7-110

「7-110」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

7-110」(2007/03/13 (火) 01:58:10) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

270 名前:1/4 投稿日:2006/07/20(木) 18:11:08 ようやく正平に会えた。思えば長い道のりだった気がした。 だが―。 どうやらここでゲームオーバーらしい。 死の銃口がこちらを向いている。最後の最期で友に会えたのは僥倖だったか。 そう思い、眼を閉じようとした瞬間だった。 ―強い衝撃と共に押し倒され、気が付けば無様に地面に延びていた。 「諦めるのは、八方手を尽くし終えたときだけにしろ。勝手に戦を終わらせるな」 私に体当たりした男はそれだけ言い放った。 「なぜだ…?あんたとは面識がないはず…?」 私は自然に口走っていた。 「さぁな。ここでは理由無く人が死ぬ。 だったら人を助けるのにも理由など要らないんじゃないか?」 一呼吸おいて、 「それに、無傷ってわけじゃない。こめかみから血が出てる」 そう言いつつ刀を抜き払った。 確かに。だがこの程度で済んで、感謝すべきだろう。 あの状況なら確実に死んでいた。 「すまなかった。礼をい―」 「安心するのはまだ早いぞ…。」 ぎり、と唇を噛み締めながら彼はつぶやいた。 その通り。戦況は五分じゃない。 刀VS銃。 子どもでもわかる。 …不利すぎる。 ---- 271 名前:2/4 投稿日:2006/07/20(木) 18:12:00 …死んじゃえよ!! 悪意を込めたその弾丸は、あやまたず孔融を捉えたはずだった。 しかし、横合いから、孔融は電光石火の勢いで体当たりされ、彼の眉間を狙った弾丸は、そのこめかみを掠るだけに到った。 なんでだ。どうしてどいつもこいつも邪魔したり、騙したりするのか。 いらいらする。頭の中で虫か何かが走り回ってるみたいだ。 「みんな死んでしまえ!! 」 銃を構える。残りの弾は3発。邪魔者は4人いる。 くそ。ひとり殺せない。 ―え?4人!? 動揺した瞬間に、また一人邪魔が入った。 構わない!!死んでしまえ! 引き金に掛けた指に、力が入る。 ―今度は、満寵自身が体当たりされたが、至近距離だったため、銃を構えた手の位置が、体当たりでぶれても、その弾丸は駆けつけた邪魔者―田疇の右胸を貫いた。 ---- 272 名前:3/4 投稿日:2006/07/20(木) 18:13:45 「みんな死んでしまえ!」 いけない! 心臓が早鐘のように鳴る。 猛然と走った。ここまで死ぬ気で走った記憶はあまりない。 (くっ!!間に合え!!) おそらく、発砲するのと体当たりするのは同時だった。 くぐもった『バン!』という音が聞こえた。 次の瞬間、全身から力が抜け、膝が折れた。 「が…!!ごほ……!!」 右胸が苦しい。脳が酸素を求めている。自分の頭がガンガン殴られているようだ。 あり得ないほど血を吐いた。視界が狭まる。 どうやらここまでかもしれない。 駆けつけたまでは良かったが、何の役にも立てなかった…。 『―それが望んだ結末なのか?』 どこかから、声が聞こえた。 それは、懐かしい朋友の声のような、穏やかで、しかし芯の通った声だった。 その声が、立ち上がる体力をくれた。 「…まだ、おわって…ないぞ…!」 それは、大出血しながらの壮絶極まる立ち姿で、凛とした威厳があった。 ---- 273 名前:4/5 投稿日:2006/07/20(木) 18:20:13 「…おい…潘…しょ…う…きこえるか…? 」 なぜ彼が斬りつけてきたのかが、今わかった。撃たれたショックで、記憶の断片が戻ってきた。 ―猫耳、潘璋、元譲、陳留、みかん、公孫サン―。 ―ああ、ようやく思い出した… 「聞こえるぞ!!なんだ!?」 彼が大声で応える。 「…ふく…しゅ…うに生き…るのもじ…ゆうだ…」 喋っている間にも攻撃されるかもしれない。だが、これだけは伝えなくては。 「…だが…それ…にとら…われ、歪ん…だ…生き方…をす…るな!!」 「田疇!!しかと聞き止めたぞ!!」 よかった。私の声は届いたらしい。後は、満寵をどうにかするだけだ。その余裕があれば、だが。 ---- 274 名前:5/5 投稿日:2006/07/20(木) 18:20:59 「くそう!!いい加減に死ね!!」 今まで彼が発砲しなかったのは、田疇の言葉に聞き惚れた訳ではなく、その威圧感に手が出せなかったからだ。 バン!! バン!!! さらに二発の弾丸が、田疇の体を貫いた。 これは、確実に致命傷だった。が、しかし―。 もはや歩くだけの力さえ残ってないはずの田疇が、銃弾を受けながらも前進し、満寵の首輪を掴んだ。 満寵は、弾倉が空になったことも知らず、ひたすら引き金を引き続けていた。 言葉にならない声を上げながら。 「…うらぎり…者…は…消え…るし…かない」 最期に、田疇は夏侯惇のいる方に向かって微笑んだ。 田疇は一気に首輪を引きちぎり、次の瞬間、爆発音と共に、彼の首輪を掴んでいた右手と、満寵の頭部は吹き飛んでいた。 それが引き金になったかのように、ゆっくりとくずおれる2人。 だが、潘璋には、田疇の口から『ありがとう』という声が聞こえた気がした。 今は、田疇の眼には星だけが輝き続けていた。 【田疇 死亡確認】【満寵 死亡確認】 @禰衡[脇腹負傷]【農業用スコップ】@孔融[こめかみかすり傷]【???】@潘璋【備前長船】 ※広辞苑、S&W M60 チーフスペシャル(弾切れ)、刺身包丁は放置。他の状況はそのまま。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。