7-098 平和な朝とはいかないわけで。

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234 名前:平和な朝とはいかないわけで。1/2 投稿日:2006/07/18(火) 07:16:41 「……起きろっ!」 早起きな鳥たちが時を知らせ、空が白み始めたころ。 「いやだ、ねむい……ねる……」 「永眠したいのかっ!? チビ、そいつ起こせ。噛んでいいから」 大声を上げないよう馬謖の口に服の裾を破いた布を捻じ込み、凌統は自分に配給されたザックを掴んで森の奥を窺った。 まだ人影は見当たらないが、探知機は確かに何者かが接近していることを示している。 仔犬に思いっきり噛み付かれてくぐもった悲鳴を上げる馬謖のことは気にとめず、 凌統は気配を殺して探知機の示す方向へ急いだ。その後に母犬が音も無く付き従う。 相手に気付かれないよう、細心の注意を払って木陰から様子を窺う。 来訪者はふらふらとした足取りではあるが、体格は立派なものでさぞ名のある武将だろうと思わせた。 不自然に顔を抑え、うまく聞き取れないが低い声で何者かを呪っているようだった。 (ふら付いているのが演技で無ければ、勝ち目はそれなりにあるが……) 凌統は元来さほど好戦的なほうではない。怨む理由が無ければ、殺生は出来るだけ避けたいとさえ思っていた。 しかも相手はおそらく怪我人だ。接触するかどうか、馬謖にも意見を聞こうと考えて一度元の場所にもどる。 ---- 235 名前:平和な朝とはいかないわけで。2/2 投稿日:2006/07/18(火) 07:21:02 毛を逆立てて仔犬と睨み合っていた緊張感のかけらもない馬謖をどつき、接近者の特徴を告げる。 顔立ち、体格、顔と手がただれていたように見えたこと、そして頭の形がなんだか絶壁だったこと。 初めは首をかしげていた馬謖の顔色がだんだん蒼白になっていく。 「……おそらく魏文長だ。諸葛孔明先生とものすごく仲が悪かったから、先生の一番弟子の私にとっては危険な相手だな」 「接触しないほうがいいか?」 「しないほうがいい! 絶対いい!」 「そうか、じゃあ……あ。こっち来てる」 「なにぃ!?」 悪いことに、馬謖の上擦った悲鳴が魏延だという参加者に聞きとがめられてしまった。 「誰…だ…、そこにいるのは!」 ひっ、と息を飲んだ後、馬謖は小声で「奴は偏屈馬鹿の軍師に嫌われて虐げられた悲運の名将だっいいな!? おだてまくれ魏延は理解者に飢えてるからっじゃあ後は頼むぞ!」と一息に言い切り、 凌統の背を魏延の居る方向に思いっきり押して自分だけ草むらに飛び込んでしまった。 地面を這う木の根にけ躓きつつまろびでた凌統の眼前に、血走った目の魏延。 (ば、馬謖の野郎自分だけ……ッ!!) 内心泣きそうになりながら、凌統は引きつった笑顔を作って言った。 「え、えっと、俺、凌統、字を公績って言います!  魏文長様とお見受けしました、あのっ、お怪我されているようなので、良かったら俺に手当てさせてください!」 @魏延[右腕・顔面右側に火傷]【ハルバード(少し融けています)、M37ショットガン】 <<既視感を追う旅/2名>> 凌統【???、犬の母子】馬謖【探知機】 ※魏延と遭遇しました。 ※母犬は凌統の背後に控えています。 ※探知機を持った馬謖と仔犬は草むらのなかで様子を窺っています。  凌統が危険だと判断すれば助けに入るつもりです。

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