7-123 最凶最悪四人衆

307 名前:最凶最悪四人衆1/3 投稿日:2006/07/22(土) 23:08:27
陳留の平原を四つの影が切り結ぶ。正確には三対一だ。だが、腕には覚えのある猛将三人を相手に、閻行は攻勢に出ている。
決して孫堅達は手を抜いてはいない。最初に閻行を確認した時から、そのような考えは浮かぶわけもない。
本気を出しているにもかかわらず、一人の男相手に、決定打が打てないのだ。
「ふはははは!なかなか骨のある奴らではないか!気に入ったぞ」
反撃に出た、孫堅の横薙ぎ、華雄の振り下ろし、黄忠のナイフでの一突きを、斬りかかってきた順に、弾きながら、閻行、いや項羽は笑みを浮かべる。
それと反対に、孫堅達は内心戦慄していた。自分達とて腕には覚えのある人間だ。何人もの武将と戦い、勝ちぬけてきた自負もある。
そんな男達の渾身の一撃を、この男は立て続けに、かわしてみせた。
(まるで、あの呂布を相手にしているみたいだ)
華雄は、敵味方問わずに恐れられていた飛将、呂布が頭に浮かんだ。いや、もしかしたら、この男は呂布より強いかもしれない。
そう思うと、華雄は笑っていた。他の二人も似たような事を考えていたのだろう、同じ笑みを、より強い者との出会いに歓喜する、戦士の笑みを。
「いい笑顔をするな」
項羽が笑う。項羽の顔にも同じ笑みが、浮かんでいる。
「そう言えば名を聞いていなかった。なんというのだ?」
「名を尋ねるのなら、まず自らが名乗るのが筋であろう?」
項羽の問いに孫堅が返すと、項羽はもっともだ、と、うなずく。


308 名前:最凶最悪四人衆2/3 投稿日:2006/07/22(土) 23:09:15
「我が名は項羽!西楚の覇王よ!…今はこの男、閻行とやらの体を借りているがな。」
項羽、自分達が会うことは無いであろう武人との遭遇、そして計り知れない武の持ち主の対決に、孫堅たちは、喜びに心が震える。
「私は、長沙の太守、孫堅。貴殿のような武人と剣を交えることができ、歓喜の至りにござる」
「同じく、関西の華雄」
「南陽の黄忠」
「孫堅、華雄、黄忠か、己等の名前、しかと刻んだ!改めて我が剣の錆にしてくれる!」
そして、満月が照らす闇の中、また四つの影が切り結ぶ。
(ほう、我を相手に、ここまでもつとはな)
項羽は目の前の、対戦者を見て満足げな笑みを浮かべる。三人とはいえ、本気の自分を相手に怪我という怪我も無く、息も切れずについてきているのだから。
(もっとだ!もっと我を楽しませろ!)
その時、項羽は彼等とは別の方向からの殺意を感じた。
(この気、奴等ではない。もっと遠くからだ?)
殺気が近づく気配もない。項羽は理解した。この殺気の主は漁夫の利を狙っている。
(…下衆が!)
後ろからこそこそ付け狙う人間に、怒りと殺意が沸く。
「待たれい」
項羽の制止に三人はあっさりと動きを止める。項羽がそう言うのを予想していたようにも見える。


309 名前:最凶最悪四人衆3/3 投稿日:2006/07/22(土) 23:09:47
「貴殿らも気づいているのだろう?漁夫の利を狙い、我等の闘いに水を注そうとしている不埒物がいる事に」
その問いに三人はうなずく。彼等も同じ事を考えていたいたようで、その目には怒りと殺意の色が浮かんでいる。
「このような不埒物、生かしておくわけにもいかぬ」
無言でうなずく三人。四人の意見は一致した。卑怯者を始末する。ここに一時的ながらも、最凶の四人組が誕生した。

<<四本刀/4名>>
@閻行(項羽)【項羽の剣】@孫堅【七星宝刀】@華雄【吹毛剣】@黄忠【サバイバルナイフ】
※一時的に同盟を結びました。遠距離からの殺意の主、于禁を狙います。邪魔者がいなくなり次第、また戦闘を開始します。
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最終更新:2007年11月17日 21:13
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