」



342 名前:三者三様3/6 投稿日:2006/09/19(火) 00:21:11
憎まれ口を叩きながらも、魏延は焦っていた。息つく暇もない連撃。アドバンテージは已然として高順にある。今はしのぎ切れているがこちらの不利は明白。このままではいずれこちらがやられてしまう。
僅かにできた隙を突いて魏延がハルバードの先端で突く、だが高順はそれを飛び退りながら躱す。その時、先ほどまで高順がいた場所を銃弾が掠めた。
「「!!」」
二人は考えるより早く、体を近くにあった木の後ろへと隠した。第三者は一方的に攻撃を繰り出している高順を危険と判断したのか高順へと殺気が向かっているのに魏延は気づいた。
(やれやれ、どうやら悪運は強いみたいだな)
そうひとりごちながら魏延は茂みや木を利用しながら遠ざかろうとしていた。
「貴様!逃げるか!!」
この場から退散しようとした魏延を見つけ、追いかけようとして、木から姿を見せた高順は、今、自分が置かれている状況を思い出し、慌てて身を潜める。木の横を銃弾が掠める。そして先程まで魏延がいた所を見やると、既に魏延はいなくなっていた。
「クソ!」
やっと見つけた相手との戦いを妨害され、高順は怒りの表情を顕にする。
「どこの誰かは知らぬが、この代償、貴様の命で払ってもらうぞ!」



343 名前:三者三様4/6 投稿日:2006/09/19(火) 00:22:09
(一人逃しちまったみてぇだな)
魏延と高順が戦っていた地点からそう遠くない高台で許チョはスナイパーライフルを構えていた。
(おいらが殺したのはまだ二人。もっともっと殺さねぇと曹操様が優勝できねぇ…)
曹操を命に代えてもでも守る。それだけが、ここでの許チョの存在理由であり。許チョにはそれだけで十分だった。
(悪来や荀攸殿、それに曹仁殿や曹洪殿だって逝っちまっただ)
だからこそ、優先的に殺し合いに乗った者を削除しなくてはならない。特に今自分が狙っているような実力者は。
(おめぇには恨みはねぇが、曹操様のためだ。おめぇには死んでもらうだ。それまではずっと動かねぇだよ)
許チョが持久戦を覚悟したその時、高順が飛び出してきた。
「!」
許チョが引き金を引く、しかし高順はすぐに近くの木に隠れ、銃弾は木に穴を開けるだけに終わる。
「そういう戦法でくるだか…」
銃撃をやり過ごした高順はすぐにまた近くにある木に向かい、低姿勢で走り抜ける。それを繰り返し、自分の邪魔をした相手に近づこうというのだ。
「上等だ、ここに来る前に撃ち殺してやるだ!」
そう言って許チョは銃を撃つ。だが使い慣れていないということもあり、高順には当たらない。そのまま許チョは弾を消費していき、そしてついに、全弾を撃ちつくしてしまった。
「しまっただ!弾が…!」
「どうした終わりか?」
許チョが顔を上げると高順がこちらに向かい歩いてきている。
「勝負の邪魔をした報い、受けて貰うぞ!」
高順が狼牙棍を振り上げ飛び掛る。狼牙棍が振り下ろされるその時、許チョの体は考えるより先に動いていた。
高順の腕を掴み、そのまま馬鹿力にまかせ、勢いよく振り回し放り投げた。
「な、おわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
投げ飛ばされた高順はそのまま坂を転がり落ちていった。



344 名前:三者三様5/6 修正2 投稿日:2006/09/19(火) 00:22:46
「なんとか助かっただ…」
ふぅ、と汗をぬぐい、許チョは傍らの大斧を持ち、次の獲物を探すため、豫州を北上する
「ハァ…ハァ…大丈夫だぞ曹操様、おいらが絶対守るからな」
空を見上げ、許チョは同じ空の下にいるであろう主君に思いを馳せた。
「曹操様が死ぬまでおいら絶対死なねぇ。おいらは曹操様を守る為にここにいるんだからな」
決意を新たに、虎は歩き出す。守るべき主君の為。

「ふぅ、何とか逃げおおせたか」
楊州と豫州の境目付近で魏延は一息ついていた。
「諸葛亮、楊儀、姜維、馬岱、えーと、馬…なんとか、お前等は生かしておかねぇ」
空を見上げ、魏延は同じ空の下にいるであろう仇に思いを馳せた。
「お前等が死ぬまで俺は絶対に死なねぇぞ。俺はお前等を殺す為にここにいるんだからな」
決意を新たに、復讐者は歩き出す。屠るべき怨敵の為。

「う・うん……」
先程の戦いから数刻たった坂の下で高順は目を覚ます。
「不覚をとったか。だがあのような使い手がいるとは。まったく退屈せんな」
空を見上げ、高順は同じ空の下にいるであろういずれ戦いたい男に思いを馳せた。
「呂布様と戦うまで俺は死ねん。俺は呂布様と戦う為にここにいるんだからな」
決意を新たに、戦闘狂は歩き出す。最強の武との死闘の為。



345 名前:三者三様6/6 投稿日:2006/09/19(火) 00:23:18
@許チョ【大斧】
※豫州から冀州一帯を捜索。見者即殺です(曹操以外)
@魏延【ハルバード(少々溶解)】
※楊州と豫州の境目、どこに向かうか思案中
@高順【狼牙棒】
※呂布、及び銃を持った参加者を探しうろうろしています。現在豫州南部

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最終更新:2007年11月17日 19:30
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