7-207 臥竜と鳳雛

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262 名前:臥竜と鳳雛 1/4 投稿日:2006/08/26(土) 23:05:13 夜明け前に、劉封たちは洞窟を発った。 放送が流れたのは、まさに幽州に入ろうとしている時であった。 放送で劉備の名が呼ばれなかったのに一同は胸を撫で下ろしたが、 行く先の変更を余儀なくされ、足止めを喰らうこととなる。 「さて、参ったな」 大して困った様子もなく、ホウ統が顎の無精髭を撫でながら言った。 「幽州に行けないとなると、どこへ行ったものやら」 「父上はもう益州からは出ていますよね…」 「ここで待ってみるという手もあるが、幽州から出てくる人間と鉢合わせるかもしれんからなあ」 それが探している関羽だとか張飛であれば良いが、このゲームに乗った人間である可能性も高い。 「やはり益州に戻ってみるか…」 「仕方がありませんね…」 「并州と、エン州、どちらを通って行きましょうか?」 蔡文姫が尋ねる。 「嵐の後だからなあ。川沿いは避けた方がいいかもしれん」 「すると并州を通っていった方が良いでしょうね」 「そうだな…ま、なにはともあれ」 ホウ統が未だ雨水に濡れた無花果の木を指した。 「とりあえず、朝飯にするか」 ---- 263 名前:臥竜と鳳雛 2/4 投稿日:2006/08/26(土) 23:07:00 「ではこう…山と街道があり…こう、敵が進路をとっていたとする」 ホウ統は無花果を片手に、地面に枝でがりがりと図面を描いていく。 約束どおり、ホウ統は時間が出来ればこうして蔡文姫に戦術講義を行っていた。 それは食事の合間であったり、道中の会話であったりした。 (そしてそれは劉封にとっては非常に居づらい時間であった) 講義を始めてから1日しか経っては居ないが、2人は随分と色々な話をしていた。 「これを迎え撃つ陣形はどのようにするかね」 図面を書き終わり、枝を蔡文姫のほうへ向ける。 蔡文姫は枝を受け取ると、描かれた図面にかりかりと線を引いてゆく。 「このように、街道へ陣を敷くのがよろしいかと」 「山頂への布陣はどうかね?」 「ご冗談を」 蔡文姫は袖で口元を隠し、優雅な笑顔を見せた。 「ふむ」 曹操が匈奴より金子で蔡氏の息女を取り戻したという噂は蜀にも伝わっていた。 正直、いくら蔡ヨウの娘であろうと、わざわざ女を取り立てるなど酔狂なことだと思っていた。 だが件の才女を目の前にして納得した。 確かに金子を積んででも得たい才覚の持ち主である。 ことに記憶力。彼女は一度言った事を一字一句違わず覚えている。 また、変わり映えの無い、今まで通ってきた山道の様子もすべて覚えているという。 男性であったらさぞ名高い文官となったことであろう。恐ろしい敵の1人として。 しかし今は志を共にする仲間だ。このような場ではあるが、それは幸運と言えた。 …それにしても。 ---- 264 名前:臥竜と鳳雛 3/4 投稿日:2006/08/26(土) 23:08:11 「物わかりが良すぎるってのも面白味が無いね」 無花果を一口齧り、ホウ統はこぼす。 「も、申し訳ありません…」 「いや謝ることでは無い」 「そうですよ、優秀なのは良いことではないですか」 と、劉封。どうもこの青年は蔡文姫の肩を持ちすぎであった。 「教えるというより…」 まるで友と議論を重ねているような。 ………友、か。 既に同門の元直が逝っている。残るは、孔明。 彼は今頃どうしているのだろう。 このゲームに乗っているとも思えないが…怪我などしてはいないだろうか。 昨日の嵐で体を壊したりはしていないだろうか。 せめて、誰か信頼の置ける人物と共に居ると良いのだが。 「…いかがなさいました、ホウ統様?」 「ん…」 蔡文姫が心配そうに見つめて来る。 「いや、なんでもないよ」 「なんでもない方は、眉間に皺など寄せたりしませんわ」 苦笑。 参った、本当に聡い女性だ。 ---- 265 名前:臥竜と鳳雛 4/4 投稿日:2006/08/26(土) 23:09:07 「なに、孔明のことを思うと、ちょっとね」 「孔明殿ですか…」 劉封も表情を曇らせる。 「放送では名前を呼ばれませんでしたし、きっと上手くやっておられますよ」 「だといいんだがね」 嘆息し、ホウ統は地図を広げる。 これからの道のりを指で辿っていく。并州を通って、司隷を抜けて… 「あ」 そうして、行きには気にもしなかったことに気付いた。 「ホウ統様?」 「いや、益州に向かう途中で寄りたいところを見つけてね」 <<親子の面影+α/3名>> 蔡文姫【塩胡椒入り麻袋×5 無花果×6】劉封【ボウガン・矢×20、塩胡椒入り麻袋×5】 ホウ統【ワイヤーギミック搭載手袋、塩胡椒入り麻袋×5】 ※并州から襄陽・隆中の臥竜岡に寄って、益州を目指します

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