ゆっくりいじめ系3102 潔癖症

  • 潔癖症



「虫は汚いって言ってるでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ゆっくりの巣の中にれいむの絶叫が響き渡る。
れいむは凄まじい形相で怒鳴り散らしている。
「虫さんは美味しいし栄養もたっぷりあるんだよ! 食べないのは損だよ!」
餌をとってきたつがいのまりさが反論した。
「汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
れいむはわめくばかりでまりさの言葉をまったく聞いていないようだった。
「おきゃーしゃん、れーみゅむししゃんすきだよ? おいしいよ?」
「何もわかってないちびは黙ってろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「ゆ! ゆぅ……ゆぅ……ゆえーん! ゆえーん! おきゃーしゃんが! おきゃーしゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
れいむの怒声と赤ゆっくりの鳴き声が乱反射し、巣の中は轟音地獄と化した。
「虫は汚いって言ってるでしょぉぉぉぉ! 汚いのはゆっくりできないんだよ!? 病気になるんだよ!? 汚物なんだよ!? わからないの!? 馬鹿なの!? 死ぬの!?」
「わ、わかったよ! 捨ててくるよ! 虫さん捨ててくればいいんでしょ!」
「わがっだならばやぐじろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
まりさはしょげかえった様子で、虫を集めるとそそくさと捨てに行った。
「馬鹿! アホ! 無能! れいむの綺麗なおうちが汚れちゃったでしょうがぁぁぁぁぁ!」
「ゆえーん! ゆえーん! ゆえーん!」
「とっとと泣きやめクソちび!」

れいむは潔癖症だった。
いつの頃からそうなったのかはわからないが、異常なまでに汚れを嫌うようになっていた。
汚れたままでいると病気になってゆっくりできなくなると固く信じ込んでいるようだった。
それはある程度までは正しいのだが……。

「虫は持ってくるなっていったでしょうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
「こ、これは虫じゃ」
「汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
「虫じゃないって!」
まりさが持ってきたのはただの種子だったのだが、全体に生えている棘が毛虫を思わせたのだろう。
「ぐだぐだいわずにざざっどずでごいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
「わかったよ……」
本当は食べ物をえり好みしている余裕はない。だが、まりさにはれいむを説得することはできそうになかった。
「れいむのおうちが……ゆっくりプレイスが……馬鹿なまりさのせいでまた汚れちゃったよ……」

「おちょーしゃん……にゃんでおきゃーしゃんをおこりゃにゃいの?」
親れいむが眠っているとき、赤れいむが親まりさに小声で問いかけてきた。
「うん……おかーさんの言ってることも一理あるからね。汚いのがゆっくりできないというのはわかるよ。
おかーさんはこのおうちがとっても好きだからね」
まりさが怒ってしまったられいむとの仲が決定的に決裂するという思いもあった。自分が我慢しなければ。れいむは我慢できないのだから。
「おちょーしゃんよりも? れーみゅよりも?」
「……そんなことはないよ。子供が一番大切だよ」
「ゆぅ……わかっちゃよ……」

赤れいむは両親の仲が今にも崩壊しそうなことに気がついていた。
なんとかしなければと無力な赤ゆなりに考えた。
ふたりに仲直りして欲しい。もっとゆっくりして欲しい。自分もゆっくりできなくなってしまう。
ある日、赤れいむは親れいむが昼寝をしている隙に巣の外へ出た。
普段は巣の外にはなかなか出られず、出たときは念入りに冷水で体を洗わされた。冷たさで感覚がなくなるまでだ。
「ゆっきゅり! ゆっきゅり! ゆっきゅりできりゅもの……ゆゆ? あっちゃよ!」

「ちびちゃんどこ行ってたの!? 心配したでしょうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「おきゃーしゃん! ゆっきゅりできりゅのもってきちゃよ! ゆっきゅりしていっちぇね!」
泥だらけの赤れいむは、口の中からゆっくりできるもの──鳥の小骨を取り出した。
珍しい宝物があればゆっくりできるだろうと、子供なりに精一杯考えたのだ。
わめいていた親れいむは鳥の小骨を見ると黙り込んだ。
「おきゃーしゃん……?」
親れいむの目から一筋の涙が頬を伝って流れ落ちた。
「おきゃーしゃん!」
「こンのクソちびがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
「おきゃーゆぎゃっ!」
赤れいむは親れいむに体当たりされ、ころころと転がった。小さいからだでは抗いようもない。
「こんなッ! こんなッ! こんなッ! こんなッ! こんなッ! こんな汚いものをれいむの素敵なおうちに持ち込みやがってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!」
「クソちび! 無能! 役立たず! れいむの賢さを一欠けらも受け継いでないね! よくも、よくもれいむのおうちをこんなに汚して! れいむの素敵なおうちが! おまえなんかよりずっと大切なおうちが!
あんたなんかれいむのちびちゃんじゃないよ! れみりゃにでも食われればいいよ! ゲス! カス! クズ! 馬鹿! 馬鹿! ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁかっ!!!!!」
親れいむは涙を滝のように流しながら叫び、赤れいむを罵った。
「おきゃーしゃん……おきゃーしゃん……ゆっきゅり……ゆっきゅり……ゆぅぅぅぅ……」
ぷしゃああああああああ。
赤れいむは心身の痛みあまりちーちーを漏らしてしまった。
「ちーちー、だと? ちーちー、だと? ちーちーだとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!」
赤れいむのちーちーを見た親れいむは巣が震動せんばかりの大声で怒鳴り散らした。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! れいむのおうちがッ! れいむのおうちがッ! れいむのおうちがッ! れいむのおうちがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!」
「おきゃ、おきゃ……しゃん……」
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
親れいむは飛び上がり、赤ゆっくりの上に全体重をかけてのしかかった。
ぶっちゅっ、という不気味な音立てて赤れいむは潰れた。

「ゆっくりただい……れ、れいむ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い!!!!!!!!!!」
「なにもかもが汚いッ! なにもかもが汚いッ! 全部全部汚いッ!」
「おまえも汚い! 汚い! 汚い! れいむの前から消えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「れいむ! れいむ!」
れいむは喚き散らすばかりでまりさの懐柔など意にかさない。怒りで顔面を歪ませてひたすら汚い汚い消えろ消えろと叫び続けるばかりだ。
「消えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!! れいむのおうちから消えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!! 汚いものは消えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!」








「はぁ……」
まりさはれいむから逃げ出した。逃げるしかなかった。
あの場にいてもれいむに殺されるか、れいむを殺すしかなかった。
おそらく、赤ゆっくりはもう生きてはいないだろう。
ならば今更帰ってもどうにもならない。
実はこのれいむだけではない。この森全体でこのような潔癖症のゆっくりが増加しているようだった。
ゆっくりが自然の中で生き、地べたを這い回って暮らしている以上、どうあがいても汚れと無縁でいられるはずがない。
だが、潔癖症のゆっくりたちは何が何でも自分が汚れていると思ったものを遠ざけたがった。何を犠牲にしてでも。
汚れているくらいならおうちなんかいらないと言い放ったゆっくりまでいる。ちびちゃんもいらない。つがいもいらない、ごはんもいらない、と。
ただ清浄だけが欲しいと、あらゆるものに当り散らし、目に映るすべてのものを排除して……。
「これからどうしよう……」
まりさは途方に暮れた。
森から出て行ってしまった仲間も多い。自分もそうするべきなのだろうか。
いや、自分は……。
乾いた音が響き渡った。







「いいじゃないか、好きにやらせてやれば。やつらの必死な様はきっと見物だぞ。フッー!」
鬼意山は銃口から漂う硝煙を吹き払うと、まりさの死骸を残して立ち去った。

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最終更新:2011年07月28日 20:29
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