ゆっくりいじめ系235 ゆっくりまりさと泣いた赤鬼前編

※ゆっくり達が食べ物を食べる必要がなくてゆっくり光合成するだけで栄養を得られる、ゆっくり間に捕食種は存在しないみんな仲良し、
 ゆっくりれみりゃがこわがり、ゆっくりアリスが強姦魔ではないなどのあまり使われない設定が多いですので注意してください。

※また、俺設定がありますので注意してください。















「おめぇ!!めっちゃおめぇ!!」

必死なのに悲壮感を感じさせない悲鳴を上げているのはゆっくりれいむだった。
れいむは木の下に釣り針で逆さにつるされて引っ掛けられていた。その周りには子供達が数人と、
子供達に向かって体当たりを繰り返すゆっくりまりさがいた。

ここは人間の里のすぐそばにある森の中、あまり木々が密集していないので、日の光が存分にあたり、空気が澄んでいる。
ここは里に近いためか、妖怪がほとんど出没しない。けれども、妖怪に代わりゆっくりと呼ばれる生き物が出没していた。
ゆっくり達はゆっくりとしていけば生きていける。何をすることもない動く饅頭。そんなゆっくり達は人間にあまり近づかない。
人間を怖がっていた。それなのに人間の、特に子供達はそんなゆっくりたちを、例えるならば蛙や虫のように面白半分に弄んで殺す。
「ゆっくりしていってね」という不似合いで間抜けな反応と豊かな表情が、
虐めたときゾクゾクと子供達の加虐心を満たしていたためであった。

「ゆっくりやめてね!れいむをはなしてね!!」

まりさは必死に仲間を助けようと子供達に体当たりを繰り返す。
けれども饅頭ごときの強度では人間の子供にすら満足なダメージを与えることはできなかった。

「言われたとおりゆっくりするよ。俺達が満足するまでね。」

「ねぇねぇ、石を投げて的にしようよ~。あ、爆竹を口の中に突っ込むのもおもしろそうだよ。」

「さんせ~、どっちにしようか」

子供達はそんなまりさを存在しないかのように扱い木に吊るされているれいむをどうやっていたぶるか考えていた。
子供の残酷性は、被害者の都合など考えはしない。

「れいむはまりさのおともだちだよ!すっごくいいこなんだよ!!」

まりさは何度も何度も子供達に向かっていく。まりさはこの晴れた日ほんの少し前まで友達のれいむと一緒にピクニックをしていた。
小鳥のぴぃぴぃと鳴く声、ひらひらと花に向かってまう蝶々、ぽかぽかと暖かい空気、お日様に当たってきらきら輝く木々の緑。
友達のれいむと一緒にゆっくりするのはとっても楽しかった。ゆっくり過ぎていく時間。
それもすでに過去の事、今は目の前で友達のれいむが苛められていた。
まりさは助けたかった。なんとしてでも助けたかった。けれども、まりさの体当たりはまったく効果がなかった。
それどころか、攻撃の矛先はまりさに向くことになった。

「ゆっくりゆっくりうるさいなぁ、お前から先に苛めてやろうか。」

「じゃあさ、ちょっと俺にやらせてよ。さっきからこいつ何回もぶつかってきてうざったいんだ。
俺あまりゆっくりをシンプルにいたぶった事ないからさ。」

「さんせ~、もう一匹の子は動けないから、お友達が苛められるのをゆっくり見せるんだね。」

子供達はそんなまりさの気持ちがわからなかった。子供の中の一人が地面に転がっている木の棒を拾うと、まりさに向かって打ちつけた。
ぱしり、ぱしり、べしっ、べしっ。そこにはまったく同情や、手加減など存在しなかった。

「いだい!い゛たいよ!どうじでごんなごどずるのぉぉぉぉぉ!!」

「まりざっ!まりざぁっっっ!!はやぐゆっぐりやめでよぉぉぉぉ!!」





「ん~、いい声で鳴くなあこいつら。少しワンパターンだけど、やっぱりいい声するや。発音の変化がいいね。濁音がついて。」

「次僕ね。そうだ。動けなくなったらとどめはスイカ割りみたいにしようよ。それで餡子はみんなで分けよう。」

「さんせ~、苛めた後のゆっくりっておいしいんだよね。」




「ゆっ、ゆぐ・・・・・れいむぅ・・・・・・にげてぇ・・・・・・・」

「まりざぁ・・・・もういいよ・・・・・まりざだげでもにげでよぉぉぉぉ・・・・・・・」


まりさは打ち付けられながらもれいむの事を考えていた。いつも一緒だったれいむ。赤ちゃんのころから一緒に遊んだ。
おうたも、おどりも、いつもれいむと一緒にやっていた。れいむは意外と負けず嫌いだった。何回か喧嘩したこともある。
まりさから謝ったときも、れいむから謝ったときも、一緒に謝ったときもある。

まりさが冬に寒くて死にそうだったときに、れいむは巣に入ってきて寄り添って暖めてくれた。れいむのほっぺたは温かかった。
まりさはうれしくて泣いてしまった。背中を向けて涙を見せないようにした。でも、きっとれいむはわかっていた。

犬に食べられそうだったときに友達のゆっくりを呼んで助けてくれたこともあった。あのときの気持ちは言葉にできなかった。


まりさはもうほとんど動けない。このままだったら死んでしまうだろう。だけど、自分が死んだられいむはどうなっちゃうんだろう。
せめてれいむだけでもゆっくりして欲しかった。


だれでもいい。

だれか、

だれかたすけて。

















「何やってんだぁ、糞餓鬼ども」

そのとき、何者かが日の光をさえぎり地面に大きな影が映った。まるで、目の前にいきなり山ができたような気がした。
まりさがそちらに眼を向けると、本当に山のような大男が鬼のような形相をして仁王立ちしていた。
その肩には藁がたくさんかかっている。

「弱いものいじめはするなって親に習わなかったべか。え゛ぇっ!!何も悪いことをしていないのに、
そんなことをするのかお前らは・・・・。お前らみたいな悪い子は同じ目にあわせてやろうがぁ!!」

男は子供達に詰め寄ると、一人ひとりにお仕置きをした。いや、それはお仕置きなどという生易しいものではなかった。
大男は控えめに見ても2mは超えていた。そんな男が子供達に向かって、何のためらいもなく拳を振りかぶっていた。



「痛いなぁ!何すんだよ!これって虐待だぞ!!いでぇ!何度もたたくなって!っぐぇ!
えぐっ!ごばっ!ごめんなさい!ごべんなざい!だだがないで!も゛うやめでぇ!!へげっ!」

「うぎぎいぃい、離せ、離せよぉっ!!・・・・・・・・・・ちょっ高いって・・・やめて、
離さないで、はなさないでぇ・・・・・・・・・・・・はな・・・ぐぇっ!!」

「虐待はんた~、あべしっ!!」


子供たちが脱兎の如く逃げて行く。それを見逃した大男の顔はどこか辛そうだった。


そこで大男はれいむの方に目を向ける。まりさは焦った。
自分達がまったくかなわなかった子供達でもあんなにぼろぼろになるまで痛めつけられたのだ。
まりさがかなうはずもない。まりさは涙を流してがたがたと震えていた。もうだめだ。逃げられない。







「ゆぅぅっ!?ゆっくりできるよ!」

大男はれいむに優しく手をかけると、引っ掛かっていた釣り針をはずして地面に置き去った。
その顔はまるで仏のように穏やかであった。次にまりさに向かって近づいてくると、ひょいと抱えて、
霊夢の隣に置いた。大男は優しい声で

「大丈夫か。いやぁ、死んじゃわなくてよかったべ。ひどいものだぁよまったぐ。悪い子にはおしおぎをしてやらないどなぁ。」

れいむとまりさはきょとんとしていた。
目の前の優しいおじさんがさっきまで子供達を何度も殴り飛ばしていた人と同じ人とは思えなかった。

「本当にごめんなぁ。お前達は何もしないでただゆっくりしているだけなんだもんなぁ。お前達はいい子だよ。
いつか人間達と一緒にゆっくりできる日が来るといいな。」

れいむ達は大男の雰囲気から、彼が自分達を助けてくれたことを理解した。
彼がいなかったら自分達は両方とも死んでいただろう。二匹はとても感謝した。

「たすけてくれてありがとう!!」

「おじさん、ありがとう!おれいするよ!!おれいするよ!!」

けれども、大男は照れくさそうな顔をすると、

「せっかくだけど、ゆっくりしている暇はないだ。これからやることが残ってるから。まぁた今度ゆっくりさせてもらうよ。」

そういうと大男は去っていった。彼はまるでヒーローのようだった。














翌日になった。まりさはあの大きなおじさんのことが忘れられなかった。今までゆっくりの仲間達は人間の子供に苛められていた。
色々ひどいことをされてきた。中にはまりさたちが昨日受けたことがまるで遊びのように思えるようなこともある。
そんな中、自分とれいむを助けてくれたヒーロー。人間がみんなあんな人達だったら、
人間とゆっくりが一緒に仲良くできるかもしれない。そう考えていた。

そう、まりさは人間と仲良くする方法を考えていた。あの時よくわかった。このままだったら、
いつ人間にゆっくりさせてもらえなくなるかわからない。それなら、人間と仲良くできればいい。
ゆっくりの仲間達はみんないい子。みんなのことをよく知ってもらえたらいいなと思っていた。


何かいい方法はないかなと思っていると、空からゆっくりれみりゃがゆっくりアリスをつれて飛んできた。
れみりゃが空のお散歩に連れて行ったところらしい。アリスは誰も見ていないからと思って、うれしそうにはしゃいでいた。
誰かの前では決してあのような顔をしない。


「う~♪う~♪たべちゃうぞ~♪」

「ゆっゆ~~♪、ゆっくり~~♪」

れみりゃはとてもご機嫌だった。アリスもうれしそうに歌っている。
けれども悲しいことに、アリスのその歌声は、あまり聴けた代物ではなかった。


そうだ、あの子達に相談しよう。まりさは思い立ち、二匹を呼び止める。

「ありす~!れみりゃ~!ゆっくりしようよ~!!」
「ゆうゆうゆゆ゛ゆゆう゛ゆうゆyyluuulury」
「う゛~!う゛ぁ゛~~~!!」

アリスはいきなり呼び止められたことで動揺してしまった。
しかも相手は彼女がライバル意識をしているまりさだった。気持ちよく歌っていたところに突然だったので、
驚きのあまりぶるぶると震えて声にならない叫びを上げる。そのまま落下しそうになるのを慌ててれみりゃが支える。
危うくつぶれ饅頭が出来上がってしまうところだった。

「なんのようなのよ!つまらないことならゆっくりしないわよ!」

「いないいない・・・う~♪」

「ゆっくりしていってね!!れみりゃ!アリス!」


アリスは何事もなかったかのように振舞うと、まりさのまえに着地した。
まりさは二匹に向かって挨拶をすると、すぐに本題を切り出した。まりさはアリスとはよく喧嘩する。
しかしそのためか、あまり他のゆっくりには言えないことも言える仲である。
まりさは、人間と仲良くする方法を探していることを言った。アリスは頭がいい。
きっと何かいいことを考えてくれるはずだと信じていた。

「にんげんとなかよくなるほうほうねぇ・・・・。って、あんたばかぁ!あたまにあんこでもつまっているんじゃないの!」

「ゆぅぅ!?あんこがはいっているのはありすもじゃない!まりさはしんけんだよ!なにかしらない?ゆっくりおしえてよ!」

「ありすはかすたーどよ!あんこなんかといっしょにしないでよ!!それににんげんってはなしがつうじないのよ!
いきなりつぶされたおともだちもおおいの!むりよ!ぜったいむり!」

慌てて否定するアリス。以前何か嫌なことでもあったのであろうか。けれどもまりさは引き下がらなかった。
みんなにゆっくりしてもらいたい。幸せになってもらいたい。まりさはみんなのことが大好きだった。
だから、頑張る。考える。相談する。

「おねがい!ありすならなにかいいことしっているでしょ!まりさはありすにおべんきょうでかったことないもん!
うたではいっかいもまけてないけど!」

「いちいちよけいよ!!」

「うぅ~、ありすこぁい・・・・・」

れみりゃは少し遠くで怖がっていた。軽くアリスが怒鳴っているくらいで怯えるとは、臆病なところがあったものである。









結局まりさの熱意に押し負けたのか、アリスはまりさの手伝いをすることになった。
アリスは人間に対して仲良くなりたいなら、人間のことを知ればいいと思った。
そこで人間の本をたくさん持っているゆっくりぱちゅりーの家に遊びに行くことになった。

ぱちゅりーの家は木のうろの中にできていて、人間の絵本がたくさん入っていた。
「ぱちゅり~、あそびにきたよ~、ゆっくりしてい~い!」
「むきゅ、ほんをもっていかないでね。ゆっくりしていってね。」

まりさはぱちゅりーの家からいろいろな絵本を読んだ。文字は難しいので読めなかったけど、絵だけならお話がわかる。
しばらくして、まりさはいい方法が載っていた本を見つけた。









《泣いた赤鬼》

昔々あるところに赤鬼と青鬼がいました。鬼達は人間にとても怖がられていました。
赤鬼はじつはとっても寂しがりや。いつも人間と仲良くしたいと思っていました。
ある日親友の青鬼が人間の里で悪さをしました。そんな青鬼を退治する赤鬼。青鬼はどこかに去ってしまいました。
人間に英雄として仲間にしてもらえた赤鬼。赤鬼は全てが終わった後に気がつきました。
そう、青鬼は赤鬼をみんなにいい子だということを伝えるためにわざと悪さをして、退治されたのでした。
それを知った赤鬼は、二度と友達に会えなくなることに涙しました。

めでたし、めでたし。











まりさはこれだと思った。これなら、人間にもわかってもらえる。
だけど、このことをれいむやアリスに言うと反対されそうだから黙っていた。
アリスとぱちゅりーにはいい方法が載った本は見つからなかったということにした。
まりさはこの本の結末のような未来を思い描く。青鬼は自分がなろう。かけっこなら誰にも負けたことがない。自分なら逃げられる。
赤鬼はれいむにやってもらおう。れいむならすぐにまりさを止めてくれるはずだ。
でも、このことを話したられいむはあぶないからやめてというだろうから黙っていよう。




まりさは後の事を考えず都合のいい妄想にふけっていた。






だが、まりさは青鬼になる決意を決めることはできなかった。
餡子の詰まった頭でも、妄想の興奮が冷めた後にゆっくり考えればわかることだった。
青鬼になるということは、みんなとお別れすることになる。
今までずっと一緒にいたれいむとも、素直じゃないアリスとも、怖がりなれみりゃとも、
あまり動かないぱちゅりーとも二度と会えない。会っているところを人間に見られると、
みんなが悪い子の仲間だと思われてつぶされてしまう。それがすごく怖かった。
それに、まりさは死にたくなかった。まりさは青鬼のように強くない。悪さをするということは、
人間達に立ち向かうということになる。そのときにつかまったら、今度こそ殺されてしまうだろう。
いや、殺されるだけだったらいいけど、ゆっくり時間をかけて痛めつけられたらどうなるだろう。まりさはとても怖かった。



一日、二日と時間が経っていく。段々とまりさの決心が鈍ってくる。
あれから何も起こっていないんだからまりさが何かしなくても大丈夫じゃないかな。
ああやって人間に虐められることはもうない。あれは本当にたまたま。
きっと人間の子はもう二度と来ない。
だったらまりさが何かする必要はない。
みんなとゆっくりしていってもいいんだ。



そう思っていた。

















しかし現実は餡子のように甘くなかった。



まりさは結局青鬼になることになった。赤鬼になってもらうれいむの赤いリボンはとてもきれいだった。



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最終更新:2008年09月14日 06:32
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