7-033

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74 名前:1/3 投稿日:2006/07/10(月) 15:15:26 「うーむ」 右目を隠して水面を覗いた。眼を隠した自分がいる。 左目を隠して水面を覗いた。同じように眼を隠した自分が見えた。 「うーむ」 結論は一つ。 水面に映った「俺」には両目がある。 年齢はおおよそ二十代の初めか、十代の終わりだろう。 周りを見渡すと、平和な風景が見えた。今にも作業帰りの農夫でも現れそうだ。 ―しかし、夏侯惇にとっては、この風景が、若い自分が精巧な作り物のように思えた。 朝起きてみれば、いきなり訳のわからないゲームとやらに参加させられている始末だ。 夢かとも思ったが、不気味な首輪の触感と、主催者とやらの挨拶代わりの爆殺で現実だと認識した。 全てが作り物のようなこの世界だが、あの死体だけは絶対に作り物ではない。 長らく戦場に身を置いてきた自分が一番よくわかる。 武器は鈍色に光る棍棒のような物だった。 「…さてこれからどうするか」 「どうもしないさ。ここでお前は死ぬのだから」 「ッ!!」 言葉が聞こえるのと同時に何かが飛んできた。 辛うじてかわし、金属バットを構えた。 どうやら相当勘が鈍っているらしい。背後を取られたのに気付かないとは。 「お前は…高順か。俺を誰か知っているのか?」 「ああ…知ってるさ、夏侯惇」 「ご名答。とりあえず平和的に済ませる気はないようだな」 ---- 75 名前:2/3 投稿日:2006/07/10(月) 15:16:29 夏侯惇の双眸に闘志が漲る。 次の瞬間、闘いは始まった。 高順は狼牙棍、夏侯惇は金属バット。 武器はほぼ五分だったが、戦況は高順が押していた。 「ふん!」 「りゃあ!」 金属どうしの乾いた音が鳴る。 「どうした?動きが悪いぞ」 「貴様は戦場で無駄口を叩く奴だったか?余裕を見せていいのは敵が死んだときだけだ」 夏侯惇は言葉こそ強気だったが、明らかに非勢だった。 (ちっ!参ったな。ここまで鈍くなったとは) 半分呆れながらも舌打ちしたが、どうも狼牙棍の打撃を受けるので精一杯のようだ。 隙を見て反撃するが、あっさりとかわされ、危うく致命傷を受けるところだった。 そして、何度目の攻防だっただろうか。 「はァ!」 気合いを込めてバットで薙ぎ払う。 「くっ…」 受けた拍子で、高順の体勢が崩れた。すかさずバットを振り下ろす。 しかし袈裟切りにした金属バットは空振りし、頭から腰にかけてがら空きになった。 どうやら誘いだったらしい。 「終わりだ」 ---- 76 名前:3/4 投稿日:2006/07/10(月) 15:17:24 だが―。 パァン! 銃声が響き、止めを刺そうとした高順にタイムをかけた。 「ち…流石だな。万が一に備えて、仲間を伏せているとは。 まぁいい。次に会うときは首を洗って待ってろ」 「せいぜいその時は無精髭をなんとかしておけ」 捨て台詞を吐き、高順は逃げ去った。 近くの森から、2人の男が出てきた。 (何者だ?さっきはただ単に俺を狙ったのが、外れただけかもしれん) バットを中段に構え、反撃の体勢を取った。 「やぁやぁ助かった。危うくあいかt…もとい仲間を失うところだった」 「そうそう。人間みな兄弟。五族共和で大東亜共栄圏を…」 「戦時中か!」 すぱーん!絶妙なタイミングでツッコミが入った。 「まぁそれはともかく、仲間はいた方がいいからな」 「そうそう。(仲間を)欲しがりません勝つまでは!」 すぱーん! 「戦時中か!しかもいらないのか!」 どうやら、お気楽な連中らしい。おかげで一気に毒気を抜かれてしまった。 だが、不思議に憎めない奴らで、こいつ等は嫌いではなかった。 まだぎゃあぎゃあ騒いでいたが、咳払いを一つし、騒ぎを収めた。 そして、ひとついいか、と前置きして、 「さっき仲間がどうとか言ってたな。俺も実は仲間が欲しくてな。 どうだろう、ずっととは言わん。残り30人くらいまで同盟を組まぬか?」 「万歳!これで君も栄えある皇軍へいしd…」 「(また)戦時中か!」 すぱーん!の後に夏侯惇に向き直った。 「悪い、こいつたまに悪乗りしてな。非礼を詫びる。勿論、同盟は受けさせてくれ」 ネタから一転、まじめになった。だが、さっきまでのノリだと、かえって可笑しく思った。 ---- 77 名前:4/4 投稿日:2006/07/10(月) 15:20:04 「構わん。別にそういうのは嫌いじゃない。俺は夏侯惇、字元譲」 面白い。こんなゲームだからこそ、ネタに走るこいつ等が必要かもしれない。 「夏侯惇って、魏の大将軍だったよな」 「でも俺がデビューしたときは、もう亡くなってた」 「それにしちゃずいぶん若いな」 「もしや、なにか事情でも知ってるのか?」 夏侯惇は、いや、と首を振った後に、 「知らん。朝起きたらこうなってた」 と付け足した。 それから、ようやく自己紹介となった。 ツッコミのほうが“廖化”と名乗り、ボケのほうは“馬忠”と名乗った。 馬「俺は孤篤でもいいぜ。最近までそう名乗ってたからな」 廖「俺は…廖淳か。夏侯惇殿と字がかぶるから止めとこう」 惇「呼び名は元譲でいいぞ」 相談の結果、取り敢えず蜀を目指すこととなった。 《孤篤と廖淳と元譲/3人》 馬忠【グロック17】&廖化【鎖鎌】&夏侯惇【金属バット】 ※馬忠は蜀のほうです。方針は蜀へ向かいます。ちなみに現在地は洛陽付近。 @高順【狼牙棍】※徐州方面へ逃亡。
74 名前:1/3 投稿日:2006/07/10(月) 15:15:26 「うーむ」 右目を隠して水面を覗いた。眼を隠した自分がいる。 左目を隠して水面を覗いた。同じように眼を隠した自分が見えた。 「うーむ」 結論は一つ。 水面に映った「俺」には両目がある。 年齢はおおよそ二十代の初めか、十代の終わりだろう。 周りを見渡すと、平和な風景が見えた。今にも作業帰りの農夫でも現れそうだ。 ―しかし、夏侯惇にとっては、この風景が、若い自分が精巧な作り物のように思えた。 朝起きてみれば、いきなり訳のわからないゲームとやらに参加させられている始末だ。 夢かとも思ったが、不気味な首輪の触感と、主催者とやらの挨拶代わりの爆殺で現実だと認識した。 全てが作り物のようなこの世界だが、あの死体だけは絶対に作り物ではない。 長らく戦場に身を置いてきた自分が一番よくわかる。 武器は鈍色に光る棍棒のような物だった。 「…さてこれからどうするか」 「どうもしないさ。ここでお前は死ぬのだから」 「ッ!!」 言葉が聞こえるのと同時に何かが飛んできた。 辛うじてかわし、金属バットを構えた。 どうやら相当勘が鈍っているらしい。背後を取られたのに気付かないとは。 「お前は…高順か。俺を誰か知っているのか?」 「ああ…知ってるさ、夏侯惇」 「ご名答。とりあえず平和的に済ませる気はないようだな」 ---- 75 名前:2/3 投稿日:2006/07/10(月) 15:16:29 夏侯惇の双眸に闘志が漲る。 次の瞬間、闘いは始まった。 高順は狼牙棍、夏侯惇は金属バット。 武器はほぼ五分だったが、戦況は高順が押していた。 「ふん!」 「りゃあ!」 金属どうしの乾いた音が鳴る。 「どうした?動きが悪いぞ」 「貴様は戦場で無駄口を叩く奴だったか?余裕を見せていいのは敵が死んだときだけだ」 夏侯惇は言葉こそ強気だったが、明らかに非勢だった。 (ちっ!参ったな。ここまで鈍くなったとは) 半分呆れながらも舌打ちしたが、どうも狼牙棍の打撃を受けるので精一杯のようだ。 隙を見て反撃するが、あっさりとかわされ、危うく致命傷を受けるところだった。 そして、何度目の攻防だっただろうか。 「はァ!」 気合いを込めてバットで薙ぎ払う。 「くっ…」 受けた拍子で、高順の体勢が崩れた。すかさずバットを振り下ろす。 しかし袈裟切りにした金属バットは空振りし、頭から腰にかけてがら空きになった。 どうやら誘いだったらしい。 「終わりだ」 ---- 76 名前:3/4 投稿日:2006/07/10(月) 15:17:24 だが―。 パァン! 銃声が響き、止めを刺そうとした高順にタイムをかけた。 「ち…流石だな。万が一に備えて、仲間を伏せているとは。 まぁいい。次に会うときは首を洗って待ってろ」 「せいぜいその時は無精髭をなんとかしておけ」 捨て台詞を吐き、高順は逃げ去った。 近くの森から、2人の男が出てきた。 (何者だ?さっきはただ単に俺を狙ったのが、外れただけかもしれん) バットを中段に構え、反撃の体勢を取った。 「やぁやぁ助かった。危うくあいかt…もとい仲間を失うところだった」 「そうそう。人間みな兄弟。五族共和で大東亜共栄圏を…」 「戦時中か!」 すぱーん!絶妙なタイミングでツッコミが入った。 「まぁそれはともかく、仲間はいた方がいいからな」 「そうそう。(仲間を)欲しがりません勝つまでは!」 すぱーん! 「戦時中か!しかもいらないのか!」 どうやら、お気楽な連中らしい。おかげで一気に毒気を抜かれてしまった。 だが、不思議に憎めない奴らで、こいつ等は嫌いではなかった。 まだぎゃあぎゃあ騒いでいたが、咳払いを一つし、騒ぎを収めた。 そして、ひとついいか、と前置きして、 「さっき仲間がどうとか言ってたな。俺も実は仲間が欲しくてな。 どうだろう、ずっととは言わん。残り30人くらいまで同盟を組まぬか?」 「万歳!これで君も栄えある皇軍へいしd…」 「(また)戦時中か!」 すぱーん!の後に夏侯惇に向き直った。 「悪い、こいつたまに悪乗りしてな。非礼を詫びる。勿論、同盟は受けさせてくれ」 ネタから一転、まじめになった。だが、さっきまでのノリだと、かえって可笑しく思った。 ---- 77 名前:4/4 投稿日:2006/07/10(月) 15:20:04 「構わん。別にそういうのは嫌いじゃない。俺は夏侯惇、字元譲」 面白い。こんなゲームだからこそ、ネタに走るこいつ等が必要かもしれない。 「夏侯惇って、魏の大将軍だったよな」 「でも俺がデビューしたときは、もう亡くなってた」 「それにしちゃずいぶん若いな」 「もしや、なにか事情でも知ってるのか?」 夏侯惇は、いや、と首を振った後に、 「知らん。朝起きたらこうなってた」 と付け足した。 それから、ようやく自己紹介となった。 ツッコミのほうが“廖化”と名乗り、ボケのほうは“馬忠”と名乗った。 馬「俺は孤篤でもいいぜ。最近までそう名乗ってたからな」 廖「俺は…廖淳か。夏侯惇殿と字がかぶるから止めとこう」 惇「呼び名は元譲でいいぞ」 相談の結果、取り敢えず蜀を目指すこととなった。 ≪孤篤と廖淳と元譲/3人≫ 馬忠【グロック17】&廖化【鎖鎌】&夏侯惇【金属バット】 ※馬忠は蜀のほうです。方針は蜀へ向かいます。ちなみに現在地は洛陽付近。 @高順【狼牙棍】 ※徐州方面へ逃亡。

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