7-213 腹が減っては戦はできぬ

290 名前:腹が減っては戦はできぬ 投稿日:2006/09/01(金) 02:14:28
「誰もいねェ、だと!?」
主の無い合肥城で、甘寧は一人愚痴る。
江に沿って南下し、足の踏み入れたことの無い(といっても縮小されていた城だが)合肥に入ったものの、張遼どころか生き残っているはずの李典すらいない。
「ったくやってらんねーぜ。何の為にここまで来たっつーんだよ、あ?」
ぶつくさいいながら城中を探索する。貰った諸葛亮の服は、動きやすいように幾分カットしていた。
「お、酒発見」
食料庫跡か。他にも野菜果物やら干物なども僅かに置いてある。

「……やっぱ、どっかこっかで食料を手に入れられるようになってんな」
当然だろう。戦いが数日に及ぶことを考えれば、どこかで食料を補給せねばならないのは自明の理だ。
甘寧は他者の食料を奪っているが、彼が大食漢であることを差引いてもぼちぼち多くの参加者が食料切れに近付くはずだ。当然対策は講じねばならない。
もっとも、野草や果物に魚、丁度よく収穫寸前になりかけていた畑なんかも見た。鳥獣の類も少なからずいるだろう。
「ま、そう考えりゃ別にどうってことねえか。何か食えれば動けはするからな」

合肥城に蓄えられたものをあらかた胃の中に納めると、城壁の上に登って周囲を見渡す。
視力には自信があったが、見た感じ人の姿も気配もない。
ならば土地勘のないここにいるよりも、少しばかり南下した方がいいはずだ。
多かれ少なかれ仲がよかったとは言い切れない呉将達にはあまり会いたくなかったが、馴染みの薄い土地で魏将と戦るよりはまだマシだ。
少し考えた後で、南に行った所にある皖城に向かうこととした。
魏呉の勢力が鬩ぎ合うためによく所属が変わる城で、かつて甘寧も鉄球を振り回して魏将朱光を討ち取り、一番槍も兼ねた軍功第二に挙げられたこともある城だ。

思った通り、皖城は吹けば飛ぶような小城になっていた。だが小さいからこそ城内全てを把握し、何かあればすぐに迎撃できる。
東西南北の門をチェックして、閂をかけずに開けたままにしておく。
先ほど手に入れた温州蜜柑の皮をむきながら、甘寧は北を見据えていた。

@甘寧【シグ・ザウエルP228、天叢雲剣、コルト・ガバメント、点穴針、諸葛亮の衣装】
※皖城に滞在中。後でまた合肥に向かう予定。

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最終更新:2007年11月17日 19:11
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