7-092 新たなる力

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221 名前:新たなる力 1/2 投稿日:2006/07/17(月) 13:40:35 その放送を聞いたときの太史慈の慟哭はどれほどのものだっただろう。 (伯符様…!!) 魂と魂が共鳴するような出会いだった。 だが、共に夢を見れた時間のなんと短かったことか。 再び出会えたかもしれないこの場所でまであのお方は儚く散るのか。 天命の何と残酷なことか! 「…堪えずともよいでしょう、太史慈殿」 李典は静かに言った。 自らの全てを捧げてもいい。そう思った主君を亡くしたならば。 「男子でも許されると思う…泣くことを」 その言葉が引き金になったかのように、太史慈の瞳から熱い涙がこぼれ落ちる。 「…すまぬ。すまない…!」 太史慈は詫びながら咽び泣いた。 彼が詫びているのは李典に対してなのか、 それとも馳せ参じることの叶わなかった主君に対してなのだろうか? 「見苦しい所を見せたな」 照れくさそうに笑う太史慈に李典も微笑み返した。 太史慈が今感じている喪失感は、 自分が楽進を、そして今徐晃を亡くした時に感じたそれと似ているのだろうが その深さは多分比べものにならないのだろう。 なんと声をかけたら良いのか解らず、 また気の利いた言葉を言えない自分に苛立ちも感じた。 ---- 222 名前:新たなる力 2/2 投稿日:2006/07/17(月) 13:41:45 「…その、貴公に支給された絵巻はどんな話なのです?」 唐突な話題だったが、李典が気遣ってくれているというその事実が温かかった。 「読んでみるか?」 言われた李典は苦笑する。 「貴公のように学があるわけではありませんから」 「俺だって、若い頃に少々かじったくらいだぞ?」 「何を仰る!」 李典は目を丸くする。 「我が魏軍の誇る智者でも、  異国の絵巻をそのようにすらすら読める者などおりませんでしたよ」 言われて初めて、太史慈はハッとする。 確かに支給品についてのメモ書き(李典にも見せたものだ)は彼らの知る言語だが この絵巻は太史慈の知らない言語で書かれている。 だが太史慈はその内容を完全に理解できる。これはまさか…    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 「…これが、俺のスタンドなのか…?」 「すたんど?それは何です?」 「スタンドというのはだな、…むぅ…」 何と説明すればいいのだろう。太史慈は頭を抱えるのであった。 <<子義マンセー/2名>> 太史慈[スタンド使い]【ジョジョの奇妙な冒険全巻】李典【SPAS12】 ※太史慈は全ての言語を理解できるスタンド能力(名称募集中)を得ています。  ですが理解した内容を翻訳して他者に伝えるのは困難なようです。

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