ゆっくりいじめ系3039 もこたんたっぷりいんしたお!!

※希少種が出ます
※希少種が酷い目にあう描写もちょっぴり


世の中には希少種と呼ばれるゆっくりがいます。
その名の如く希少なゆっくり。
希少だから生き抜くために発達するのか、それとも偶々希少種だけなのか、希少種は総じて頭が良い。
もちろん一般のゆっくりにも知能の高い個体が産まれる事はあります。
ですが希少種は(ゲスは稀に産まれるが)例外なく知能が高いと言う特徴が。
そこである研究者が言いました。

「増やせばよくね?」






もこたんたっぷりいんしたお!!






「で、その結果がこの状態と」
「はい……」

ゆっくり研究所の一室『希少種特別研究室』、そこに白衣を着た男女がいた。
主任と呼ばれる男性と、助手の女性。
目の前には耐火防壁と耐火ガラスによって囲まれた狭い部屋。
そして中に溢れるはゆっくりもこう、もこう、もこう、もこう、もこう、もこう、もこう、もこう。
右も左ももこうだらけ。


「もこたんいんしたお!」
「ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりいんするお!」
「もこたんおなかすいた!」
「それもこたんのおりぼんー!!」
「すーやすーや……もこっ!?」
「かぐやぶちのめす!」
「けーね、けーねどこー?」


「……本当に知能が高いのか?」
「い、いや、希少種なんで高いはずです」

半ば呆れがちの主任だったが、一匹のもこうが気になったのかガラスへと近づいていった。
ガラスに手を付き、そのもこうを眺める。

「……震えているな、もこうが多すぎて怖がってるのだろうか?」
「震えて?主任、危ないから下がってください!」

そう叫ぶと助手は主任の腕を引っ張り、ガラスから離れた場所へと誘導する。
同時に震えていたもこうが叫びだした。

「がいふーかいせー!」

すると周りのもこうも連鎖するように震えだし……





「「「「「「「「「「ふじやまぼるけーの!!!」」」」」」」」」





一瞬。
室内は業火に包まれ、耐火ガラスは真っ赤に染まっていく。

「な、なんだこりゃ?」
「もこうの習性のようです、他のゆっくりがする『ゆっくりしていってね!』みたいなものですね」
「あ、挨拶か!?しかし挨拶のたびにこんな燃えまくっていたら大変な事になるだろ。 それにもこうが自然界で挨拶と同時に燃えたって事例は一度も……はっ!?」
「はい、考えられる理由は……もこうが一杯いるからでしょうか?」

まさかと思いつつも主任は目の前の現象を見つめる。
もこうが炎を扱う、炎に耐性がある事は昔から知られていた。
だがやたらめったら燃える事はないし、第一そんな事があればもこうのいる山では頻繁に火災が発生する事になる。

「これって毎朝なのか?」
「ええ、最初はただのゆっくりしていってね、だったのですが、10匹くらいに増えてからは毎朝燃えるようになりました、またこれが攻撃ではなく挨拶だと言う証明もできています」

助手がボタンを押すと、天井から一匹のまりさが降ってきた。
結構な高さのため、ゆぎっ!と涙目になってはいたが、周囲を見渡した途端に明るい顔へと戻っていた。

「ゆゆっ!めずらしいね、もこうがたくさんいるよ!ゆっくりしていってね!」
「「「「ゆゆゆっ!?」」」」

「へぇ、こりゃ驚いた」
「ええ、あのまりさは研究所で生まれて一度ももこうを見せた事がありません、にも関わらず『対象をもこうと認識』そして『もこうが希少』だと理解しています」
「噂のゆっくりネットワークかと思ったが、代々伝わる餡子に記憶されてるのかもなぁ……おや?」

まりさの挨拶と共にもこう達は震え始めました。
先ほどの『挨拶』と同じ予備動作です。

「まさか?」
「もこうの挨拶も『ゆっくりしていってね!』でしたが、どうも10匹を越えた辺りから言葉だけでなくなり、あの結果です」


「「「「「「「「「「まりさがいんしたお!ゆっくりしていってね!!」」」」」」」」」」
「ゆ!ゆっくり……ゆぎゃぁあああああああああああああああああ!!」


まりさは爆炎に包まれ、あっという間に灰になった。

「ゆー?まりさがいなくなったよ!」
「はずかしがりやさんだね!」
「まるでこのまえのけーねみたいだよ!」
「まりさはゆっくりしていないね!」

「……本当に希少種は知的なのかぁ?」
「ええ、自分達がまりさを灰にした事を理解していません」
「しかもさっきの発言からけーねも燃やしたみたいだな、けーねはもこうにとって重要なゆっくりだろ、それを燃やして気が付かないなんて」

最初はまりさがいなくなった事に対してうろうろと探していたものの、しばらくするともこうの集団は何事もなかったかの様にゆっくりを始めた。

「今回の研究でわかった事の中で重要な点が1つ、どうやら希少種……と言ってもまだ研究しているのはもこうだけですが、数が増えるとその……」
「バカになると」
「はい……と言っても日常の生活を忘れたり人間を認識しなくなったりと言った致命的なものではなく、どうも性格が適当になるようです」

腕を組み一息入れると、主任は視線を助手からもこう達へと移した。
視線の先には人間を見つめるもこうの瞳。

「もこう自体が適当な性格っぽい部分があるしな」
「はい、ですので他の希少種でもテストする必要があります。あ!あと面白い現象があるんですよ!」

突如、彼女は真顔から笑顔へと変貌し、デスクから資料を持ってきた。
その資料にはもこうの詳細なデータと、黒い髪のゆっくりが記載されていた。

「ゆっくりかぐや?」
「てるよとも呼ばれてますね、このてるよを投入すると凄いんですよ、もこうが火を噴くんです!」
「面白いって、そりゃ面白いかもしれないが、もこうとかぐやの関係はもうかなり調査されてるじゃないか」
「はい、ですけど圧巻なんですよ!そりゃもうハリウッド映画のSFXも目じゃない現象です!!」
「……それは研究に関係ないだろ」

呆れつつも助手の「もう一度みたいなぁ」オーラと視線に耐えれなくなった主任は、部屋へのかぐや投下の許可をだした。

「大丈夫ですよ、てるよも不死のゆっくりなのでもったいなくないです!」
「そんな問題かよ……」

まりさの時と同じ様に、助手は機材の操作を始める。
すると天井の開きそこから黒い髪の塊が床へと着弾する、まりさと違う点はその着弾物は何も反応しない事だろうか。

「ゆゆゆ!?まただれかいんしたお!」
「こんどはゆっくりしていってね!」
「みんな、あいさつのじゅんびだよ!」
「うん、ゆっくり……」

色めき立つもこうの群を前に、髪の塊がゆっくりと起き上がった。
そのゆっくりの顔を見たもこうは、徐々に、そして確実に表情を変えていった。
そしてとどめとなる一言。

「……ゆっくりするのもめんどい」








「「「「「「「「「「「かぐやだぁぁあああああああああああああああああああああ!!!!!」」」」」」」」」」








「ゆっくりできないよ!ゆっくりできないお!ゆっぐりぃいいい!」

「壊れたのか?」
「興奮状態なんでしょう」


「ゆぎぎぎぎぎぎ、ぼるけいのぼるけいの!!」

「あら?フライングですね」
「皆そろって行動していると思ったのだが、協調性のないもこうもいたんだな」


「ここであったがせんねんめ、おとーさんのかたき!」

「あのもこうは千年生きてるのか?いや、そもそもおとーさんってもこうだろ?」
「いえ、けーねの可能性もありますが、別に親を目の前でてるよに殺された個体はいません」


「ゆんやぁああああああ!」

「何故泣く」
「研究待ちですね」


「いっかいてをだしゃ、おおきくなれぬ」
「にかいてをだしゃ、ゆっくりわすれる」
「さんかいてをだしゃ、ずっとゆっくりするといいよ!」

「忘れてないじゃないか」
「不思議な事にこの台詞は三匹以上がいる場合のみ聞けるんですよ?量産したからこそ聞けるレアな決め台詞です」


「ぜんいん……とつげきぃいいいいいいいいい!」
「「「「「「ゆがぁぁあああああああああああ!」」」」」」




リーダー格のもこうの号令と同時に先ほどの挨拶を越える熱量が室内を包み、ガラスは割れるのではないかと思えるほど紅く染まっていた。
怒りの業火と激しい体当たりを数十匹単位で繰り返すもこう達の中心には、炙られ叩かれ吹飛ばされるかぐやの姿があった。

「めんどい……」

そして大して堪えてはいなかった。

「凄いな」
「両者とも不死ですからね、ただ今回の研究で新たにもこうの老衰が確認されました」
「そうなのか!でもよく考えたら生殖できるのに老衰がなかったらもこうで溢れかえるな」
「希少種じゃなくなりますよね、ここまで観察できたのも量産できたおかげかと」

微笑する二人の後ろには、殺意に満ちた声と、窓から数メートル離れても感じる熱気で満ちていた。





数時間後





「ところであれは収束するのか?」
「ええ、ご覧下さいな」

あれほど紅く染まっていた耐火ガラスは普段通りの無色透明になり、そこからもこう達の姿が確認できた。
そこには疲れきって寄り添う銀髪の塊と、その中央で微動にしない黒髪のゆっくり。

「ゆぴぃー……ゆぴぃー……」
「かぐやぁー……ぶちのめす……」
「ゆふぅ、けーねぇ……」
「ぼるけーのぉ……ぼるけぇ……」
「……めんどい……」
「もこたんゆっくりあうとするお……」

「……本当に仲が悪いのか?」
「悪いですよ、いまのうちにてるよを回収しないと、また紅蓮地獄が始まりますから」

説明も程々に助手は機材の操作を行い、かぐやの回収を始めた。

「しっかしまぁなんだな、これはまた上に報告しづらい内容だな」
「ええ、結局わかったのは『少しバカ(適当)になる』のと『挨拶で燃える』ですからね、他の希少種でも試して見ない事にはなんとも」
「もう少し希少種!!って性格の素材を使えば良かったんじゃないか?」
「えー?もこう可愛いじゃないですか」
「なんだよそれ……」



ここはゆっくり研究所、希少種特別研究室。
今日も希少なゆっくりの研究が日夜行われています。
今日はもこう、明日はけーね、明後日は……それは次のお楽しみ。




あとがき

本当は投下されて灰になるけーねの描写とかあったんだけど、てるよ曰く「めんどい」
あ、前書きで希少種が酷い目に合うってあったけど合ってないね。
いやてるよが酷い目にあってるはず、めんどいのに狩り出されて焼かれて体当たりされる、何て酷いんだ!!



書いた人




おまけーね

「あーうー」
「あーうー?」
「あーうー!」

「何だこれ…」
「ゆっくりすわこです!昨日サンプルが届いたので早速量産したんですよ!」
「そ、そりゃ見たらわかるけど、えらいまた増えたもんだな……」
「希少種の割にはさなえと一緒の部屋に閉じ込めておいたら簡単に増えましたよ!」

「あーうー?」
「じょーしきにとらわれません!!」
「「「「「あーうー!」」」」

「ああ、とらわれていないな……」

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最終更新:2011年07月29日 03:00
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