7-179 嘘

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107 名前:嘘1/3 投稿日:2006/08/06(日) 22:02:02 夜が明けた。 郭嘉の熱は随分と落ち着いたが、まだ起き上がれる状態ではなった。 当たり前だ、熱が下がっても傷がふさがるわけがない。 それでも、静かに寝息を立てる郭嘉を見て陳羣は胸を撫で下ろした。 「…おや?」 たん、たたん、たんと小屋の屋根が音を立てる。雨だ。 本降りになる前に、なにか食べ物を探して来た方がいいだろうか。 桃園があるくらいだ、他に何かが実っていてもおかしくはない。 陳羣は腰を上げた。と、同時に 「あちっ!!!」 という悲鳴が外から聞こえてきた。 「だ、誰だ!!」 閃光弾を掴み、慌てて外に出る。そこには… 「…お、お久しぶりです陳羣殿」 ぱちぱちと火花を立てる、奇怪な着物を脱いでいる賈クがいた。 「いや、便利な着物だったのだが…これではもう使えないかな」 火花が落ち着いた着物から、水を拭いながら賈クは言った。 「水に弱い物だとは思わなかった」 「乾かしてからもう一度着てみてはいかがです?まだ使えるかもしれません」 「そうだな」 どちらにせよ気軽に火を起こすことが出来ない今、体を温める着物は多いに越したことは無い。 ---- 108 名前:嘘2/3 投稿日:2006/08/06(日) 22:04:31 「して、賈ク殿はどうしてこちらに?」 陳羣は椀に水を注ぎながら尋ねた。 「私の支給品は見ての通りでしてな。隠れるには最適とはいえ、襲われればひとたまりも無い」 勧められた椀を受け取り、水を一口すする。 「北の方角であれば危険も少ないと思い、参った次第です」 「なるほど」 まさか張飛を殺す機会を伺っていたとは言えず、それらしい理由を述べ立てていく。 「まさかこのような場所で陳羣殿と郭嘉殿にお会いするとは思いませんでしたが」 だが、当の郭嘉はまだ眠っている。 「でも、賈ク殿にお会いできて本当に良かった。信頼できる人間は多いに越したことは無い」 「ははは」 陳羣は安堵の笑みを浮かべて言ったが、賈クの頭の中はどうやって2人を殺すかでいっぱいだった。 聞けばこの2人も武器らしい武器は持っていない。しかも郭嘉は病人の上に怪我人だ。 戦力は期待出来ない。陳羣をくびり殺し、郭嘉に止めを刺すことも簡単だろう。 だが、自分の支給品も使えるかどうかわからない今は、この2人の信頼を得、利用できる状況にしておいたほうが得策だろう。 保険は多いに越したことは無い。賈クはすばやく思考を巡らせ、今後の方針を決めた。 決まったとあれば、あとは行動に起こすのみ。 ---- 109 名前:嘘3/3 投稿日:2006/08/06(日) 22:05:22 「夜通し郭嘉殿を看ていたとあれば、陳羣殿もさぞお疲れのことでしょう。休まれた方が良い。」 柔和な笑みを浮かべ、賈クは言った。 「見張りもしておきますし、郭嘉殿は私が看ておきましょう。」 「ありがとうございます。それではお言葉に甘えまして…」 陳羣は部屋の隅で横になった。よほど疲れていたのだろう、程なくして静かな寝息が聞こえてきた。 「さて」 気付かれたのが戦慣れしていない、警戒心の薄い陳羣で助かった。 郭嘉であれば何故小屋の前に居たのか、何故北を選んだのか、不自然な点を根掘り葉掘り聞かれたことだろう。 その郭嘉もしばらくまともに動けそうも無い。警戒されたとて、いくらでもごまかしは効く。 迷彩スーツが壊れた時はどうしたものかと思ったが、まだ天は自分を見放していないらしい。 ともかく生き延びるには、武器だ。 張飛と義兄弟が揃った時にどのように行動を起こせばよいか考えを巡らせながら、賈クは窓から見える暗い空を見上げた。 <<不品行と品行方正と詐欺師/3名>> 郭嘉[左脇腹負傷、失血、発熱]【閃光弾×2】陳羣【閃光弾×2】 賈ク【光学迷彩スーツ… 雨にあたってショート?乾いたら使えるかもしれませんが、危険です。】 ※郭嘉の体調が回復するまで、楼桑村付近に留まります。
107 名前:嘘1/3 投稿日:2006/08/06(日) 22:02:02 夜が明けた。 郭嘉の熱は随分と落ち着いたが、まだ起き上がれる状態ではなった。 当たり前だ、熱が下がっても傷がふさがるわけがない。 それでも、静かに寝息を立てる郭嘉を見て陳羣は胸を撫で下ろした。 「…おや?」 たん、たたん、たんと小屋の屋根が音を立てる。雨だ。 本降りになる前に、なにか食べ物を探して来た方がいいだろうか。 桃園があるくらいだ、他に何かが実っていてもおかしくはない。 陳羣は腰を上げた。と、同時に 「あちっ!!!」 という悲鳴が外から聞こえてきた。 「だ、誰だ!!」 閃光弾を掴み、慌てて外に出る。そこには… 「…お、お久しぶりです陳羣殿」 ぱちぱちと火花を立てる、奇怪な着物を脱いでいる賈クがいた。 「いや、便利な着物だったのだが…これではもう使えないかな」 火花が落ち着いた着物から、水を拭いながら賈クは言った。 「水に弱い物だとは思わなかった」 「乾かしてからもう一度着てみてはいかがです?まだ使えるかもしれません」 「そうだな」 どちらにせよ気軽に火を起こすことが出来ない今、体を温める着物は多いに越したことは無い。 ---- 108 名前:嘘2/3 投稿日:2006/08/06(日) 22:04:31 「して、賈ク殿はどうしてこちらに?」 陳羣は椀に水を注ぎながら尋ねた。 「私の支給品は見ての通りでしてな。隠れるには最適とはいえ、襲われればひとたまりも無い」 勧められた椀を受け取り、水を一口すする。 「北の方角であれば危険も少ないと思い、参った次第です」 「なるほど」 まさか張飛を殺す機会を伺っていたとは言えず、それらしい理由を述べ立てていく。 「まさかこのような場所で陳羣殿と郭嘉殿にお会いするとは思いませんでしたが」 だが、当の郭嘉はまだ眠っている。 「でも、賈ク殿にお会いできて本当に良かった。信頼できる人間は多いに越したことは無い」 「ははは」 陳羣は安堵の笑みを浮かべて言ったが、賈クの頭の中はどうやって2人を殺すかでいっぱいだった。 聞けばこの2人も武器らしい武器は持っていない。しかも郭嘉は病人の上に怪我人だ。 戦力は期待出来ない。陳羣をくびり殺し、郭嘉に止めを刺すことも簡単だろう。 だが、自分の支給品も使えるかどうかわからない今は、この2人の信頼を得、利用できる状況にしておいたほうが得策だろう。 保険は多いに越したことは無い。賈クはすばやく思考を巡らせ、今後の方針を決めた。 決まったとあれば、あとは行動に起こすのみ。 ---- 109 名前:嘘3/3 投稿日:2006/08/06(日) 22:05:22 「夜通し郭嘉殿を看ていたとあれば、陳羣殿もさぞお疲れのことでしょう。休まれた方が良い。」 柔和な笑みを浮かべ、賈クは言った。 「見張りもしておきますし、郭嘉殿は私が看ておきましょう。」 「ありがとうございます。それではお言葉に甘えまして…」 陳羣は部屋の隅で横になった。よほど疲れていたのだろう、程なくして静かな寝息が聞こえてきた。 「さて」 気付かれたのが戦慣れしていない、警戒心の薄い陳羣で助かった。 郭嘉であれば何故小屋の前に居たのか、何故北を選んだのか、不自然な点を根掘り葉掘り聞かれたことだろう。 その郭嘉もしばらくまともに動けそうも無い。警戒されたとて、いくらでもごまかしは効く。 迷彩スーツが壊れた時はどうしたものかと思ったが、まだ天は自分を見放していないらしい。 ともかく生き延びるには、武器だ。 張飛と義兄弟が揃った時にどのように行動を起こせばよいか考えを巡らせながら、賈クは窓から見える暗い空を見上げた。 <<不品行と品行方正と詐欺師/3名>> 郭嘉[左脇腹負傷、失血、発熱]【閃光弾×2】陳羣【閃光弾×2】 賈ク【光学迷彩スーツ… 雨にあたってショート?乾いたら使えるかもしれませんが、危険です。】 ※郭嘉の体調が回復するまで、楼桑村付近に留まります。

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