永琳×ゆっくり系5 恋の病

迷い竹林の中、えーりん実験室の地下にはすっきりルームというものがあった
そこにはゆっくりたちが集められていた

「甘い恋のお部屋」と可愛らしい文字で書かれた部屋の前に
八意永琳は立っている

ここはゆっくりたちの繁殖の成功率を高める施設
ゆっくりたちは地上の実験室で恋をするとここに連れて来られる

「ちかのへやにはふたりきりでゆっくりできるばしょがある」

ゆっくりたちの宿舎でそんな噂を少し流してやると
噂には尾が付き鰭が付き、ゆっくりカップルにとって地下の部屋に連れて行かれる事は幸せの絶頂となっていた

「は、はぁ・・・繁殖のですか?」
ゆっくり加工工場からわざわざ工場長が来たと思ったら繁殖の成功率をあげたいとの事らしい
「女の先生の前で恥ずかしいのですけども」
と、なんども断っては繁殖に向くゆっくりはいないか、アリス種では相手方が死んでしまって効率が悪いと好き勝手言う
「性行為を誘発させる薬などは無いか」「性行為を積極的に行うアリス種以外のゆっくりは」
いい年こいて、性行為性行為と連呼するおじさんに少し嫌気がさし、永琳は"分かりましたから"と言葉を遮る
「仰る事は分かります。ただ、もう少し繁殖場の管理を徹底されたらいかがでしょうか」
永琳が出してきた写真には、落ちて死んでいるチビゆっくりれいむや職員がチビゆっくりまりさを食べながら作業している姿が映されていた
「お互い。協力し合っていかなければ行きません。あなたの経営も私の研究も」
永琳はその細い指を工場長の指に絡めて握る
「こうやって」


「ちょっと、鈴仙、早くアルコールを持ってきて頂戴!!」
かれこれ五分ぐらい永琳は手を洗いながら、鈴仙を待っている
応接室なんかに消毒用のアルコールなんて置いていないから鈴仙はわざわざ研究所まで取りに行っている

昼間の事を思い出しため息をつくと、永琳は部屋に入っていく

「ゆっ?おねーさん、いらっしゃい」
「ゆっくりしていってね!!」
「ええ、ゆっくりさせてもらうわね。これ、お菓子よ。ゆっくり食べてね」
そう言って永琳はあんドーナツを芝生の上に置いた

すると、実験室に鈴仙が入ってくる
「ゆっ、うさぎのおねーさんだ」
「ゆっくりなにしにきたの?」
「わ、私もゆっくりさせてね!!」
「うん、いいよー」
「ゆっくりしていってね」

部屋は芝生が敷き詰められまるで天然の絨毯のよう
小さな小川が流れてはいるが、底は限りなく浅く水を飲むのにとても適している
天井は空を映し出し、どこからともなく風が吹く
つい先日までゆっくりたちの欲望を推し量る実験が行われ、実験の凍結と失敗の腹いせに毒ガスが散布された部屋とは思えない

永琳と鈴仙はゆっくりたちの巣としている小屋から遠い場所にあるベンチに座る
「鈴仙、私は化け物のお部屋の除湿機がちゃんと動いているか調べに行かせたはずだけど」
「ちゃ、ちゃんと動いてました」
「そう・・・でも、私の許可なく実験室に入るのは良くないわね」
「そうですね。ごめんなさい・・・」
鈴仙は頭を下げる。うさ耳が力なく揺れる
「まぁ、いいわ。私がたまたまいたわけだし。で、ここへは何しに?」
「え、えーっと、ほら、私の今担当させられてる所って」
「親子関係にわざと亀裂を入れて、って奴ね」
「あれを見てるのが辛くて・・・」
「ここも、別に良い所じゃないわよ」
そう言うと永琳は小屋を指差す

ゆっくりまりさとゆっくりれいむが身体を擦り合せている
「あー、始めちゃってますね」
「あの子たち、この部屋を子ども達でいっぱいにしたいそうよ」
「素敵じゃないですか」
「・・・あなた、元軍人なのにロマンチなのね」


「「すっきりー」」

どうやら性行為が終わったらしく
ゆっくりたちは嬉しそうに余韻に浸っていた
すると、ゆっくりれいむの頭から蔓が伸び始める

「え、師匠、あれ、早くないですか?!」
「さっきのお菓子と昼間の工場長の話、思い出してみなさい」
「でも、そういう気分にさせる薬は無いって」
「成長を促進させる薬品の応用、媚薬はないわよ。それにこんな薬渡してしまったら、今度は手を握るだけじゃ済まなくなるわ」
工場からの研究資金、薬や生きたままのゆっくりの売り上げ以外に永琳の実験を支えているのがそれだった
工場の再三に渡る要求をのらりくらりと避ける永琳
しかし、薬品に関する事は永琳を頼らざるを得ない。工場は仕方なく研究資金を出資し続けた
「そ、そうですね。やっぱりそういうのは好きな人とがいいですよね」
「あなた、元軍人の癖にロマンチなのね」

「おねーさーん」
「おねーさん、ゆっくりこっちに来てー」

ゆっくりたちが呼んでいる
二人は会話を切り上げゆっくりの元へ行く

「あら、子供が生まれるのね」
「おめでとう」

永琳と鈴仙が祝う
永琳は笑っていないが
そんな事、幸せの絶頂にある二匹には関係ない

「ゆっくりそだっていってね」
「そうだね。ゆっくりそだってね」

二匹は茎に向かって声をかける
ギュっと茎が伸びる

(師匠)
二匹に聞こえない声で鈴仙が問う
(あの栄養剤があればあと30分もすれば出産よ)
(ゆっくり育ってって願いは叶えられませんね)
(あら、叶わない願いはそれだけじゃないわよ)

永琳から貰ったお菓子をゆっくりたちは食べ続ける
「むーしゃ、むーしゃ、幸せー」
「むーしゃ、むーしゃ、幸せー」
その間にも茎は伸び、やがて実をつけた

「ほら、実がついたわ。もうすぐね」
永琳が言う通り茎にはもう実が四つもなっていた
二匹は歌を歌って大喜びする
実がどんどんとゆっくりれいむ、ゆっくりまりさの形に近づく
「さ、鈴仙。二人をゆっくりさせて上げましょう。生まれたら子ども見せてね」
「うん、ごめんね。ゆっくりさせてもらうね」
「おねーさんたち、またきてね」

永琳たちはベンチに戻る
「あの・・・叶わないって、どういう事ですか?」
「あの薬、まだ未完成なのよ」
「じゃあ、ここって薬の実験を」
「純粋にゆっくりの恋心なんて調べてると思った?」
「いえ・・・」
「7割近くが何らかの異常を起こすわ。奇形とか死産とか。母体は逆にアリス種と交わっても死なないぐらい強化できるんだけど」
「じゃあ、3割は助かるんですね」
「あなた、ホントに元軍人?・・・離れてから随分経つものね。まぁいいわ。見に行きましょう」


四匹の内、一匹が死亡、もう一匹は目が形成されなかったようだ。残りの二匹は見た目はまだまともだ

「赤ちゃん。見せてもらいに来たわよ」
永琳の声に気付くと、ゆっくりまりさが死んだチビゆっくりれいむと目の無いチビゆくりまりさを隠すような位置にわざと移動した
「あら、ニ匹?実は四つあったみたいだけど」
「ゆっくりよくみてよ。ふたりだよ」
「おねーさんのみまちがいだよ。ゆっくりおもいだしてね」
「そうね。二つだったかもしれないわね」
ゆっくりたちと永琳が会話している間にも一匹のゆっくりまりさがピョンピョン跳ねている
「あら、元気ね。こんにちは」
「・・・」
「こんにちは」
「・・・」
永琳の言葉を無視して跳ね回るゆっくりまりさ
ためしにバインダーを落としてみる
みんなが音のした方を向いたが、跳ね回るゆっくりまりさは全く気にしていなかった
「失礼。それにしても元気な子ね」
「う、うん!」
親ゆっくりたちも子の異変に気付いたが、永琳の変化には気が付かなかった

「・・・とりあえず、後ろの死骸は預かるわ。その目の無いのと耳が聞こえないのは自由にしていいから」
グイとゆっくりまりさを押しのける。それまで築いてきた信頼関係を一気に崩す
死骸を取り上げるとすぐにビンの中に押し込んでしまった
「鈴仙、これを分析室に・・・さて、出産おめでとう。二人とも」
鈴仙にビンを押し付けると、何が起こったのかいまいち理解できていないゆっくりたちの方を向きなおした
「工場としては見てくれに問題がなければ多少障害があっても、商品として許容してくれるそうよ」
"よかったわね"と耳の聞こえないゆっくりまりさを撫でる
触られたのが分かるのか、はじめて「ゆっくりしていってね!!」と答えた

「他の子はどうもしないわ。どうせ片付けられないでしょ?」
「ゆ・・・ゆっくりさせてあげてね」
「ええ、そのつもりよ」
"行きなさい"強い口調で言われ、鈴仙は部屋を追い出された

「じゃあ、私も行くわね。子育てがんばってね」
そうして永琳は大量のお菓子を残して去っていった。部屋のドアを開くとすれ違いにゆっくりアリスが入ってきたが
永琳は全く気にも留めなかった


「師匠、早く下巻くださいよ」
鈴仙が永琳に泣きつく
二人はゆかりが外の世界から持ち込んだ小説を読んでいる
最初に永琳が読み始めたのだが、鈴仙ががすぐに追いついてしまった
「もう、いいわ。まだ途中だけど貸してあげるわ」
「ホントですか、ありがとうございます」
「今の子はこういうのが面白いの?」
「リアルで泣けますよ」
「強姦や流産がリアルって相当壮絶な現実よ」
永琳が小屋の方を指差す
そこにはうず高く積まれたゆっくりの、それも生まれたばかりのゆっくりの死骸と
狂ったように喚くゆっくりれいむ、跳ねる事をせず延々と転がるゆっくりまりさ、顔がないゆっくりれいむ
それらが隻眼で口が歪んだゆっくりアリスによって強姦されていく
「すっきりー」と行為が終わるとすぐに子が生まれるが
その多くは最初から動かない。動いたとしても挙動がおかしい

「順番は違ったけど、強姦と流産よ。あとは不治の病があれば完璧ね」

ゆっくりアリスの入ってきたあの日
いや、もっと前から自分達の不幸は始まっていたのかもしれない
ゆっくりれいむとゆっくりまりさ、最初の二匹はゆっくりアリスたちから隠れるように身を重ねあった
すぐに子が生まれる。大喜びしたあの時とは違い、目を逸らし、別の場所へ逃げる
どちらかがゆっくりアリスに捕まっても、待っていた。必ず戻ってきて、慰めあうように身を重ねた

「恋が不治の病だと思います」
鈴仙は言う
「あら、素敵ね。でも、私は生まれの不幸が不治の病だと思うわ」

















~あとがき~
相変わらず虐待描写が少ないです
今度はこうもっとがっつり虐待!!ってのを書きたいです

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最終更新:2011年07月27日 23:34
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