ゆっくりいじめ系825 ゆっくりを飼おう


注意書き
俺とゆっくりの話 と、ほんの少し関係がありますがたぶん知らなくても大丈夫だと思います。
バッジ設定があります、詳しい設定については「俺とゆっくりの話 1」を読んでください。
タイトルのとうり、人間はゆっくりを愛でてます、でも虐待成分もありますし、そっちがメインだと思っています。
そんなわけで飼われているゆっくりがいます。
また、多少人間虐めな部分もあります。
そして頻繁に視点が移り変わっています。たぶんかなり読みにくいとは思いますが許してください、ごめんなさい。
オリジナルキャラがいますが、名前はないので親子間でも「お母さん」「娘」などと呼び合っています。



「おかぁさん、れいむとちぇんはあした、ほかのひとにもらわれていくんだね?」
「そうだよ、きっとそのひともおにいさんみたいにやさしいひとだからゆっくりいうことをきいてね」
「わかるよー!ちゃんということきいてゆっくりするよー!!」
俺の飼っているゆっくり達が寝床として用意した小屋の中で会話しているのが聞こえた。
彼女(?)らの言う通り、明日子れいむと子ちぇんは近所に住む人の所にもらわれていく。
俺がゆっくり達と「れいむ一匹とちぇん一匹以外はみんなペットショップか他の人に引き取ってもらう」という約束をしたからだ。
今はれいむとちぇんを飼っている俺だが、その子供全員まで面倒を見る余裕がないことをれいむとちぇんは理解していたし、
生まれたばかりの赤ゆっくりも最初は泣き叫んだが、親の賢明な説得の結果、自分が貰われることを承諾し、それまでの間精一杯親とゆっくりしようとしている。
今までも何匹かの子ゆっくりが他の他人や友人に引き取られていった。前の飼い主や親ゆっくりに会うとホームシックみたいな症状が起きてしまうことがあるので、
様子を見に行くことはできなかったが飲み屋で会った友人宅のゆっくりはちゃんと彼のいうことを聞いているらしい。
当然だ、何のために自分が育てる予定のない赤ゆっくりにまでシルバーバッチを持たせたと思ってるんだ、飼い主がちゃんとしていれば悪いゆっくりに育つはずがない。

次の日、子れいむと子ちぇんは少し離れた所に住む女性とその娘に引き取られていった。
父親は仕事で帰りが遅く、女性もたまに夜遅くまで出かけて行くことがあるらしい。昼の間娘がさみしい思いをしないように…とゆっくりを飼おうとしたんだそうだ。
とりあえず娘が親ゆっくりや子ゆっくり達と遊んでる間に女性に簡単な買い方の説明をする。
飼い方といっても基本的な躾についてはたぶん問題ないだろうが、ゆっくりにあまり触れない人にとってゆっくりは未知の固まりだ、お勧めの飼育書の紹介して、
買って読んでくださいねと言った。女性も
「あら、そんな本があるのね…じゃあ帰りにでも買っていこうかしら?」
と言ってくれた。これで買ってくれないと困る、ゆっくりに限らずペットを飼うのは大変なのだから。
最期に二人は俺にお礼を言ってから家を出て行った。
夕日に照らされた少女の腕に抱かれて頭をなでられる子れいむの顔を見て、俺もこの人たちならきっとゆっくり育ててくれるだろうと思った。
あれ?あっちに本屋ってあったっけ?

妹のちぇんと一緒におねーさんに運ばれて15分ほど移動した。
お兄さんの家より大きい家に着くとおねーさんが「きょうからここがあなたたちの家よ、ゆっくりしていってね!」と言ってくれた。
「ありがとう!おねーさん!!おねーさん!!ゆっくりしていくね!!」
「きょうからここがおねーさんたちとちぇんたちのいえになるんだねー!!わかるよー!!」
「いやぁね、この子たちは、今日から私のことはお母さんって呼んでくれていいのよ?お姉さんなんて呼ばれたら逆にくすぐったいじゃない?」
おねーさんのおかーさんが笑いながら言った、自分たちのお母さんはれいむお母さんとちぇんお母さんだけど、この家でゆっくりする以上
お姉さんのお母さんはれいむたちにとってもお母さんなんだと思った。
「わかったよ!!きょうからよろしくね!!おかーさん!!」
「よろしくね、さて、今日はれいむちゃん達が来たお祝いをしなくちゃね、晩御飯の準備をするから娘と遊んで待っててね」
「ごはん!!わかるよ!!ゆっくりまってるよー!!」
「ゆっくりつくってね!!おねえさん、ゆっくりあそぼうね!!」
「うん!じゃあ付いて来て、私の部屋に案内してあげる!!」

お姉さんに連れられてお姉さんのお部屋にきた。
お姉さんはニッコリ笑いながられいむとちぇんの頭をなでてくれた。
「ゆ、ゆ、ゆ~っくり~」
「ゆっくりできるよ~わかるよ~」
「あはは、かわいい!!」
さいしょはお姉さんの話を聞いていたり、お歌を歌ってもらったりしていたのだが、お姉さんは途中からちぇんの尻尾を触り始めた。
「ゆゆっ!?」
「あはは、ふさふさして気持ちいい~!!」
「ゆゆゆゆ、や、やめてよ!ちょっといたいんだよ!わかってね!!」
「キャハハ、ほら、クリクリ~」
さらにそのままちぇんの尻尾と尻尾をこすり合わせて楽しんでいる
「い、いたいよー!!ゆっくりやめてね!!」
「おねえさん!!れいむのいもうとがいたがってるよ!!ゆっくりやめてね!!」
「えー?ふさふさして気持ちいいのに…じゃあれいむであそぶ!!」
「ゆっくりあそんでいってね!!」

あの後、ちぇんちゃんのしっぽに何度か触ろうとしたけど、れいむちゃんは怒って触らせてくれなかった、ふさふさしてて気持ちよかったのになぁ…
尻尾に触れなかったので、頬を突いたり、軽く転がしたりして遊んであげた、れいむちゃんも、ちぇんちゃんも笑ってくれたので、楽しかったみたい。
また尻尾に触りたいけど、ちぇんちゃんに嫌われるのは嫌だから触らないで上げよう。

「ちぇんの尻尾には触れないようにしましょう
ちぇん種の尻尾は非常に敏感で、強く握ったりするとゆっくりに激痛が走ります、また若い個体れあれば少し触れただけでも強い刺激になるのでちぇん種を飼育する場合は注意してください」
民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋

お姉さんといっぱい遊んでいるとお姉さんのお部屋の外からお母さんの「ごはんよ~、はやくおりてらっしゃ~い」という声が聞こえた。
お姉さんに抱っこされて、ちぇんと一緒にお台所に行く。テーブルの上にはたくさんのお料理が並べられていた、そのうちいくつかは
本当のお母さんやお兄さんと一緒に食べたことはあったけど、こんなにいっぱい並んだご飯は初めてだった。
「きょうはれいむちゃん達の来たお祝いにお母さん、たくさんご飯作っちゃったわ、いっぱい食べてね!!」
「いまれいむちゃん達の分もよそってあげるね!!」
テーブルの上に載せられ、前に置かれたお皿に盛られるたくさんのご飯、全部食べきれるかなと思ったけど、せっかくお母さんが作ってくれたんだから全部食べなきゃ。
「じゃあ、いただきます」
「いただきまーす!!」
「「ゆっくりいただきます!!!」」
いただきますの挨拶をして目の前のご飯を食べ始めた。
「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~」
「おいしいんだね!わかるよー!!」
「あら、そう言ってくれるとお母さんも作ったかいがあったわ!!」
「とってもおいしいよ!!ゆっくりできるよ!!」
「おかあさん!おりがとうだよー!!!」
そんな話をしながられいむとちぇんはご飯を食べた、あまりの美味しさに気がついた時はまわりを汚しちゃってたけどお母さんは仕方ないと笑ってくれたし、
お姉さんはれいむとちぇんのお口を拭いてくれた。途中でおかあさんとお姉さんは難しいお話をしてた、何の話をしていたのかよくわからなかったけど、
お父さんという人は、今日帰ってくるのはとても遅くなるらしい、お姉さんのおとうさんなら、れいむたちのお父さん。今日のうちに挨拶したかったな…

「むーしゃ、むーしゃ、とってもしあわ…」
「もぐもぐたべるよー!!…」
ゆっくり、しかし激しく食事をするれいむとちぇん、しかしある料理を口にした瞬間、動きが止まり、白目をむいてガタガタと震え始めた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
「ゆっぐりできない゛よ゛お゛ぉぉぉぉ!!!」
「ど、どうしたの?れいむちゃん、ちぇんちゃん!!」
「おがあざん!!このごはん゛は゛きら゛い!!ゆっぐりで゛き゛な゛い!!」
「ごめ゛ん゛ね゛!!でも゛こ゛れ゛だけ゛は゛の゛こ゛さ゛せ゛て゛ね゛!!」
「…だめよ、好き嫌いはいけないの、わかるわよね?」
「でも、でもぉ!!」
「ゆっくりできないよ!!!」
「嫌いなものでも食べないといけないわよ、ほら、半分にしてあげるからちゃんと全部食べなさい!!」
「お母さん…でもこの子たちの嫌がり方、すごいよ?」
「でもお母さんは好き嫌いは許さないわよ、あなたもピーマン、残さずに食べなさい。」
「はぁーい」

いま、お母さんは何て言った?「全部食べないといけない?」
そんな、あの食べ物は口に入れた瞬間、れいむの中身が熱くなっちゃうのに!?ゆっくりできないのに!?
でも、お兄さんや、本当のお母さんは「ちゃんと、新しい飼い主の言うことを聞くんだよ」といった、だかられいむも、ちぇんもちゃんと食べなくちゃ、
お母さんのいうことを聞かないと
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
「ゆ゛っく゛り゛でき゛な゛い゛ん゛だね゛!でも゛ち゛ぇん゛は゛ま゛け゛な゛い゛よ゛!!」
「がんばって食べるのよ!お母さん、応援するからね!!」

れいむちゃん達がいきなり叫び出した時、間違ってゆっくりにとって毒になるものでも入れたのかしらと不安になった。
でも確かにれいむちゃん達は「このごはんきらい」といった、そういえばゆっくりは雑食っていうし、人間が食べれるのにゆっくりが食べれないものなんてあるはずがないわよね?
でも好き嫌いはいけないこと。私も母に嫌いな食べ物を残さず食べろと言われ、いくら泣いても食べ終わるまで許してくれなかったことが何度かある。
結局私はなんでも食べれるようになったから、母には感謝してる。れいむちゃん達も、きっといつか私に感謝してくれるはずだ。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
「ゆ゛っく゛り゛でき゛な゛い゛ん゛だね゛!でも゛ち゛ぇん゛は゛ま゛け゛な゛い゛よ゛!!」
「がんばって食べるのよ!お母さん、応援するからね!!」
正直、ゆっくりが嫌いな食べ物というだけでここまで叫ぶとは思えなかった、きっとあの飼い主さんが甘やかしすぎたのね。


「ゆっくりに辛いものは厳禁!!
基本的に人間が食べるものはなんでも食べれるほど雑食性の強いゆっくりですが、唯一辛いものだけは食べさせてはいけません。
辛いものは餡子でできたゆっくりの体にとって猛毒であり、子供のゆっくりならほんの少しのハバネロで即死することすらあります。
また、香辛料なども種類によっては毒となることもあるので、ゆっくりにご飯を上げるときは注意してあげてください。」
民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋

なんとかご飯を食べ終えたれいむとちぇんは母親に言われ、娘と一緒にお風呂に入ることになった。
「おねぇさん!れいむをゆっくりお風呂に入れてね!!」
「おふろだねー!わかるよー!!」
この気楽な饅頭についさっきまで毒を食わされてたんだぞ、と突っ込んではいけない。彼ら自身も辛いものが毒だということが分かっていないため、好き嫌いを直そうと自ら積極的に毒を食ったのだ。

れいむとちぇんはおねえさんといっしょにお風呂に入った。
人間って不思議、れいむも、ちぇんも、ゆっくりはあまり変わらないのに、人間は結構違う。
前に一緒にお風呂に入ったお兄さんにあったぶらぶらしたものが、お姉さんには見当たらない。
お姉さんがちぇんの頭を洗ってあげるのを見ている、れいむはそんな事を考えていた。
「はい、これでおしまい!!」
「すっきりさっぱりしたよー!!わかるよー!!」
そんなどうでもいいことを考えているうちにお姉さんがちぇんの頭を洗い終わったようだった。
「じゃ、お風呂にはいろっか」
「ゆっくりぃ~」
「わがるよぉ~」
「あはは、なにそれ、おじさんみたい!!」
れいむとちぇんにはお風呂は大きかったけど、お姉さんが用意してくれた桶の中に入るからゆっくり沈んだりしないよ!

「「ゆ~ゆゆゆ~ゆ~♪」」
れいむちゃんとちぇんちゃんが気持ち良さそうに歌を歌っていた。どこか音程のずれた、おかしな歌だったけど、それが逆に聞いてて楽しくなる、そんな感じがした。
「ゆっ!そろそろれいむたちはおふろからあがりたいよ!!」
「おねえさん!ゆっくりだしてねー!!」
歌を一曲歌い終わったと思ったらすぐにお風呂から上がりたいと言ってきた、まだ3分ぐらいしか経っていない、私はもっと入りたいのに。
「え~?私ももっと入りたいよ?それにすぐに上がっちゃうと湯冷めしちゃうよ?」
「ゆざめ?なにそれ?」
「もしかしてゆっくりできないの?」
「うん、とてもゆっくりできないよ」
「じゃあ、ゆっくりがまんするよ…」
「でも…このままお風呂に入っていてもゆっくりできなくなっちゃうよ、わからないよー…」
ほんと、ゆっくりってわからない、お風呂が大好きですみたいな事をさっきも言っていたのに、本当はお風呂、嫌いなのかな?

このままお風呂に入っているとゆっくりできない、それはたしか本当のお母さんに最初に教えてもらったこと。
でも、すぐにお風呂からでると「YUZAME」になってゆっくりできなくなるってお姉さんは言った。
じゃあれいむもちぇんも、どっちにしろゆっくりできないの?どうすればいいの?

「お、おかあさーん!!」
「どうしたの!?何があったの!?」
「れいむちゃんとちぇんちゃんが溶けちゃったぁ!!」
娘がタオルも巻かずに飛び出してきたときはどうしようかと思った。だが、娘の持ってきた洗面器の中には黒い水が入っていてぶよぶよとした気味の悪いものが浮いている。
「おかぁ…さん…たすけてねー…」
「ゆっくり…したけっかが…」
私は急いで洗面器から二匹を取り出した。

「ゆっくりと水について
ゆっくりは基本的にきれい好きな動物のため、子育て期などの特別な場合を除き、頻繁に水浴びをします。
飼いゆっくりの場合も少なくても三日に一度はお風呂に入れてあげましょう。別に毎日でもかまいません。
ですが注意点がいくつかあります。ゆっくりの皮は比較的軟らかいため、少し力が入っただけでもすぐ破けてしまいます。体や頭を洗ってあげるときでもできるだけ力を込めず、
手で表面を軽くこするように洗ってあげましょう。
次は入浴時間です。一般にはあまり知られていないことですが、ゆっくりは長時間水につかっていると皮が溶け、餡子が漏れ出してしまいます。
水の場合で約五分、お湯の場合で三分以上は濡らさないで上げてください。
もし、餡子が溶け出てしまった場合、すぐ自ら上げて体をタオルなどで優しく拭いてあげましょう。しばらく待って餡子の流出が止まらないようであれば重症です、ゆっクリニックに行きましょう。」
民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋



れいむとちぇんが飼われてから、三か月ほどたった。
結局れいむもちぇんも、たまに尻尾をいじられ、頻繁に出される辛い物を「すききらいはいけない」と、泣きながら食べた。
お風呂でふやけた時は症状が軽くて助かったが、あれ以降お風呂は一分ぐらいしか入れてもらえなくなった。
毎日毒を食う生活だった、だけど、れいむもちぇんも自分は幸せなんだと信じていた。
昔、本当の母親に言われた一言「飼い主さんのいうことをちゃんと聞いたらきっとゆっくりできるよ!」その言葉をずっと信じて居たため、
二匹は他の飼いゆっくりには見られない位に飼い主に従順なゆっくりになっていた。
通常、野生のゆっくりは4か月ほどで亜成体となり独り立ちする、辛いもの以外は栄養豊富な食べ物をたらふく食べたこの二匹はもう、成体のゆっくりとほとんど変わらない大きさをしていた。
そして人間でいえば思春期のゆっくりが二匹、同じところで生活している。そうすればどうなるか、答えは明確だった。

もうすっかり夜になった。
おかあさんも、おねえさんも、おとうさんもたぶん寝ているぐらいの夜。
自分もちぇんも多分こんな遅くまで起きた事はないと思う。でもなぜか、今日はれいむもちぇんも寝るに寝られなかった。
「おねえちゃん…」
「なぁに、ちぇん、ゆっくりはなしてね」
「ちぇん、なんだかおねえちゃんといっしょにいるとなんだかうずうずむずむずするんだよ…」
「じつはれいむもなんだよ…」
「れいむおねえちゃん…」
「ちぇん…」
お互い見つめあう二人、少しずつ近づいて行き、触れ合う肌
「んほっ!?」
「に゛ゃっ!?」
その瞬間、二匹に電流が走った
「な、なに、いまのは!?」
「わ、わからないよー!!」
生物的に成熟し始め、早すぎるすっきりで朽ちてしまうゆっくりが現れ始めるこの時期、野生なら親に、飼いなら飼い主に性教育を受ける頃だ。
だが、親にも飼い主にも性教育を受けていない二匹には何が起こったのかわからない、ただ、未知の刺激を感じた二匹の心は新しいおもちゃを見つけたような興奮を感じていた。
「わ、わからないけど…もういちどやってみるよ…」
「わかったよー、ゆっくりやってね…」
二匹が本能的に交尾を開始するまでにそんな長い時間はかからなかった。

今日も私はいつものように6時に起きた。ちぇんちゃんとれいむちゃんを飼うようになってから、朝起きるのが少し早くなった。毎朝朝ごはんの前にれいむちゃん達と遊ぶのがとても楽しい。
居間に降りてみるとれいむちゃんの姿が見えなかった、ちぇんちゃんが古新聞を居間の隅に積み重ねているのを見つける。
「おはよう、ちぇんちゃん」
「ゆっ、おはようなんだね、わかるよー!!」
「それで…何してるの?」
「お、おねがいするよ!!それをどかさないでね!!」
「だめだよ、ゴミを散らかすとお母さんに怒られちゃうよ?」
「わからないよぉー!!」
遂に泣き叫んでしまうちぇんちゃん、でも散らかったのをこのままにしておけないし…私はちぇんちゃんにごめんね、と言ってから積み重なった新聞紙の上の方をどかした。
「ゆゆっ、おねえさん、おはよう!!でもゆっくりしんぶんさんをもどしてね!!!」
新聞紙の山の中にはれいむちゃんがいてこっちを向いて挨拶をしてきた、でも、その頭には植物の茎のようなものが生えていて、それには8個くらい、ちゃっちゃいゆっくりが付いていた。
「…」
「ゆっ」
「お…おかぁさーん!!大変!れいむちゃんが!!」

「ゆっくりの性欲について
ゆっくりはそのほのぼのした外見、生活からは想像しにくいですが性欲の旺盛な生物です。
ですが、若いゆっくりは交尾をすると疲労や子供に栄養を取られ死んでいしまうことがあるので対策をしっかり行いましょう。
生まれてから五か月~半年ぐらいでゆっくりは性欲を感じ始めるのでその前からゆっくりに性教育をしてあげてください。
内容はお互いが激しく体をこすり合わせることがすっきりであること、すっきりすると子供ができることがあること、若い時にすっきりしてしまうと死んでしまうことがあること、
この三つで十分です。ゆっくりは性に関することは割合速く覚えるため教育にあまり苦労はしないでしょう、成体のゆっくりと一緒に飼育しているならその個体に教育してもらうのも一つの手です。
また、性欲が解消されないとゆっくりは自慰行為に依存したり自傷行動を行ってしまうこともあるので、繁殖させる予定がない時は何らかの対策を立てる必要があります。
プロのブリーダーは定期的にゆっくりをすっきりさせてあげることがありますが、とても難しい方法なので去勢手術、避妊手術を行うことをお勧めします。」
民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋

娘の悲鳴で起こされたその日以来、なぜかれいむちゃんは新聞紙の山の中に隠れるようになり、ちぇんちゃんはれいむちゃんに新聞紙をかぶせ、その前に立つようになった。
今までこんなことはしなかったのにどうしたのかしら?
さすがにゴミを散らかされると困るし、たまには日光浴もしないとれいむちゃんにも、あかちゃんにも悪いわよね?
「ゆっくりやめてね!!おかあさん、はなして!!かたづけないでね!!」
「だめじゃない、れいむちゃん、古新聞を散らかしちゃ?」
「でもそれがないとゆっくりできないよぉ…」
でも、言った時は新聞紙から出てくるけどまたすぐに新聞紙を散らかして二匹は中にもぐりこんでしまう、何度言ってもその時はいうことを聞くのに、何時間かたったらまた何かをちらかしてその中にもぐりこんじゃう。
そして新聞紙かられいむちゃんを取り出すと大声で泣き始めちゃう。
ちぇんちゃんが泣きながらないてるれいむちゃんに紙くずをかぶせてたけど何を考えているのかしら?

れいむがにんっしんしてから何日かがたった。
ここ何日かずっと怒られてばっかりだ、もちろん悪いのはれいむたち、それは分かっているのに…頭に赤ちゃんができてからなぜか広いお家が怖くなってきた。
れいむはとにかく狭い所に入りたくて新聞紙という紙を散らかしちゃう。
お母さんやお父さんに怒られたから悪いことだということは分かっているのに…わかっているのに新聞紙の中に入りたくて、ちぇんにれいむを隠すようにお願いしちゃう。
ちぇんも悪いことだとわかっているのにれいむを隠すのを止められない。れいむたちは悪いゆっくりなのかな?
なんで悪いことを止められないんだろう?今も夜でれいむとちぇん以外が部屋に居ない事をいいことにちぇんに新聞紙をかぶせてもらっている。
悪いことなのに、怒られるのに、それがわかっていて泣いてるのに。気がついたら新聞紙に隠れようとしている。
新聞紙や、周りのいろんなものをちぇんが集めている時、隣の部屋からお父さんの声がした。

「まったく、だから躾けられないならゆっくりなんか飼うなと言っただろう!!」
隣の部屋からお父さんの声が聞こえた。
「そんなこと言ったって、最初に飼いたいって言ったのはあの娘なのよ!あなただって飼って良いって言ったじゃない!?」
「それはお前が自分も躾を手伝うからと言ったからじゃないか!!あいつら、昨日は俺の仕事の書類まで新聞紙に混ぜて潜ってたんだぞ!!」
ごめんなさい、お父さん。ごめんなさい、ちぇんもなんでそうしちゃうかわからないんだよ!!でも今口にくわえているのはお父さんのお仕事の紙?
あああ、悪いことなのに、悪いことなのに…この紙はここに置こうね、お姉ちゃん…わからないよ…
「まったく、だから軽い気持ちで生き物を飼うなと言ったのに…あいつらの子供が全部埋まれたらどうする気なんだ!?全部面倒を見る余裕は家には無いのは分かっているだろう!!」
「なによ!!自分はまったく関わろうとしない癖に悪いことがあったら全部私のせいにするの!?」
「そうは言っていないだろう!!」
ああ、なんでちぇんもれいむおねえちゃんもこんな怒られるようなことをしているんだろう、ゆっくりできないよ…
はじめてお父さんに挨拶したときは笑顔で「娘と遊んでやってくれ」って言ってくれたのに…いまのちぇんたちはおねえちゃんとまったく遊んでいないよ…。
いつからだろう、こんなにゆっくりできなくなったのは、れいむおねえちゃんを隠したくなったのは…
そうだ、わかる、わかるよ。こいつだ、れいむおねえちゃんにはえてるこいつらがでてきてからちぇんも、れいむおねえちゃんも、おねえちゃんも、おかあさんも、おとうさんもゆっくりできなくなったんだね。
わかる、わかるよ~、こいつらがいたから、ゆっくりできないんだね!!いまわかったよ!!

その時、れいむから生えてた茎、それについていた実の一つが震えて地面に落ちた。
「ゆっ、ゆっくりちていっちぇね!!」
とっても純粋な笑顔で、虐待お兄さんが思わずつぶしたくなるような、ゆっくりから見れば天使のようにゆっくりした笑顔で赤れいむがそう言った時、ちぇんの中で何かが弾けた。
「ゆっくりしんでね!!ちぇんはゆっくりしたいんだよ!!」

ああ、今までゆっくりできなかったけど、ついにれいむとちぇんの赤ちゃんが生まれた、とってもゆっくりした赤ちゃん、天使のような笑顔で
「ゆっ、ゆっくりちていっちぇね!!」
とれいむにゆっくり言ってくれた。
「ゆっくりしんでね!!ちぇんはゆっくりしたいんだよ!!」
何が起こったのかわからなかった、目の前にはちぇん、その足元には丸く広がる何か…もしかして、ちぇんが赤ちゃんを?
「どお゛じでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛ぉぉぉぉ!!!!」
「こいつらがいるからちぇんも、おねえちゃんも、みんなみんなゆっくりできないんだよ!!おねえちゃんはわかるよねー!!」
そうだ、れいむのあかちゃんが、あたまからでてきたとき、それかられいむはゆっくりせまいところにいきたくなってとまらなくなって、それでみんなにおこられるおうになって、ゆっくりできなくなったんだ。
じゃあこいつらがいなくなればれいむたちはゆっくりできる、このおうちにはじめてきたときみたいに、みんなでゆっくりするんだ!!
「ゆっくりおちろおぉー!!」
あたまをおもいっきりゆらしてあたまにはえたごみどもをかべにたたきつける、なんひきかは「ぶびゅ」とかいってつぶれた、ゆらしたことでうまれはじめたやつもいたけど、
そいつらはちぇんがかたずけてくれる。

「どうした、何があったんだ!!」
物音に気づいた父親と母親が隣の部屋から入ってきた。
彼らが見たのはまさに地獄絵図だった、あたり一面餡子で覆われ、れいむとちぇんが自分の子供を手当たり次第に叩き潰している。
「な、何をやっているの!?」
「ごみどもをつぶしてるんだよ!おかあさん、わかるよねー!!」
「よごしてごめんねおかあさん!!おとおさん!!あとでゆっくりあやまるからいまはだまってゆっくりみててね!!こいつらがいなくなればみんなゆっくりできるからね!!」
「れいむ!ちぇん!おまえたちは自分が何をやっているのかわかっているのか!?じぶんの子供を殺しているんだぞ!!」
父親が悲痛な叫びをあげた。
「なぁに、おとうさん、なにかあったの…?」
そして、娘が眠そうに目をこすりながら部屋に入ってくる。
「まっててね、おねえちゃん、こいつがさいごだよ!!」
「こいつをやればゆっくりできる!!わかる、わかるよー!!」
れいむとちぇんは最後の一匹の両頬を加え、思いっきり引っ張った。
「お、おかあちぁん、ゆっちゅり、ゆっちゅ、ゆぶべべっぇっっ!!!」
「「ゆっくりしねぇ!!」」
「ゆびゅ!!」
鈍い音を立てて最後の赤ちゃんが真っ二つになった。
「やった、やったよ、おねえちゃん、これでいっしょにゆっくりできるね」
「おとうさん、おかあさん、もうちぇんたちはおこられることはしないよ、ずっといっしょできるよ、わかるよ…」
れいむとちぇんが帰り餡子まみれのまま、光のない眼で娘に近づいてきた。
「い、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!」
深夜の人里に少女の甲高い悲鳴が木霊した。




「ゆっくりは本来、木の根元の空洞等に巣を作って生活する動物です、それは飼いゆっくりでも変わらず、ゆっくりだけの安全な空間を欲します。
巣への依存度はあまり高くはありませんが、それでも多少のストレスを感じることがあるので出来るだけ巣となる小屋などを用意してあげてください。
お金に余裕がなければ段ボールなどを使うのも一つの手です、とにかくゆっくり以外が入れない狭い空間を作ってください。
巣の掃除ですが、ゆっくりは基本的にはきれい好きなので特に必要ありません。ただ、異臭がするなどの異常がある場合は掃除をする必要があります。その時はゆっくりと一緒に掃除をしましょう。
成体のゆっくり、特ににんっしん中のゆっくりは非常に怖がりになるため巣に引きこもりがちになります。この時期のゆっくりは非常にストレスに敏感なので、
むやみに巣から出したりしないでたまに入口をのぞいてあげるぐらいにしてください。ご飯もこのときは入口の近くに置いてあげれば自分で食べてくれます。
ゆっくりが心の底から飼い主を信頼している場合はにんっしん中でも巣の中にいるより飼い主のそばにいることを望みますがそこまでなついてくれなかった時も無理やり可愛がろうとはせずに、
ゆっくりが自分から出てくるのを待ってください。この時期飼い主が巣を荒らしたり、子供が巣の外から丸見えなところに移動させたりすると強いストレスがかかり、最悪精神崩壊を起こして自分の子供を殺してしまうことすらあります」
民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋



「こんな野蛮な生き物、今すぐ引き取ってください!!」
まったく、いきなりこれかよ?朝早くドアノックの音で起こされた俺は家の前にすごい剣幕のあの女性がいるのを見たとき、なにかあるなと思いゆっくり達に隣の部屋で静かにするように言った。
「こんな自分の子供を殺すような生き物…!!おかげで娘は部屋に引きこもっちゃったのよ!!」
女性は両手に虐待用透明な箱(防音)を俺に押し付けてきた。中のれいむもちぇんも何かを叫んでいるが声は聞こえない、ただ、涙をながしながら女性に何かを訴えていた。
「ゆっくりして、ゆっくりしようよ!!」
「なんでちぇんをすてちゃうの?わからない、わからないよ!!」
おれにゆっくりを押しつけてすぐ帰ろうとする女性を捕まえてなんとか何が起こったのか聞き出す。
ふざけるな、妊娠中の動物はストレスに敏感なんだ、それを何度も引っ張り出した…?
俺の腕を振り切ろうとする女性に俺はどうしても聞きたかった事を聞いた。
「なんで飼育書を飼わなかったんです!?そうすりゃこいつらだって自分の子供を殺すようなことは…」
「あなたが本をくれなかったのが悪いのよ!!こんなに手のかかる生き物だと知っていたらゆっくり何て飼おうとは思わなかったのに!!」
俺はそれを聞いて唖然とした、俺は確かゆっくりを上げるとき、飼育書を飼ってくださいと言った。なのに俺があげないから悪いとは?
なんというか、俺より年上の人が、DQNというか、ゆとりというか、にんげんゆっくりというか…そしてそれを見抜けなかった自分が、何より情けなく思った。



俺は、こいつらをどうすればいいんだ?こいつらをここまで追い詰めてしまったのは、あんな飼い主に渡してしまった俺の責任だ。
こいつらはもうまともなゆっくりとしての生活は送れない、人間に媚びて諂い、そのためになら子供まで容赦なく殺してしまうようになってしまった。
でも、自分には何の罪もない、少なくとも、自分のせいで子供殺しという罪を犯してしまったこいつらを処分してしまうなんてできない。
家で飼うにも、今のこいつらは子ゆっくりをゆっくりできなくする存在として殺してしまう。最悪、兄弟や実の親であってもだ。



俺は、どうしたらいいんだ??









あとがき
ちゃんとした知識もなく、動物を飼った結果起こった悲劇…みたいなものを書いてみました。
何度もあきらめようとして、そしたらアイデアが浮かんで、途中でアイデアが浮かばなくなって…そしたらアイデアが…
というループを繰り返した結果、SSの視点が飼い主のお兄さん、れいむ、ちぇん、娘、母親、完全な第三者ところころ変わるという非常に読みにくいものになってしまいました。
なんとか文の書き方や中身で誰の視点か分かりやすくはしたつもりでしたが…ごめんなさい、わからないならそれは自分の力不足です。

この話、実話をモデルにしています。
四分の一は自分がハムスターを飼っていた時のこと。
四分の三は兄の持っていた動物関連の本に乗っていたある獣医の体験談です。
現実にも犬に葱食わせて殺しかけた、赤ちゃんを不用意に近づけてかみ殺された。
猫にマグロの刺身食わせて殺しかけた。
ハムスターを同じところに集めた結果共食いが起きたなどの「飼い主が少し知識を集める」ことで防げたはずの悲劇が起きてます。
皆さんも動物を飼うときは気を付けてくださいね


9月10日 2209 セイン









タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年09月14日 08:59
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。