7-240 誓

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74 名前:誓 1/7 投稿日:2006/10/17(火) 23:58:01 張飛は焦っていた。 呂布の得物は関羽の青龍偃月刀。対して張飛はただの鉈だ。 武器の質もリーチも違いすぎる。懐まで飛び込まねば勝ち目はない。 もちろんそれを許してくれる呂布ではない。 青龍偃月刀を振るう軌跡は重量感のある軽やかさだ。 ビョオ、と風を切り翻る銀の刃と朱塗りの柄は 赤く輝く闘気のように呂布を縁取り、張飛に付け入る隙を与えない。 張飛はギリ、と奥歯を噛む。 自分にももっとましな武器があれば。いつもの蛇矛さえあれば。 長く戦いを共にした相棒さえあれば、こんな糞野郎すぐにぶっ飛ばしてやるのに。 「どうした、猪。命乞いをしたくなったか?」 「ふざけんじゃねえ!!」 足を払う横薙ぎを僅かに下がってかわし怒鳴る。 蛇矛があれば、とは思う。 だが押されている現状を蛇矛がないせいだとは言わない。 それが男のプライドというものだ。 次いで交差するような連撃。もう二歩、三歩と下がり張飛は追いつめられる。 この斬撃をまともに受けたなら、こんな貧相な鉈など真っ二つになるだろう。 だから張飛はかわし続けるしかない。 呂布が疲れや隙を見せるその瞬間を待つしかない。 ---- 75 名前:誓 2/7 投稿日:2006/10/18(水) 00:00:07 だが口元に余裕の笑みすら浮かべているこの化け物に 疲れ果てる瞬間などあるのだろうか? 隙のない布陣のように閃く赤い闘気に、綻びなど見つかるのだろうか? 日が沈み、空に星が瞬く頃になっても二人の戦いは続いていた。 刃が打ち合う音は無い。ただ轟、轟、と青龍偃月刀の唸りが響く。 じゃり、じゃり、と応えて響く張飛が地を蹴り間合いを読む音。 苦しい呼気。呑み込む唾。汗が滴る。微かな目眩。 「…つまらんな」 肩で息をし始めた張飛の様子に、呂布の余裕の笑みは失望に変わる。 「…ん、だとォ?!」 ぜぇ、はぁと苦しい呼吸の中張飛は声を荒らげる。 「そろそろ終わりにするぞ」 …ふざけやがって! 呂布の言い種に張飛の血が沸騰する。 初撃はやはり大きな横薙ぎ。避ける。 返す払い。避ける…いや、踏み込む! 殺す。絶対に殺してやる!雲長兄の敵だ!! 踏み込み、さらに踏み出そうとする張飛。 振り抜いた刃を何と片手で引き戻して突く呂布。 刃に刻まれた青龍の意匠が星を映して煌めいた。 靡く赤い刀穂は龍が操る炎のようだ。 襲いかかる龍を斜め前に踏み出しかわす。もう後退はあり得ない。 ただ進むのみ。呂布の首を狙うのみ。 ---- 76 名前:誓 3/7 投稿日:2006/10/18(水) 00:01:36 予想外の拳! 身を僅か屈める張飛。あと半歩。だが遅い。いや、呂布が速すぎた。 唸った拳はそのまま朱の柄を掴み朱の柄はそのまま風車。 旋回は瞬間。石突きでの強烈な突きが張飛の腹を抉った。 「…ぐ…ごはッ……!!」 腑臓が揺さぶられる耐えがたい痛み。 胃液をぶちまけながら張飛は倒れる。 「…畜生…」 地に伏せた張飛が泣いている。 痛みからではない。負けた悔しさもあるかもしれない。 手を動かすだけでも腹がひきつれるように痛い。 その無骨な指の先にあるのは…桃。 張飛の懐から飛び出してしまった桃は宙を舞い、ぐしゃりと潰れていた。 「…畜生ぉおおおオぉ!!!」 腹の痛みも忘れ張飛は慟哭した。宵の空気がびりびりと震える。 張飛は悲しみのままに泣きじゃくる。 芳香も、触れた産毛の柔らかな感触もそのままだった。 しかし無惨に潰れてしまった桃は、もう元には戻らない。 「…そんなに桃が惜しいのか。食い意地の張った奴だ」 呂布は張飛がどんな思いでその桃を持っていたかを知らない。 だから張飛の行動が不可解だったし呆れもした。 取り落とした武器よりも食い物に手を伸ばしたのだから。 怒りで、張飛の目は眩んだ。 ---- 77 名前:誓 4/7 投稿日:2006/10/18(水) 00:02:36 「てめぇにはわかんねェよ!!」 受けた傷からは考えられないような素早さで 張飛は掴んだ石を呂布めがけて投げた。 僅かに目を見開いてそれをかわす呂布。 張飛はなおも泣きながら叫んだ。 「あぁ、てめぇにはわからねぇだろうよ!!  人を裏切ったり裏切られたりばッかりで、  一人ぼっちのてめぇにはよォ…!!!」 泣きじゃくる張飛を呂布は黙って見ていた。 星明かりも届かない。その表情は、誰にも解らない。 「…よく考えれば、貴様一人で俺を楽しませるなど最初から無理な相談だったな」 張飛は涙とうめき声でそれに抗議した。脂汗が滲み、腹がずきずきと痛む。 「まず貴様の兄弟たちと合流することだな。  貴様等は三人揃わなければ、戦いらしい戦いも出来まい」 何か言い返したかった。 しかしさっきの戦いと号泣で体力を使い果たしてしまった。 …三人揃わなければ? いけしゃあしゃあと何を言ってやがる。 雲長兄を殺してその青龍偃月刀を奪いやがったくせに… 「少なくとも今はまだ、奴らには会っていないし殺していない。  他の誰かに殺されていないかどうかまでは責任を持てんがな」 青龍偃月刀に注がれていた張飛の視線を感じて、呂布はそう言った。 ---- 78 名前:誓 5/7 投稿日:2006/10/18(水) 00:04:11 「おい驢馬。戦いに向いている場所はどこだ」 振り返ると諸葛瑾が頭を押さえて呻いていた。 さっき張飛が投げ呂布が避けた石がクリーンヒットしていたらしい。 「…どうも大陸の端から禁止エリアが増えていくようなので  確実に待ち合わせたいのなら、荊州のどこかがよろしいかと…」 頭をさすりよろよろと立ち上がりながら諸葛瑾が答える。 頭に受けた衝撃のせいか、まだ少しぼんやりしているらしい。 呂布は頷いた。 「貴様等兄弟に俺と戦う勇気があるなら荊州に来い。  また雑魚どもを狩りながら俺もいずれ向かう…  それと貴様はもう少しまともな得物を持つことだな。  この俺と殺り合うつもりなら」 唇を歪めるように笑った呂布は、持ち手を張飛に向けてドラグノフを突き出す。 「恵んでやろうか?」 張飛は睨みでそれを突き返した。施しなど受けるつもりはない。 「その意気だけは認めてやろう」 ドラグノフを引っ込めて、呂布の笑いは少し愉快そうなものになる。 「ならば獲物を見つけ武器を奪うことだな。  せいぜい兄弟たちの無事でも祈りながら」 呂布は諸葛瑾を肩に担ぎ張飛に背を向けた。 その背が宵闇に消えていく。 今の張飛には、それを黙って見送ることしか出来なかった。 ---- 79 名前:誓 6/7 投稿日:2006/10/18(水) 00:15:08 「…驢馬」 歩きながら、呂布はぽつりと言った。 「俺は、いつかお前も裏切るかもしれん」 自分はいつも、一番いいと思ったことをやってきた。 自分は頭が悪いから、どうしてだかは解らない。 だがそれはいつも必ず誰かを、何かを傷つけた。そのたびに何かを失った。 沢山の、失ってもいいものと失いたくはなかったものを。 「構いませぬよ」 諸葛瑾があまりにもあっさりと答えたので、呂布は思わず彼を見上げた。 優しい光の星を見ている驢馬が見える。 ひょろひょろで一捻りで殺せそうなのに、とても大きく見えた。 「私はこのとおり、どうにも運が悪いようでしてね。  自分だけではなく周囲の人間も巻き込んでしまうようで、  弟には随分嫌がられたものです」 たんこぶの出来た頭をさすりながら諸葛瑾は言う。 弟の面倒臭そうな顔を思い出して、少し笑う。 「だから…、私の不運が呂布殿の足枷になるのなら、私を斬っても構わない。  それは私の望みでもある。  ですから、もし呂布殿がいつか私を斬っても、それは裏切りではありませぬよ」 おかしな話だ。 あれほど死にたくないと思っていたのに、 今はこの男のためなら死んでも惜しくないとさえ思える。 空を見上げて泣いていた、この子供のように純粋な男のためならば。 ---- 80 名前:誓 7/7 投稿日:2006/10/18(水) 00:16:45 しかし今沸き上がってきているこの気持ちも、 そんな風に考えている自分も、嫌いではなかった。 小さな弟たちを連れ、暴徒の海から逃れるように彷徨った日々を思い出す。 自分の命と引き替えてでも母を、弟妹を守らなければ。 今のこの思いは、若かりし日のそんな誓いに似ていた。 …その気合いの入れすぎが裏目に出るのだと、亮にはよく言われたけれど。 「私は思うのです」 裏切ってもいい。 誰を裏切ってもいい。私のことだって裏切っても構わない。 ただ。 「呂布殿は、ただご自分を裏切らなければ、それで良いのだと」 @張飛[腹部強打、激しい疲労]【鉈】 ※現在冀州南部。疲労と激痛でしばらく身動きがとれません。 <<カミキリムシとオナモミ/2名>> 呂布【関羽の青龍偃月刀、ドラグノフ・スナイパーライフル】 諸葛瑾[頭にたんこぶ]【なし】 ※現在冀州南部。ひとまず休むところを探します。進路を変え南下予定。
74 名前:誓 1/7 投稿日:2006/10/17(火) 23:58:01 張飛は焦っていた。 呂布の得物は関羽の青龍偃月刀。対して張飛はただの鉈だ。 武器の質もリーチも違いすぎる。懐まで飛び込まねば勝ち目はない。 もちろんそれを許してくれる呂布ではない。 青龍偃月刀を振るう軌跡は重量感のある軽やかさだ。 ビョオ、と風を切り翻る銀の刃と朱塗りの柄は 赤く輝く闘気のように呂布を縁取り、張飛に付け入る隙を与えない。 張飛はギリ、と奥歯を噛む。 自分にももっとましな武器があれば。いつもの蛇矛さえあれば。 長く戦いを共にした相棒さえあれば、こんな糞野郎すぐにぶっ飛ばしてやるのに。 「どうした、猪。命乞いをしたくなったか?」 「ふざけんじゃねえ!!」 足を払う横薙ぎを僅かに下がってかわし怒鳴る。 蛇矛があれば、とは思う。 だが押されている現状を蛇矛がないせいだとは言わない。 それが男のプライドというものだ。 次いで交差するような連撃。もう二歩、三歩と下がり張飛は追いつめられる。 この斬撃をまともに受けたなら、こんな貧相な鉈など真っ二つになるだろう。 だから張飛はかわし続けるしかない。 呂布が疲れや隙を見せるその瞬間を待つしかない。 ---- 75 名前:誓 2/7 投稿日:2006/10/18(水) 00:00:07 だが口元に余裕の笑みすら浮かべているこの化け物に 疲れ果てる瞬間などあるのだろうか? 隙のない布陣のように閃く赤い闘気に、綻びなど見つかるのだろうか? 日が沈み、空に星が瞬く頃になっても二人の戦いは続いていた。 刃が打ち合う音は無い。ただ轟、轟、と青龍偃月刀の唸りが響く。 じゃり、じゃり、と応えて響く張飛が地を蹴り間合いを読む音。 苦しい呼気。呑み込む唾。汗が滴る。微かな目眩。 「…つまらんな」 肩で息をし始めた張飛の様子に、呂布の余裕の笑みは失望に変わる。 「…ん、だとォ?!」 ぜぇ、はぁと苦しい呼吸の中張飛は声を荒らげる。 「そろそろ終わりにするぞ」 …ふざけやがって! 呂布の言い種に張飛の血が沸騰する。 初撃はやはり大きな横薙ぎ。避ける。 返す払い。避ける…いや、踏み込む! 殺す。絶対に殺してやる!雲長兄の敵だ!! 踏み込み、さらに踏み出そうとする張飛。 振り抜いた刃を何と片手で引き戻して突く呂布。 刃に刻まれた青龍の意匠が星を映して煌めいた。 靡く赤い刀穂は龍が操る炎のようだ。 襲いかかる龍を斜め前に踏み出しかわす。もう後退はあり得ない。 ただ進むのみ。呂布の首を狙うのみ。 ---- 76 名前:誓 3/7 投稿日:2006/10/18(水) 00:01:36 予想外の拳! 身を僅か屈める張飛。あと半歩。だが遅い。いや、呂布が速すぎた。 唸った拳はそのまま朱の柄を掴み朱の柄はそのまま風車。 旋回は瞬間。石突きでの強烈な突きが張飛の腹を抉った。 「…ぐ…ごはッ……!!」 腑臓が揺さぶられる耐えがたい痛み。 胃液をぶちまけながら張飛は倒れる。 「…畜生…」 地に伏せた張飛が泣いている。 痛みからではない。負けた悔しさもあるかもしれない。 手を動かすだけでも腹がひきつれるように痛い。 その無骨な指の先にあるのは…桃。 張飛の懐から飛び出してしまった桃は宙を舞い、ぐしゃりと潰れていた。 「…畜生ぉおおおオぉ!!!」 腹の痛みも忘れ張飛は慟哭した。宵の空気がびりびりと震える。 張飛は悲しみのままに泣きじゃくる。 芳香も、触れた産毛の柔らかな感触もそのままだった。 しかし無惨に潰れてしまった桃は、もう元には戻らない。 「…そんなに桃が惜しいのか。食い意地の張った奴だ」 呂布は張飛がどんな思いでその桃を持っていたかを知らない。 だから張飛の行動が不可解だったし呆れもした。 取り落とした武器よりも食い物に手を伸ばしたのだから。 怒りで、張飛の目は眩んだ。 ---- 77 名前:誓 4/7 投稿日:2006/10/18(水) 00:02:36 「てめぇにはわかんねェよ!!」 受けた傷からは考えられないような素早さで 張飛は掴んだ石を呂布めがけて投げた。 僅かに目を見開いてそれをかわす呂布。 張飛はなおも泣きながら叫んだ。 「あぁ、てめぇにはわからねぇだろうよ!!  人を裏切ったり裏切られたりばッかりで、  一人ぼっちのてめぇにはよォ…!!!」 泣きじゃくる張飛を呂布は黙って見ていた。 星明かりも届かない。その表情は、誰にも解らない。 「…よく考えれば、貴様一人で俺を楽しませるなど最初から無理な相談だったな」 張飛は涙とうめき声でそれに抗議した。脂汗が滲み、腹がずきずきと痛む。 「まず貴様の兄弟たちと合流することだな。  貴様等は三人揃わなければ、戦いらしい戦いも出来まい」 何か言い返したかった。 しかしさっきの戦いと号泣で体力を使い果たしてしまった。 …三人揃わなければ? いけしゃあしゃあと何を言ってやがる。 雲長兄を殺してその青龍偃月刀を奪いやがったくせに… 「少なくとも今はまだ、奴らには会っていないし殺していない。  他の誰かに殺されていないかどうかまでは責任を持てんがな」 青龍偃月刀に注がれていた張飛の視線を感じて、呂布はそう言った。 ---- 78 名前:誓 5/7 投稿日:2006/10/18(水) 00:04:11 「おい驢馬。戦いに向いている場所はどこだ」 振り返ると諸葛瑾が頭を押さえて呻いていた。 さっき張飛が投げ呂布が避けた石がクリーンヒットしていたらしい。 「…どうも大陸の端から禁止エリアが増えていくようなので  確実に待ち合わせたいのなら、荊州のどこかがよろしいかと…」 頭をさすりよろよろと立ち上がりながら諸葛瑾が答える。 頭に受けた衝撃のせいか、まだ少しぼんやりしているらしい。 呂布は頷いた。 「貴様等兄弟に俺と戦う勇気があるなら荊州に来い。  また雑魚どもを狩りながら俺もいずれ向かう…  それと貴様はもう少しまともな得物を持つことだな。  この俺と殺り合うつもりなら」 唇を歪めるように笑った呂布は、持ち手を張飛に向けてドラグノフを突き出す。 「恵んでやろうか?」 張飛は睨みでそれを突き返した。施しなど受けるつもりはない。 「その意気だけは認めてやろう」 ドラグノフを引っ込めて、呂布の笑いは少し愉快そうなものになる。 「ならば獲物を見つけ武器を奪うことだな。  せいぜい兄弟たちの無事でも祈りながら」 呂布は諸葛瑾を肩に担ぎ張飛に背を向けた。 その背が宵闇に消えていく。 今の張飛には、それを黙って見送ることしか出来なかった。 ---- 79 名前:誓 6/7 投稿日:2006/10/18(水) 00:15:08 「…驢馬」 歩きながら、呂布はぽつりと言った。 「俺は、いつかお前も裏切るかもしれん」 自分はいつも、一番いいと思ったことをやってきた。 自分は頭が悪いから、どうしてだかは解らない。 だがそれはいつも必ず誰かを、何かを傷つけた。そのたびに何かを失った。 沢山の、失ってもいいものと失いたくはなかったものを。 「構いませぬよ」 諸葛瑾があまりにもあっさりと答えたので、呂布は思わず彼を見上げた。 優しい光の星を見ている驢馬が見える。 ひょろひょろで一捻りで殺せそうなのに、とても大きく見えた。 「私はこのとおり、どうにも運が悪いようでしてね。  自分だけではなく周囲の人間も巻き込んでしまうようで、  弟には随分嫌がられたものです」 たんこぶの出来た頭をさすりながら諸葛瑾は言う。 弟の面倒臭そうな顔を思い出して、少し笑う。 「だから…、私の不運が呂布殿の足枷になるのなら、私を斬っても構わない。  それは私の望みでもある。  ですから、もし呂布殿がいつか私を斬っても、それは裏切りではありませぬよ」 おかしな話だ。 あれほど死にたくないと思っていたのに、 今はこの男のためなら死んでも惜しくないとさえ思える。 空を見上げて泣いていた、この子供のように純粋な男のためならば。 ---- 80 名前:誓 7/7 投稿日:2006/10/18(水) 00:16:45 しかし今沸き上がってきているこの気持ちも、 そんな風に考えている自分も、嫌いではなかった。 小さな弟たちを連れ、暴徒の海から逃れるように彷徨った日々を思い出す。 自分の命と引き替えてでも母を、弟妹を守らなければ。 今のこの思いは、若かりし日のそんな誓いに似ていた。 …その気合いの入れすぎが裏目に出るのだと、亮にはよく言われたけれど。 「私は思うのです」 裏切ってもいい。 誰を裏切ってもいい。私のことだって裏切っても構わない。 ただ。 「呂布殿は、ただご自分を裏切らなければ、それで良いのだと」 @張飛[腹部強打、激しい疲労]【鉈】 ※現在冀州南部。疲労と激痛でしばらく身動きがとれません。 <<カミキリムシとオナモミ/2名>> 呂布【関羽の青龍偃月刀、ドラグノフ・スナイパーライフル、日本号】 諸葛瑾[頭にたんこぶ]【なし】 ※現在冀州南部。ひとまず休むところを探します。進路を変え南下予定。

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