7-073 反逆の狼煙

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173 名前:反逆の狼煙 1/3 投稿日:2006/07/15(土) 16:38:35 「お前、何故それを扱える?」 木の根元に座り込んで探知機を弄っていた凌統は、唐突に声を掛けられて顔を上げた。 「え?」 「その探知機、正直取扱説明書なしですぐに扱えるものじゃないぞ。  嫌がらせみたいに人間の直感の逆をいく操作を要求しているから」 馬謖は懐から探知機に付属していた分厚い説明書を取り出し、ばっさばっさと振る。 お世辞にも操作が単純とは言えないその機械を、凌統は平然と使いこなしていた。 「だってこれ前にも使った事が―――」 ……使った事がある? さらりと言いかけて凌統は動きを止めた。 まさか。こんな非常識な装置、初めて見たはずだ。 「前にも使った事がある、のか? ……それはいつだ。思い出せ」 相変わらず威丈高な口調ではあるが、妙に真剣な目付きの馬謖に問われて凌統はうろたえた。 しばらく頭を抱えて唸ってみたが、全く思い出せない。 「……無理」 「そうか。まあ馬鹿そうだしな、お前」 「殴るぞ」 「図星だったと認めるということになるな」 「……!」 むっときて立ち上がった凌統の足元に、仔犬が目を覚まして擦り寄ってきた。 きゅうぅん、と「ケンカはやめて」と訴えるつぶらな瞳に毒気を抜かれて、凌統は再び座り込んだ。 仔犬は凌統のあぐらを組んだ足に陣取って、再び気持ち良さそうに眠りにつく。 「だけど、こいつらを見たとき、何か変な既視感は覚えたな」 仔犬の柔らかい毛を撫でながら、凌統は呟いた。 「なんか、姫様、孫尚香様に関係してたような気がしなくも無い。  あと誰かをやっつけたいと思ってたような気がするけど、誰だか思い出せない」 「そうか」 しばらく沈黙が続く。 ---- 174 名前:反逆の狼煙 2/3 投稿日:2006/07/15(土) 16:41:22 「凌統、このゲームとやら、どう思う」 「どうって……腹立つ?」 「そうだな。最後に残った1人は生き残るというのも怪しいものだ。  そもそも何のためにこんなことしてるんだと思わないか?」 「……思うかも」 「たしかあの献帝らしき奴は『生き残った優秀な将には首輪を外してあげて、この世の全てを与えましょう』  と言っていた。だがそうすると献帝はどこに行くんだ? そもそも優秀な人材が死に絶えた世なんて  何の面白味のないと思わないか。お前の友だった将たちも大概死んでるんだぞ」 「確かに……その通りだな」 「ここまで聞いた上で、お前このゲームに乗れるか?」 「乗らない。けど……」 「もちろん襲われたらやり返す。だけど乗ってない奴も案外多いはずだ。……そこでだ」 ふふん、と得意げに人差し指を立てた馬謖だが、そのまま凍りついたように動かなくなった。 「……おい? どうした?」 馬謖は青い顔で凌統の脇にしゃがみ込むと、探知機の画面の明かりを頼りに地面に字を書いた。 (今気が付いたんだが この会話 献帝らに盗聴されてるかも) 「なにー!?」 (声出すな 私の首輪 王允殿みたいになってないか) 「誰だそれ」 (献帝に逆らってはじめに爆発した) 「あぁあの可哀相な爺さんか! や、とりあえず大丈夫っぽいけど?」 はあぁ~、と息をついて馬謖はへたれこんだ。 「お前偉そうな割にびびりだな」 「やかましい黙れ氏ね! ……それはともかくとしてだな」 馬謖は再び地面に文字を書き始めた。 ---- 175 名前:反逆の狼煙 3/3 投稿日:2006/07/15(土) 16:48:21 (乗ってない信用できそうな奴を集めて献帝を襲撃する  人数は不明だがあちらは基本的に雑魚と見えた  武勇に優れた将が数人居れば勝機はある) (どうやってだよ あの城周辺禁止エリアだぞ) (それは後で考える 乗ってなさそうで信用できそうな奴は居るか) 「そうだなぁ……周瑜様、陸遜殿、呂蒙殿あたりかな」 「そうか。こちらはやはり孔明様だろうか」 「ちょっと軍師系に寄りすぎてないか? 武将も必要だろ」 「孔明様たちを慕う奴に期待しよう。頭使ったから疲れた、私は寝る。お前見張りしろ」 「じゃんけんとか無しかよ」 「五月蝿い、天才の私に逆らうな。おやすみ」 「おやすみっておいどんだけ強引なんだよお前……寝首掻くぞコラ」 地面の字を掻き消して溜息をつく凌統をよそに、夜は更けていく。 聞こえるのは馬謖と犬たちの寝息、遠くに低い鳥の声だけの平和な夜。 しかし別の場所では、今まさに殺し合いが行われているのだ……。 【陸遜 生存確認】 <<既視感を追う旅/2名>> 凌統【???、犬の母子】馬謖【探知機】 ※主催者側に攻め込む事を企んでいます。まずは仲間集め ※とりあえず諸葛亮、周瑜、陸遜、呂蒙との合流を目指します ※しばらくしたら馬謖を叩き起こして、交代で休憩を取ります。探知機で近づく人間を察知可能
173 名前:反逆の狼煙 1/3 投稿日:2006/07/15(土) 16:38:35 「お前、何故それを扱える?」 木の根元に座り込んで探知機を弄っていた凌統は、唐突に声を掛けられて顔を上げた。 「え?」 「その探知機、正直取扱説明書なしですぐに扱えるものじゃないぞ。  嫌がらせみたいに人間の直感の逆をいく操作を要求しているから」 馬謖は懐から探知機に付属していた分厚い説明書を取り出し、ばっさばっさと振る。 お世辞にも操作が単純とは言えないその機械を、凌統は平然と使いこなしていた。 「だってこれ前にも使った事が―――」 ……使った事がある? さらりと言いかけて凌統は動きを止めた。 まさか。こんな非常識な装置、初めて見たはずだ。 「前にも使った事がある、のか? ……それはいつだ。思い出せ」 相変わらず威丈高な口調ではあるが、妙に真剣な目付きの馬謖に問われて凌統はうろたえた。 しばらく頭を抱えて唸ってみたが、全く思い出せない。 「……無理」 「そうか。まあ馬鹿そうだしな、お前」 「殴るぞ」 「図星だったと認めるということになるな」 「……!」 むっときて立ち上がった凌統の足元に、仔犬が目を覚まして擦り寄ってきた。 きゅうぅん、と「ケンカはやめて」と訴えるつぶらな瞳に毒気を抜かれて、凌統は再び座り込んだ。 仔犬は凌統のあぐらを組んだ足に陣取って、再び気持ち良さそうに眠りにつく。 「だけど、こいつらを見たとき、何か変な既視感は覚えたな」 仔犬の柔らかい毛を撫でながら、凌統は呟いた。 「なんか、姫様、孫尚香様に関係してたような気がしなくも無い。  あと誰かをやっつけたいと思ってたような気がするけど、誰だか思い出せない」 「そうか」 しばらく沈黙が続く。 ---- 174 名前:反逆の狼煙 2/3 投稿日:2006/07/15(土) 16:41:22 「凌統、このゲームとやら、どう思う」 「どうって……腹立つ?」 「そうだな。最後に残った1人は生き残るというのも怪しいものだ。  そもそも何のためにこんなことしてるんだと思わないか?」 「……思うかも」 「たしかあの献帝らしき奴は『生き残った優秀な将には首輪を外してあげて、この世の全てを与えましょう』  と言っていた。だがそうすると献帝はどこに行くんだ? そもそも優秀な人材が死に絶えた世なんて  何の面白味のないと思わないか。お前の友だった将たちも大概死んでるんだぞ」 「確かに……その通りだな」 「ここまで聞いた上で、お前このゲームに乗れるか?」 「乗らない。けど……」 「もちろん襲われたらやり返す。だけど乗ってない奴も案外多いはずだ。……そこでだ」 ふふん、と得意げに人差し指を立てた馬謖だが、そのまま凍りついたように動かなくなった。 「……おい? どうした?」 馬謖は青い顔で凌統の脇にしゃがみ込むと、探知機の画面の明かりを頼りに地面に字を書いた。 (今気が付いたんだが この会話 献帝らに盗聴されてるかも) 「なにー!?」 (声出すな 私の首輪 王允殿みたいになってないか) 「誰だそれ」 (献帝に逆らってはじめに爆発した) 「あぁあの可哀相な爺さんか! や、とりあえず大丈夫っぽいけど?」 はあぁ~、と息をついて馬謖はへたれこんだ。 「お前偉そうな割にびびりだな」 「やかましい黙れ氏ね! ……それはともかくとしてだな」 馬謖は再び地面に文字を書き始めた。 ---- 175 名前:反逆の狼煙 3/3 投稿日:2006/07/15(土) 16:48:21 (乗ってない信用できそうな奴を集めて献帝を襲撃する  人数は不明だがあちらは基本的に雑魚と見えた  武勇に優れた将が数人居れば勝機はある) (どうやってだよ あの城周辺禁止エリアだぞ) (それは後で考える 乗ってなさそうで信用できそうな奴は居るか) 「そうだなぁ……周瑜様、陸遜殿、呂蒙殿あたりかな」 「そうか。こちらはやはり孔明様だろうか」 「ちょっと軍師系に寄りすぎてないか? 武将も必要だろ」 「孔明様たちを慕う奴に期待しよう。頭使ったから疲れた、私は寝る。お前見張りしろ」 「じゃんけんとか無しかよ」 「五月蝿い、天才の私に逆らうな。おやすみ」 「おやすみっておいどんだけ強引なんだよお前……寝首掻くぞコラ」 地面の字を掻き消して溜息をつく凌統をよそに、夜は更けていく。 聞こえるのは馬謖と犬たちの寝息、遠くに低い鳥の声だけの平和な夜。 しかし別の場所では、今まさに殺し合いが行われているのだ……。 【陸遜 生存確認】 <<既視感を追う旅/2名>> 凌統【???、犬の母子】&馬謖【探知機】 ※主催者側に攻め込む事を企んでいます。まずは仲間集め ※とりあえず諸葛亮、周瑜、陸遜、呂蒙との合流を目指します ※しばらくしたら馬謖を叩き起こして、交代で休憩を取ります。探知機で近づく人間を察知可能

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