7-245 仇討ち

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113 名前:仇討ち 1/3 投稿日:2006/11/01(水) 00:48:35 走る。走る。 息が切れる。足がもつれる。臓腑が喉まで競り上がって来るようだ。 それでも走る。主君の待つ元へ。 北に向かって移動していた甘寧は、放送の後、猛烈な勢いでもと来た道を戻っていた。 嘘だ、嘘だ、嘘だ。 殿が死んだなんて嘘だ。 別れたのはたった数時間前のことだ。 あの城の中に隠れていれば、危険なんて無い。 あの中をわざわざしらみつぶしに探す人間がいるものか! 荀イクだって一緒にいたんだ! …そうだ、その荀イクが放送で呼ばれなかったのだ。 殿が死ぬはずがない、なにかの間違いだ。 殿は言っていた。俺の武勇伝を楽しみにしていると、待っていると! 空が白み始めた頃、城に辿り着いた。 「…と、の」 立ち止まると膝が笑う。息をすると口の中に血の味が広がった。 「殿、どこですか…殿」 階段を登る。 …血の臭いがする。ちがう、これは自分のものだ。 血の臭いなんてしない、するはずがない、するはずがない! ---- 114 名前:仇討ち 2/3 投稿日:2006/11/01(水) 00:49:23 ――やがて臭いの元に辿りつく。 ひときわ大きな窓のある部屋。 白み始めた東の空に、うっすらと照らされたその部屋にあったものは、 「…あ」 どこか穏やかな表情の孫権の…「首」と 「あ…あ」 血の海に浮かぶその「体」。 「――ああああ、あ、あ」 甘寧は首を抱いて声にならぬ慟哭をあげた。 朝日が登る。 甘寧は壁にもたれかかり、孫権の首を膝にしばらく放心していたが、 暖かくなっていく光に照らされているうちに、冷静さを取り戻していった。 …俺が馬鹿だからいけなかったんだ。 大事そうに、孫権の首に手をやる。 守ろうと思ったら、傍にいなきゃいけなかったんだ。周泰みたいに。 これは戦じゃないんだ。城にいても安全じゃなかったんだ。 悔やんでも悔やみきれない。 もう涙は流れなかったが、噛み締めた唇からは血が流れた。 「…殿を、埋めないと」 のろのろと立ち上がる。主君を見殺しにしたうえ、このままにしてはおけない。 甘寧は首を仰々しく抱えて卓に置くと、体を抱えあげようと手をやった。 「…?」 孫権の右手は、爆ぜたかのように無くなっていた。 …もしかして、これで首輪を掴んだのか? 「…そこまで弱っておられたんですね」 不安に耐えられずに自殺したんだろうか。孫権の穏やかな表情が悲しい。 ますます自己嫌悪が酷くなる。 なんで気付かなかったんだろう。なんで一人にしてしまったんだろう。 荀イクがいるから大丈夫だなんて、どうして――― …そうだ、荀イク。 ---- 115 名前:仇討ち 3/3 投稿日:2006/11/01(水) 00:50:49 荀イクはどうしていた?殿を止められなかったのか? いや、それより…何故ここに荀イクがいない? 恐ろしくなって出て行ったのか? それにしてもあまりにも薄情ではないか、殿をこのまま、こんな―― 孫権の体を抱えあげた時、甘寧は違和感に気付いた。 出かける前の孫権との会話を思い出す。 『本当に置いていっても大丈夫なんすね?』 『ああ、大丈夫だ。武器もあるし、私は防弾ちょっき、という物も着ている』 『防弾?』 『そうだ。これは銃から身を守れる鎧なのだ』 『へえ、そりゃいいですね』 『ああ、そうだ。だからお前は安心して―』 そう言って、開いた襟元から見せられた頑丈そうな防弾チョッキ。 …ない。 それが、孫権の体に無い。 急速に頭が冷えていく。 孫権が他に持っていた、刀と作り物の銃も探す。 無い。 ――無い!! 「…あいつ、だ」 荀イクだ。荀イクが奪ったんだ。 孫権を殺し、武器と防具を奪い去り、意気揚々とこの城を立ち去ったに違いない!! 「畜生…」 荀イクを連れてきたのは自分だ。なんて馬鹿なんだ。 「殺す」 先ほどよりも強く、唇を噛む。 「殺してやる…荀文若!」 ---- 116 名前:仇討ち(すみません入らなかった) 3/3 投稿日:2006/11/01(水) 00:51:53 @甘寧【シグ・ザウエルP228、天叢雲剣、コルト・ガバメント、点穴針、諸葛亮の衣装】 ※孫権を埋葬後、荀イクを探すために移動します。臥竜岡へ。  荀イクは見つけ次第問答無用で殺します。他の人物に対しての戦闘は必要無い限り行いません。  が、気が立っているので友好的でもありません。

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