ゆっくりいじめ系611 どこで何が狂い出したのか…

人里から離れた森の中、あるゆっくり一家がいました。
まりさとゆちゅりーの夫婦に、二匹ずつの子供達です。

「じゃ、いってくるね」
「むきゅ、きをつけてね」
「わかってるよ。ぱちゅこそこどもたちのめんどうをおねがいね」
「こっちはだいじょうぶだからはやくかえってきてね」
「おとうしゃんがんばってね~」
「ごひゃんまっちぇるからね~」
「いってらっしゃ~い」
「きをちゅけてね~」
「まかせてね!!」

何時ものように子供達はご飯を取りに行く親まりさを見送って、親ゆちゅりーは安全な巣の中へ子供達を入れて世話をします。
それがこのゆっくり達にとっての日常なのです。

いつものように適当に餌を集め帽子の中へ入れていく親まりさ。
大きいまりさの帽子ですが、この森には食べられるものが沢山ある為すぐに帽子の中は一杯になってしまいます。
一杯になったらご飯集めは終わりですが、すぐには帰りません。
必ず寄らなければならない場所があったのです。

まりさが来たのは巣の近くにある川でした。
川へ着いたまりさは帽子を外し、中に入っていたご馳走である百足を銜えて川へ投げ入れます。
投げ入れた後、まりさは静かに目を閉じて昔の事を思い出します。


昔、まだまりさがゆちゅりーよりも大好きだったれいむが生きていた頃です。
普段仲の良い三匹ですが、まりさはれいむに恋をしていました。
やんちゃな自分にいつも付き合ってくれたれいむ。
怪我をした自分を家族の元まで運んでくれたれいむ。
ゆちゅりーも一緒にいたけれど、それでもまりさはれいむが好きでした。
ですが、れいむは死んでしまいました。
3匹で水を飲みにこの川へ来たときに、れいむはうっかり川へ落ちてしまったのです。
帽子に乗ってまりさも必死に追いかけましたが、残念ながら追いつく事が出来ませんでした。
そして、れいむはまりさの元から永遠にいなくなってしまったのです。

まりさは落ち込みました。
なんでもっと早く漕げなかったのか。
なんで自分ではなくれいむが落ちたのか。

過ぎた事を悔やんでも意味はないと分かっていても、まりさは悔やむ事を止める事はできませんでした。
本当にまりさはれいむが好きだったのです。
何も食べず、飢えて死ぬことをまりさは選びましたが… それは許されません。

いつも一緒だったゆちゅりーが、弱い体に鞭打って食べ物を運んでくれたのです。
何度もまりさが拒んでも、ゆちゅりーは食べ物を運ぶのをやめませんでした。
例え食べなかったとしても、ゆちゅりーによって無理やり食べさせられました。
ゆちゅりーの手で生かされることで、あれ程死のうと思っていたまりさの思いは簡単に薄れてしまいました。
いなくなってしまったれいむよりも、今いるゆちゅりーを大切にする事を決めました。

二人はすぐに一緒に住むことを決め、子供も作りました。
でも、まりさはれいむの事を忘れたわけではありません。
今も食べ物を集め終えると、お供え物として手に入れた食べ物の中から一番のご馳走を川へ投げ込むのです。


今日もまりさはれいむの事を思い出します。
大好きだったれいむの声、笑顔、もう見る事も聴く事もできないれいむの姿を思い浮かべます。
でも、今日は違いました。

「まりさ… おきてまりさ…」

目を閉じていたまりさにれいむの声が聴こえてきたのです。
慌てて飛び起きようとしましたが、何かに押さえつけられているのか動くことも目を開けることもできません。

「れいむなの!? いきてたんだね!! まりさはれいむがいきててうれしいよ!!」

まりさは唯一動かせる口で、れいむが生きていた喜びを精一杯伝えます。

「まりさ、ごめんね… れいむはもうしんじゃったんだよ…」
「うそだよ!! まりさにはちゃんとれいむのこえがきこえるよ!!」
「うそじゃないよ… れいむはほんとうにしんじゃったんだよ…」
「うそだうそだうそだ!! うそをつくれいむはまりさはきらいだよ!!」
「いいよ、きらって。れいむはまりさにきらいになってほしくてきたんだから」
「え?」

突然のれいむの言葉にまりさは驚きました。『きらいになってほしくてきた』、れいむが何でそんなこと言ったのか分からなかったのです。

「あのね、れいむはもういないから… れいむをわすれてまりさはぱちゅとのこどもたちをたいせつにしてあげてね」
「やだよ!! まりさはれいむがすきなんだもん!!」
「でも、もうれいむはそばにいられないんだよ。だから、まりさはそばにいるぱちゅとこどもたちのそばにいなきゃだめだよ…」
「なんでぞんなごどいうの!! ぞんながなじいごといっだらやだよ!!」
「ごめんね… もうおわかれだからね…」

まりさには分かりました。れいむの声が徐々に離れていくことを。そして、この声が聴こえなくなったられいむにはもう会えないのだと…

「れいむうううううううううううううううううう!!!! いっじゃだめだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「じゃあね、まりさ… ぱちゅたちをたいせつにね…」
「だめだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

まりさが叫びます。れいむと一緒にいたいから… ですが、その思いは叶いません。
目を開けられるようになった時にはれいむの姿はどこにもなく、日が沈んで薄暗くなってきた森だけがまりさの目に映りました。
まりさは諦めて餌を持って巣へ帰りました。れいむの言葉を心の中で繰り返しながら…

巣へ帰ったまりさを、ゆちゅりーが出迎えます。いつもは日が沈む前に帰ってくるのに、帰りが遅いから不安だったのです。

「まりさ、おそかったけどだいじょうぶ?」
「だいじょうぶだよ… ごはんはちゃんとあるから、みんなでたべてね…」
「まりさはどうするの?」
「ちょっとかんがえたいことがあるからさきにやすむね…」

そう言ってまりさは巣の奥へ行ってしまいました。
ゆちゅりーは心配でしたが、子供達の世話があったのでまりさを放っておくことにしました。
まりさがまだれいむを忘れられていないことを知っていましたし、毎日まりさがれいむの亡くなった場所に行っていることも知っていたからです。
偶々れいむの事を思い出してナイーブになっているのだろうと、ゆちゅりーは判断しました。

「おかあしゃんごはん~」
「はやくちょうだ~い」
「むきゅ、いまあげるからね~」

とにかく今は子供達の世話をするのが肝心なのだから。




夜遅く、ゆちゅりーはまりさに圧し掛かられて起きました。

「だめよまりさ、こどもたちはまだちいさいからもうすこしおおきくなってからじゃなきゃ…」

こんな時間にする事といえば、子供を作ることしかないとゆちゅりーは思いました。
でも、まだ巣には小さな子供しかいませんし、これ以上増えては自分だけで世話をするのは厳しいと思いまりさを窘めます。
ですが、まりさはゆちゅりーに圧し掛かるのを止めません。
それどころか、徐々に力を込めていきます。

「むきゅ!! まりさいいかげんにしてね!! ぱちゅだっておこるよ!!」

止める気のないまりさにゆちゅりーは大きな声を出して注意します。
しかし、それでもまりさはやっぱり止めません。
まだまだ力を込め続けて、ゆちゅりーの薄い皮も段々裂けて中のクリームが漏れていきます。

「むぎゅううううううううううう!!!! やべでええええええええええええ!!!!」

皮が裂けてしまえばゆっくりは死んでしまう。ゆちゅりーはまりさに必死に懇願するが、まりさは止めようとしなかった。

「ねえ、ぱちゅりー… きょうまりさはれいむにあったんだよ?」
「む、むぎゅうううううううううう?」

これ以上皮を破かせないために必死に体を膨らませているゆちゅりーにまりさは話しかけた。

「れいむはね、ぱちゅとこどもたちといっしょにいてあげてっていったんだよ…」

まりさの言葉をゆちゅりーは理解することができなかった。何故なられいむはもう死んでいるから会えるわけがない。
そう、ゆちゅりーがれいむを川へ突き落としたのだから。
ゆちゅりーが大好きなまりさはれいむの事が好きだった。だから、ゆちゅりーは水を飲んでいるれいむを川へ突き落としたのだ。
後は弱ったまりさを世話すれば、思ったとおりにまりさと一緒になることができた。
今もまだれいむを想うのは不快だったが、同時に仕方ないとも思っていた。
だが、まさかこんな事になるなんて… 亡くなったれいむをまりさがこんなにも想っていただなんて…

「れ、れいむはしんだのよ!! まりさはゆめをみたのよ!!」
「ううん、あれはほんとうにれいむだったよ。だから、まりさはれいむといっしょにいたいから…」

まりさが視線を動かしたので、ゆちゅりーもそちらを向く。

そこには、4匹の子供達の、残骸があった…

「だからね、みんなころしたんだよ」

まりさが跳ねる姿はゆちゅりーの目には映らなかった。
ゆちゅりーの目に映るのは、潰れた4匹の子供達だった…

「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」





「れいむ、まっててね!!」

ゆちゅりーと子供達を潰したまりさは川を目指していた。

「すぐいくからね!! だからまっててね!!」

何度も転んでも、すぐに起き上がって飛び跳ねる

「れいむ、いまいくよ!!」

川へ辿り着いたまりさは躊躇わずに飛び込んだ。
水に揉まれながら川に流されていくまりさ。
次第に皮はふやけ、溶け出した餡子を啄ばむ為に魚が群がりだす。
だが、まりさは微笑んでいた。


これでやっとれいむに会えると…
















森の中、一人の人間と、それに抱えられる1匹のゆっくりがいた。
ゆっくりは悲しそうな顔をしているが、だけどどこか晴れ晴れともしている顔だった。

「なあ、これで良かったのか?」

人間がゆっくりに声を掛ける。

「おにいさん、これでいいんだよ… れいむはふたりともだいすきだから、まりさはもうれいむをわすれてぱちゅりーとしあわせにならなきゃだめなんだよ…」
「そっか…」

このれいむはまりさが大好きで、ゆちゅりーが川へ突き落としたれいむだった。
川へ突き落とされたれいむは、幸いにも魚に食べられる前に偶々釣りをしていたこの人間の手で釣られたのだ。
皮が釣り針で破れてしまったので、治療の為に森へ帰るのが遅くなってしまった。
だが、森へ帰ったれいむは見てしまった。つがいになった2匹と、いまだに自分を引きずっているまりさをだ。
今自分が2匹の前へ出て行ってしまったら、この二匹の関係はきっと崩れてしまう。
だから、人間に手伝ってもらってまりさと別れの挨拶をしてきた。
これでもう、まりさは自分を忘れてぱちゅりーと幸せに暮らすだろう… それは大変喜ばしい事なのだが、忘れ去られてしまうと思うと悲しかった。
でも、これで良かったのだ。
2匹にとって自分はもう死んだゆっくりで、お兄さんの言葉に甘えて自分はこのお兄さんと一緒に暮らさせてもらえばいい。
これで良かったのだ…

「家帰ったらさ、パーティーしようか?」

人間が口を開いた。

「お前はもう俺の家の一員なんだからさ、もうあの2匹は忘れてお前は新しく生きていけばいい」
「おにいさん、ありがとね…」

人間の言葉を嬉しく思い、堪えていた涙が零れだす。

「れいむね、いっしょうけんめいべんきょうして、おにいさんのためにりっぱなかいゆっくりになるよ!!」
「ああ、応援するからな」

今はまだ2匹を忘れることはできないけど、お兄さんの為に頑張ればいつか忘れることはできる。
忘れるという事は卑怯な事かもしれないけど、れいむは少しでも早くあの2匹の事を忘れたかった。
忘れることができれば、心の底から祝う事のできないこの醜い思いも忘れることができるのだから…










こんな駄文を最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。本当にお目汚し失礼!!

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最終更新:2011年07月28日 03:50
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