オレ設定注意
短編みたいなもの
のうかりん最強伝説
のうかりんランド①②③を見るともっと楽しめるはず。
テンプレネタなのでネタが被ってるかもしれない。てか被ってる
のうかりんランド外伝
「のうかりん達はテンプレ的ゆっくりをどのような対処をするか」
のうかりん。
ゆっくりの身でありながら、野菜を育てる事でゆっくりとするゆうか種。
今日も今日とて鍬で土を盛り返し、種を植え、水を与えて、雑草を抜き取る。
のうかりんの畑ではのうかりん以外にもゆっくりがいる。
色々な過去を持つゆっくり達だが、のうかりんの畑仲間である事は間違いない。
なぜなら彼女らはのうかりんと共に畑で働いている。
れいむは種を植えていた。
まりさは水を撒いていた。
みょんは土を掘り返していた。
ちぇんは尻尾を器用に使って野菜を抜き取っていた。
うどんげとてんこはバケツに水を汲んできた。
メーリン、れみりや、ふらんは畑の周辺を見張っていた。
ぱちゅりーは収穫した野菜を分別していた。
それぞれのゆっくりが仕事をする事で「ゆっくり」としている。
それはのうかりんランドを知らぬ人間とゆっくりから見れば異質に映るだろう。
だからこそ、それを狙うものがいる。
野菜は勝手に生えてくると思い込んでいる野良のゆっくり。
のうかりん達はそれをどのように対処しているのか?
それを見てみよう。
[テンプレ①おやさいさんはかってにはえてくるんだよ!]
「むーしゃむーしゃ…ししししししあわせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「やさいさんはほんとうにおいしいね!」
ここは木の下で作られたゆっくりの巣。
れいむとまりさという一般的なつがいは食事を取っていた。
それは虫や木の実といったものではない。
ダイコン、きゅうり、キャベツ。
それらは野菜であり、野良であるゆっくりだと食べることすらできない代物だ。
「にんげんさんがひとりじめしてるかられいむたちがたべなきゃいけないんだよ!」
「ゆっくりとおやさいさんをおうちでゆうがにたべる…ふ、せれぶたぜ…」
解説ありがとう。
さて既に分かってるかと思うが、この野菜は人間が畑で作ったものであり、れいむ達はそれを当然のように奪った。
野菜を勝手に生えてくると思い込んでいるテンプレゆっくりのれいむ達は人間はその野菜を独り占めしているゆっくりできない存在だと認識している。
それでいて、れいむ達にとって野菜を採って食べることは当然、特に可愛くてキュートなれいむはこんな美味しいものは食べて当然だと思っているぐらいである。
「でももっとたべたいね、まりさ!」
「こんなことならあそこをゆっくりプレイスにすればよかったぜ…」
この二匹にとって運が良かったのは人間の畑で食べ続けるのでなく、野菜を採って巣で食べた事だろう。
もし畑の主の前で「ここはれいむたちのゆっくりプレイスだよ!むーしゃむーしゃしあわせー!」なとどやった暁に一秒後には餡子の塊になっていただろう。
「そうだ!たしかちかくにおやさいさんがはえてるのがあったよ!」
「ほんとうかだぜ!?すぐにいくぜ!」
れいむは近所の美ゆっくりであるありすからこんな話を聞いたことがある。
曰く、「食べきれない程に野菜が生えているゆっくりプレイスがある」「ゆっくりが真に「ゆっくり」できる場所」
と聞いただけでゆっくりできそうなことだ。
しかしありすはその話を信じておらず、それに釣られたゆっくりは二度と帰ったこなかったと付け加えた。
「しょせんうわさていどね」と話を終わらしたありすであったが、れいむはそれを信じた。
帰ってこないのはそれはそれは素晴らしいゆっくりプレイスなのだろう。れいむの頭にはゆっくりが当然のようにゆっくりとしている世界を見た。
「ゆっくりいくよ!」
「おやさいさんをいっぱいたべるんだぜ!」
二匹が向かうはお野菜のたくさん生えたゆっくりプレイス。
ありすに教えてもらったそこはのうかりんの畑である、のうかりんランドであった。
「ま゛り゛ざぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!じっがりじでね゛ぇぇぇぇぇ!」
ガシッボカッ、まりさは餡子になった。あーんこ(笑)
さて、軽く一話は作れそうな旅を省略して無事にのうかりんランドにたどり着いた、れいむとまりさ夫婦は畑にある野菜に目を輝かした。
そしてそこに働くゆっくりたちもいるが、れいむは目にも入っていない。
「すごいよすごいよすごいよ!おやさいさんがいっぱい!」
「むーしゃむーしゃするんだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
我先にと飛び出したれいむとまりさは、
「ゆでぶ!」
「ゆべし!」
人間に蹴り飛ばされたように吹っ飛んでいった。
「ジャオーン!」
畑を遮るのは紅の髪と緑の帽子を被ったメーリンであった。
「ゆゆ!なんでめーりんがいるの!?」
「くずでのろまなめーりんはとっととそこをどくんだぜ!」
野良ゆっくりの間ではめーりん種はとてもゆっくりできない屑であると言われてる。
喋れない。
ただそれだけでゆっくり達はめーりんをいじめるのだ。(実際にはめーりん種は少ない中身でありながら高い知能を持っている)
そして夫婦もその例を漏れず、目の前のメーリンは野菜を取らせないゆっくりできないものとなる。
「ゆっくりしぬんだぜ!」
夫であるまりさは妻であるれいむにいい所を見せようとメーリンに体当たりを食らわせようとする。
「ジャオ?」
しかしメーリンはまりさの渾身の体当たりを回避すると、まりさに「その程度なの?」という顔を向けた。
「ゆぎぃぃぃぃぃ!めーりんのくせぃ!」
まりさはこれには憤怒すると、怒りに任せた体当たりをする。
「ジャオ!」
メーリンも体当たりの姿勢に入り、まりさに突撃した。
同時にぶつかる頭と頭。
「ゆぶぅ!!」
負けたのは柔らかい皮である、まりさであった。
めーりん種は普通のゆっくりとは比べ物にならない硬い皮を持っている。それこそれみりゃの牙すら通さぬ頑丈な皮。
そんなもので体当たりをすれば大半が柔らかい皮で構成されたゆっくりはひとたまりも無い。
まりさは自分の体当たりのダメージ+メーリンの体当たりで大ダメージを食らってしまう。
片目はとび掛け、餡子を口から漏れ出していた。
瀕死である。ほっとけば一時間も持たずに死ぬだろう。
「ま゛り゛ざぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!じっがりじでね゛ぇぇぇぇぇ!」
れいむは叫んだ。
最愛のまりさが屑のめーりんに殺されかけているのだ。
憎しみに塗れた瞳でメーリンを睨み付ける。
「ちーんぽ!?」
「しんにゅうしゃでもきたのー?」
畑からやってきたのは、みょんとちぇんだ。
れいむの声を聞きつけてやってきたのであろう。
「ゆ!みょん!ちぇん!まりさがくずのめーりんにころされかかってるよ!かわいいれいむとまりさをゆっくりたすけてね!」
れいむは畑からやってきたみょんとちぇんに助けを求めた。
こんなくずをゆっくりプレイスをおいておくなんてまちがってるよ!たすけなきゃれいむはおこるよ!ぷんぷん!
れいむの頭の中ではみょん達はゆっくりプレイスに住むゆっくり、屑めーりんを生かす変な奴、でも自分たちを助けてくれるというとても都合のいい事を考えている。
なぜそんな考えが浮かぶかは不明だが、野良ゆっくりはそんなものである。
力も耐久力も知恵も無い脆弱であるゆっくりは厳しい自然を生きるのに全てを都合のいいように考え無ければ生きていけないのだ。
「ちんぽちんちんちんぽー?」
「ジャオジャオー」
会話として成り立っているのが不思議な会話である。
特にみょんの喋り方には「ひわいすぎるんだね、わかるよー」とちぇんが突っ込むほどだ。
「なにやってるの!ゆっくりはやくめーりんをころしてね!」
れいむはイライラしていた。
せっかくたどり着いたゆっくりプレイスで殺されかけ(まりさが)、屑を生かしておくのが我慢ならなかったのだ。
「そのまえに一つききたいよー、なんでれいむたちはここにきたのー?」
「ゆ!ごきんじょのありすにきいたよ!ここはおやさいさんがいっぱいはえてるゆっくりプレイスだって!
だからはやくれいむたちにおやさいさんをちょうだいね!ここまでくるのにれいむたちはつかれたんだから!あとめーりんをころしてね!」
ちぇんの問いにれいむは胸を張るように答えた。
そう、ここはゆっくりプレイス。れいむたちがゆっくりするのに相応しい場所だ。野菜のたくさん生えた理想郷。それを邪魔なんてさせないで欲しいと訴えた。
「…そう。じゃあ次にきくよー。れいむはおやさいさんがかってにはえてるとおもう?」
「ゆ?…ゆ、ゆ、ゆゆゆゆふふふふふふふ!ちぇんはなにをいってるの!
おやさいんさんはかってにはえてくるんだよ!」
「ならえんりょはいらないみょん。ゆっくりしね」
みょんは木製の刀を取り出すと一瞬でれいむを真っ二つにした。
「ゆ?ゆゆゆゆゆゆ?」
なんで?れいむのからだが…。
切られた事すら分からないれいむはゆっくりと二つに分断されていく。
中枢餡子ごと切られたれいむはもう長くない。
な…んで?ゆっく…り、した…かっただげなのにぃ…。
だんだんと意識が薄れていく。
「やっぱり無知ゆっくりだったねー」
「ジャオ」
「目と言動で分かりやすい奴だったみょん。でもどっちかというとゲスに近いみょん」
みょん達はよくのうかりんランドの噂を聞きつけたゆっくりを見極める係であった。
野菜は勝手に生えるものではないと理解した上で真面目に働くならそれで良し。
先ほどのように無知からくる野良ゆっくりは肥料とする。ゲス寄りが多い野良に教えて働かせても役に立たない。
「じゃあちぇんたちは仕事にもどるねー」
「ちーんぽ」
「ジャオー」
三匹はそれぞれ分かれると自分の仕事に戻っていった。
のうかりんランドのありふれた日常であった。
[テンプレ②餌が無いから家族のお引越し!]
「これはとてもまずいわ…どうするの?れいむ」
「ゆゆぅ……」
別のゆっくりの巣にありすとれいむは呻いていた。
このありすとれいむは夫婦である。子沢山に恵まれて幸せ一杯であるはずなのだが一つだけゆっくり出来ないことがあった。
餌が足りない。
単純に二匹だけなら近場の木の実や虫、花や山菜などで十分に足りる。
しかし夫婦は子沢山、しかも赤ちゃんゆっくりと子ゆっくりは食べる量は少ないが回数が多いために餌の消費が馬鹿にならないのだ。
そのため近場の取れる餌は他のゆっくりもいる分と相まってすでに枯れかけている。
このままでは成体である親れいむと親ありすは耐えられてもちょっと断食でも命にかかる子ゆっくり達は洒落にならないだろう。
「どうしよう、ここもいいゆっくりプレイスだったけどごはんがないとゆっくりできなくなるよ」
夫婦の暮らす巣とその周辺は人間でも中々やってこない場所である。
それでいて野生動物や捕食者ゆっくりも来ない、餌も取れると言う事無しだったのだが生きるのに必要な餌が無ければ意味が無い。
「おひっこしするしかないわ…おちびちゃんをつれて」
「ゆゆ!だめだよ!おちびちゃんはまだちいさいよ!」
生まれた子供はまだ大きくてソフトボールサイズである。小さいのはピンポン玉より少し大きい程度。
ゆっくりの旅は危険なものだ。饅頭に過ぎないゆっくりにとって外の全てが死に繋がりかねない。
そんなゆっくりプレイスを求めての旅に脆弱なゆっくりを更に脆弱にした子ゆっくり達を連れて行けば全滅することは明白だろう。
「でもこのままじゃありすたちもおちびちゃんもみんなゆっくりできなくなるわ。だいじょうぶ、われにさくありよ」
「ゆ?」
ありすの語ったことはゆっくりプレイス。
野菜の沢山生えたとてもゆっくりできる場所。たくさんのゆっくりが住まう天国なようなゆっくりプレイス。
ありすの知り合いであるある美ゆっくりのありすから聞いた信じられないような理想郷。
「ここからだとすこしとおいけどだいじょうぶ、あんぜんなみちをしってるわ」
「ゆゆ!すごいよありす!」
ありすは美ゆっくりのありすから安全な道を細かく教えてもらっている。
しかしありすにも疑問が残る。なぜそこまで知っておきながらも自分は行かないのか?
その質問に対して「ここのせいかつもそれなりにきにいっているから」と答え、深くは追求しなかった。
事実、餌さえあればここは十分にゆっくりプレイスなのだから。
「じゃあ、あしたになったらおひっこしだね!」
「おちびちゃんはありすがはなしておくわ」
「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ!すごいわ!ここがゆっくりプレイスなのね!」
「おやさいさんがたくさん!へう゛んじょうたい!」
またまた軽く一話作れるような旅を省略してのうかりんランドにたどり着いたゆっくり達。
奇跡的に十匹近い赤ゆっくりと子ゆっくりを失わずにたどり着いたありすとれいむの目は輝いていた。
「みゃんみゃ…あれゆっきゅりできゅりゅるの?」
赤ゆっくりの赤れいむは親れいむの頭でそう呟いた。
「とってもゆっくりできるよ!あれをたべたらおいしくてゆっくりのしすぎであんこさんがフットーしそうなぐらい!」
「それはたのしみね!ママ、はやくいきましょう!」
「はやくてたべてみたいよ!」
家族たちは畑に近づこうとするが、柵に遮られて進む事が出来ない。
「ゆゆ!どうしよう、さきにすすめないよ!」
せっかくのゆっくりプレイスを前にして進むことの出来ない現実に「ゆがーん」とする夫婦。
「れいみゅならすすめるよ!」
「ありすも!」
「れいむもいくよ!」
柵の隙間を次々と潜り抜けていく子ゆっくり達。
成体サイズである親夫婦は抜けられないが子ゆっくり程度なら隙間から進めるようである。
「きけんだよ、おちびちゃんたち!すぐもどってきてね!」
「まだなにかあるかわからないわ!」
美ゆっくりのありすから聞いた話ではとてもゆっくりできる所と聞いているが、それでもここには来たばかりなのだ。
ちょっとした衝撃で生死に関わる子ゆっくり達を先に進めたらどんな危険があるかも分からない。
「だいじようぶだよ、おかあさん!」
「おやちゃいどきょ?」
「あれかな?」
子ゆっくり達は親の声を無視して土から生えた野菜に駆けつける。
「すごくいいにおいだよ!」
「とてもゆっくりできるわね!」
初めての野菜の匂いにとてもゆっくりできる子ゆっくり達。
「「「「「「「「「いただきまーす」」」」」」」」
野菜に集まった子ゆっくり達は野菜を齧りつこうとし、
「「「「「「「「「ゆぴぃ!」」」」」」」」」」
その体が原型を留めず吹き飛び、一瞬にして命を散らした。
「ゆ………?おちびちゃん?」
「ど、どこにかくれたのかしら?」
親ゆっくりの思考が追いつかない。
当然だ。目の前で子供達が残らず爆散したのだから。
「危なかったっぺ。あと一秒遅れたら野菜が駄目になるところだったぺ」
麦わら帽子を被った緑色の髪をした人型のゆっくり。
猟銃を構えたそれはのうかりんであった。
彼女は畑で仕事をしていると柵の外にいる見慣れぬゆっくりが目に入った。
そのゆっくりの子供が柵の隙間を潜り抜けると野菜に向かっていき、齧りつこうとするではないか!
まだ収穫時期ではない野菜を齧られると途端に駄目になる。
長く生きたのうかりんは一目見ればゆっくりが野良なのか、飼われたのかが分かる。
野良であれば全体的に汚れて、髪の艶がない。またゲスの類であれば死んだ魚のような目をしている。
人間に飼われたゆっくりは必要以上に甘やかさなければ皮と髪に艶があり、適度にモチモチとした皮である。
親子共々を野良と判断し、猟銃を構え、大気中にある薄い霊力を込め、今齧りつこうとする赤ゆっくりと子ゆっくり達に向けて撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ。
十数匹分の弾幕を放つと全てが着弾し、威力の薄い弾幕であっても饅頭に過ぎないゆっくりが弾け飛ぶ。
「ゆゆゆゆゆゆゆゆ??」
れいむはまだ思考が追いつかない。
「おちびちゃん…ありすのおちびちゃん?」
ありすの思考もまた追いつかない。
その突然すぎる別れに餡子脳はオーバーヒート寸前であった。
「ゆ、ゆ、ゆ、ゆがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!よくもよくもよくもよくもよおちびちゃ(パーン)ゆぶぉ!?」
「れ、れいむぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
れいむの右半分が消し飛ぶ。
のうかりんの猟銃がれいむを狙い打ったのだ。
続けてありすに向けて一発撃つ。
「びぶぅぅ!ばり゛ずの゛!ばりずの゛あ゛んよ゛がぁ!」
口より下を撃たれたありすはあんよ、つまり前底部を失ってしまう。
これでは逃げることすらできないだろう。
「今日は二匹、最近肥料が来るのが少なくなったぺ。せめてメーリンの所に来れば赤ちゃんを生け捕りにできたんだがなぁ」
「残念だべ」と言いながらのうかりんは柵を飛び越え、ゆっくりを掴むと畑の土に放り投げる。
中枢餡子が傷ついてないとはいえ、れいむは半分の体を、ありすは底部の大部分を失っている。
いくら中枢餡子が傷つかないか、もしくは大量の餡子を失わない限り生きていける不思議饅頭ゆっくりとはいえ重症といっていい程だ。
「ゆ…じね゛…じ…」
ベチャ
畑に戻ったのうかりんの鍬がれいむを砕いた。
畑と一緒に盛り返されるれいむの体は野菜を育てる肥料となるのだ。
(なんで…こんな、こと…に)
ありすは後悔していた。
引っ越さなければ、畑に行くなんて行かなければ、おちびちゃんをもっと強く止めてれば。
様々な考えが浮かび、後悔ができるありすは野良にしては頭のいいほうであった。
しかし後悔してからはもう遅い。
のうかりんの畑に入った命知らずの饅頭はどれだけ頭が良かろうと肥料になるしかないのだ。
(もう…いいや…)
ありすの心は諦めに入った。
愛する子供と伴侶を失い、ズタボロな体で出来ることなど何も無い。
潰され、その命が終えるまでありすはゆっくりとすることは無かった。
[テンプレ③雑魚ドス殲滅戦]
ドスまりさ。
ゆっくりまりさが突然変異を起こし、進化した超巨大饅頭である。
小さいもので2m近くあり、老成したドスの大きさは10mと桁外れ。
しかもドスには普通のゆっくりには無い特技を持っている。
ドスにしか生えないキノコを使う事でレーザーを放つ「ドスパーク」
ゆっくりとしたフェロモンを出すことでゆっくり以外の生物をゆっくりとさせる「ゆっくりオーラ」
そして特定の条件下でない限り、ゆっくり以外の生物から姿が見えなくさせる「ステルス」
まるで妖怪染みた能力を持っている。
しかしドスはあくまで突然変異でしか現れず、年に一匹か二匹の時があれば十匹現れたりする。
ドス自身はゲスでもなければ餌を必要としない。
そしてドゲスの類は人間によって狩られる。
単体なら人間以上の強さを持ってしても、知恵と群の強さを持つ人間には適わないのである。
そしてそのドスが四匹集まっている。
一つの群れに二匹以上のドスがいるのは非常に稀だ。
それが四匹もいるのは、元々群れを纏めていたドスに加えてまりさが一気に三匹同時にドス化したからである。
仲のいい三兄弟であったまりさ達はドス化したのを喜び、群れのゆっくりはドスが四匹もいることに喜んだ。
これでみんなはゆっくりできる。ドスがいればゆっくりできる。
それがゆっくりの共通認識。ドスがいればゆっくりはゆっくりとできる。
しかしドス達は困り果てていた。
餌が足りないのである。
ドスの群れは普通の群れに比べて安全であるのが多い。
その理由はドスの管理能力とドス自身の強さが関係している。
まず管理能力が高ければ、餌を無駄に消費しなかったり、群れの数を調整したりする。
強さは並みの動物すら狩れるドスである。ゆっくりの捕食者であるれみりゃやふらんを簡単に殺すことも可能だ。
そしてこのドス達は後者については申し分ないが、前者の能力が不足していた。
ドス三兄弟はまだドスの成り立てのためか、ゆっくりとしての癖や性格が抜けきっていない。
つまり統治者として甘いのである。己に優しいままのゆっくりがドスになる結末なんて分かりきってることだ。
群れの破滅。ゆっくりの自然でありふれたそれだけのこと。
『餌が足りないよ。取りすぎたんだ、枯れてやがる』
『仕方ないよ、群れを食べさせるのにいっぱい必要だし』
『でもこのままじゃ群れがゆっくりできなくなっちゃう』
ドス三兄弟は群れのためにと餌をどんどんと取りに行ってしまったツケが回った事に頭を悩ましていた。
『だから言ったんだよ…赤ちゃんを無闇に増やしちゃダメだって…』
3m近い大きさを持つドス三兄弟に比べて二周りも大きいドスはため息を付いた。
このドスは三兄弟がドスになった後、ドスに必要な事を教えると別の場所で新しい群れを作った。
一つの群れに何匹もドスはいらない。ドスは等しくゆっくりをゆっくりさせるべきだと考えているのである。
必要なことを教え、群れをドス三兄弟託した後、数ヵ月後に三兄弟から連絡が届いた。
それを聞いたときにはドスは頭を痛める。
ダメだ、こいつら…早く何とかしないと…
せっかく必要な事を教えた事を見事にスルーしているのだ。
ドスは餡子の量は桁外れに多い。そのために通常のゆっくりより頭や記憶がいいのはもちろん、中には人間並みに知能を働かせるものもいる。
しかしドス三兄弟の話を聞く限り、ドスの力によるごり押しと後先の考えない政策に群れの壊滅を垣間見た。
ちなみに教えた内容を大まかに分けると、
赤ちゃん及び、群れの数を調整する。多すぎればそれだけ餌の量が大きくなり、壊滅しやすい。
餌は取り過ぎない。必要以上に取ると枯渇して群れに飢えの破滅が来る。
人間と関わらない。協定なんて持っての他。触らぬ神に祟りなし。
野菜は勝手に生えない。人間が作った人間のものである。
人間の畑に入らない。野菜を取ったら群れごとの壊滅がある。
どれもこれも普通のゆっくりならば騒ぎ出すような事であるが、ドスはいくつもの群れを作ってきたから分かる。
こうでもしないと脆弱のゆっくりは生き残れないのだ。
当然、ドス三兄弟はこの教えに反発するが餡子の量が増え、知能が増加してるのからか、最後には納得をしていた。
(このままだと下手したら群れが馬鹿の手によって終わっちゃうよ…)
現実を知りながらも、ゆっくりをゆっくりさせるために汚い手を使うこともあるドスである。
話を聞かない、言うことを聞かない、群を乱すようなゆっくりは例え群れの仲間であっても排除してきた。
時にはドスが罠に嵌めてゆっくり達を人間の手で殺させる事で人間の恐ろしさを群れに教えた。
そんな冷徹で非情の決断できる事の出来ない、甘さの抜けないドスは破滅しか齎さない。
なまじ力を持っているが故に人間に見つかれば即排除させれる事だってある。
だからこそ、ドスを教えるリスクを減らすためにゆっくりの数を増えすぎないように数を調整し、
餌を枯渇させないようにしてゆっくりの無害さを無意識にアピールさせ、
無用なトラブルを起こさないように人間との関わりや野菜による群れの壊滅を避ける必要があった。
しかしドス三兄弟はまだドスの成り立て。
そんな自分も群れもゆっくりできなそうな事を許容できなかったのだ。
それに加えてゆっくりにありがちな無駄にある自信を持っている。
ドスはこれを見抜けなかった自分のミスに後悔していた。
『何言ってるの、ドス先生。赤ちゃんはとてもゆっくりできるよ!』
『そうだよ!群れも大きくなってとてもゆっくりできるよ!』
それが結果的に群れが終わることに気づいていない事にドスは心でため息を付く。
(さて、どうしようか。もうこの子達がドスとして群れを纏めたら壊滅しかならない。それはゆっくりをゆっくりさせるドスとしてもとてもゆっくりできない事だよ…)
心で色々な考えを浮かばせる。
その内容はドス三兄弟の排除。
群れを壊滅しか齎さないような無能なドスは不要である。
しかしドスが三匹、成り立てとはいえ一匹で相手するのは無茶がある。
ドスパークを真正面から当てれば一匹は排除できてもタイムラグのあるこの技では残りの二匹から攻撃を食らってしまう確立が高く、危険だ。
人間を利用して排除する案も出るが、これも危険だ。
排除自体は簡単に済むだろう。
人間は強い。ドスはそれを深く理解している。
力ではドスが上。耐久力もドスが上。ドスパークを食らわせれば消し炭にだって出来る。
それでも人間はドスを簡単に打ち破れる。
群としての生物の強さが軽々とドスを上回るのだ。
それなのになぜ危険なのか?それはドス三兄弟の後、他のゆっくりが狩られてしまう可能性があるからだ。
ドスというゆっくりにあるまじき力を有したものが三匹も人里を攻めたら、そのドスの群れにも被害が来る可能性がある。人間はやる時は徹底してやるのだ。
(んんー)
中々いい案が思いつかない。
ドスを三匹も排除できるとしたら人間かそれ以上の力を有した妖怪。
しかしそれだと群れまで被害が出かねない。
(あ、そういえば彼女がいたよ)
ドスの脳裏に浮かぶのは麦藁帽子を被ったゆっくり。
畑仕事をすることで野菜を作るドスの数少ない友人。
(最近きめぇ丸が言うには肥料が足りてないって言ってたし…うん)
考えが固まる。
友人であるのうかりんの畑にドスを送り、排除してもらうという考えが。
のうかりんの畑にはドス三匹分という肥料が手に入るし、ドス自身は無能ドス三兄弟を排除できる。
人間でいう一石二鳥となる。
『そうだ、ドス知ってるよ!人間さんのじゃないお野菜さんを!』
ワザとらしく、それでいてドス三兄弟が信じやすいようにのうかりんランドの場所を教える。
人間の怖さを教えてるドスはこの三兄弟が人間に近寄らないようにしている。
そして野菜は人間のもの、つまり野菜を取ればゆっくりできなくなるのも教えてる。
しかし逆に言えば人間の作ったものじゃない野菜ならば取ってもいいと教えるのだ。
これにより、ドス三兄弟は群れがゆっくりできる事に喜ぶ。
もう餌に心配しなくていいと。
それを見るドスは計画通りと言わんばかりに顔を歪める。
今日はもう遅いから明日から行ったほうがいい。それと群れのゆっくりは連れずにドスだけで行くと安全だよ、と言い残し、
ドスはのうかりんランドへと急ぐ。
まずはのうかりんへここまでの経緯とドス三兄弟が攻めてくるのを教える必要がある。
のうかりんが強いのを知っているが、万が一、負けてしまって友人が死んでしまわないように。
夜が明け、朝日が差し込む。
そんな朝早くからドスが三匹、ドスンドスンと地面が揺れるように鳴り響く。
ドス三兄弟ある。
元長であるドスから教えてもらった人間が育ててない野菜の生えた畑にドス達は移動しているのだ。
餌不足でピンチな状態から一転、思わぬ情報である。
『まったく、そんな場所があるなら早く教えて欲しかったよ!』
『でもこれで群れはゆっくりできるね!』
『早く赤ちゃんの喜ぶ顔が見たいよ!』
普通のゆっくりなら気をつけて進まなければいけない道でもドスが三匹もいれば恐れる必要もない。
野生の獣が現れてもドスパークでなぎ払うか、ゆっくりオーラで戦意を喪失させれば済むからである。
『見えてきたよ!あれかな!』
『あれがお野菜さんだね!』
『あれ?人間さん?』
30分ほど移動し続けてたどり着いた畑。
ようやくお目当ての野菜を見つけたと同時に人影が見えた。
「その醜い面を吹っ飛ばしてやるべ!」
銃声が響いた。
それと同時に左側のドス…三女に当たるドスの顔が抉れるように何かが貫いた。
『ま、ま゛り゛ざのい゛もうどがあ゛ぁぁぁぁ!』
『な゛ん゛でぇぇぇぇぇぇ!?』
即死。
声すら上げさせぬ一撃で一匹の始末が終わる。
だがこれで終わりではない。
「うー、ゆっくりしね」
「おまえのあいてはれみりゃがするんだどぉー」
二匹の肉まんあんまん姉妹が次女ドスに襲い掛かる。
いくらドスになったとしてもまだ若い彼女にとって、捕食者は恐怖が拭い切れない相手だ。
ゆ、ゆっくりオーラでゆっくりさせる??でもドスパークで…
目の前で妹が失ってそこから捕食者がやってきたために完全にパニックに陥っている。
姉妹が次女ドスを相手にしている間にのうかりんは長女ドスの始末にかかる。
『ゆ゛っぐりじね゛ぇ゛!』
口に生えたキノコを噛み砕き、レーザーのような火力を生み出す「ドスパーク」
当たってしまえば例えのうかりんといえども消し炭になって死んでしまう威力だ。
しかし当たればの話である。
ドスパークの弱点はまず連射が効かないこと、そして口から撃つため射線上にいなれば当たらないことである。
常に真横に移動すればドスパークは当たらない。
事実、長女ドスからのドスパークはカスリもしていない。
逆にのうかりんの猟銃から放たれる弾幕で攻撃を食らっている状態だ。
いくら普通のゆっくりと桁外れの皮を持っていても霊力で構成された弾丸を食らってしまえば唯ではすまない。
『なんで?!ドスは!ドスはみんなをゆっくりさせたかっただけなのにぃ!』
半狂乱になりながらのうかりんに襲い掛かる。
しかし目に見えるように弱まったドスではもはや万が一の勝利はない。
「みんなをゆっくりさせるなんて無理なことだべ。それはドスであるお前自身がよく理解してることだろう?
理解していないならお前はドスじゃないべ
ただの馬鹿だ」
限界まで霊力を込められた猟銃の銃口から光が溢れる。
餡子が残る範囲での全力撃ち。
レーザーのような弾幕が猟銃より放たれる。
撃たれた弾幕は長女ドスの目より上が文字通り消し飛んだ。
つまり頭部と帽子が無くなった長女ドス。
それでも生きている。なぜならあくまで上を消し飛ばしただけでゆっくりの生命線である中枢餡子は傷ついていないのだ。
それでも普通のゆっくりならショック死してもおかしくない。生きているのはドスの持つ並外れた生命力だからだろう。
『ゆっっっっっ!?!がっっ!?!?』
しかしいくら生命力が優れていても痛みがないわけではない。
想像できるだろうか?頭部がまるごと失い、脳と内臓に当たる中身を晒した痛みを。
『あ゛っあ゛っあ゛っあ゛っ?!』
発狂寸前、しかしゆっくりには発狂するという機能は存在しない。
それに近いものはあるが、それは所謂現実逃避、常に死ぬほど痛い苦痛が襲い掛かってる今は無理なこと。
長女ドスはこの瞬間、死ぬ以外に楽になる方法が存在しなかった。
「うー、おわった」
「かんたんだったどぉー」
姉妹のほうも終わっていた。
それぞれが手に握るのは餡子に染まった紅い槍と鈍器。
れみりゃとふらん特有の成長に加えて「ゆっくり」を知った姉妹の武器である。
霊力で構成されたそれはドスの皮を意図も簡単に切り裂くことが出来る。
現に姉妹の担当した次女ドスは切られてないほうが探すのが難しいほどボロボロにされており、黒い大きな帽子は原型を留めていない。
特に口が悲惨だ。唇の部分が存在せず、歯茎が剥き出しになって、歯は残らず折られている。
これではキノコを噛み砕いてドスパークを撃つのは無理だろう。口という土台そのものが破壊されている状態でもし撃ったら自爆しかねない。
ちなみに辛うじてだが生きてはいる。外側は破壊されつくしているが中身は傷ついていないからである。
「れみりゃ、ふらん、他の皆を呼んでくるべさ。さすがにドスの餡子は切り分けて運ぶしかないべ」
「うー、わかった」「よんでくるんだどぉー」
れみりゃとふらんは仲間のゆっくりを呼ぶために飛んで行った。
残されたのは三匹のドスとのうかりん。
『じに゛じにじに!?じに゛だぐな゛い゛?!い゛や゛ば!ごろ゛じで!!も゛ヴや゛ば!?ばばばばばば!?!』
長女ドスは狂ったように喚いていた。
死にたくない。まだ死にたくないよ。群れをゆっくりしてない。
死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!
いくら痛みに耐性が出来ているドスとはいえども既に精神は限界だ。
すでに死んだほうがましと考えるほどに苦痛に呑まれている。
壊れてしまえば楽なのに、発狂してしまえば楽なのに。
ゆっくりという身がそれを許してくれない地獄のループとなっていた。
「随分と苦しむなぁ…まぁ安心してけろ。体を刻まれて、解体されて、最後の餡子が磨り潰されるまでの我慢だべ」
今からドス三兄弟の体は解体されてその餡子は畑の肥料となる。
しかし量が量である。
この大きさを消費し尽し、最後の中枢餡子までどれだけの時間と苦しみがかかるだろうか?
「突然のドス三匹の排除は驚いたけれんど…友人の頼みならしかたねぇべさ」
『…ゆ?』
長女ドスの苦痛が一瞬だけ消えた。
友人?今ドス達の排除が友人の頼みと言ったか?
ならドス達がここまで来るのを予め分かっていたのか?
再び激痛が襲い掛かる。
叫び声の煩さにのうかりんの猟銃の弾幕が長女ドスの口を吹き飛ばした。
『……!!…?!』
「ああ、お前さんは知らなかったんか。お前の知っているドスがいるだろう?あれ、おらの友人だべ。
最近ゆっくりが来なくなって肥料が少なくなっていた所に突然の頼みだったけど、おらとしては助かったべ。
理解したか?お前さんは売られたんだべ。無能のドスが群れを率いるなんてあいつからすれば我慢できなかったんだべさ」
信じられなかった。
激痛に苦しみながらも自分たちの先生が、元長、ドスが…裏切るなどとは。
『…!!』
「お?信じられない顔をしているな?ま、信じるのも信じないのもお前さん次第。
お前さんたちがおらの畑の肥料になるのは変わらないっべ」
れみりゃとふらんが戻ってきた。
畑で働くゆっくり達を集め、これからドス三兄弟の解体作業が始まるのだ。
これもまた、のうかりんランドのありふれた光景の一つであった。
おわり
あとがき
よくssで現れるテンプレを問答無用に潰すって話。
消化し切れてないorしなかった部分のQ&A
Q.美ゆっくりのありすって何者よ?
A.ゲスゆっくり。見も蓋も無い話でゆっくりを間引いて自分だけゆっくりするタイプ。生き残るためなら何でもするって奴。
Q.三兄弟の収める群れはどうなったの?
A.元長のドスが再び長になった。増えた分を事故という形で間引いてる。ちなみに三兄弟の後に築いた群れと合流済み。
Q.元長ドスってゆっくりが馬鹿なのを知ってなぜ長を続けるの?馬鹿なの?死ぬの?
A.諦めきれないだけ。もはや意地の域。何が何でもゆっくりさせるぜ!
Q.省略されたれいむまりさ夫婦orれいむありす家族の旅とかいずれ書くの?
A.書く気しないので各々想像でよろしく。つかゆっくりが死なない旅なんて誰得。
ここまで読んでくれてありがとうね
次はちるのの話かなぁ… ⑨あたいのでばん?!
最終更新:2011年07月30日 01:17