ゆっくりいじめ系2981 哀れな猫に救いの手を

注:とてもファンタジックかつメルヘンチックな、夢溢れるハートフルストーリーです。
  気を付けてお読みください。



場所は某都会、時間は朝7時、そこではいつものようにカラスがゴミを荒らしていた。
そしてそれを当たり前のように眺めつつ、多くの人々が通り過ぎていく。
ごくごく普通の都会の風景、いや、田舎でも見られる日常的光景がそこにあった。
そして、カラスが通り去った後、ゴミ捨て場に忍び寄る影が…。

普通ならその影とは猫である。
捨て猫が野生化しゴミを荒らすのは、悲しいことだが都会の日常的風景となっている。
だが、近年その日常は砕かれ、過去の遺物として葬り去られようとしていた…。

「わかるよー。たべものがちらばっているんだねー。」
「む〜ちゃむ〜ちゃ!おいちいよ!わきゃりゅよー!!」
「ゆっくりたべようねー。たべたらおくちにためこんでかえるよー。」

そう、猫に代わってちぇんがそこにいた。
数匹のちぇんが集まり、まだ食べられそうな物を口に含んでいる…。
ここ最近はこれが日常的風景となっている。
もちろんカラスと同じで忙しい人々はちぇんたちを無視。
それによってちぇんの数は爆発的に増加していった…。

だがここで疑問に思う人がいるだろう。

『何故ちぇん種だけなのか?』

そう、この辺りのゆっくりはちぇん種が9割以上を占めている。
他のゆっくりの姿がほとんど見えないのだ。
理由は簡単、数年前、人間たちの間でちぇんを飼うのが流行したからだ。
素直で人語を理解し、猫の特徴を持っていたちぇんの人気は爆発的で、
他のゆっくりをはるかに凌ぐ数が売れていった。
だが人間とは恐ろしく飽きっぽい生き物である。
猫を捨てる感覚でちぇんもまた捨てられていった。
理由は実に多岐に渡るが、半分は流行に流された愚か者のせいであることは言うまでも無い。
そして、捨てられたちぇんたちは野良ゆっくりとして都会に住みついた。
捨てられたちぇん種はどんどん溢れ、都会独自の生態系を歪ませていった。
ちぇんたちは群れをつくり、他のゆっくりを殲滅しつつすっきりし同族を増やした。
そして、野良猫たちにもちぇんたちの毒牙が及んだ。

「にゃー!ふーっ!!!」
「ちぇんたちとにてるなんてゆるせないよー。」
「さっさとちぇんたちのゆっくりプレイスからでていってねー!」
「にゃぁぁぁん…。」

元々警戒心の強い猫だ。大勢のちぇんが一斉に膨らんで威嚇してきたら逃げるに決まっている。

「ちぇんたちのまねっこはやめてねー。」
「さぁ、ごはんをむ〜しゃむ〜しゃしようねー♪」

ちぇん種は本来とても純粋で素直で、他の動物に自らケンカを売るような好戦的な性格では無い。
だが都会の荒んだ環境によってちぇんたちが歪むのに時間は掛からなかった。
純粋ゆえに染まりやすい、捨てられたちぇんたちは人間の汚い本性を見せつけられ、自らも汚れていった。
捨てられた当初は飼われていた頃と同じ方法で人間に媚を売ったが、実に無意味であった。



「にゃ〜んにゃ〜ん♪ちぇんたちにたべものをちょうだいねー♪」
「うるせぇな…。オレは限定ジャンケンに負けてイライラしてるんだよ!!!」
「ゆびげっ!?わ…わぎゃりゃ…にゃい…よ…。」

食事をもらおうと可愛く鳴いてすり寄れば蹴飛ばされて無視された。
時には踏み潰され殺されるちぇんもいた。

人間は自分たちの敵だ。関わるのはよそう。

そう思ったちぇんたちは猫に目を付けた。

何だあの生き物は。自分たちと同じ耳や尻尾を生やしている。
自分たちの真似をするなんて許せない奴らだ。
そうだ、奴らから搾取してやろう。住み家も奪ってしまえ。

ちぇんたちは猫たちを集中的に襲った。
ゆっくりの力など猫には遠く及ばないが、数が力の差を補っていた。
猫たちのニッチはたちまちちぇんが侵食していき、
いつしか都会ではカラスとちぇんがメジャーとなっていった…。

人間たちは猫だろうがちぇんだろうが同じだと思い無視し続けた。
都会の人間は皆忙しく、ちぇんごときに時間を割きたくなかったのだ。

だが、それは大きな過ちであった。
ちぇんはすさまじい勢いで数を増やして生息域を増やし、
猫たちは住み家を追われどこかへ姿を消していった。
それだけならまだしも、ちぇんたちは大きな群れを形成、
近づいてきた他のゆっくりや小動物を捕食するようになった。
さらに知恵を付けたちぇんは人の家や店に侵入、食害をもたらす様になった。

「いらっしゃい!今日は魚が安いよ〜!」
「ただでもらっていくよー!」
「あってめぇ!!」

魚屋で魚が盗むという、サザエさん的窃盗も平気でやってのけた。
数を増やし自意識過剰になっていたちぇんは人間に対しての恐れを忘れてしまったのだ。


「ちぇんを駆除すべき…。」
「猫の方が100倍マシだ…。」
「捨てられて可哀想という考えは捨てるべき…。」

深刻になってきたこの問題に対し、政府はやっと駆除役員を動員し始めた。

「駆除鬼意山出動!!ターゲットはゆっくりちぇん!見つけ次第駆除せよ!!」
「駆除鬼意山!行きまーす!!!」
「ひゃぁっ!殲滅だぁっ!!!」
「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!わぎゃりゃにゃいぃぃぃぃぃ!!!!」




人間たちはようやく駆除活動に出たが、全てが遅過ぎた。
ちぇんの数は猫っぽいのにネズミ並みに増殖し都会を埋め尽くしていたのだ。
駆除鬼意山やボランティアの虐待鬼意山が好き放題ちぇんを殺し歩いたが、
全くちぇんが減る気配はなかった…。ゴキブリと同じだ。減ってもそれ以上の勢いで増えていく。
最早都会のちぇんはゆっくりとはまた違った存在となっていた。



「…これはひどい…。」


都会から少し離れた場所…そこには住み家を奪われた多くの猫たちがいた。
皆痩せこけて今にも死にそうなぐらい衰弱していた。


都会はちぇんの王国と化していた。ありすなど立ち入る隙も無い。
駆除するにも金が掛かる、政府も早く手を打たなかったことを後悔した。

「…仕方がない…。『ゆ虐七連星』に協力を要請しよう…。」


数日後、1人の男が招集された。
彼の名は『研究鬼異惨』。ゆっくりに関する研究を行うその手のエキスパートだ。

「…資料を見ましたが、ずいぶんひどい状況ですね。
 何故すぐに駆除しなかったのか不思議なぐらいですよ。
 野良のゆっくりなど発見した時点で潰すべきだと言うのに…。」
「住民に話を聞いたところ、特に興味も無かったので放っておいたとか…。」
「なるほど、その周辺には虐待派がいなかったんですね…。
 ちぇんは猫と同じで他のゆっくりより適応力が高いのです。
 ここまで増えてしまったら人間の手で駆除するのは至難の業ですね。」
「そんな…。何とかならないか?このままでは私の首が…。」
「…この前開発した道具が役に立ちそうです。
 試す意味でも使ってみましょうか…。」
「…道具?何の道具だ?」
「…なぁに、今まで迫害されてきた猫たちに救いの手を差し伸べるんですよ。」

役人は意味が分からず唖然としていたが、研究鬼異惨は話を続ける。

「これは動物と会話ができる夢の発明品です。
 これで猫たちと会話し協力を要請するのです。」
「そ…そんなファンタジーじゃあるまいし…。
 そんなこと可能なのか…!?」
「やってみれば分かりますよ。」


研究鬼異惨は行き場を失った猫たちが群れる場所へ行き、道具を設置し話しかけた…。

「テスト…マイクのテスト…。聞こえますか?聞こえますか?」

すると、さっきまで死にそうな顔をしていた猫たちの耳がぴくぴくと動き始めた。
そしてこちらを向き、1匹の大きい猫が口を開いた…。

『貴様…。何故人間が我らの言葉を話す…!?解せんな…。』
「おっ、成功したな。きひひっ!…おっといけない。
 猫君猫君、君が猫たちのリーダーかな?」
『そうだ…。何の用だ…!?我らはもう滅びるのを待つのみ…。
 あの我らに似た謎の生命体の攻撃を受けここまで逃げてきた敗者だ…。
 せめて静かに眠らせて欲しいものだな…!』
「それそれ、実は君たちに協力して欲しいんだ。
 上手くいけばあいつらを撲滅できるぞ。」

親分猫は首をかしげる。
この猫語を話す奇怪な人間、断じて信用できない。
いや、自分たちを捨てた人間など1人として信じるつもりは無かった。

『我らを捨てた人間が我らに協力…?
 ふざけるな…!さっさと消えろ…!!』
「そう怒らずに。君たちにとっても悪い話じゃない。
 ちぇんたちがいなくなったら住み家を取り戻せるだろう?
 後ろの飢え死に寸前の仲間も助けられるぞ?」
『選択の余地無し…か。…どうすればいい…?』

研究鬼異惨は大袈裟に手を振り説明した。

「簡単さ。君たちはできるだけ仲間を集めてくれ。
 他にも家を取られた猫がいるはずだからさ。
 皆であの猫モドキを殲滅するんだよ。」
『…?何故我らに協力を要請するのだ?』
「奴らは人間じゃ手が出せない隙間にも隠れている。
 そういう奴らを倒すためさ。…協力してくれるかい?」

親分猫はしばらく考えた後、こう言った。

『いいだろう。だが今更人間共に媚びるつもりは無い。
 協力するのは自分たちのためであって、断じて貴様らのためでは無いことを忘れるな…!』

「ふぅ…。猫たちの協力は得た。次はカラスだ。」


…カラスは意外とあっさり協力してくれた。

『いいぜ。奴らは前から気に食わなかったんだ。ゴミ漁りのライバルである猫を
 追い出しやがって腹立たしい…。』
「ここだけの話、奴らの体内にはおいしいチョコクリームが入ってるよ♪」
『何!?初耳だぜ!ようし!すぐに仲間に伝える!奴らは皆殺しだぁ!!』


「全て計画通り…。計画の実行は2日後…。きひひひひ…っ!」





そして2日後の早朝、都会におびただしい数の虐待鬼意山、猫、カラスが集まった。

「まさか猫やカラスと手を組むとはなぁ〜…。」
「にゃー!!ふーっ!!」(あの猫モドキはぶっ殺す!!!)
「カーッ!カーッ!!」(その通り!1匹残らず駆逐してくれるわっ!!)

そして、全員の前に研究鬼異惨が現れた…。

「皆、よく来てくれた。これだけいればちぇんなど相手では無い!
 この時間帯、奴らはまだ寝ているはずだ。一気に滅ぼすぞ!!」
『おおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!』



午前5時半…都会はちぇんの悲鳴と断末魔に包まれた…。

「ひゃぁっ!死ねぇぇぇぇぇ!!!」
「わぎゃりゃにゃ…ゆびゃぁっ!!!」
「おがぁぢゃ…ぴっ!?」

「にゃー!にゃー!ぐるるるるるる…!!」
「こっちこないでねー!ぷくーっ!」
「がるるるるるるるっ!!!!」
「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!いぢゃいっいぢゃ…ぎゃべらっ!!!」

「いたいよーっ!つつかないでねーっ!」
「カーカー!!カーッ!!!!」
「ゆべっぎゃっわぎゃりゃっにゃっげふっ!!!」


死んだちぇんの亡骸は餓えた猫やカラスが食べ尽くした。
おかげで地面が汚れずに済むという訳だ。
特に猫は恨みを晴らすとばかりにちぇんを追い回し噛み殺した。
わざわざ尻尾と耳だけ引き千切ったりもした。
虐待鬼意山に負けてないなぁと研究鬼異惨は感心した。


…そしてたった2時間後、ちぇんはほとんど死に絶えた。
何しろ100を超える鬼意山、500を超える猫、1000を超えるカラスの大軍勢である。
調子に乗り王様気取りのちぇんを殲滅するなど至極簡単なことであった。

研究鬼異惨は最後の締めにこんなことを言ってみた。

「悪いのはちぇんたちじゃない。世の中だ。」

某刑事ドラマから引用しただけであるが、あながち間違ってはいない。
捨てた人間も悪いのだから…。




場所は某都会、時間は朝7時、そこではいつものようにカラスがゴミを荒らしていた。
そしてそれを当たり前のように眺めつつ、多くの人々が通り過ぎていく。
ごくごく普通の都会の風景、いや、田舎でも見られる日常的光景がそこにあった。
そして、カラスが通り去った後、ゴミ捨て場に忍び寄る影が…。

「にゃー。」
「にゃーっごろごろ…。」

そこには猫がいた。少し前まではちぇんがこの立場だったが、今はもう猫のポジションだ。
いや、元の都会の風景に戻ったのだ。

あの一件の後、猫やカラスは人間に大いに評価され、それぞれ専用の餌置き場を設置してもらった。
だが猫もカラスも人間の施しは受けないとこれを拒否、結局いつものままの状態となった。


『あのゆっくりとか言う奴らが近くまで来てるぞ…。』
『カラスに遅れを取るな…!』
『猫には譲らんぞ…!』




…猫とカラスはゆっくりの味を覚えてしまった。


「ゆぅ。なかなかとかいはなまちね!」
「むきゅ!ここをふたりのゆっくりプレイスにしましょ!」
「ゆ?なんかとりさんがいっぱいとんできたわ!」
「むきゅ?こっちからはねこさんがきたわ!?」
「きっとありすたちをむかえにきたのね!なかなかとかいはじゃない♪」
「むきゅぅっ!そうだったのね!ありすがきれいなおかげね♪」
「ありすのためにあまあまをもってきてちょうだ…ゆげへっ!?」

猫とカラスは2匹の『獲物』に流れ込み、間もなく2匹の断末魔が響き渡った…。
こうして都会はゆっくりが一切入り込めない空間となった。

人間と猫とカラスの奇妙な関係はこれからも続きそうである…。









何が書きたかったのか分からなくなりました…。
都市部でゆっくりが増えたら猫やカラスが迷惑がると思ったので…。

By七連星の人

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最終更新:2011年07月29日 02:49
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