7-171 張角さんのDEATH予定NOTE

79 名前:張角さんのDEATH予定NOTE 1/2 投稿日:2006/08/02(水) 14:22:12
「しっかし、使い方がわかんないねぇ」
張角は自らの持つDEATH NOTEを眺めて、首を傾げた。
おそらく使用法であろうという注意書きは付いているのだが、見たこともない異国の字によって記されているため
学のある張角といえども解読は不可能だった。
ためしに1ページ切り取って、紙飛行機を折ってみる。
投げてみる。
普通に飛んで、すぐに落ちた。もちろん、何も起きはしない。
「駄目かぁ」
この手帳から異様な気配は感じるのだが、それがどうやったら発揮されるのかがさっぱり見当も付かない。
そうなると張角が気持ちを切り替えるのは速かった。
「……日記にでもするかぁ?」
手帳はものを書くために使うものだ。発している奇妙な気配はこの際無視してしまうことにした。
もしこの先自分が斃れても、この日記を読んだ誰かが志を継いでくれることを祈って、張角は文字を綴った。

3日目(くもりのち雨)
もし誰かがこれを拾うことあれば、私の志を継いでいただけることを願い、歩む道をここに綴る。
私は打倒献帝を旨とし、行動する。
参加者百余名を殺し献帝のみに媚びるか、たった一人の献帝を弑することで数多の命を救うか。
どちらが正しき道かは、少し考えてみれば自ずと理解できるものと考える。
現時点でこの愚かな遊戯に乗っていない者、もしくは弱い武器しか持たぬ者を説得し、
打倒献帝の旗を揚げるために私は行動する事を記しておく。
私は何故だか判らぬが、自身の死後しばらくの世の動きを記憶している。
生きた時期や場所こそ違えど、清き世を望む心は同じものと信じ、
まずは荀彧、荀攸、司馬懿、陳羣らなど後世の清流派の者を求めこれより移動する。



80 名前:張角さんのDEATH予定NOTE 2/2 投稿日:2006/08/02(水) 14:27:30
「よし、っと。真面目な文を書くのは疲れるねぇ」
手帳をたたみザックに入れ、立ち上がろうとしたところで、暗い声が耳に届く。
―――殺せ。
声が聞こえたあたりを見回すが、人気はない。
―――殺せ。殺せ。殺せ。
それはどこから聞こえるものでもなく、頭の中で響いていることに気付く。
―――殺せ! 殺せ! 殺せ!
なんだこれは、これはなんだ!?
―――荀彧を殺せ! 荀攸を殺せ! 司馬懿を殺せ! 陳羣を殺せ!
何故だ、彼らに何の罪がある?
―――殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ
やめろ、痛い、頭が痛い、痛い痛いたいいたいたい
―――殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ!!!!!

声が途切れ、張角が崩れ落ちる。
脂汗がどっと流れ、震える手でザックの中の手帳を握り締める。
「そうだ、殺せ……殺すンだ、ははっははハハははハッ」
壊れた笑いを放つ今の張角の頭にあるのは、仲間として求めるはずだった清流人士を殺すこと、ただそれだけだった。


@張角【DEATH NOTE】
※DEATH NOTEに参加者の名前を綴った場合、その人物を殺さなければならないという激しい強迫観念に囚われます
※仲間として探すはずだった荀彧、荀攸、司馬懿、陳羣を殺すことしか考えていません
※許昌方面へ移動開始
※紙飛行機にされたDEATH NOTEのページ1枚はその場に放置されました

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最終更新:2007年11月17日 17:43
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