7-013

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24 名前:1/2 投稿日:2006/07/07(金) 20:03:03 新城の森林地帯の一角で一人の女性が途方に暮れていた。 「どうしてこんな事になってしまったの…?私は何もしていないのに…」 その女性、蔡文姫はぽつり、と泣き言を漏らしながら天を仰ぐ。 「天はどうして私の家族を奪うのですか?」 涙を流しながら天に向かい恨み言を言う彼女の脳裏には匈奴の夫、左賢王と、二人の子供、 そして魏に戻ってからの夫、董祀との思い出が巡っていた。そして彼女は悟っていた。名 だたる猛将がひしめくこの殺し合いの中、自分が生き残れる確立は0に等しいことに。 (これから起こる地獄の中、私では到底生き延びる事はできない。ならば、いっそここで …) そう考え、蔡文姫が首輪へと手を伸ばしたその時。 「やめろー!!」 怒声と共に一人の青年が蔡文姫へと飛び掛り首輪へと伸びる両手を捕らえた。 「は、話してください!生きてこれから起こる地獄を見るよりも、この場でいっそ…」 「馬鹿な事を言うな!」 怒声と共に蔡文姫の頬を張り手が襲った。衝撃と痛みに言葉を失う蔡文姫の顔を強引に自 分へと向けさせる青年。そしてその時、彼女は初めて青年の顔を見た。その青年は今にも泣き出してしまいそうな顔でこちらを見ていた。 「僕は貴方の事は知りません。しかし、だからといって自らの命を、一人の、尊い命を絶 とうする貴方を見過ごすことはできません。何卒、何卒そのようなはやまった真似をして は…」 「しかし、このような世界で私は…」 「このような世界だからです!僕は、僕は…こんな世界で貴方のように死ぬ人を出したく はないんです。諦めず生きてさえいれば何とかなる。僕の義理の父がそうでしたから…だ から、だから自ら死ぬような真似は…」 地面に頭をこすりつけながら訴える青年を見やる蔡文姫。答えは既に決まっていた。 ---- 25 名前:2/2 投稿日:2006/07/07(金) 20:10:38 「それで、どちらに向かうのですか?」 新城の森林を歩きながら蔡文姫が青年に問いかける 「このまま西へ、成都ならば僕や義父の知り合いもいるでしょうから。」 「成都…といいますと貴方は蜀の…?」 その質問を聞いて、青年は慌てて蔡文姫に告げた 「自己紹介が遅れて申し訳ありません。僕は蜀の劉備玄徳の養子、劉封と申します」 「まぁ、劉備様の…私は蔡文姫と申します。これからよろしくお願いします」 互いに自己紹介をし終わった後、不意に蔡文姫が尋ねた 「一つ質問してよろしいでしょうか?どうして見ず知らずの私を助けてくれたのです か?」 その質問に劉封は少々気恥ずかしそうに答える 「その、何といいますか、蔡文姫殿がとても悲しそうな顔していたので、ついほっとけずに…、それと」 そう言うと劉封は目線を逸らしながら続ける。 「実は僕の母は、僕の若い内に亡くなっていまして、その、蔡文姫殿にどことなく母上の 面影があったもので…」 そう言って恥ずかしそうに笑う劉封に蔡文姫は遥か遠くにいる息子の姿を重ねていた。もし自分の息子が成人となり、この場にいたのであれば、きっと彼と同じように止めてくれただろう。 「いやぁ、恥ずかしい話をしてしまいました」 はっはっは、と笑う劉封に微笑みながら蔡文姫が首を横に振る 「いえ、子どもという者はいつでも母に甘えたくなる物ですもの。私でよければ、いつで も甘えていただいてよろしいのですよ?」 その言葉に耳を真っ赤にする劉封 「な、いきなり何を…そ、そういえば支給品を確認してませんでしたな。今の内に見ておきましょう」 そういって照れ隠しをしながら自分の支給品の李典棍と書かれている武器と蔡文姫の支給品、ボーガンを確認している劉封に蔡文姫もまた自分の息子の面影を見るのだった <<親子の面影/2名>>劉封【李典棍】蔡文姫【ボーガン・矢×20】 ※現在新城、成都に向かってます。ゲームには乗ってません
24 名前:1/2 投稿日:2006/07/07(金) 20:03:03 新城の森林地帯の一角で一人の女性が途方に暮れていた。 「どうしてこんな事になってしまったの…?私は何もしていないのに…」 その女性、蔡文姫はぽつり、と泣き言を漏らしながら天を仰ぐ。 「天はどうして私の家族を奪うのですか?」 涙を流しながら天に向かい恨み言を言う彼女の脳裏には匈奴の夫、左賢王と、二人の子供、 そして魏に戻ってからの夫、董祀との思い出が巡っていた。そして彼女は悟っていた。名 だたる猛将がひしめくこの殺し合いの中、自分が生き残れる確立は0に等しいことに。 (これから起こる地獄の中、私では到底生き延びる事はできない。ならば、いっそここで …) そう考え、蔡文姫が首輪へと手を伸ばしたその時。 「やめろー!!」 怒声と共に一人の青年が蔡文姫へと飛び掛り首輪へと伸びる両手を捕らえた。 「は、話してください!生きてこれから起こる地獄を見るよりも、この場でいっそ…」 「馬鹿な事を言うな!」 怒声と共に蔡文姫の頬を張り手が襲った。衝撃と痛みに言葉を失う蔡文姫の顔を強引に自 分へと向けさせる青年。そしてその時、彼女は初めて青年の顔を見た。その青年は今にも泣き出してしまいそうな顔でこちらを見ていた。 「僕は貴方の事は知りません。しかし、だからといって自らの命を、一人の、尊い命を絶 とうする貴方を見過ごすことはできません。何卒、何卒そのようなはやまった真似をして は…」 「しかし、このような世界で私は…」 「このような世界だからです!僕は、僕は…こんな世界で貴方のように死ぬ人を出したく はないんです。諦めず生きてさえいれば何とかなる。僕の義理の父がそうでしたから…だ から、だから自ら死ぬような真似は…」 地面に頭をこすりつけながら訴える青年を見やる蔡文姫。答えは既に決まっていた。 ---- 25 名前:2/2 投稿日:2006/07/07(金) 20:10:38 「それで、どちらに向かうのですか?」 新城の森林を歩きながら蔡文姫が青年に問いかける 「このまま西へ、成都ならば僕や義父の知り合いもいるでしょうから。」 「成都…といいますと貴方は蜀の…?」 その質問を聞いて、青年は慌てて蔡文姫に告げた 「自己紹介が遅れて申し訳ありません。僕は蜀の劉備玄徳の養子、劉封と申します」 「まぁ、劉備様の…私は蔡文姫と申します。これからよろしくお願いします」 互いに自己紹介をし終わった後、不意に蔡文姫が尋ねた 「一つ質問してよろしいでしょうか?どうして見ず知らずの私を助けてくれたのです か?」 その質問に劉封は少々気恥ずかしそうに答える 「その、何といいますか、蔡文姫殿がとても悲しそうな顔していたので、ついほっとけずに…、それと」 そう言うと劉封は目線を逸らしながら続ける。 「実は僕の母は、僕の若い内に亡くなっていまして、その、蔡文姫殿にどことなく母上の 面影があったもので…」 そう言って恥ずかしそうに笑う劉封に蔡文姫は遥か遠くにいる息子の姿を重ねていた。もし自分の息子が成人となり、この場にいたのであれば、きっと彼と同じように止めてくれただろう。 「いやぁ、恥ずかしい話をしてしまいました」 はっはっは、と笑う劉封に微笑みながら蔡文姫が首を横に振る 「いえ、子どもという者はいつでも母に甘えたくなる物ですもの。私でよければ、いつで も甘えていただいてよろしいのですよ?」 その言葉に耳を真っ赤にする劉封 「な、いきなり何を…そ、そういえば支給品を確認してませんでしたな。今の内に見ておきましょう」 そういって照れ隠しをしながら自分の支給品の李典棍と書かれている武器と蔡文姫の支給品、ボーガンを確認している劉封に蔡文姫もまた自分の息子の面影を見るのだった ≪親子の面影/2名≫ 劉封【李典棍】&蔡文姫【ボーガン・矢×20】 ※現在新城、成都に向かってます。ゲームには乗ってません

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