ゆっくりいじめ系431 少年と戯れるゆっくり_2


 「ん、あの目潰しれいむはどうしたの?」

ショーに遅れて登場したのはタケだ。
手にはタケの顔より一回り大きい壺がある。

 「子供が食べちゃったんだよ」
 「すげー勢いで食ってたぞ。もっと早く戻ってくれば見られたのに」

同属食いというものは、少年達の好奇心を刺激するものだ。
そこら辺の虫、トンボやカエルでは見ることができない。

それを見逃したタケは、酷く残念そうな顔をした。

 「見たかったなあ・・・」

しかし、少年の好奇心が留まることはない。
タケの頭の中には次の興味が芽生えていた。

 「次は俺がやるからな!」

ゆっくりの数には限りがあるため、好き勝手に殺すことは許されない。
しかし、共食いを見られなかったタケを哀れに思った2人はタケの行動を許容した。

 「一度やって見たかったんだよねー」

タケはそう言って、農道に6匹の赤まりさを置いた。
さきほど親れいむからこっそり抜き取っておいた6匹だ。

 「ゆっ!?れいむの赤ちゃんがみんな生まれてるよ!?」

今頃になって親れいむは残った赤ゆっくりが無事誕生していたことに気が付いた。
それに気が付いた子ゆっくり7匹も、食い殺した赤れいむのことなど忘れて近寄ってくる。

 「ゆー!ゆっくち!おかあさん、おねーちゃん、ゆっくちしていってね!」
 「ゆっくちだよ!ゆっくちー!」
 「いつもおはなしをきかせてくれたおねーちゃん、ゆっくちありがとう!」
 「これからいっしょにゆっくちしようね!!」

もう目も開き、言葉も喋っていた。
第一声は聞けなかったものの、無事誕生したことに2匹の親ゆっくりと7匹の子ゆっくりは満足だった。

 「「「「「「「「「みんなでゆっくりしようね!!!」」」」」」」」」

嬉しくなった1匹の赤まりさが、親れいむに飛び跳ねようとした。
しかしそれは空中で掴まれて邪魔される。
タケの手だった。

 「ゆ!?なにするの!?ゆっくちやめてね!!おかーさんとすりすりするんだよ!!!」

掴まれた赤まりさは、そのまま6匹の赤まりさの元に戻された。
そして急に6匹の周りが暗くなる。

 「ゆっ?」

声を上げたときには、既に赤まりさ達を暗闇が包んでいた。
まだ暗くなるはずはない、生まれたばかりの赤まりさでもその異常性に気が付いた。

 「ゆ!くらいよ!!こわいよ!」
 「まっくらだよ!!なにも見えないよ!!!」

 「おにいさん!まりさたちのいもうとをはやくだしてあげてね!!」
 「いまならゆっくりゆるしてあげるよ!!」
 「れいむたちのいもうとがこわがってるよ!!はやくだしてね!!」

外にいた親ゆっくりと子ゆっくりには状況がすぐに理解できる。
6匹の赤まりさは、逆さにした壺の中に閉じ込められてしまったのだ。

その壺を椅子のようにしてタケが座っている。
騒ぐゆっくりの声など、タケには虫の鳴き声程度にしか感じていない。

 「そしてコイツの出番だ!」

道具袋から出てきたのは、マッチとカラフルな箱。
この箱は寺子屋近くの駄菓子屋で売っている爆竹の箱だ。

 「子供だけで花火やったらダメだよ」
 「タケちゃん、マッチ持ってるんだ。不良だなあー」

 「みんなには内緒な!コウちゃんとシンちゃんはゆっくりが壺に近寄らないように押さえてて」

壺に必死に体当たりをする親れいむと7匹の子ゆっくりを蹴飛ばしたり投げ飛ばしたりして遠ざける。
親まりさは相変わらず激しい達磨運動をしていた。

その間にタケは爆竹の導火線を全て絡ませ、一本の太い導火線にした。

 「何をするの!!?赤ちゃん達を早くゆっくりさせてあげてね!!!」

顔に泥をつけながら、親れいむが訴える。

 「そろそろ火をつけるから、邪魔が入らないように頼んだよ」

タケが2人に合図すると、マッチに火をつけた。

 「ゆっ!!!」

小さな棒に燃え上がる炎。
火を見て一気に危機感が増したのだろう、親れいむが物凄い勢いで壺に向かって突進を始めた。
子ゆっくりは火を見ておびえている。

 「あらよっと」

シンが飛び込んでくる親れいむを見事に蹴り飛ばした。
相当な衝撃だったようで、親れいむがうめき声を上げながらのた打ち回る。

そうこうしている間に、ついにマッチの火は導火線へと領土を広げた。

 「いくよっ!」

タケは壺を少しだけ持ち上げ、中に火のついた爆竹を放り込み、すぐに壺を閉じた。

 「ゆっ!おかあさ」

親れいむは一瞬だけ持ち上げられた壺の中に、困惑する12の瞳を見た。

 「あかちゃ・・・」

声を掛け終わらないうちに、壺の中からくぐもった炸裂音が響き始めた。
それと同時に、赤まりさの絹を裂くような悲鳴も。

 「ゆきぃぃぃっ!!!」
 「いちゃいいいいぃぃぃぃっ!!!!」
 「みえないよっ!!!くらいよっ!!!いたいよおおお!!!!」

しかしそんな悲鳴も3秒もしないうちに消えてなくなった。
残ったのは無情に響き続ける炸裂音。

箱一つ分の爆竹は案外多かったようで、30秒近くも鳴り響いた。

 「お、爆竹終了だな」

また壺の上に座っていたタケが、音のしなくなった壺から降りた。
壺の周りには親れいむと7匹の子ゆっくりも集まっている。
しかし、1匹として体当たりで壺を倒そうとはしなかった。
怖かったのだ。中を見ることが。

 「じゃあ、見てみよう!」
 「はやく開けてよ!」

興味津々、目に星を入れたコウとシンがタケをせかす。

 「ではごらんくださーい!」

タケは壺を真上に持ち上げた。
白く薄い煙が溢れ、地面に爆竹の残骸が見える。
しかし、赤まりさは1匹もいなかった。

 「あれ・・?」
 「いなくなってるよ?」

 「そんなばかな」

親れいむは、爆竹を放り込んだときに素早く逃げたのでは、との淡い期待を寄せた。
子ゆっくりも同じことを考えた。

 「おおおおおおっ!!!!」

タケがいきなりあげた声に、ゆっくりのみならず他の少年も驚いた。

 「どうした!?」
 「びっくりさせるなあ」

壺の中を見ているタケは、驚愕の表情を2人に向けた。

 「これ見てみ!爆竹すげええ!!」

タケは壺の中を2人に向けた。

 「おおおおっ!!!!」
 「爆竹強えええええっ!!!!」

壺の中は、バラバラになった皮、飛び散った餡子、吹き飛んだ帽子がこびりついていた。
ところどころ原型をとどめている部分があり、赤まりさが死んだことと、爆竹の威力がよく分かる。

 「爆竹って意外と威力あるもんなんだね!」

ゆっくりの頭上で壺を見せているため、親れいむ達には見えない。
自分のあずかり知らぬところで大切な赤ちゃんがどうなっているのか、親れいむは気が気でない。

 「壺の中をれいむにも見せてね!!ゆっくり見せてね!!!」

タケは壺を正常な置き方、クチを上にした状態で地面に置いた。
これではゆっくり達に見えない。

 「見せたら面白そうじゃん」

言うが早いか、シンが集まっていた子ゆっくりを掴み、壺の中へと放り込んだ。
最初に壺に入ったのは子れいむ。

なんだか甘い臭いのする壺だ、そんなノンキなことを子れいむは最初思った。
しかし、自分の足元にある皮を見た瞬間に血の気が引く。
それはさっきまで、自分を姉と慕ってくれた赤まりさの目が付いた皮だったのだ。

 「ゆっぎゅあああああああ!!!!!!まりざがぁああっ!!!げいぶのいぼおどがぁああああ!!!!」

壺の中から聞こえる姉妹の声に、警戒を強める子ゆっくり。

親れいむは赤まりさがどうなったのかそれで全てを理解した。
だとすれば自分にできることは。

 「こどもたち!!はやく逃げてねっ!!!捕まらないように逃げてね!!!!」

これ以上子供を死なせてはならない。
親れいむは少年達を食い止めようと必死で体当たりを再開する。

しかし多勢に無勢。1匹の親れいむと3人の少年ではどちらが勝つかなど明らかだ。

次々に摘み上げられ、子ゆっくり達は壺の中へと捨てられる。

 「ゆっ!まりさはたすけて!!こっちのれいむをつかまえてねっ!!」

壺の外に残った子ゆっくりは2匹。
自身への危害が及ぶことを恐れた子まりさは子れいむに体当たりをし、少年たちのほうへと突き出した。

 「どぼじでえええ!!!??まりざああああ!!!」
 「どうじでうらぎるのおおおお!?!?」

 「ゆっ!うるさいよ!かわいいまりさはにげるよ!」

子れいむと親れいむの嘆きをあざ笑うかのように、子まりさはゆっくりらしからぬ速度で乾いた田んぼを跳ねていく。

 「あれ、誰が当てられるか勝負しよう」

最後の子れいむを壺に捨てたコウが、田んぼに転がる拳ほどの大きさの、乾いた土の塊を手にとって言う。
子まりさとの距離は10メートルほど。

シンとタケも同じように土の塊を手に取った。


 「ゆゆっ!ゆっくりできない かぞくとは さよならだよ!まりさはゆっくりするよ!ゆっくりしんでね!」

この子まりさは一度、一人で外を出歩いていたときに人間を見たことがあった。
そのとき捕まっていたゆっくり霊夢の家族は、草むらに隠れた子まりさの前で目を背けたくなるような虐待を受けたあと1匹残らず殺された。
それを救出しようと10匹近くの成体ゆっくりが人間に襲い掛かったが、まるで歯が立たなかった。
たった1人の人間に、その群れは壊滅状態に追いやられてしまったのだ。

子まりさはあの3人の少年達が巣穴に来たとき、一番警戒していた。
しかし少年達はあの虐待をしていたお兄さんより小さかったし、なにより美味しいお菓子があると聞いては黙っていられなかった。

だがその判断は誤りだった。
やはり人間は危険だ。
それは年齢に関わるものではない。

子まりさはこの経験を深く餡子に刻んだ。

もうあの家族は助からない、ならば全てを捨ててでも逃げることが一番だ。

この田んぼを抜けたところにある川の先には、ゆっくりアリスの群れがいる。
そこまで逃げれば、きっと受け入れてくれる。
親友のゆっくりアリスもそこにいるから、きっとゆっくりできるはず。

そんな幸せ回路が蠢く子まりさの上空を、大きな塊が飛んでいた。

 「ゆっ!?」

目の前に落下した土の塊は、子まりさの体ほどもある。

 「くっそ!はずした!」

子まりさが振り返ると、そこには残念そうな顔をするコウがいた。
続けて少年2人が子まりさ目掛けて土の塊を投げつける。

 「ゆ!やめて!まりさをいじめないでちかくにいるやつをいじめてね!!」

足場の悪い乾いた田んぼを必死で逃げる子まりさ、その横で飛んできた土の塊が砕ける。
それはまるで戦場のようだ。

少年大砲の照準をずらすため左右に跳ねながら逃げる子まりさに、少年達は苦戦する。

 「ちょこまか動いてて当たんねー!!」
 「ぜってー当ててやる!!」

少年達は逃げる子まりさに向かって走り始めた。
あまり遠くに逃げられると、投げた土の塊が届かなくなるからだ。

次々と飛んでくる土の塊、そして近づいてくる少年達に、子まりさは餡子が冷えるような思いだ。
これが当たったら間違いなく皮は破れるだろう。

 「ひゅっ!!!ひゅっ!!!ひゅっ!!!ふひゅううううぅっぅう!!!こわいよおぉぉおっ!!」

あと少しで田んぼから抜け出せる。
そこまで逃げれば他に遊ぶゆっくりがいるのだから、自分のことなど追いかけてこないはずだ。
子まりさはそれだけを頼りに、皮が破れそうなくらい力強く大地を蹴る。

 「ゆっ!あとすこしだよっ!!」

あと数跳ねといったところで、子まりさの右半身を強い衝撃が駆け抜けた。

 「ゆぐうぃぃいっ!!!」

子まりさの目は近づいてくる地面だけを捉えていた。

倒れている。
あと少しで逃げられるのに。

 「おっしゃ!右側に当たったぞ!!」

シンが飛び跳ねて喜んでいる。
動けなくなった左半分の子まりさに少年達が近づく。

 「お、まだ生きてる」
 「そりゃそうだよ。トンボだって頭吹き飛ばしても少しは生きてるじゃん」
 「なるへそ」

少年達は、まるで野グソをつつくかのように飛び出した子まりさの餡子を枝でつついた。
つつかれるたびに子まりさには激痛が伝わり、声にならない悲鳴をあげる。

右半分がなくなった饅頭は、息も絶え絶えでいつ死んでもおかしくないようだったが、それでもまだ生きる望みを捨ててはいなかった。

 「おぉっおお、おにいざんぁ・・・!!あ、ありざがわいいよぉ・?だ・・だっだ・・だだがらだずげでぐだざい・・・」

まりさ種は生への執着が尋常でない、と近所のお兄さんに教えてもらったことがあった。
この状況を見て、3人の少年はそのことを思い出す。

餡子をこぼさないよう気をつけて、コウは子まりさを持ち上げた。

 「ん?コウちゃん、どうするのそれ?さっさと潰しちゃえば?」
 「何にするの?」

 「びっぶぉ・・!だ、だずげでぐれでありがどう・・・!」

何を勘違いしたのか、お礼を言い始めた左半分まりさを壺の置かれた場所に運ぶ。
コウは壺を覗いた。

 「ゆっぎゅうう!!せまいよっ!!!つぶれちゃうよ!!!」

大きな壺でも6匹も子ゆっくりが入っていては窮屈だ。
最初のほうに入れられた子ゆっくりは、後から入れられた子ゆっくりに踏みつけられる形になっており、ドラ焼きのような形になっていた。

その中の一番上にいた子れいむをコウは取り出した。

 「おまえ、さっきコイツに体当たりされたヤツか?」

コイツ、といって指を刺した先には左半分しかない子まりさがいる。
普通だったら姉妹の無残な姿に泣き叫ぶところだが、自分を裏切った上に罵倒までしたヤツだったため怒りしか湧かない。

 「そうだよ!こいつがれいむをうらぎったんだよ!!ぷんぷん!!」

コウの手の上で、頭から湯気がのぼりそうなほど怒る子れいむ。

 「ぞ・・・ぞんばごどいばないで・・・かぞくだのに・・・」

その家族を犠牲にして逃げたのはどこの誰だったのか。
コウは憤慨する子れいむを、子まりさの隣にそっと置いた。

 「うらぎりものは かぞくじゃないよ!!ゆっくりしね!!」

 「やめてね!れいむもまりさもれいむの子供だよ!!家族だよっ!」

親れいむが言い終える前に、子まりさは子れいむに踏み潰された。
子れいむの下で餡子を飛び散らせた子まりさがかすかに痙攣していた。
だが痙攣も、だんだんとゆっくりしていき、動かなくなる。

 「ゆやあぁあああああ!!!!れいぶのごどもがあああああああっ!!!!」

親れいむが駆け寄るが、そこには甘い香りが漂うだけ。

 「ゆっ!うらぎりものはしんだよ!これでゆっくりできるね!!」

もう死んでいる子まりさを何度も踏みつける子れいむは、とてもすっきりした顔をしていた。
子れいむが跳ねるたびに子まりさの餡子が飛び散る。

 「どぼじでまりざをおおおおお!!!!!」

すっかり存在を忘れられていた親まりさも、なんとか方向修正を終えたようで、子れいむの方を向いていた。
だがシンに、正反対の方向を向けられてしまう。

 「同属殺しはお仕置きだ!」

タケが子れいむを掴み、柔らかい土の上に移動する。

 「や!やめてね!!!はなしてね!!!」

子れいむは、お仕置きという言葉に顔を恐怖で染めた。
親ゆっくりも同様だ。
また子供が殺されてしまうことを恐れている。

タケは足で土をえぐり、子ゆっくり2匹分の深さの穴を作った。

 「ゆっくりの冬眠だ!」

その穴に子ゆっくりを押し込み、素早く土を被せる。

 「ゆびっ!やべで!」
 「やめてね!!れいむたちは冬眠はしないよ!!!」
 「まりさたちは冬はゆっくりすごすんだよ!!クマさんみたいにはねむらないよ!!!」

親の願いも虚しく、子れいむは生き埋めにされた。
埋まった部分からは、かすかにゆーゆーという声が聞こえる。

 「ゆっ!!!まっててね!!!ゆっくり助けるよ!!!」

親れいむが土を掘ろうと近づくが、タケに捕まり、親まりさのように底部縄縛りをされてしまった。

 「黙ってみててね」

子れいむの埋まった場所のすぐ横に親れいむを置く。


土に入れられてから1分。

5分。

10分。

土の中から聞こえる子れいむの声は、ゆっくりと小さくなっていった。

 「れいむのごどもをだじであげでえええええ!!!!」

親れいむの大声とは対照的に、もう土の中から子れいむの声は聞こえなくなった。

 「死んだか?ちょっと出してみよう」

コウが土を掘り返すと、汚いリボンをつけた子れいむが出てきた。
枝でつつくが、反応はない。

 「死んだか」

シンがそういった次の瞬間だった。

 「ゆ!ゆげっ!!ゆげ!!!ゆっ、ゆっくりするよ!!!」

口から土を吐き出し、子れいむが蘇生した。

 「よかったよ!れいむのこどもは元気だよ!!!」

穴から急いで逃げようとする子れいむをタケがつまみ、また穴に戻して土をかけ始める。

 「ゆぎっ!もうやだ!!くらいのやだよっ!!!」
 「やめてね!!!もう許してあげてね!!」

 「すげーな。まだ生きてたよ。どんくらい埋めたら死ぬのかやってみよう」

再び暗い土の中に幽閉された子れいむの声が、地表に届く。

 「ゆー!ゆー!」

しかし、今度は誰もその声を聞いていなかった。
生き埋めに飽きたシンが、次の子れいむと子まりさを手に取っていたのだ。

 「ゆっ、ゆっくりしようねっ?おにいさん、ゆっくりしてね!」
 「ま、まりさはかわいいよ!いっしょにゆっくりしようね!」

人間の力に勝つ術はないと判断したのか、必死で媚を売り始めた2匹。
親ゆっくりよりも状況判断はできるようだ。

 「シンちゃん、何する気?」
 「まあ見てろって」

シンの左手に子れいむ、右手に子まりさが乗っている。

 「おい、おまえこのれいむのこと好きか?」

右手の子まりさにシンが尋ねた。

 「ゆっ!れいむはかぞくだよ!だいすきだよ!」

その答えを確認し、今度は左手の子れいむに同じ質問をする。

 「おまえ、こっちのまりさは好きか?」
 「ゆゆっ!まりさはかぞくだから すきだよ!!ゆっくりしたかぞくだよ!!」

にやりと顔を歪ませたシンはそのまま両手を近づけ、子れいむの頬と子まりさの頬を押し付けた。

 「ゆぎっ!」
 「ゆぎゅっ!つぶれちゃうよ!!」

 「そんなに仲良しなら、もっと仲良くなれや」

タワシを擦るように、子ゆっくり同士の頬をすり始めるシン。

 「ゆべべべべべっ!!!」
 「いたい!ほっぺがきれちゃう!!!」

まだ頬が乾いているせいか、2匹は激痛に襲われた。
親愛の証の頬擦りが、今はただの苦痛となっている。

しかし30秒もすると、2匹の頬には粘着性のある体液が溢れ、それが潤滑油となり痛みはなくなった。

 「ゆふっ!もういたくないよ!」
 「ゆほぅっ!それになんだかすごくゆっくりできるよ!」

子ゆっくりはこれが交尾なのだと気が付いていないようだ。

 「だめだよ!!すっきりしたらゆっくりできなくなるよっ!!!」

子ゆっくりはまだ成体ではない。
このまますっきりすると黒く朽ちて死んでしまうことを親れいむは知っていた。

 「ゆっふぅ~ん?ゆっゆっゆっ。れーむはゆっくりしてるよぉ~?」
 「ゆひぃゆひっ!すごくゆっくりだよぉ!」

焦点の定まらない目で親れいむに答える子ゆっくり。
それを見て、シンはこするスピードを上げる。

 「ゆっ!なんだか!すごく!ゆっくり!?」
 「ゆゆっ!!すっきり!?すっきりしそうだよ!!!」

 「ばめだよおおおおぉぉぉっ!!!!ずっぎりじぢゃだめえええぇぇぇ!!!!」

シンがここぞとばかりにすり合わせる速度を上げると、2匹はビクンと大きく震えた。
その様子を見てシンは手の動きを止めた。

 「す、すっきりー!!!」
 「すっきりー!!!」

2匹は生まれて始めてのすっきりにいたく感動しているようだ。

 「ゆ゙ぐぅうううっ・・・!ぞ、ぞんな゙ぁあああああぁぁぁああ・・・」

 「ゆぐっ!?」
 「ゆぎっ!?」

親れいむの嘆きに答えるかのように始まる変化。
子れいむ、子まりさともに黒ずみ、頭から小さな茎が生え始めた。

 「あれ?なんか2匹とも生えて来たんだけど」
 「本当だ。なんでだろ?」

成体ゆっくりを何度も交尾させて遊んだ少年達だが、これは始めてみる現象であった。
いつもはどちらか片方が茎を生やしていた。
両方とも生えることなど見たこともなかったし、聞いたこともなかった。

 「あとでお兄さんに聞いてみようぜ」
 「そうだね、あのお兄さんは何でも知ってるもんね」
 「お土産に何匹か持っていってあげようよ」

ゆっくりに関しては近所のお兄さんに聞くのが一番だ。

茎を生やした子ゆっくりは、2匹とも実をつけることなく朽ち果てていた。

 「あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙あ゙っ!!!こどもがああああああっ!!!!」

黒ずみ壊れた饅頭に頬を摺り寄せようと懸命に体を起こすが、底部が使い物にならないゆっくりが動けるわけもなかった。

 「あと何匹残ってる?」

言いながら、タケは壺の中を数える。
狭い壺の中で子れいむ3匹、子まりさ2匹が静かに震えていた。

 「も゙、もうやべでぐだざいい!!!ゆるじでぐだざいいい!!!」

存在感が空気レベルまで低下していた親まりさが必死に謝罪を繰り返す。
一体何に謝罪をしているのか、少年達はもとより親まりさ自身も分からなかった。

 「ゆっくりの帽子って何でできてるんだろ」

タケは2匹いた子まりさの内、小さいほうの帽子を取った。

 「ゆっ!やめて!まりさのきれいなぼうしかえして!!!」

帽子を見てみるが、別段変わったところはない。
ゆっくりサイズだけあって小さいが、普通の帽子と同じに見える。

では、れいむのリボンはどうだろう。
タケは子れいむを手に取った。

 「ゆゆゆゆっくりしようねおにいひゃんっ!」

くるりと後頭部を向ける。
リボンはきっちりと結ばれており、ほどくのは骨が折れそうだ。

 「めんどいからしゃーない」

ひらひらしている部分を右手で掴み、子れいむの頬を左手で握る。
そしてそのまま勢いよく右手を引いた。

 「ぴきいぃぃぃっっっ!!!!!」

リボンごと、髪の毛どころか頭皮まではがれた。
剥がれた頭頂部から中身の餡子がよく見える。

 「がっぱっ!!ゆぎはぁああっ!!」

餡子が漏れないせいか、苦悶の表情を浮かべるものの、死ぬ気配はなかった。

 「じゃあ餡子でも食うか」

 「やべでええ!!!れいむだぢはだべものじゃないよおおおっ!!!」

指スプーンで子れいむの餡子をかき回し、子ゆっくり特有のねっとりとした上質の餡子を取り出す。
ほんのりと甘く、しつこくない後味。
年増のゆっくりのようにパサつくでもなく、ゆっくりしすぎたゆっくりのように歯が解けるほど甘くない。

 「おいひー!」
 「やっぱ子ゆっくりはおいしーね」
 「うんめー」

ソフトボールほどの大きさの子れいむにはたっぷり餡子が入っていたが、育ち盛りの少年3人を前にみるみる減っていった。

餡子の残りが1/5ほどになった所で、コウがストップをかける。

 「これ以上食うと、遊ぶ前に死ぬぞ」

 「もう殺していいんじゃね?」
 「まだこれ使う?」

使うとも、そういうとコウは比較的柔らかい土を手に取った。

 「これ、頭に入れたら面白そうじゃん!」

餡子が残ってれば大抵死なない、といわれるゆっくりだ。
元の餡子が入っていれば、他に不純物が入っていても死なないのではないか。
コウはそう思ったのだ。

 「おー、いいねそれ!」
 「僕が抑えておくから、入れてみ」

シンがぷるぷる痙攣する子れいむを押さえる。
コウとタケが、食べた餡子を埋めるように、茶色い土を詰め込んでいく。

 「きいぃぃきっきぃぃ!!!ゆぎぎぎいいいいいいいああああ!!!!!!」

ヨダレが溢れ、地面を黒く染める。
親れいむと親まりさが騒いでいるが、虫の鳴き声となんら変わりない。
少年達は気にせず土を詰め続けた。


 「ゆぎゅううあああ!?!?!?いだいいいおおおおお!!!いだいいいいぃぃい!!!!」

土が詰め終わり、開いた頭頂部にさきほど引きちぎった頭部を貼り付ける。
応急処置だ。

内部に入った土が相当に痛いようで、いつまで経っても悲鳴がおさまらない。
親れいむの側に放置してあげても、逃げるどころか親れいむの言葉にすら応じない。

子れいむの頭は内部の土の痛みのことしか考えることができなかった。

 「ま!まりさのぼうし!かえしてっ!!」

姉妹を踏み台にしたのだろう、いつの間にか帽子のない子まりさが壺から出ていた。
せっかく作った土れいむを殺されてはたまらない、コウは子まりさをつまみあげる。

 「まりさのぼうし!!まりさのぼうし!!ぼうしかえしてっ!!」

両頬を中指と親指で挟まれている子まりさは、いくら声を荒げようとまったく動くことができなかった。
頬に力を入れてもまるでコウの指は動じない。
底部は宙を浮いているので跳ね上がることもできない。

 「タケちゃん、とりもちか何か持ってない?」

得意げにタケは笑うと、道具袋から小さな壺をとりだし、コウに差し出した。

 「じーちゃんに教えてもらった特製とりもち。指にくっつくとお風呂でよく洗わないと取れないからね」

コウは壺の蓋をとり、そこに30センチメートルほどの枝を突っ込んだ。
枝の先端、8センチメートルほどにとりもちがコーティングされる。

 「そしてこれをこうだ」

そのままとりもちがついた方を、子まりさのおでこの上あたりに突き刺した。

 「ゆぎっ!いだいっ!!!」

そして今度は子まりさの帽子にとりもちをたっぷりと塗る。
そのときは、専用のハケを渡されたのでそれをコウは使った。

 「やめて!まりさのぼうしにへんなのをぬらないでね!!!」

とりもちを塗り終わった帽子を、ささった枝の先端に引っ掛ける。
ニンジンが吊るされた馬のような状態だ。

 「ゆ!まりさのぼうし!」

目の前に帽子がある、それだけで子まりさは痛みも忘れてしまったようだ。
決して届くことのない帽子目掛けて前へ前へと跳ねる。

 「どぼじで!?どぼじでどどがないのおおおおおおお!!?」

そのまま子まりさは森の奥へと消えていった。
きっと死ぬまで帽子を追いかけ続けるだろう。


 「そろそろ帰るかー」

そういったのはシンだ。
残る2人も、そろそろ家に帰ろうと思っていたのか、賛成した。

 「ほい、おつかれ」

シンは親まりさ、コウは親れいむの縄を開放した。
底部に縄の跡が生々しく残っているが、跳ねることには何の問題もないようで、すぐに壺に跳ね寄った。

 「はやくれいむのこどもに会わせてね!!!」
 「まりさのこどもを早く出してあげてね!!!」

少年達は親ゆっくりには興味を失っていた。
死んでも構わない、という気持ちのこもった蹴りが親ゆっくりを襲う。

 「ゆべっ!!」
 「ゆぎゆあっ!!!」

蹴飛ばされた2匹が田んぼへと落ちる。

3人の少年達は壺を覗き込みながら相談をしていた。
壺に残っているのは子れいむ2匹、子まりさ1匹だ。

 「コウちゃん、どれ持ってく?」
 「僕は土入りが欲しいんだけど」
 「それはコウちゃんが作ったんだから、これとは別にコウちゃんに上げるよ」

ありがとう、と一言。コウはまだ苦しみの声を上げる土れいむを手に取った。

 「じゃあ早いもん勝ちね!僕はこの大きいまりさ貰うよ」

タケが取ったのは、最後の1匹となった子まりさ。
この子まりさは長女だった。
隣にいる2匹の子れいむより、若干大きい。

 「あっ、それ狙ってたのに・・。残りはどっちもれいむか。じゃあどっちでもいいや。はい、コウちゃん」

残った子れいむ2匹のうち、1匹をシンが抱え、1匹をコウが受取る。

 「2匹ともれいむかぁ」

少し残念そうに、コウは左手に握った土れいむと右手に握った子れいむを見た。

 「あげないよ!!その子達はれいむとまりさの子供だよ!!!」
 「はやく離してね!!!ゆっくりできないお兄さんはゆっくり死ね!!!」

懸命に足に体当たりを繰り返すが、そんなもの人間にはマッサージにしかならない。
興味の湧かない親ゆっくりをまた蹴飛ばし、3人の少年は帰路についた。


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最終更新:2011年07月28日 00:20
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