7-016

31 名前:1/2 投稿日:2006/07/07(金) 22:37:59
最初はゲームに乗るつもりだった彼だったが、そんな思いはもう消え失せた。
本当の父に会わせてやろうか。この幼い弟を。
曹丕は曹幹の小さな手を握って外に出た。その暖かさに知らず笑みがこぼれた。
確か父は東門から外に出たはずだ。
しかし。曹丕はわずかに目を伏せる。
自分が父の元に出向いたとしても父は自分を信じるだろうか。
心残りだったろう末の息子を連れていれば…いや、それすらも策と取られるかもしれない。
父の信頼する臣下、例えば夏侯惇とか郭嘉だとかに託したほうがこの子のためか…。
「とうさま?」
きゅっと眉根を寄せた曹幹が曹丕を見上げている。
「とうさま、どこかいたいの?」
「…いや」
確かめるようにその手を握り返して、曹丕は微笑む。
「何でもないよ」


32 名前:2/2 投稿日:2006/07/07(金) 22:38:55
曹丕は駆けていた。曹幹をかかえるように胸に抱いて。
東門を一歩出るとそこは地獄だった。
曹一族に恨みを持つものたちの待ち伏せだったのか。今のところ銃を持っている者がいないようなのが唯一の救いだが…
そう思った次の瞬間、遠くで乾いた銃声が聞こえた。決して安心はできない。
曹幹を抱いた曹丕は圧倒的に不利だったが、
逆に言えば曹幹に呼び止められ出発がやや遅れたせいで直接襲撃に巻き込まれずに済んだとも言えた。
無差別な殺戮劇から逃れるように曹丕は南へと走る。
右手には銃を握って、左腕には幼い命を抱えて。
だがその先に待つ復讐の狩人の存在に彼はまだ気づいていない。

≪パパじゃないよお兄ちゃんだよ/2名≫
曹丕【スコーピオン】&曹幹【白い鳩】
※曹繰やその臣下を探しています。基本的に戦闘はしません。
※曹幹を抱えて全力疾走。一応の目的地は許昌。干禁には気づいていません。

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最終更新:2007年11月18日 10:28
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