7-151 九春

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417 名前:九春 1/2 投稿日:2006/07/28(金) 00:56:52 こほん。 こほっ、こほん。 (煙たいですねぇ。) 許都から立ち上る煙は、荀イクの腰を下ろしている丘まで漂ってきていた。 小高い丘だ。風が心地良い。 周りには誰も居ないし、眼前で燃え上がる許都を肴に、 一杯やりたいような気すらしてくる。 (そう言えば、) 荀イクの標的――曹操は、酒の製造法にまで精通していた。 (確か――春、が何とかとか・・・。) かつての思い出に浸りながら、荀イクは微笑んだ。 こほっ、こほん。 もう一度、咽る。風が調度、こちらに向かって吹いてきているのだ。 右手をぱたぱたと眼前でひらめかせて、煙を払う。 払った先に、数秒前には存在し得なかった影を見つけた。 ---- 418 名前:九春 2/2 投稿日:2006/07/28(金) 00:58:25 (ああ、あれは于将軍。) 遠目でも分かるほどの、独特の威厳と雰囲気を持った男が、今まさに南門から 許の市内へと歩いていった。 その足取りは、ふらふらと危なっかしい。 それから、また数分。今度はより見覚えのある文官と、将の二人組みが 南門へとたどり着く。 あれは? (・・・ああ、典韋殿だったか。) 荀イクは洛陽近辺での事を思い出していた。 ガリルARの引き金を引く、その直前、突然周囲に煙の壁が現れた。 (あの時は残念でした。) 甥の荀攸と、曹操の忠実なる親衛隊――典韋の姿が、南門へと、消えた。 こほん、こほっ。 (しかし。) どうやら公達は心を入れ替えたようですね。まさか于将軍なんて大物を 狙うとは思いませんでしたが。 (良いことです。) 叔父と甥がわざわざ争うことなどありませんからね。 最後の一人までお互い頑張りましょうね――――――・・・。 こほん、こほん。 今一度、棚引く煙に噎せながら、荀イクは許都から背を向けた。 曹操の行く先を求めて。 @荀イク[洗脳されている?]【ガリルAR(ワイヤーカッターと栓抜きつきのアサルトライフル)】 『現在地 豫州・許昌・近くの丘』
417 名前:九春 1/2 投稿日:2006/07/28(金) 00:56:52 こほん。 こほっ、こほん。 (煙たいですねぇ。) 許都から立ち上る煙は、荀イクの腰を下ろしている丘まで漂ってきていた。 小高い丘だ。風が心地良い。 周りには誰も居ないし、眼前で燃え上がる許都を肴に、 一杯やりたいような気すらしてくる。 (そう言えば、) 荀イクの標的――曹操は、酒の製造法にまで精通していた。 (確か――春、が何とかとか・・・。) かつての思い出に浸りながら、荀イクは微笑んだ。 こほっ、こほん。 もう一度、咽る。風が調度、こちらに向かって吹いてきているのだ。 右手をぱたぱたと眼前でひらめかせて、煙を払う。 払った先に、数秒前には存在し得なかった影を見つけた。 ---- 418 名前:九春 2/2 投稿日:2006/07/28(金) 00:58:25 (ああ、あれは于将軍。) 遠目でも分かるほどの、独特の威厳と雰囲気を持った男が、今まさに南門から 許の市内へと歩いていった。 その足取りは、ふらふらと危なっかしい。 それから、また数分。今度はより見覚えのある文官と、将の二人組みが 南門へとたどり着く。 あれは? (・・・ああ、典韋殿だったか。) 荀イクは洛陽近辺での事を思い出していた。 ガリルARの引き金を引く、その直前、突然周囲に煙の壁が現れた。 (あの時は残念でした。) 甥の荀攸と、曹操の忠実なる親衛隊――典韋の姿が、南門へと、消えた。 こほん、こほっ。 (しかし。) どうやら公達は心を入れ替えたようですね。まさか于将軍なんて大物を 狙うとは思いませんでしたが。 (良いことです。) 叔父と甥がわざわざ争うことなどありませんからね。 最後の一人までお互い頑張りましょうね――――――・・・。 こほん、こほん。 今一度、棚引く煙に噎せながら、荀イクは許都から背を向けた。 曹操の行く先を求めて。 @荀イク[洗脳されている?]【ガリルAR(ワイヤーカッターと栓抜きつきのアサルトライフル)】 『現在地 豫州・許昌・近くの丘』

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