7-177 気を付けろ! 両目は急に 止まれない

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101 名前:気を付けろ! 両目は急に 止まれない 1/4 投稿日:2006/08/05(土) 15:58:06 それはまさに 出会い頭の事故… 陽平関を抜け、長安方面へ向かおうと思っていた劉備だったのだが、 突然の雨で非常に足場が悪くなっていたこともあり、 上庸方面に一度出て、そこから長安に抜けるルートへと変更することにした。 雨の中、ぬかるむ地面を踏みしめるように歩く。 深い森の中ゆえ前がよく見えず、やけくそのように舌打ちした。 なんでこんな目に合わないといけないんだよ! いい加減苛々してきたころ、それは起こった。 突然木々の間から飛び出してきた男とおもいっきりぶつかったのだ。 「いってぇな! ボケナス! 前見て歩けよ!」 泥だらけの道に転ばされ、激高した劉備は謎の男にくってかかった。 「それはこっちの台詞だ! ぼーっと歩くな! しっかり前見とけバカが」 同じく泥にまみれた男は飛び上がると激しい口調で詰問してきた。 「はあああ?? あのな、よく聞けよアホ。この道、どう考えたってこっちが優先だろ?」 「こんな森の中で優先もクソもあるか。寝惚けてるんじゃないのか」 ---- 102 名前:気を付けろ! 両目は急に 止まれない 2/4 投稿日:2006/08/05(土) 15:58:47 喧々囂々と不毛な争いを続けているうちに、劉備は現実を思い出した。 ちょっとまて、俺はいまやばい世界に身を置いているんじゃなかったか? つい普段のノリで喧嘩腰になってしまったが、武器を持って互いに殺し合う 血も涙もない謎の世界にいることをすっかり忘れていた。 やばい。 もし相手の得物が飛び道具か何かだったら。 これ以上挑発して戦闘になったら一大事だ。 ふとだまりこくった劉備は相手をじっと観察した。 手には物騒な金属の棒。 なかなかの偉丈夫、ぬれそぼった髪が額に張り付いている姿はまさにウホッ! イイ男! すっきりとした目元が誰かを彷彿とさせ… あれ? この男? 「盲夏侯じゃねーか!」 「おま!! 今の俺は両目がある!」 濡れた髪をかきあげるようにして主張してくる。 「わるいわるい、じゃ両目夏侯!」 「気色悪い言い方すんなよ…そういうお前は劉備か?」 「あははw よくわかったな」 「そのクソ長い腕と耳でわからなかったらそれこそ盲夏侯だ」 ---- 103 名前:気を付けろ! 両目は急に 止まれない 3/4 投稿日:2006/08/05(土) 15:59:49 気勢をそがれたふたりはそのまま雨宿りをすることにし、巨木の幹に並んで腰掛けた。 雨足はだいぶ弱まり、今は音もなく霧雨となって地面を濡らしている。 微かに顔を覗かせた陽光が、葉の間からその淡い光を落とし始めていた。 「風情ってもんに疎くてな」 夏侯惇がぽつりと呟くように話し始める。 「こういう光景を見ると、孟徳なら、たぶん詩のひとつでも思いつくんだろうが、  俺はそうもいかん。そういうのはあいつ担当で、俺は違うんだ」 「…曹さんに会えたのかい?」 「探してる途中だ。そういうお前は義弟らに会ったのか?」 「まだだ」 「安心しろ。あいつらがそう簡単にくたばるとは思えない。  どこぞで元気に生き抜いているだろうよ」 存外に優しい台詞に劉備の気持ちが明るくなる。 「曹さんにだってすぐ会えるさ、元気だせよ!」 「…しかしいい加減な言葉を吐く男だな」 「ん? そうか? マジで言ってるんだって、信じてくれよ」 バンバンと濡れた肩を思い切り叩いてやると、 元隻眼の…今は両目…猛将は実に男らしいイイ笑顔を見せた。 ---- 104 名前:気を付けろ! 両目は急に 止まれない 4/4 投稿日:2006/08/05(土) 16:00:27 「さ、完全に雨があがったな。じゃ一戦交えるか」 立ち上がって金属バッドを振り回す夏侯惇に劉備はびびる。 「おい、ちょっと待ってくれよ! マジかよ!」 「冗談だ」 片手を上げてダンディに去っていく両目夏侯であった。 6゚∀゚)<まったくお騒がせ野郎だぜ! ※現在三日目でふたりは上庸にいます。 @劉備【李典棍、塩胡椒入り麻袋×5】※長安に向けて北上 @夏侯惇【金属バット】※豫州に向けて東進
101 名前:気を付けろ! 両目は急に 止まれない 1/4 投稿日:2006/08/05(土) 15:58:06 それはまさに 出会い頭の事故… 陽平関を抜け、長安方面へ向かおうと思っていた劉備だったのだが、 突然の雨で非常に足場が悪くなっていたこともあり、 上庸方面に一度出て、そこから長安に抜けるルートへと変更することにした。 雨の中、ぬかるむ地面を踏みしめるように歩く。 深い森の中ゆえ前がよく見えず、やけくそのように舌打ちした。 なんでこんな目に合わないといけないんだよ! いい加減苛々してきたころ、それは起こった。 突然木々の間から飛び出してきた男とおもいっきりぶつかったのだ。 「いってぇな! ボケナス! 前見て歩けよ!」 泥だらけの道に転ばされ、激高した劉備は謎の男にくってかかった。 「それはこっちの台詞だ! ぼーっと歩くな! しっかり前見とけバカが」 同じく泥にまみれた男は飛び上がると激しい口調で詰問してきた。 「はあああ?? あのな、よく聞けよアホ。この道、どう考えたってこっちが優先だろ?」 「こんな森の中で優先もクソもあるか。寝惚けてるんじゃないのか」 ---- 102 名前:気を付けろ! 両目は急に 止まれない 2/4 投稿日:2006/08/05(土) 15:58:47 喧々囂々と不毛な争いを続けているうちに、劉備は現実を思い出した。 ちょっとまて、俺はいまやばい世界に身を置いているんじゃなかったか? つい普段のノリで喧嘩腰になってしまったが、武器を持って互いに殺し合う 血も涙もない謎の世界にいることをすっかり忘れていた。 やばい。 もし相手の得物が飛び道具か何かだったら。 これ以上挑発して戦闘になったら一大事だ。 ふとだまりこくった劉備は相手をじっと観察した。 手には物騒な金属の棒。 なかなかの偉丈夫、ぬれそぼった髪が額に張り付いている姿はまさにウホッ! イイ男! すっきりとした目元が誰かを彷彿とさせ… あれ? この男? 「盲夏侯じゃねーか!」 「おま!! 今の俺は両目がある!」 濡れた髪をかきあげるようにして主張してくる。 「わるいわるい、じゃ両目夏侯!」 「気色悪い言い方すんなよ…そういうお前は劉備か?」 「あははw よくわかったな」 「そのクソ長い腕と耳でわからなかったらそれこそ盲夏侯だ」 ---- 103 名前:気を付けろ! 両目は急に 止まれない 3/4 投稿日:2006/08/05(土) 15:59:49 気勢をそがれたふたりはそのまま雨宿りをすることにし、巨木の幹に並んで腰掛けた。 雨足はだいぶ弱まり、今は音もなく霧雨となって地面を濡らしている。 微かに顔を覗かせた陽光が、葉の間からその淡い光を落とし始めていた。 「風情ってもんに疎くてな」 夏侯惇がぽつりと呟くように話し始める。 「こういう光景を見ると、孟徳なら、たぶん詩のひとつでも思いつくんだろうが、  俺はそうもいかん。そういうのはあいつ担当で、俺は違うんだ」 「…曹さんに会えたのかい?」 「探してる途中だ。そういうお前は義弟らに会ったのか?」 「まだだ」 「安心しろ。あいつらがそう簡単にくたばるとは思えない。  どこぞで元気に生き抜いているだろうよ」 存外に優しい台詞に劉備の気持ちが明るくなる。 「曹さんにだってすぐ会えるさ、元気だせよ!」 「…しかしいい加減な言葉を吐く男だな」 「ん? そうか? マジで言ってるんだって、信じてくれよ」 バンバンと濡れた肩を思い切り叩いてやると、 元隻眼の…今は両目…猛将は実に男らしいイイ笑顔を見せた。 ---- 104 名前:気を付けろ! 両目は急に 止まれない 4/4 投稿日:2006/08/05(土) 16:00:27 「さ、完全に雨があがったな。じゃ一戦交えるか」 立ち上がって金属バッドを振り回す夏侯惇に劉備はびびる。 「おい、ちょっと待ってくれよ! マジかよ!」 「冗談だ」 片手を上げてダンディに去っていく両目夏侯であった。 6゚∀゚)<まったくお騒がせ野郎だぜ! ※現在三日目でふたりは上庸にいます。 @劉備【李典棍、塩胡椒入り麻袋×5】※長安に向けて北上 @夏侯惇【金属バット】※豫州に向けて東進

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