ゆっくりいじめ系2898 スーパー赤ゆっくりボール1-2

「・・・ゆ・・・ゆゆ~ん・・・・・ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」

まず一匹の赤れいむが目を覚まし、声を上げた。

「ゆぅ・・・ゆっ!ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」
「ゆっきゅり おきちゃよ!ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」
「おきゃあしゃん!おちょうしゃん!ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」

他の赤ゆっくり達もその声につられて順に目を覚ます。

「ゆ~ゆっ・・くり・・・していってね・・・」

寝ぼけ眼で、それでも本能の命じるままに挨拶を返す親れいむ。
親まりさも目を覚ました。

「ゆぅ・・・ゆっ!?なんだかいいにおいがするのぜ!まりさのごはんなのだぜ!
ゆっ・・?ごはんどこなのぜ?」

自分の周りに漂っていた香しい匂いに一気に覚醒する。
散々餡子を喰らっていたにも関わらずまだ食おうと言うのか。

「「ゆっくりしていってね!」」
「「「「「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」」」」」

皆が揃ったところで、改めておはようのゆっくり挨拶。

「ゆ?きょきょどきょ?」

そこで一匹の赤ゆっくりがようやく異変に気づく。

「ゆゆ~?」
「ゆ!?いつものゆっくりぷれいすじゃないんだぜ!」

キョロキョロと自分達の周りを見渡すゆっくり達。


そこは先程までゆっくり家族がいた森の中ではなく、
俺の家の敷地にある土蔵の中だった。
土蔵と言っても、俺は商いや農業を営んでいるわけでもなく、
それほど物も持っていないので、倉庫としては使っていない。
せいぜいがゆっくりで遊ぶときに使うくらいだ。
だから目に入るものと言えば、空の棚が幾つかと、外からの光が差し込む入り口、
土蔵には不釣り合いな大きく拡張した明かり取りの窓くらい。
あとは地面と壁と天井だけだ。

だが、それ故に普段草木が生い茂る森で暮らしているゆっくり達にとっては、
その広さが新鮮だったのだろう。

「ゆっ!ここはひろくてゆっくりできそうだよ!」
「まりしゃも ゆっきゅりちゅる~!」
「じめんしゃんが しゅじゅちくて きみょちぇいよ!」
「きょうからここをまりさたちのゆっくりぷれいすにするんだぜ!」

今の状況になんら危機感を抱くこともなく、餡子脳天気にゆっくりするゆっくり達。


その様子の一部始終を土蔵の入り口の影から見守っていた俺がやおら姿を現し、
ゆっくり達に声をかける。

「おはよう!ゆっくりしていってね!」

「「ゆ!ゆっくりしていってね!」」
「「「「「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!」」」」」

ゆっくり達が挨拶を返す。


「ゆゆっ?さっきのおにいさん?どうしてれいむたちのゆっくりぷれいすにいるの?」

親れいむが小首(?)を傾げて問いかける。
疑問に思うべきは何故俺がここにいるかではなく、何故お前らがここにいるか、なのだが。
まあ完全に眠りこけている間に俺に運び込まれたのだから、
餡子脳では"連れてこられた"という可能性を考えられないのも無理はない。

「あれ?忘れちゃったの?
ここに来ればもっと美味しいご飯とあまあまをあげられるよって話をしたら
君達が行きたいって言ったから連れてきてあげたのに。」

勿論、そんな事は一言も言ってないわけだが。

「ゆっ!ゆっくりおもいだしたんだぜ!
おじさんはさっさとおいしいごはんとあまあまをよこすんだぜ!」
「ごはんしゃんよこちぇ~!」
「あみゃあみゃちゃべちゃ~い!」

だから言ってねぇ。微塵も疑い無しかよ。


食べ物を貰えると思ってぴょんこぴょんこと跳ね寄ってくる赤ゆっくり達。
俺はゴクリと生唾を飲む。
思わず踏みつぶしそうになるのを必死に堪える。

赤ゆっくり達に続いて自分達も食べ物にありつこうと親ゆっくり達が跳ね寄ってくる。
・・・・・・跳ね寄ってこようとする。そこで異常に気づく。

「ゆっ・・・?ゆゆっ!?」
「ゆぎぎ・・・うごげないんだぜぇ!?」

親まりさが目を覚ました時に嗅いだ香ばしい匂いの正体。
それは焼かれた饅頭の皮の匂いだったのだ。
麻酔が効いて眠っている間に親ゆっくり達の底面の皮はじっくり丹念に焼き焦がしてある。
こいつらはもう二度と元気に飛び跳ねることはおろか、
ずりずりと地べたを這うことすらできないのだ。


「ん?どうしたんだい?」

ニコニコと微笑みながら白々しく問いかける。

「[れいぶ][ばりざ]のあじが動がない゛よぉぉぉぉ!?どぉぉじでぇぇぇ!?」

親ゆっくり達が泣き喚く。

「どぉぢぢぇぇぇぇ!?」
「ゆ゛えーん!ゆ゛えーん!!」
「やぢゃー!おちょうしゃーん!おきゃあしゃーん!」

親達の泣き声が伝染したかのように赤ゆっくりも泣き出す。

「な、なんだってー(棒」

俺は驚きの叫びを上げながら親ゆっくりに近づくと、
底面が他のゆっくりから見えないようにしながら、
ひょいと親まりさを持ち上げてそのまま裏返す。

「うーん・・・」

唸り声を上げながらまりさの底面を睨むように見続ける。
そんな事をしなくても、原因が消し炭のように真っ黒に焼け焦げた底面の皮にあることは
一目瞭然なのだが。


「おにぃざぁぁん!!ばりざのあじ、どうなっでるのぉぉぉぉ!?」

涙やらよくわからない粘液やらを撒き散らしながら、
親まりさが必死の形相で俺に問いかける。

「なーんだ!何ともないよ!」

「「「「「ゆ?」」」」」

ゆっくり達が揃って不思議そうな声を上げる。

「じぇもぉぉぉ!あじが!ばりざのあじがうごがないんだぜぇぇぇ!?」

流石に何ともないと言われても、現に足が動かなくなった張本ゆっくりとしては、
なんだそうでしたか、とは納得できないのでろう。
ゆっくゆっくとしゃくりあげながら首?をブンブン振るまりさ。

「ハハハ、足は何ともなってないよ。
さっきあまあまを食べ過ぎちゃったせいでお腹一杯で動けないんだね。
少しゆっくりしてれば、すぐに動けるようになるよ!」

にこやかな顔で嘘八百を教える俺。

「ゆゅ・・・?そう・・・なの・・・?」

実際のところはそこまで腹一杯でもないだろうに、
自分に都合よく物事を解釈する餡子脳故に俺の言葉を信じ込み、
ホッとしたような表情を見せる親ゆっくり達。

「なんぢょもな゛ぎゃっぢゃよ゛ぉぉぉぉ!!」
「ゆ゛えーん!ゆ゛えーん!!」
「よきゃっちゃよー!おちょうしゃーん!おきゃあしゃーん!」

これには赤ゆっくり達も嬉し泣きだ。
嘘なのにな。


「動けなくなるまであまあま食べちゃうなんて、
赤ちゃん達のお父さんとお母さんは、とてもゆっくりした食いしん坊さんだね!」

俺は赤ゆっくり達にそう言って笑いかける。

「「「「「くいちんびょうちゃんぢゃね!!」」」」」

今さっきまでゆんゆん泣いていた赤ゆっくり達も一緒になって笑う。
大好きなお父さんお母さんが無事だった(笑)とわかって安堵しきっているのだろう。

「ゆっへへ・・・」
それを聞いて照れ笑いをする親ゆっくり達。

「よーし!じゃあ赤ちゃん達もお父さんとお母さんに負けないくらい
美味しいご飯とあまあまを一杯食べようか!?」

「ゆゆっ!?ちゃべゆ~!」
「りぇいみゅも いっぱいちゃべゆよ!!」
「まぃちゃも くいちんびょうにゃんぢゃじぇ!」

ご飯とあまあまの事を思い出し、その場でぴょんぴょん飛び跳ねながら喜びの声を上げる。
危機が去ったと思いこんで安心した親ゆっくり達も微笑みながらその様子を眺めている。


「でもその前に、お兄さんからお願いがあるんだ。」

「ゆ?」
「おにぇぎゃい?」
「やぢゃやぢゃ!ごはんしゃん!あみゃあみゃしゃん!」

早速駄々をこねている堪え性のない赤ゆっくりもいるが無視。
親ゆっくり達も何事かとこちらの様子を伺っている。

「うん・・・実はね・・・・・・お兄さん可愛い赤ちゃんとすーりすーりしたいんだ!」

念のため断っておくが、この場合のすりすりはゆっくり達が子作りのときにする
すりすりの方ではなく、親子や姉妹で親愛の情を示す時のすりすりの方だ。
断じて俺は変態お兄さんではないので誤解しないで欲しい。


「ゆ?しゅーりしゅーり?」

「うん、すーりすーり。お母さん達もいいかな?
赤ちゃんとすーりすーりさせてもらっても?」

と親ゆっくりに向かって尋ねる。

一瞬親ゆっくりは戸惑う。
人間とすーりすーりするなど今までに経験が無い。
そこまでゆっくり信用できる相手なのだろうか?
が、この人間は自分達を今のところゆっくりさせてくれているという誤った認識と
これから美味しい食事を貰えるという期待から気が緩んでいた親ゆっくりは
すーりすーりをさせても害はないと判断した。

「ゆっ!とくべつだよ!そのかわりにおいしいごはんをいっぱいちょうだいね!」
「おいしいあまあまもなんだぜ!」

「ハハハ、勿論だよ!お兄さんとすーりすーりしてくれた赤ちゃんには
一番美味しいご飯を上げるよ!さあ、どの子がすーりすーりしてくれるのかな?」

「「「「「ゆゆぅ~~!!」」」」」

"一番美味しいご飯"という言葉に期待に瞳をキラキラ輝かせる赤ゆっくり達。
我先にと飛び跳ねながら俺に近づいてくる。

そして一番に辿り着いたのは、さっき俺のお願いを聞きもしないうちから
「やぢゃやぢゃ」とか言って断った赤ちゃん、赤まりさだった。

「しゅ~り しゅ~り♪おにぃしゃんちょ、しゅ~り しゅ~り♪」

俺の靴にほっぺを押しつけすーりすーりをする。
靴越しなんで全然感触は伝わらない。

「ゆぇぇぇん!!!まりしゃ じゅるいよ~!!」
「りぇいみゅが おにぃしゃんと しゅーりしゅーりしゅりゅのにぃぇぇぇ!!」

遅れを取った他の赤ゆっくり達は泣き出してしまう。
当然ながら一番美味しいご飯にありつけなくなってしまった事を嘆いてるわけなのだが、
その理由とは別の理由で、この赤ゆっくり達は遅れを取ったことを嘆く権利がある。
何故なら今俺にすーりすーりしている赤まりさが一番の幸せ者だからだ。

楽に終われるという点で。


「しゅーりしゅーり♪」
「すーりすーり♪」

姉妹達が羨ましそうに妬ましそうに見つめる中、
赤まりさと一緒になって楽しそうに声をあげる俺。
姉妹達の心情を知ってか知らずか、
赤まりさと俺の楽しそうな様子に親ゆっくり達も嬉しそうな表情をしている。
ひゃあっ!ノッてきたぞぉ!

「よーし!お兄さんも赤ちゃんにすーりすーり♪しちゃうぞ!」

高らかにそう宣言すると俺はすーりすーりされている方の足を持ち上げた。


「ゆっ??」

突然すーりすーりの対象を失った赤まりさが困惑の声を上げる。
俺の足を探して周りを見回し・・・それから真上を仰ぎ見て"ソレ"を見つけた。

「ゆゅ・・・?ゆぺぇっ!?」

「すーりすーり♪すーりすーり♪赤ちゃんとすーりすーり♪」

楽しそうな俺の声に合わせて、すーりすーりを繰り返す俺の靴と、地面。
実際の擬音は『すーりすーり』よりは『ずしゃりずしゃり』
とでも表現した方が正しいかもしれない。

「「「「「「ゆ・・・・?」」」」」」

他の赤ゆっくり達と親ゆっくり達はその一語だけ発すると、
先程までの恨めしそうな表情や、嬉しそうな表情を
凍りついたように貼り付けたまま固まっている。
まるで目の前で起こっている事の意味がわからない、とでも言うかのように。


「すーりすーり♪すーりすーり♪し!しあわせぇ~っ!!」

歓喜の声をあげる俺。最後の「しあわせぇ」は芝居抜きのガチのしあわせコールだ。

「しあわせぇ~!しあわせぇぇぇぇぇ!!」

土蔵の地面の固い土を掘り起こさんとするかのように
靴をガシュガシュと激しく擦りつける。
その靴の脇から黒い餡子が徐々にはみ出して来た。


「ゆ・・・ゆ・・・ゆ゛ぎゃあ゛あ゛ぁ゛ぁぁぁ!!!!!!」

最初に口を開いたのは一匹の赤れいむだった。

「ゆぎゃあぁぁぁ!!!ばりざのがわいぃあがぢゃんがぁぁぁぁぁ!!!!」
「ぉぼっ!・・・どぼっ!どぼぉじでごんなごどずるのぉぉぉぉぉっ!?!?」
「れいびゅの いみょうちょがぁぁぁぁ!!!」

それを皮切りに次々と絶叫するゆっくり一家。

「おや?どうしたんだい?」

俺はその絶叫を柳に風と受け流し、涼しい顔で尋ねる。


「お゛に゛ぃざんが、れいぶのがわいいあがぢゃんをづぶぢだんでじょぉぉぉ!?!?」
「じねぇぇぇ!!!!ゆっぐりでぎないぐぞじじいはじねぇぇぇぇぇ!!!」
「ぢぢぃは ぢねぇぇぇぇぇ!!!」
「ゆげ・・・・ゆげぇ・・・・・」
俺に向かってゆっくり達の罵声が飛ぶ。
一匹の赤ゆっくりはショックで少し餡子を吐いている。

足下に視線と落とし、ひょいと赤まりさを踏みつぶしていた足を持ち上げる。
その下にあったのは、散乱する餡子とただのボロ布と化した黒い帽子の残骸、
そして散々に地面さんと仲良くすーりすーりさせられて、
かつての3倍くらいの面積にビローンと広がった赤まりさの饅頭皮。
あちこち破れてはいるがまだ目と口の形を残したそれは、
想像を絶する苦悶に歪んだ、赤まりさのデスマスクそのものであった。
はぁぁぁぁぁん!この顔堪んねぇぇぇ!!


「ゆっぐぅぅぅ!!ゆっぐじじないでざっざとじ

スウと息を吸って

「どおじであがぢゃんがじんでるのおおおおお(棒」

親まりさの罵声を遮るように、今度は俺が大声を張り上げた。


「「「ゆっ?!」」」

予想だにしなかった俺の台詞に事態を飲み込めず一瞬ゆっくり達の追及が止む。

「おにいざんはーあがぢゃんにずーりずーりじだだげなのにいい(棒」

その隙にまた大声を上げる。
うん。大丈夫。ハタから見なくても気色悪いというのはわかってるから。
心配しないで欲しい。大丈夫。俺は大丈夫。


「ゆっぎぃぃぃ!!
おっぎなにんげんざんのあじで ずーりずーりじだら、
あがぢゃん づぶでぢゃうにぎまっでるでじょぉぉぉ!?
ぞんなごどもわがらないのぉぉ!?
ばがなのぉぉぉ!?じぬのぉぉぉ!?」

故意の犯行ではない、そんな戯言を信じでもしたのか
親れいむが俺にわざわざ説明してくれながら非難の声を向ける。

「ごべんね゛えええ、あ゛がぢゃんごべんね゛えええ(棒」
「おにいざん、あがぢゃんのがらだがごんなによわいなんてじらながったんだよおお(棒」
「ゆるじでええええ。あがぢゃんゆるじでええええ。(棒」
「おどうざんとおがあざんもゆるじでええええ。(棒」
「おねえぢゃんだぢもゆるじでねええええ(棒」

両手で顔を覆い、泣き真似をしながら、
寺子屋時代の学芸会で
「森の木々の躍動感を演じさせたらお前の右に出るものはいない」
と先生に熱弁させしめた俺の迫真の演技が続く。


「ちらにゃかっちゃで ちゅみゅきゃ~ !!」
「ぢね!ぢね!ゆっぎゅりじぇぎにゃい ぢぢぃはぢね!」
「まぃちゃの いもうちょを ぎゃえぜぇ!!」
「ゆりゅちゃにゃい!ぜっちゃいにぢゃぁ!」

おっと今度は赤ゆっくりからの集中砲火だ。
びょんびょん飛び跳ねたり、ぷくぅと膨れたりして怒りを表現している。

「や゛っばりゆるじでもらべない゛よおおおお(棒」
「あがぢゃんだぢにぎらわれぢゃっだよおおおお(棒」
「ずっごぐおいじいあまあま、たべでもらおうどおぼっでだのにぃ、
ごれじゃもうだべでもらえないよおお(棒」

最後の台詞をひときわ大きな声で感情たっぷりに読み上げた後、
顔を覆った両手をずらしてゆっくり達をチラッ、と見る。

「「「「ゆ!?」」」」

案の定、"凄く美味しいあまあま"という言葉に反応して動きが止まっている赤ゆっくり達。

「ずっごぐゆっぐりでぎるざいごうぎゅうのあまあまだっだのにぃぃ(棒」
「おにいざんぎらわれぢゃっだがらだべでもらえないよおおおお(棒」

更にダメ押しをする。


「ゆ・・・ゆゆぅ・・・ちらにゃかっちゃんにゃら ちょうがにやいよにぇ!」
「ゆりゅちてあげりゅきゃら、おにぃしゃんも ゆっきゅりちようにぇ!」
「まぃちゃの いもうちょにょ びゅんまで、ゆっきゅりちゅるよ!」
「りぇいみゅは おにいしゃんにょきょと だいしゅきだよ?」

何、この逆転判決。
食い意地張りすぎだろお前ら。

「ありがとう赤ちゃん達・・・でもだめだよ・・・
お父さんとお母さんが許してくれないよ・・・
お兄さんが赤ちゃん達に近づいたらお父さんとお母さんが怒るよ・・・」

俺は顔を手で覆ったまま途切れ途切れに答える。
正直笑い声を抑えるのがしんどい。

「ゆっ!おきゃあしゃん!ゆっきゅり おにぃしゃんを ゆるちちぇあげちぇね!」
「ふきょうな じきょだっちゃんぢゃよ!」
「にくちみは、にゃにみょ うみゃないんぢゃよ!」
「おちょうしゃぁん!おにぃしゃんを おこっちゃやぢゃぁぁ!!」

一転して弁護側に回った赤ちゃん達に戸惑う親ゆっくり。
だが流石に親ゆっくり達は事故とは言え大事な赤ちゃんの命を奪った人間に対して
不信感を拭いきれないようだ。

「ゆ!このおにいさんとはゆっくりできないよ!あかちゃんたちゆっくりりかいしてね!」

と赤ゆっくりを嗜めようとするが、あまあまに目が眩んでいる赤ゆっくり達は
そんな親の言葉を聞こうともせず駄々をこね続ける。


「そうだ!お兄さんゆっくりの体を凄く丈夫にする方法を知ってるんだ!
お詫びに他の赤ちゃんの体を丈夫にして、
お兄さんが死なせちゃった赤ちゃんの分までゆっくりできるようにしてあげるよ!」

「ゆ!?あかちゃんをじょうぶに!?」
「それってゆっくりできるの!?」

「そうだよ!れみりゃにだって食べられないくらいに丈夫になれるよ!」

「「ゆゆ~!?」」

親ゆっくり達は相当にびっくりしているようだ。
れみりゃと言えば、人間の恐ろしさは理解していないバカ饅頭共ですら
自分達の天敵として畏れる捕食種のかりすま(笑)だ。
そのれみりゃですら危害が加えられなくなるのだとしたらもはや無敵、
いつまでもずっとゆっくりできるではないか。
餡子脳ならそう理解したとしても不思議ではない。
ようやく俺の提案を前向きに検討しようと考えた親ゆっくりは相談を始める。

「ゆゆぅ・・・どうするまりさ?」
「きまってるんだぜ!
あかちゃんたちをじょうぶにさせたら、このばかなにんげんをおどして、
まりさたちのどれいにしてやるんだぜ!
れみりゃでもたべられないくらいにつよいあかちゃんなら
みんなでかかったら、にんげんなんていちころなんだぜ!」
「ゆっ!さすがまりさだね!」

本人達はひそひそと話をしているつもりらしいが、
普段より声がわずかに小さいくらいなので俺からは丸聞こえなんですが。


「ゆ!おにいさんがころした れいむたちのおちびちゃんのことは、
ほかのあかちゃんにめんじて みずにながしてあげるよ!」
「だからおにいさんは、ゆっくりまりさたちのあかちゃんをじょうぶにするんだぜ!
あとまりさたちにも、すっごくおいしいあまあまさんをよこすんだぜ!」

憎ったらしい笑いを口の端に浮かべながら俺に赦しを施す親ゆっくり。
ちゃっかり自分達にもあまあまを要求することも忘れない。

「ありがとう!ありがとう!じゃあすぐに準備するからちょっと待っててね!」

そう言いながら俺は土蔵を飛び出した。

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三分ほどしてから、俺は予め母屋に用意しておいた虐待道具一式が入った木箱を抱えて
土蔵に戻ってきた。

「おそいんだぜ!ゆっくりまちくたびれたんだぜ!」

親まりさに責められた。
あんまり早く戻ってくると初めから準備しておいた事がバレてしまうと思い、
はやる気持ちを抑えて時間を潰してから来たわけだが、
饅頭に知性がある可能性を考慮した俺がバカだったようだ。

「ごめんごめん!すぐ始めるからね!」

木箱を床に置くとそこからブリキ缶を二個取り出して蓋を開ける。
両方共に透明な液体がたっぷりと入っている。


「さあ、どの赤ちゃんから始めようか?」

「「「「ゆ・・・」」」」

赤ゆっくり達が互いに顔を見合わせる。
先程真っ先に名乗りを上げた赤まりさが不幸な事故とは言え、
あんな結果になってしまったことがトラウマになっているのであろう。

暫く逡巡していたが一匹の赤れいむが名乗りを上げた。

「ゆっ!れいみゅは おねいちゃんぢゃから れいみゅが いちぇばんぢゃよ!」

どうやらこいつが長女れいむらしい。


「よーし、じゃあれいむちゃんからだ!」

差し出した俺の手にぴょん!と飛び乗る赤れいむ。

「ちょっとだけチクッとするよー。」

「ゆゆっ!?いちゃいのやぢゃあぁぁぁ!」

まだ何もされていないのに泣き出して俺の掌の上でジタジタと暴れ出す赤れいむ。
構わずに赤れいむを指で軽く摘むと、素早く木箱から竹串を取り出して
赤れいむの底部に突き刺し、頭頂部まで一気に貫通させた。
その様はまるで串団子のようだ。

「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「「あがぢゃああぁぁぁぁん!!!!!」」
「「「いやぢゃぁぁぁ!!!おねいぢゃんが ぢんぢゃうぅぅ!!!」」」

心地よいゆっくり一家の絶叫を聞きながら、
赤れいむを刺した竹串を一方のブリキ缶にドポッと浸けると
当の赤れいむの絶叫だけ聞こえなくなる。
そのまま竹串を液体の中で何回かクルクルと回してから竹串を引き上げた。


赤れいむの全身は水飴のようなドロリとした透明な液体に包まれていた。
いまだ絶叫をあげ続ける赤れいむの大きく開いた口にも、
液体がたっぷりとまとわりついている。
赤れいむの顔が上側を向くように竹串を持っているため、
赤れいむが悲鳴を上げても粘性の強い液体は零れ落ちることもなく、
赤れいむの口を塞いだままだった。

その液体の正体はゴム系の成形剤だった。
そして残るブリキ缶の中の液体、こちらは水のようにさらさらとした液体、
そちらに赤れいむの刺さった竹串をボチャンと浸ける。
今度はすぐに竹串を引き揚げる。
こちらは成形剤とセットで使用する硬化剤だった。
しかも瞬時に反応して数秒で硬化する優れものだ。
あっという間に赤れいむを覆っていた厚さ5ミリ程のゴム層は中まで硬化した。
最後に、竹串を引き抜き開いた穴の部分に瞬間接着剤を詰めて完全に密封して・・・

完成だ!

そこにあったのは、一言で言い表すなら
赤ゆっくりを封入した透明なスーパーボール、だった。



透明度の高いゴムは、先程竹串を刺された痛みに涙を浮かべたままの赤れいむの表情も
はっきりと見てとれる程だ。

「ゆぅぅぅ・・・いちゃいよぉ・・・・」

完全に封入してしまうと、赤ゆっくりの声が聞こえなくなるかもしれないと
危惧していたのだが、小声でややくぐもってはいるが、何とか聞き取れるレベルだ。
もともとゆっくり共は声が大きいから、それも幸いしているのだろう。

まったく隙間なくゴムで覆ってしまっているため、外部からの酸素供給はできない。
ゆっくりと言えども酸素無しでは生きられないのだが、
奴らは呼吸できない環境下に置かれても数時間~半日程度は生存していることが
各所での実験で判明している。

最近の研究でわかったことだが、どうも外部から酸素を摂取できない場合には、
自分の餡子の成分から酸素を抽出して摂取可能らしいのだ。
そのため、餡子内の酸素を使い切るまでの間は生存が可能という仕組みらしい。
体が小さく餡子量の少ない赤ゆっくりであっても、その分酸素消費量も少ないため、
生存期間は成体ゆっくりの場合と大差ない。
さきほど餡子を腹一杯食べさせて中の餡子も充実しているであろうし、
この赤ゆっくりも十分生き続けてくれることだろう。
少なくとも俺が直接手を下すまでの間は。


「おにいさん!れいむのあかちゃんをかえしてね!
ゆっくりしないでいそいでかえしてね!」

俺が赤れいむを串刺しにしたことを怒ったのか、
泣きながらぷくぅと膨れた親れいむが抗議する。

「痛くしちゃってごめんねぇ、赤ちゃん。
でもこれは赤ちゃんの体を丈夫にするために必要なことなんだ。
ゆっくり我慢したから後で美味しいあまあまさんをたくさんあげようね!」

「・・・ゆ・・・ゆぅ・・・・・」

まだ涙目のままだが、あまあまという言葉にようやく泣きやむ赤れいむ。
それを見て、ブルブルと震えていた他の赤ゆっくり達もようやく落ち着きを取り戻す。


「よーしいい子だね!
さあこれでれいむちゃんはれみりゃにも負けない丈夫なゆっくりになったよ!
どれくらい丈夫になったか見せてあげるね!」

そう言って俺は赤れいむボールを持ったまま、親まりさの前で座り込むと、
親まりさの帽子を持ち上げた。
大事な帽子を奪われたと思った親まりさが涙目になる。

「ゆゆっ!?まりさのおぼうし!かえ 『バチンッ!!』 ゆぎゃっ!!」

いきなりデコピンを喰らわされ、悲鳴をあげる親まりさ。

「いだいんだじぇぇぇぇ!!ばりざのあだまがぁぁ!!!あだまがわ゛でだぁぁぁ!!」

幾らゆっくりが脆弱とは言え、デコピン一発程度で皮が破れたりはしないのだが、
親まりさは致命傷を喰らったかのような勢いで泣き叫ぶ。
今まで散々デカい態度を取っていたくせに、どんだけ打たれ弱いんだコイツ。


「ゆぅぅぅ!!れいむもうおこったよ!!
もうあやまってもゆるさないよ!!れいむのまりさのあたまを・・・
・・・ゆゆ・・・?まりさのあたまわれてないよ・・・?」

愛するパートナーに振るわれた非道に、怒りを露わにした親れいむだが、
そこでようやくまりさの頭が少しへこんでいる程度でそれ以上の外傷がないことに気づく。


「ゆゆっ!?・・・ゆ・・・つよいまりさだから、なんとかたえられたのぜ・・・?
ふつうのゆっくりだったら、かくじつにしんでるのぜ・・・
・・・ゆっ!でもいたかったんだぜ!
じじぃはばつとしてまりさにあまあまをもってくるんだぜ!」

大げさに泣き叫んだ恥ずかしさに強がりを言って誤魔化そうとする親まりさ。

「そうかい、痛かったかい?」

「ゆっ!とってもいたかったんだぜ!!
まりさじゃなかったら、いまごろいたみにのたうちまわってるんだぜ!」

お前だって足焼いてなかったらのたうち回ってたろうに。


「じゃあ、この赤ちゃんにも同じ事をしちゃおっかなー?」

そう言って、赤れいむボールの目の前でデコピン発射態勢に入る。

「ゆぁーー!?やめちぇぇぇぇぇ!!!」

赤れいむボールが恐怖に引きつり泣き喚く。

「れいぶのあがぢゃんにひどいごどじないでぇぇぇぇぇ!!!」
「や゛べろぉぉぉ!ぐぞじじぃぃぃぃ!!!」
「おねぃちゃんをはなちぇぇぇぇ!!」

「だーめ♪」

バチィンッ!!!

親まりさへのデコピン以上に激しい音がゆっくり達の悲鳴を掻き消すように鳴り響く。
成体のゆっくりならともかく、皮の薄い赤ゆっくりでは、
例えデコピンでも致命打になりかねない。
ゆっくり一家は惨劇の予感に言葉を失って静まりかえった。

が、

「・・・・ゆ・・・・?・・・いちゃく・・・にゃいよ・・・?」

赤れいむボールが不思議そうな声を上げた。


「あかちゃん?!だいじょうぶ?!けがしてない?!」

自分の赤ちゃんが無事であることに驚きながらも、
親れいむが心配そうに矢継ぎ早に声をかける。

「ゆ・・・!りゃいじょうびゅぢゃよ!れいみゅ、じぇんじぇん いちゃくないよ!!」
それに元気な声で答える赤れいむボール。

赤れいむを包んだこのゴムは、通常のゴムよりも弾力性に富む性質を持っており、
厚さ5ミリ程度でも相当の衝撃吸収力を発揮する。
デコピンの衝撃などは完全に吸収してしまい、
恐らく中の赤れいむは撫でられた程にも感じていなかったであろう。
むしろ俺の指の方が痛い。


「ゆゅ~・・・ほんとう・・・?
ゆっ!すごいよ!れいむのあかちゃんはすごいがんじょうだね!
これならとってもゆっくりできるね!!」

親れいむは安堵の声を漏らし、それに続いて、
自分の赤ちゃんがとても強くてゆっくりできる子になった事に喜びの声を漏らす。


「見たかい!?強いまりさお父さんですら泣いてしまった、
お兄さんのスペシャル痛い攻撃を喰らっても、
れいむちゃんは痛くも痒くもないんだよ!
れいむちゃんは強いまりさお父さんなんかより全然強くなっちゃったよ!!」

「「「ゆゆ~!!おねいちゃんしゅご~い!!」」」

赤れいむボールに羨望と尊敬の眼差しを向ける他の赤ゆっくり達。

「ゆぅ~♪」

親れいむも嬉しそうだ。

「・・ゅ・・・」

父親の沽券丸潰れとなった親まりさ一人が複雑な表情をしている。


「ゆっ!!まぃちゃも!おにいしゃん!まぃちゃも ちゅよくにゃりちゃい!!」
「りぇいみゅがちゃき~!!」
「ちゅよくちちぇ!ちゅよくちちぇ!」

残る赤ゆっくり達は、自分達もお姉さんれいむと同じように
強くしてもらえるのだと思い出し、大喜びで俺に向かって飛び跳ねてくる。

「ちょっと待ってね。ちゃんと皆丈夫にしてあげるからね~」

そう。まだ実験が済んでない。
ゴムの厚さはこの程度で問題ないか、強度実験をしなければならない。
どの程度までなら耐えられて、そして、どの程度を越えたら耐えられないか、を。


俺は赤れいむボールを握るとスッと立ち上がり、その手を頭上に大きく振りかぶる。

「ゆゆっ!?れいみゅ おちょらを ちょんでるみちゃ~い♪」

キャッキャッと嬉しそうに喚く赤れいむボール。

左足を上げ、赤れいむボールを握った右腕を後ろに反らす。
そして次の瞬間、左足を一歩前に踏み込むと同時、
後ろに反らした右腕を正面に向かって一気に振り抜いた。

「ゆ~!とりしゃ--- ゆびゅっ!!!」

土蔵の壁に向かって思いっきり投げつけられた赤れいむボールが
鳥さんみたいなどと暢気に喜んだのも束の間、次の瞬間には悲鳴を上げる。
デコピン程度の衝撃ならともかく、固い壁に思い切り叩きつけられた場合、
インパクトの瞬間にゴムのボールは大きくたわむ事になる。
それはつまり、中にいる赤ゆっくりがその分押し潰されるということだ。

「びゅっ!!」
「ゆびっ!!」
「ゆげっ!!」

弾力性に富んだゴムでできた赤れいむボールは、
中身の大半は脆い饅頭であるにも関わらず、スーパーボール並の反発力を発揮し、
壁に当たった後もまだ勢いを失い切ることなくバウンドする。
土蔵の柱やら壁やらをいったりきたりし、その度に中の赤れいむの悲鳴が漏れる。


コロコロコロ・・・

何度かのバウンドを繰り返した後で、
ようやく勢いを落として地面を転がってきた赤れいむボールを拾い上げる。
ドキドキしながら、その中の赤れいむの様子を観察する。

「ゆびっ・・・!・・いちゃ・・・い・・・いちゃ・・・い・・ょ・・ゆっ・・・!」

衝撃にたわんだゴムごと体を何度も押し潰され、
痛みにピクピクと痙攣しながら涙を流す赤れいむ。
可愛い・・・・
なんて可愛らしいんだろう・・・

それほどのダメージを受けたにも関わらず、赤れいむの脆い皮は少しも破れてはいない。
何カ所か皮が薄くなって黒い餡子が僅かに透けて見えているところがある程度だ。


体を潰される程の外圧を受ければ、反動で圧力を受けた方向と別方向に内圧がかかる。
口などが塞がれた状態のゆっくりの場合、その内圧を皮で受け止める羽目になり、
その箇所の強度を超えれば、そこから破れて餡子を噴出してしまう。

だが、全身をゴムで包まれたこの赤れいむは口や目はおろか、
全身の皮すらもすっぽり外側から押さえ込まれた状態になっているため、
内圧に耐えることができるのだ!
なんと素晴らしいことだ!

これが人間や普通の動物であればそうはいかない。
例え外皮がダメージを受けなくても、体がたわむくらいの外圧が加われば、
その時点で内蔵や骨などに重大な損傷を受け致命傷となる。

しかし、中に餡子しか詰まっておらず、大量の餡子を喪失するか、
餡子が過熱や酸素不足などで"変質"して、ゆっくりの生命維持機能を失わない限り
基本的に死ぬことのないゆっくりにとっては致命傷とはならない。
無論、苦しいか苦しくないかは別の話。

つまりこの赤ゆっくりは俺の大好きな"踏み潰し"から命"だけ"を守る強靱な鎧を備え、
なおかつ存分に"踏み潰し"て痛みを与える事が可能な、
正に俺の夢の体現と言うべき『スーパー赤ゆっくりボール』となったのだ!






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最終更新:2012年08月06日 03:21
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