7-097


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229 名前:1/5 投稿日:2006/07/18(火) 00:36:40
<<旗本八旗>>の八人は、故郷である涼州へ向かっていた。
どうせ戦うのであれば地理感のある所の方がいいし、ひょっとすると韓遂様にも会えるかもしれない。
不慣れな土地では警戒しながらゆっくりと移動し、京兆府で交代で睡眠をとった。
そし朝を迎える。
「いい朝だな」
唯一の智謀の持ち主でリーダー格の楊秋が、、ぽつりと呟く。
暑くもなく寒くもない陽気に包まれ、遠くには鳥のさえずりも聞こえる。
とても今の瞬間も殺し合いが行われているとは思えなかった。
やがて一行は扶風郡に入る。左手に台地、右手に草原に囲まれた安定城があるが、この間を抜ければ天水、その先は武威である。
自然、八人にも安心感が生まれる。
故郷に思いを馳せて、歩も進み始めたところで、楊秋は奇妙な重低音に気づいた。

空を見上げる。青天に何か、不自然な物体が。嫌な音を立てて。
こちらに向けて……飛んでくる!?
「いかん! みんな、散れ!!」
砲弾だ。気付いて皆に指示した時には遅かった。
着弾、そして爆発。轟音。砂塵が舞い上がって何も見えない。
畜生だの痛いだの苦悶の声が聞こえる。
ようやく視界が戻ったときには、つい先ほどまでうららかなものだったその場が、血と破片に塗れていた。

李堪が黒焦げになって倒れている。張横は腕を薙がれ、腹からは臓腑を転がして絶命していた。見開いた目がただ中空を見据えている。
「あそこだ!」
馬玩が台地の上、ここから40~50mほどの場所を指差す。そこには確かに二人組の男が立っていた!




230 名前:2/5 投稿日:2006/07/18(火) 00:38:55
「やばい、董卓だ! あれは董卓と李ばろ!!」
銃の連射音。叫んでいた程銀の頭部が吹き飛ぶ。こちらも慌てて応射するが相手は撃ち下ろし、こちらは撃ち上げ体勢であまりにも不利すぎる。
続けざまに梁興も銃弾の餌食になった。こちらはまだ脚という事で致命傷にはならない、だがこのままでは二発目の砲弾がくる……!
梁興を抱えて物陰に隠れる。その間も、こちらをいたぶるように射撃は続く。
楊秋は混乱する頭脳で考える、どうする、どうする?
「成宜、侯選、三人で奴等へ接近戦を仕掛けるぞ!」
「了解!」
「このままではみんなやられる!俺達が接近戦で時間を稼ぐから、馬玩は梁興を連れて天水城へ落ち延びてくれ!」
「しかし、我々だけが逃げるわけには……」
馬玩が木の裏に隠れながら言う。さすがに気が引けるのだろう。
「俺達も時間を稼いだら撤退する。大丈夫、あの台地──五丈原は岩だらけだ、隠れる所はいくらでもある」
成宜と侯選はもう出撃の意志を固めている。台地まで走り抜ければあとは登るだけだ。
「頼む馬玩、梁興を助けるためにも!」
「……わかった。お前ら、生きて帰ってこいよ!」
馬玩が梁興に肩を貸す。残りの三人は武器を携え、飛び出す。
「おっし、では大陸一の魔王とやらをぶちのめしてやるか!」
「軍閥の将帥の力、なめんなよ!」
威勢良く叫んで、成宜と侯選が突撃する。
銃声が響き、RPG-7の砲弾は彼らの頭上を飛び越えていく。
それを確認して、馬玩は逆方向に移動を始めた。
五丈原の台地で迎え撃つは董卓、そして李儒。


231 名前:3/5 投稿日:2006/07/18(火) 00:41:33
「バカ者め、二度と外すなよ」
「申し訳ありません。次はいかがしますか?」
「一度下がってそこの岩の陰にでも隠れておれ。奴等接近戦を挑むつもりのようだ」
言いながら、董卓は弾倉の交換をする。登ってこようとする楊秋らを狙い、50発を撃ち切ったのだ。
残りの弾はまだまだあるが、最後まで使うつもりなのだから節約をしなくてはと考えているのだ。

眼下を見れば、群がる蟻のように敵がこちらに向かってくる。その姿は岩に隠れて見えたと思ったらまた消える。
牽制に二三発発砲するが、遮蔽物の多いこの状況では銃弾はそうそう当たりはすまい。
ならば引き寄せて叩くか。董卓は振り返ると李儒を呼び寄せ、近づいてきたら撃つようにように言った。だが。
「董卓様、二人しかおりませんが?」
「なんだと!?」
慌てて引返して見る。威嚇射撃が頭上を通り過ぎていったがこんなものは当たらない。
確かに二人しかいなかった。距離はもう30m程度しかない。
「ち、謀られたか!」
おそらく目を話した一瞬の隙に分かれたのか。逃げたはずがない。となると……。
「李儒! 岩ごと彼奴等を吹き飛ばせ!」
「御意!」
董卓は巨体に似合わぬ軽捷さで、董卓は五丈原の頂上、その縁を探る。きっと別働隊がいるはずだ。
李儒の放った弾はまた外れたようだ。明後日の方向に飛んでいった。その方向をちらっと見る。
「また外しおって。使えんやつだ……っ!?」
突如側面から槍の横薙ぎ。咄嗟に横っ飛びして回避する。続いて突き、これは身体を横にずらして避ける。銃を構える暇がない。
こいつが伏せ勢か!!
さらに突き出した槍の刃が自在に動き横にスライドし、董卓の太い首を刈る……が、分厚い脂肪とその下の頑強な筋肉に刃が止められた。
「貴様ァ!!」
その槍を掴むと、桁外れの剛力で奪い取る。そして三歩ほどの距離からそのジャベリンを「用途通り」使った。
「がふっ!」
投擲されたその槍は成宜の横腹を貫き、貫通してそのまま成宜を地に縫い付ける。だがそれと同時に、近くで落雷のような轟音が鳴り響いた。



232 名前:4/5 投稿日:2006/07/18(火) 00:43:35
「何ィ!?」
稲光が煌き、李儒が焼け焦げて斃れる。
その向こうにはミョルニルを振りぬいた侯選の姿があった。

伝説に曰く。
ミョルニルはトールハンマーとも呼ばれ、その名の通り雷神トールによって扱われていた。
振れば稲妻を纏いて敵を完膚なきまでに破壊し尽くし、持っていると破邪の護りが得られるという。
ちなみに投擲すればほぼ必中となり脅威の武器になるのだが、そのことまでは侯選は知らない。

「よし、退け!」
もう十分だとばかりに楊秋が叫ぶ。
董卓がP-90の凶弾を放つ前に、二人は転がるようにして撤退していった。
追いかけて背撃するも、有効なダメージは与えられなかった。麓まで到達して草むらに隠れられると、もうお手上げである。
「さて……李儒よ」
黒焦げかつバラバラの李儒の遺体に、董卓は語りかける。
「お前の自業自得だ。だが、今までは助かったぞ」
破壊されなかったRPG-7を拾い、李儒に礼を言う。
中華圏とは常識を異にしていた、僻地の軍閥の領袖の本心が垣間見えたような瞬間だった。

そして振り返ると、血だらけの槍だけが落ちており成宜はいない。
貫通したとは言え、腹部の傷ならば致命傷を回避することができるかもしれない。
「まあ、わしにまた改めて殺されるだけだがな」
奴等は涼州の軍閥どもだ。ならば行く所など大抵予想がつく。
「気が向けば殲滅してやるとしよう」
そう言うと、董卓はすぐ側にある李儒の鞄を漁ると、死体を構わず食事を始めた。


233 名前:5/5 投稿日:2006/07/18(火) 00:46:27
その後、仮らは天水城は思ったよりも早く着く事ができた。
「楊秋、無事だったか!」
馬玩が嬉しそうに二人を迎える。
「梁興は……戦闘となるとちと厳しいがある程度の手当てはした。傷口が膿まなければなんとかなると思うぞ」
「そうか、良かった」
「ところで成宜は?」
「む、まだ来ていないのか?」
成宜とは別行動になる時に、離脱した後は別々に天水に向かうと決めたのだが……。
ちなみに、彼らは死角にいたせいで成宜が負傷したことを知らない。
「まあ、奴に限ってそうそう死ぬことはあるまい。無事合流したら董卓対策を含めて話し合おう」
彼らは三人の仲間を失った。だが戦意までは失っていない。


「……クソッタレ、こんなことで死ねるか。程銀達の仇は俺が、とる」
朦朧とした意識のまま、成宜は天水へと歩いていくのだった。


【李堪 張横 程銀 李儒 死亡確認】

@董卓【P-90(弾倉あと5)、RPG-7(あと5発)、ジャベリン】
※五丈原で朝食タイム。その他の死亡者のアイテムは放置。
<<旗本八旗/4名>>
侯選【ミョルニル】馬玩[軽傷]【スポーツ飲料1.5リットル(半分使用)】楊秋【AK-47(弾倉あと6)】梁興[右太股銃創]【投げナイフ20本】
※天水城で休憩。

@成宜[重傷、意識朦朧]【なし】
※意識が虚ろなまま天水へ。
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